サッカー百鬼夜行

第14節 対アビスパ福岡
2001.7.14(SAT) 博多の森球技場

アビスパ福岡 0-2 コンサドーレ札幌
  0-1
0-1
ウィル【7分】
ウィル【78分】
スターティングメンバー
神を見た男 GK 洋平
へらじま
河口
小島
ヤストシ
DF
殿
健作
野田
バデア
中払
久永
MF タブチ
ノノ
ナメック星人
三沢
山瀬
山下
服部
FW バンバン
俺王
服部→ビアージョ【55分】
中払→エロ【80分】
交代 バンバン→マサシ【71分】
三沢→長作【80分】
健作→森川【89分】

試合の感想
 1stステージも残すところあと2節となりました。最後のアウェイ戦の相手はアビスパ福岡です。1995年、藤枝ブルックスを福岡に誘致し「福岡ブルックス」がいつの間にか誕生、Jリーグが最初の転換期を計りつつあった96年にいつの間にか昇格し、「アビスパ福岡」へいつの間にか名称を変更、下位の常連だった時代を経て昨年の2ndステージではいつの間にか6位へと順位を上げ、ホームスタジアムである博多の森球技場もいつの間にかお客さんで溢れるようになりました。
 98年のJリーグの2部制移行の際は最後の最後まで札幌と1部残留を争い、結局その争いに敗れた札幌が「Jリーグ史上初のババ抜きに負けたチーム」として歴史書に名を残すことになったのはご存じの通りです。

 さて、札幌と同じく現在3連敗中と元気のない福岡は、別の意味でもっとも危険な男・前田が出場停止。ビスコンティもいまだケガから戻ってきておらず、攻守の要を欠いた状態。そんな福岡の1stステージのホーム最終戦となる博多の森球技場は、札幌にとって過去4試合で1勝もしてないどころか、ただの1点すら挙げたことのないスタジアムです。いや九州といえば大分市陸だって1点も取ってないどころか-1点(←森のオウンゴール)ですけど、その鬼門で行われる開幕戦以来勝ち星のないアウェイ戦、しかも真夏の試合でかつ不慣れなナイトゲームとくれば、これ以上ないってくらい何ともな条件が揃ったってモンです。
 唯一の慰めと言っていいのは札幌に今野以外にケガや出場停止の選手が1人もいないことくらいですが、ここにきて岡ちゃんは攻撃のテコ入れとして、アウミールをベンチに下げ、左サイドに和波を先発で起用、トップ下に山瀬という思い切った策を取ってきました。

 というわけで、J1最北端と最南端という僻地な都市をホームタウンとし、共にホームゲームには多数のサポーターが詰めかけ、お互いに武闘派チーム、そしてお互いに目標はとりあえず1部残留と割と共通点の多いチーム同士ながら、普通のサッカーファンであれば、両チーム合わせた22人のスタメン中知ってる選手は恐らく2人くらいしかいない、つうかどちらも一番有名なのは監督というくらいマイナーな、いわばテリーマン対魔雲天のような試合が始まりました。
 試合前は予想通りの蒸し暑さでしたが、キックオフとほぼ同時に雨が降り始めてきました。そのお陰かそれともこれでもかと言わんばかりの悪条件連発の状況に却って開き直ったのか、チーム全体に迷いが見られたここ数戦と違ってこの日は序盤から先手必勝と言わんばかりにアグレッシブに仕掛けていきます。何よりも雨に滅法強い俺王様の俺ゴールの期待が膨らむ前半7分、左サイドでバンバンがポストになって流したボールに和波が相手DFをチギッて走り込み、グラウンダー気味のクロスを入れます。そこに待ちかまえていた俺王様が左足でしっかり合わせてゴール。
 バンバンが出した「そりゃいくら何でもキツいだろう」というボールに追いつく韋駄天ぶりを発揮した和波に、その後も札幌は集中的に左サイドを狙い続けるという「走れトモヒロ作戦」を敢行。逆サイドの田渕へサイドチェンジしながらしつこく揺さぶりをかけ続け、かたや守備陣も速いプレッシャーで遠目からのシュートしか許さず、ほとんど危ないシーンもないまま前半は終了します。

 後半になるとさすがに札幌に疲れが見え始め、ボールを福岡に支配される時間が続きます。福岡の拙攻に助けられてはいたものの、危ない場面も作られるようになりました。たまらず岡ちゃんは後半26分にバンバンに代えて大黒を投入。久しぶりの出番に大いに発奮したのか、見ている我々にもよくわかるほど気合い充分に出てきた大黒は、なんとワンワンディフェンスを披露。なんか山瀬が2人いるみたいです。
 で、その大黒が何となく空回りっぽいながらもがんばっているのが効いたのか、それから10分もたたないうちにカウンターから田渕のロングパスを受けた俺王様が右サイドでボールをキープしながら、一瞬前に出た塚本の動きを見逃さずに左足を振り抜くと、放たれたボールはそのままゴールの中へ。サポーターの目の前でコンサドーレのエンブレムを指差す生俺王様のパフォーマンスにしびれるサポーターの陰で、前半「実はシゴキ?」などと思ってしまうほど犬のように走らされ続けたおかげか、後半は見事な消えっぷりを見せていた和波はまるで放置されるという徹底的なシゴキにあっていました。
 誰が見てもヘロヘロの和波が足をつらせた段階でようやく岡ちゃんはアウミールを投入、和波はやっと苦行から解放されるに至ったのでした。
 ところが交代で出てきたミールさん、物静かな彼もスタメン落ちに少なからず燃えるものがあったのか、よせばいいのに攻める気マンマン。「違う! 違うよミールさん! キミにはライン際でキープして欲しいの!」とゴール裏から叫んでも、ミールさんは鎖から放たれた犬のように前へ前へと猛プッシュ。チクショウ、和波といい大黒といいミールさんといい、なんかウチのチーム、知らない間に妙に犬っぽいのが増えてるんですけど。

 とりあえずその後は健作が足をつらせるなど何度かDF陣が破綻しかける場面もあったものの何とか福岡にゴールを割らせず、心配されたロスタイムも3分間をしのぎきり、アウェイでは開幕戦以来、博多の森での初勝利を挙げ、勝率も5割に戻し、一人も出場停止者を出さず、頭隠して尻隠さず、三歩下がって師の影踏まず、といろいろな意味で大きな勝利を手にしたのでした。
 それにしても過去4試合まるで点が取れなかった博多の森であっさり2ゴールも奪ってみせた俺王様。クラブやサポーターにとって九州は鬼門でも、大分で3シーズンを過ごした俺王様にとっては全く関係のない話、というよりはアウェイでの俺ゴールも開幕戦以来となりますから、今節の暴れっぷりは絶対に久しぶりにとんこつラーメンを喰ったからじゃないかと思います。

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