サッカー百鬼夜行

第11節 対名古屋グランパスエイト(テレビ観戦)
2001.6.16(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 2-2 名古屋グランパスエイト
ウィル【17分】
ウィル【88分】
1-0
1-2
0-0
0-0
ストイコビッチ【81分】
福田【89分】
スターティングメンバー
洋平 GK 楢崎

殿
健作
DF ボリビアン
西澤
アシスト王(敵への)
大森
タブチ
ノノ
森川
長作
三沢
MF 古賀
山口
ウリダ
タッキー
深川
俺王
FW ウェズレイ
ピクシー
深川→黄川田【60分】
三沢→優津樹【85分】
ノノ→曽田【97分】
森→瀬戸【104分】
交代 ボリビアン→福田【45分】
大森→酒井【72分】
タッキー→原田【76分】

試合の感想
 約1ヶ月の中断を挟んで再開されたJ1リーグは、名古屋グランパスエイトをホーム厚別に迎えての一戦です。名古屋美香は会員番号9番でした。Jリーグ開幕当初は親会社・トヨタの潤沢な資金を背景に、リネカーをはじめとした大勢の外国人選手の入団で話題を集めながらも常に下位争いを繰り広げるという、どちらかと言えばギャグに金をかけた格好のチームでした。しかし96年にアルセーヌ・ベンゲル氏(現アーセナル監督)を監督に招聘してからチームは生まれ変わり、ベンゲル氏が去った後も強豪として数えられるに至っています。
 天皇杯2度優勝の実績が示すとおりトーナメントでは滅法強いですが、リーグ戦となるとなぜかその抱えているメンバーのポテンシャルに見合った成績を残せておらず、とんちはあざやかで一級品だけどけんかはからっきしの三級品、と言えないこともありません。特に今年は、この1stステージ限りで「最後の大物」ストイコビッチが引退することが決まっており、その花道を飾る決意は並々ならぬものだったはずですが、延長突入が多いという体質は今年も変わっておらず、会社に10時まで残ってソリティアに励む「なんちゃって残業」を得意とする課長と同じテイストを感じます。

 さてその名古屋を迎え撃つ札幌ですが、黄紙累積で出場停止のバンバンとビジュはいねぇわワールドユースに出場するU-20代表にドナドナされた山瀬と藤ヶ谷はいねぇわ今野はまだ骨折の療養中だわ、松山千春と中島みゆきを同時に聞いた時くらいの哀しさがこみ上げてくる状況の中、スカパーの画面に表示されたスターティングメンバーは、ゴールキーパーに洋平、ディフェンスラインも大森・名塚・森といういつもの3バック、ダブルボランチにノノとビジュの代わりに森川が入り、両サイドに和波と田渕でトップ下にミールさん、右膝の治った俺王様と出場停止のバンバンの代わりに肋骨折の癒えた深川という布陣。続いて実況の八塚さんの「控えのメンバーはご覧の通りです」という言葉と共に画面に表示されたベンチ入りメンバーは、佐藤洋平、森秀昭、名塚善寛、大森健作、田渕龍二。
 選手層は決して厚くはない中で主力が出られないのはかなり痛いとはいえ、「何かが起こる」といわれる厚別での試合に魔将・岡ちゃんは、コピーロボットまで投入する恐るべき策を取ってきました。そりゃ彼らが2人ずついりゃいいとは思うけどさ。

 というわけで、大分で共に戦った俺王様と平岡がカッコいいハイタッチをかわしたり、金髪に失敗して髪の毛が緑色になったアニメチックな森川が間違った注目を集めたりしながら試合はキックオフ。札幌は守りを固めてカウンターを狙ういつもの通り作戦です。前半17分にそのカウンターが見事にはまって抜け出した俺王様が古賀に倒され、ペナルティーエリア前の好位置でフリーキックをゲット。ブラジル放牧で重め残りが心配された俺王様でしたが、プレースキックなら多少太くても関係ないとばかりに蹴ったボールは日本代表GK・楢崎が伸ばした手の先を通過してゴール右隅に突き刺さりました。ワールドクラスはちょっと言い過ぎとしても、少なくとも足立区クラスならば凌駕しているといっても過言ではない俺王様のフリーキックで先制します。
 先制後も素早いプレスでピクシーを含めた名古屋の攻撃陣を自由にさせず、遠目からのシュートしか許さない素晴らしいディフェンスを披露し、この調子なら1点でも逃げ切れると思えるくらい危なげなく前半も終了。

 ところが後半、25度というこの時期の北海道にしては珍しい暑さに体力を奪われたのか、前半で電池を使い果たしたかのごとくガッツリ動きの量が落ちた札幌。前半あれだけコンパクトに保っていたラインは見る影もなくなり、プレッシャーもかけられなくなってしまいます。セカンドボールも奪えず中盤にスペースを与え攻められっぱなし。失点も時間の問題と思い始めた後半36分、ペナルティエリアに進入してきたウリダを森が後ろから引っかけてPKを献上してしまいます。キッカーを務めるのはピクシー。「弘法も筆のあやまり」を期待したオレでしたが、残念ながら洋平が「まな板の鯉」でした。
 一向に劣勢が挽回できないため、流れを引き寄せるため選手交代に活路を見いだそうとした岡ちゃん。後半15分に黄川田を、失点の後に優津樹を次々に投入してだけでは飽きたらず、この日ちょっと不可解な判定の多かった辺見主審まで交代させるこれぞ前代未聞の岡田マジック。「何かが起こる」といわれる厚別ではやはり何かが起こります。つうか起こりすぎです。
 後半に入ってから全然得点の予感がなかった札幌ですが、その積極策の直後、味方からのバックパスを受けた楢崎が「佐藤洋平よ、俺が日本代表の楢崎正剛だ!」とばかりに思い切りテンプラ。これのボールを俺王様が叩き込んでラッキーな勝ち越し点をゲット。いつもはあまりフォアチェックをしないのに、この時ばかりは何となくチェックにいき、見事に千載一遇のチャンスをものにした俺王様。あなた、ひょっとしてニュータイプ?

 札幌の選手もこれで勝ったと思ってしまったのか、試合終了間際に福田のチョロシュートが決まり同点とされてしまいます。ロスタイムに追いつかれて逆転された1ヶ月前の磐田戦よりも、俺王様が先制してPKで追いつかれて終了間際に俺王様がまた決めて勝った前回の厚別での鹿島戦を思い出してしまったのか、また同じ失点の仕方をした札幌に、主役を追いつめつつも最後にはやっぱりやられてしまうドロンボーの姿を重ねつつ、延長が好きな名古屋課長におつきあい残業に突入。
 延長戦は名古屋の決定的なチャンスを洋平が神懸かり的なセーブでゴールを割らせませんでしたが、札幌も同じくらいチャンスに決められず、結局試合はドローに終わりました。磐田戦の教訓が生かされずにまたもロスタイムの失点で勝ちを落とした札幌は、ボスから「おしおきだべー」といわれても仕方がないのではないかと思います。

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