サッカー百鬼夜行

第10節 対横浜FC
2004.5.4(WED) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-0 横浜FC
曽田【26分】 1-0
0-0
 
スターティングメンバー
髙原 GK 菅野
カガケン
ソダン
画伯
DF 重田
トゥイード
山尾
小野智吉
タバタン
岡ちゃん
スナマコ
カズゥ
美白
MF 佐藤
富永
小野信義
中島
元気
岳也
FW 北村
久保田
カズゥ→社長【73分】
美白→ひろゆき【75分】
岳也→アイカー【82分】
交代 富永→シルビオ【60分】
久保田→ジェフェルソン【67分】
小野信義→内田【78分】
タバタン【86分】 警告 中島【22分】
シルビオ【62分】
小野智吉【88分】

試合の感想
 前節徳島を相手にロスタイム最後のワンプレイで追いつかれ、ほぼ手中にしかけた勝点3を落とした札幌。まさしく「蜘蛛の糸」のカンダタを地でいったわけですが、そのショックを癒すヒマもなく中3日でホームの横浜FC戦を迎えました。一時期の離脱はあったもののチーム創設時から監督として長くチームを引っ張ってきたリトバルスキーが昨年で退団、前JAPANサッカーカレッジ監督の足立勇輔氏を今季からの監督に迎えて再出発をした横浜FCですが、ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)など下部組織での指導歴が長かった同監督のもとで育成路線に切り替えたのか、10名の新戦力中で即戦力と呼べるのは広島の佐藤一樹と甲府の富永、そしてトリニダードトバゴ元U-23代表キャプテン・現役代表という、すごいのかすごくないのかよくわからないシルビオくらいと、チーム力の大幅アップというわけではなさそうです。前節までの順位も2勝3敗4引き分けと、1勝3敗5引き分けの札幌とそう変わらない成績で、あまり好調というわけではなさそうです。
 しかし、こと札幌においては横浜FCというのはとても相性の悪いチーム。2003年の開幕戦で大敗して以来、8試合を戦って3敗5引き分けと公式戦では一度も勝ったことがありません。「今度こそ」という思いは毎度毎度裏切られ続けているわけですが、まぁそこはそれ。「こけの一念岩男潤子」ともいいますし、横浜FCはエースの城彰二がケガで欠場でチャンスは充分にありそうです。

 その札幌は、前節と前々節2試合をケガで欠場した「微笑みの貴公子」和波主将がまだ完全じゃないながらも先発復帰。また、椎間板のヘルニアで長いリハビリ生活を続けてきた「シャイニング林」ことGK林卓人が移籍後初のベンチ入り。怪我人も戻ってきてとりあえずは陣容が整ったところで、連休中で1万5千人も詰めかけたサポーターの前で今度こそ今季ホーム初勝利を挙げたいところです。

 さてキックオフ。今季のホームゲームでは、札幌は前半怒濤の攻めを見せながらもなぜか得点が奪えず、逆に先制されてしまい走る(滑る)見事に(転ぶ)パターンがおきまりだけに、札幌としては是が非でも前半のうちに得点を挙げなければなりません。キックオフ直後にDFの加賀が相手DFのクリアをそのままシュートし、積極的に攻める…かと思いきや、すぐさまクリアミスからピンチを招く不安な立ち上がりを見せます。西澤がカバーして事なきを得たものの、この試合でもどうにも心臓に悪いシーンを演出。コンサドーレのサポーターの平均年齢は40.0歳で、J2で一番お年寄りが多いチームだそうですが、ただでさえ減ったサポーターをこれ以上減らしてどうするつもりでしょうか
 さすがにそれはマズいと思い至ったか、その後は一転して札幌ペース。砂川がドリブルからシュートを放ったりと得点へのこだわりを見せます。しかし、和波が本調子でないのと、本調子であったとしてもそもそもシュートが枠に飛ばないため、GK菅野を脅かすことが出来ず。ただし守備のほうは割と安定。横浜FCは城がいないためか前線でのタメを作ることが出来ず、思うような攻撃の形を作ることが出来ないこともありますが、ソダンが天空を支配し、地上は加賀が制圧、西澤は海を担当…はしませんが、相変わらずの冷徹仕事人っぷりを見せ、実は意外とバランスいいかもしれませんこの3バック。
 しかしそうは言ってもとにかく得点を奪わないことには話になりませんが、横浜FCもトゥイードを中心としてカウンターを狙います。前半26分の札幌の攻撃もあえなく止められ、カウンターになりかけたまさにその刹那。ボールを受けようとした横浜FC選手の背後から、突然と赤いユニフォームが出現しました。

 鳥だ!

 飛行機だ!

 俺達のソダンだ!

 3回目だよこのネタ!

 獲物にそっと近づき一気に襲いかかる肉食獣のように、または天から正確に獲物を捕らえる猛禽類のように、あるいはマンモスを石ヤリで倒す類人猿のようにあっという間にボールをかっさらったソダンは、そのまま得意のソダン・ダイナミック・ドリブルで横浜FCゴールへ向けて突進し、いったん右サイドの砂川にソダン・エキセントリック・パスを通します。パスを受けた砂川のクロスに岳也と元気が飛び込みますが、DFともつれてシュートは打てずにボールがこぼれてしまいました。しかしそのボールがこぼれた先にいたのは、砂川へパスした後ゴール前に詰めていたソダンでした。
 最終ラインから上がってきていたソダンを、横浜FCは誰一人としてチェックしていませんでした。イヤ、神はその信奉者以外の一般人には見えないものです。平たくいえば王様の服と同じですが、フリーのソダンは待ちかまえていたように左足を振り抜くと、ボールはGK菅野が懸命に伸ばした腕の先を通過しゴールの右隅へ決まりました。今季初となるソダン・アルティメット・ボレー・シュートで札幌が先制しました。
 このゴールで勢いづいた札幌はその後もかさにかかって横浜FCを攻め立てますが、上里のフリーキックや元気の反転シュートもいずれもゴールネットを揺らすことが出来ず、前半は1-0で終了。

 今季の札幌は、リードしたまま後半を迎えた試合の勝率は実に100%です。前半終了時点でリードした札幌に負ける要素は見当たりません。唯一不安があるとすれば、サンプルデータが1試合がないということだけです。
 というわけで後半は、早めに追いつきたい横浜FCもだいぶラインを上げて1点を取りに来ました。ラインが上がったということは、そのラインの裏に広大なスペースがあるということ。となると、何しろ広い場所が好きな犬が走り回るのは自明の理です。後半開始早々に西澤のロングボールに抜け出した岳也がうまいトラップでゴールネットを揺らしましたが、残念ながらハンドの判定でゴールは認められず。前足だからハンドじゃないはずなのに。その後も元気や上里がゴールを狙いますが得点に繋げることが出来ません。
 そうこうしているうちにまぁ予想通り札幌の運動量が落ちてきて、1点を取りに来た横浜FCに押され始めます。勝負を賭けた足立監督が交代出場で入れたシルビオ、ジェフェルソンはさすがにアフリカ系選手らしく、仰天のジャンプ力を見せたりあらぬ方向に首が曲がったりと持ち前の身体能力の高さを見せますが、テクニック自体はバツグンに高いわけでもありません。もちろん注意の必要な選手であることには間違いありませんが、ピッコロとネイルのように同化するようだとちとヤバイですけど、そんなことが出来るサッカー選手は古今東西ビジュだけなので大丈夫です。
 とはいえ、それでも流れとしては横浜FCに傾いており、あぶない場面もちらほら出てきました。何しろリードはたったの1点。1点取られれば追いつかれますし、追いつかれれば5試合連続ドローも濃厚になってきます。そうはさせじとヤンツーも疲れの見えた上里に替えて三原を、まだケガで万全でない和波を下げて西嶋を入れて横浜の攻撃を跳ね返しつつ、岳也に替えて相川を入れて隙あらば追加点を狙おうとしますが、流れを引き戻すことが出来ません。

 何度か危ないシーンはあったものの、それでもGK髙原と3バックを中心に今日もしっかり戻って守備をする元気や「タバタンメーター」がゼロ寸前の田畑ら全員の守備で横浜FCを止める札幌。見ているほうとしてはいつ追いつかれるかヒヤヒヤものでしたが、一応徳島戦の反省は生かされているようでロスタイムも何とか凌いで試合は1-0で終了。曽田が点を取り、曽田が守り、曽田が舞う道民の道民による道民のためのゲームで、今季ホーム初勝利をもぎ取ったのでした。

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