サッカー百鬼夜行

第15節 対横浜Fマリノス(テレビ観戦)
2001.7.21(SAT) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-1 横浜Fマリノス
播戸【35分】 1-0
0-1
0-0
0-0
小村【58分】
スターティングメンバー
洋平 GK ヨシカツ

殿
健作
DF ハト
松田
小村
タブチ
ノノ
三平
三沢
山瀬
MF 石川
上野
遠藤
永山
シュンスケ
バンバン
俺王
FW 外池
平間
三沢→長作【68分】
バンバン→曽田【110分】
山瀬→ゴンザレス【110分】
ノノ→森川【117分】
交代 外池→ギュウちゃん【77分】
石川→田中【90分】

試合の感想
 札幌ドーム開幕戦でありながらJ1リーグ1stステージ最終節という何とも微妙な試合。相手の横浜Fマリノスは、旧日本リーグ時代から読売クラブ(現東京ヴェルディ1969)としのぎを削り合ってきた日産自動車を母体とし、Jリーグがスタートしてからもリーグ優勝2回の実績を誇っている名門チームです。昨年の1stステージではセレッソ大阪との大激戦を制して優勝、レプリカの優勝皿を掲げて(本物はチェアマンと共に長居に行っていた)ご満悦だった川口能活の姿に涙した人も多かったと思います。
 しかし今季、三浦淳宏や柳想鐵ら主力を放出して急激な若返り策を断行したせいかチーム力は大幅に低下、プレシーズンマッチでは2部の大分を相手に0-4の惨敗を喰らうなど散々な出来で、隙間を埋めるべき助っ人外国人も「香港リーグ得点王」とか「ウルグアイ五輪代表」とか「オビエド相手の2得点」とか「趣味は石器集め」というような、スゴいのかスゴくないのかよくわからない肩書き、いわば「コジマ電器で大安売り」的なレベルの選手ばかりだったことに加え、悪いことは重なるもので頼みのエース・中村俊輔がケガなどで欠場したり、出場してもコンディション的にベストではなかったこともあり、14節を終えた段階で15位とまったくふるいません。

 それでもやはり、日本代表GK・川口を中心に松田、小村、波戸ら新旧日本代表を揃えたDF陣はやはり強固で、前節からその俊輔も復帰し、さらに鹿児島実業出身選手の路線を順調に踏襲しつつある城が欠場、2ndステージから指揮を執る新監督へのアピール試合とあってチームのムードはさほど悪くはないようです。
 対する札幌も前節福岡を相手にようやく連敗地獄を脱し、心配された出場停止者も出ず、さらにはこの試合から今野がベンチに復帰と、万全の態勢でドーム初試合を迎えることが出来ました。というわけで札幌は前節と同じスターティングメンバー、ベンチには大黒に代わって今野が入りました。

 というわけで試合は、序盤から復帰した俊輔を中心に横浜が札幌陣内へ攻め込む場面が多く見られますが、外池・平間の2トップにはボールをもらう動きがなく、というか横浜全体が相変わらず足下へのパスばかりのサッカーでさほど危険な場面はありません。とはいえ、札幌も時折カウンターから鋭い攻撃を見せるものの横浜の最終ラインにうまくストップされ、全体的に中盤での潰し合いに終始。
 何となくまったりした展開の続いた35分、田渕が右サイドのスペースへ出したボールにワンワン言いながら追いついた山瀬が、「俺を直接山瀬にぶつけてやる!」とばかりにタックルに来た松田を逆に跳ね飛ばしペナルティエリア内に侵入、こうなったら前に出ざるを得ない川口の直前で折り返したクロスをバンバンが落ち着いて決めて先制します。サッカーでのドーム初ゴールは柳沢、野球でのドーム初ホームランは福留だったことを考えると、バンバンがドームJ初ゴールというのはよかったような気がします。オレ的には「初ゴールは田渕」というのに期待していたんですけど。

 さてこの試合に負けるといよいよ以て尻に火がつくことになる横浜は、後半開始から怒濤の攻めを見せます。札幌はコレを何とかしのぎますが、ついに後半13分、コーナーキックから俊輔が蹴ったボールを、この日彼の変幻自在のキックに惑わされていた洋平がパンチングし損ない、折り返されたボールを中央で待っていた小村に左足で蹴りこまれ同点に追いつかれてしまいます。
 同点に追いつかれた札幌は、前半石川に和波をじゃれつかせる作戦、いわば「和波かませ犬作戦」で予定通り体力を奪うことに成功した石川のサイドにミールさんを投入、試合はここから一進一退の攻防が続きます。「今日は攻めてもオッケー? オッケーなのネ?」なミールさんとこの日やたらと元気だったビジュ、そして俺王様の「怖い三連星」に加えて、同じく快調にすっ飛ばしていた「ジャニ健」こと大森健作を中心にいい形を何度も作ります。
 特に健作の気合いの入りようは出色とも言えるもので、身体を張って相手選手を止めるのはもちろんのこと、いつもより積極的に攻撃参加したかと思えば、読み鋭くパスをインターセプトしそのまま攻め上がってシュートを打ったり、今日もバウンドしたボールにヘディングを合わせ損なうお茶目さを見せたりと持ち味を存分に発揮。プロになって最初に所属した横浜が相手だからなのか、それともあの「川口事件」を今でも根に持っている(96年の対アビスパ福岡戦で、ゴール前でのこぼれ球をクリアしようとした平間が、そのボールをつかみに行った川口の手を蹴って骨折させてしまった事件。スタジアム中の目が川口に注がれる中、その直前に接触プレイで痛んでいた当時マリノスの健作は孤独だった)のかもしれません。しかし、さすがに代表GK・川口が持ち前の守備範囲の広さを見せつけて札幌のチャンスをことごとく防ぎます。方や横浜もいつものように俊輔ただ1人の奮闘で決定的なチャンスを演出するものの、洋平のファインセーブや「札幌12番目の選手兼最強のDF」ことゴールポストに跳ね返され逆転にまでは至りません。

 試合は結局90分で決着が付かず延長戦へ。どうやら札幌ドームが気に入ってしまったらしい両チームの選手たち、「この幸せな時間が永遠に続きますように…」というできたてカップルのような心境になった、かどうかは知りませんが、お互い決定的なチャンスを迎えながらもギリギリで決めない絶妙な試合運びを見せてフルタイムを過ごし、ドーム緒戦はドローという結果に収まったのでした。

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