サッカー百鬼夜行

第10節 対ジュビロ磐田
2001.5.19(SAT) ジュビロ磐田スタジアム

ジュビロ磐田 2v-1 コンサドーレ札幌
高原【89分】
大岩【102分】
0-0
1-1
1-0
和波【63分】
スターティングメンバー
ヴァンズワム GK 洋平
秀人
マコリン
大岩
DF
殿
健作
西
福西
服部
平野
俊哉
MF タブチ
ノノ
三平
三沢
長作
山瀬
二等兵
ゴン
FW バンバン
平野→金沢【63分】
西→のぶお【71分】
交代 和波→森川【84分】
山瀬→黄川田【87分】
バンバン→中尾【89分】

試合の感想
 出来れば来てほしくなかったこの対戦。相手はアジア王者・ジュビロ磐田です。母体は静岡の名門・ヤマハ発動機で、初年度からのJ参加が認められずにJFLからのスタートとなりました。同年JFLを制して翌年Jリーグへ昇格してからは「メンバーは揃っているけどまぁそこそこのチーム」といった感じでしたが、闘将ドゥンガによって「戦う精神(通称・前へ前へ)」を叩き込まれて97年にステージ優勝を成し遂げてからは安定した強さを発揮、常に人気・実力ともバツグンのチームとしてJリーグを牽引しています。
 とはいえ、メンバーのほとんどが何らかの代表経験者というまさに日本を代表するクラブであってもやはり弱点というのがあるもので、このチームはなぜだかあんまりゴールキーパーに恵まれないというカルマを背負っています。でも初優勝の前年までディドがいてたり。

 と言うわけで、先日発表されたコンフェデレーションズカップの第1次メンバーに、秀人以外のレギュラー全員が選ばれた磐田のスターティングメンバーですが、奥が黄紙累積で今節出場停止、さらに名波がケガで欠場。とはいえ、このチームの場合レギュラーが3人4人欠けたとしても、代わりに出てくるメンバーは他のチームであればレギュラーの座に納まっているであろう選手ばかり。今更ながら金太郎飴のようなチームです。
 対する札幌は、いろんな意味で大黒柱の俺王様が右膝のケガが完治せず、機械の体を手に入れるためにアンドロメダに出発したため遠征メンバーから外れ、前節欠場したバンバンの代わりに先発した深川も試合中に肋骨を骨折していたため戦列を離れてしまいました。そのバンバンは復帰したものの負傷明けでベストコンディションは望めません。
 ただでさえ厚くない選手層の中の相次ぐ主力選手の故障に、岡ちゃんは中尾を今季初めてベンチ入りさせ、バンバンの1トップに山瀬とアウミールを2列目に並べる苦肉の策。最強・磐田に挑むにはいささかフェロー諸島なメンバーに、札幌サポーターは「いや、相手がどこであろうとやるからには負けたくねぇ」と意気込みつつも、一方ではこれから世界で戦おうというチームを相手に行われるであろう修羅場、たとえるならば夜中に寝ているカミさんの鼻の穴に指を突っ込んで起こした時に勝るとも劣らない惨劇を覚悟しながらキックオフ。

 シーズン開幕当初から頼ってきた「ボールは全て俺のもの」という俺キープが使えず、文字通りスレン王を失ったボコスカウォーズのような札幌は、徹底してボールを奪ってから簡単に前に送るリアクションサッカー。とはいえ、磐田のほうも自慢の「N-BOXシステム」の核となる名波を欠いているために微妙にバランスが崩れており、双方惜しいチャンスを迎えながらも双方体を張ったディフェンスでしのぎ、前半は0-0で終了。
 つうか、最初っからスコアボードの表示が「磐田1-0札幌」となっていたのは本日最大の謎でした。前半30分くらいまでそのままでしたけど、なんでですか? ハンデですか? ヒョンデですか? モンテですか? 念仏ですか? オーオオオーオーオーオオ!

 岡ちゃんはおそらく、アウェイで磐田に勝つには「前半を無失点に守りきって後半ワンチャンスを狙う」というプランだったはず。その常識的なプラン通りに事を進めている札幌に少しでも貢献したいオレは、ジュビロ磐田スタジアムがサッカー用なのをいいことに相手GKの集中を削ぐために一発いじってやろうとするも、そういえば磐田のキーパーは外国人じゃん。日本語通じねぇよ。仕方ないので「アニョハセヨ~」と言ってみましたが、オランダ人に韓国語が通じるはずもなく作戦失敗。
 さて、キーマン名波がいないという事実以上に、前半戦術なんぞお構いなしに縦横無尽に動き回ってはバランスを崩して玉砕していた平野がそのままピッチ上にいるのを見て勝利の予感を沸かせたオレ。磐田はゴール前までは行くもののそこから先の工夫がなく、札幌のカウンターが徐々に威力を発揮しはじめます。そして後半13分、ドリブルで突破を計ったバンバンを後ろから倒したマコリンが2枚目のイエローで退場すると一気に押せ押せムード。その6分後の後半19分には、ようやく復調気味の田渕が挙げたクロスにドフリーの和波がファーで合わせて先制します。ああ、最後に獲得したのが平野じゃなくて和波でよかったよ!
 その後も何度かチャンスを迎えますが磐田の必死のディフェンスにくい止められ追加点ならず、岡ちゃんは後半40分近辺から守備のあまり得意でない和波を森川に、後半消えていた山瀬を黄川田に、そしてカルシウム不足でイライラしっぱなしのバンバンを中尾に、場を読む能力不足で口が滑りっぱなしの森喜朗を小泉純一郎に代え、1点を守りきる作戦に出ました。

 ロスタイムに時間稼ぎに入り首位磐田からの勝点3獲得も目前の札幌でしたが、岡田主審ももう笛を吹こうかとする間際、ボールを持った服部が「とりあえず蹴ってみた」ボールは、名塚の肩口から飛び出てきた高原の頭に当たり、そのまま洋平の脇を通過してゴールイン。そりゃいくら洋平だって、あんなのが背後霊のようにいきなり出てきたら一瞬たじろぎもしよう。とにかく、最後の問題で篠沢教授に全部というギャンブルが当たったかのような得点で同点に追いつかれてしまいました。
 打てる手は全て打ち尽くして9割9分手中にしていたはずの試合を振り出しに戻された札幌が、死んだと思っていたら生き返ったロビンマスクのような磐田をもう1度突き放す余力があるはずもなく、結局延長前半に服部のFKから大岩に決められ沈没となってしまったのでした。

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