サッカー百鬼夜行

第17節 対アビスパ福岡
2005.6.18(SAT) 東平尾公園博多の森球技場

アビスパ福岡 0-3 コンサドーレ札幌
  0-0
0-3
岡田【54分】
池内【63分】
相川【75分】
スターティングメンバー
水谷 GK シャイニング
川島
千代反田
岡山
宮本
DF カガケン
ソダン
アバレッド
宮崎
松下
喜名
古賀
MF タバタン
ワンコ
スナマコ
カズゥ
ヒロユキ

有光
FW アイカー
ゲンキ
有光→釘﨑【56分】
喜名→山形【57分】
林→太田【68分】
交代 アイカー→セエノ【81分】
カズゥ→シャチョー【87分】
古賀【52分】 警告 ソダン【23分】
アバレッド【44分】
カガケン【49分】

試合の感想
 前節徳島を相手にチャンスを逸し続け、ホームで0-0に終わった札幌は、今節は博多の森に乗り込んで現在2位のアビスパ福岡とのアウェイ戦です。昨年、このスタジアムで悪夢の14連敗を止めてはいますが、その決勝点を挙げた相川も博多の森スコアラーとしては俺王様以来実に3年ぶり2人目。去年の2回目のアウェイ戦(第4クール)では1-0であっさり負けているように、やはり鬼門であることに違いはありません。札幌をオバケのQ太郎と考えれば、博多の森は二子玉川のいぬたまみたいなものです。その福岡は前節首位京都に敗れはしたものの、ここまでの負け数はわずか2つと安定した戦いを見せており、鳥栖と並んで2位につけています。
 ホームで札幌を叩いて2位集団から早めに抜け出したい福岡ですが、間の悪いことに前節でホベルトとアレックスが累積4枚目の警告を受け、グラウシオもイエロー2枚で退場と助っ人ブラジル人全員が出場停止。オマケに前回の対戦でゴールを挙げた中村北斗がユース代表にドナドナされ、実に主力4人を欠く事態です。しかしそうは言ってもJ2最少失点を誇る守備陣はそのままですし、攻撃陣も古賀(notアントニオ)、林、有光健在とやりにくいチームであることは確か。札幌にとってやりやすいチームがあるのかどうかは別として。

 対する札幌は、ソダン、池内、加賀の3バック。サポーターとしては現在最強と思うメンツですが、意外なことにこの3人が揃ったのはこの試合が初めて。GK林も含めて何だか妙に迫力のある面構えが並びました。さらには和波がケガで欠場で、左のウィングバックに入ったのは西嶋。その他のスタメンは前節と同様ですが、サブメンバーに多少変更があり、三原と清野がベンチ入りしています。前節は勝てる試合を引き分けているだけにこの試合は出来れば勝点3が欲しいところですが、何しろ博多の森での福岡戦、直射日光こそないものの気温も28度と、相手も場所も天候もやっかいということで、何とか引き分けには持ち込みたいところです。

 というわけでキックオフなのですが、いきなり有光に突破されてシュートを打たれ、試合のペースを福岡に握られます。札幌は福岡の高いディフェンスラインと速いプレッシャーに悩まされ、思うようにボールを運べません。元気は相変わらずボールの目測を誤るし、相川はボール扱いが雑でボールが収まらず、中盤の砂川と上里は徹底マークされ、岡ちゃんも高い位置でボールを持てないため持ち味の半分も出せず、タバタンも守備では強いのですが、キックオフ前のコールで1人だけ飛ばされてしまった哀しみのためか、攻撃ではチョロパスをカットされる場面が目につきます。そんな感じでボールの収まりどころが全然ないため、攻撃の糸口がつかめない状態。
 逆に福岡はワイドな攻めから何度もチャンスを作り、CKから川島がフリーでヘディングシュートを放ったり、古賀や松下が強烈なシュートを放ったり、千代反田が味方のハズの喜名をクリアボールで暗殺したりとさすがと思わせる動き。札幌も身体を張ったディフェンスで何とか踏ん張りますが、旗色はあまりよくありません。アタッキングエリアでチャンスを掴む福岡に対して、札幌はペナルティエリアの中どころかサイドをえぐるシーンすらあまり見られず、遠目からのシュートを3本ほど打つのが精一杯です。
 そんな感じで札幌としてはあまり見せ場のない前半でしたが、それでもDFラインを高く置く福岡に対して引いて守るようなことはせず、逆に強気にラインを高く保とうという姿勢は見せていました。両チームともあくまで自分たちのサッカーでぶつかるというのは、まず相手の良さを消すのがセオリーとも言えるJ2では異質です。サッカーファンとしての視点でなら、J2とは思えない戦いです。もっとも、ミスが多い点は間違いなくJ2なんですけど。まぁそんなこんなで前半は両チームとも中盤での潰し合いとなり0-0で終了、「これは1点勝負だな」というのが前半の印象でした。

 しかし後半、その予想に反して試合は大きく動きます。この試合のおそらく最大のポイントは後半6分からのプレイだったでしょう。札幌がペナルティエリアの右サイドでフリーキックのチャンスを得ます。ここでキッカーの砂川が直接入れると見せかけて、よせばいいのに上里にちょこんと出すトリックプレイ。しかし、奇襲なんてものは成功してこその奇襲。成功の確信がないのであればやるべきではありません。そんなわけで、そもそも最初の上里へのパスがずれてしまった札幌の奇襲はこの時点でジ・エンド。源義経でいえば一ノ谷の戦いにおいて鵯越(ひよどりごえ)で全騎脱落みたいなものです。せめてシュートで終わればよかったのですが、何とかリカバーしようとしたものの結局シュートすら打てずに、逆に相手のカウンターのパスがハーフウェイライン辺りに残っていた福岡の有光に通り、絶好のカウンターとなってしまいました。ソダン、池内たちも攻撃に参加していたため守備は薄く、チャンスは一転大ピンチに。完全にフリーとなった有光は単騎ドリブルで札幌ゴールに襲いかかり、万事休すかと思われました。
 ところが、その有光をものすごい勢いで追う男がいます。裏を取られて置いていかれたはずの加賀でした。加賀はお魚食わえたどら猫を追いかけるあの方のように有光を追いかけ回し、みるみるその差を詰めていきます。この諦めずに追っていった加賀こそが大ファインプレイ。もちろん林も前に出てシュートコースを塞ぎにかかっていましたが、もし有光が余裕を持っていたら、前に出たGKの動きを見て交わしたり頭上を狙ったかも知れません。しかし、有光が止まれば加賀に噛みつかれるのは確実な上、さらに前方に立ちはだかるのはよりにもよってオーラバトラー・林です。前門の林、後門の加賀。ボールを受けてから数秒の刹那、有光の脳裏に浮かんだものは何だったのでしょうか。結局前後から未曾有のプレッシャーに晒された有光は焦ってドリブルが大きくなってしまい事なきを得ました。オレが有光だったら、多分泣いてる。
 絶体絶命のピンチを後ろから前から潰した札幌は、最終ラインからの素早いパス回しから組み立て、上里のボールから右サイドを破った砂川がフリーでクロスを上げると、なぜか左サイドにいた岡ちゃんが後ろから飛び込んで頭で合わせ先制。ペナルティエリアの中で待つのではなく、後ろから走り込んでくる選手はマークされにくいもの。こういうプレイが出来るようになれば得点は増えていくのですよ。

 さて、1点をリードしたものの、守りに入るにはまだ時間は早すぎます。福岡も点を取りに来るはずですし、事実その直後にオーバーラップしてきた川島のクロスを交代出場の山形がフリーで合わせられるピンチもあったように、勝つためには追加点が必要です。
 その機会は意外に早く訪れました。札幌は先制点から10分も経たない後半17分、今度は相手ペナルティエリア左サイドで上里が倒されFKのチャンスを得ます。上里が蹴ったFKはGK水谷が出てこられない絶妙なボールで、これを池内が全盛期の欽ちゃんジャンプのような体制で無理矢理決めて追加点。勢いに乗った札幌は、後半30分に相川が無理矢理かっさらってこぼれたボールを元気がドリブルで持ち込み、相手DFを引きつけてからフリーの相川へドンピシャのパスを出すと、これを相川が左足で落ち着いて決めてトドメを刺しました。
 3点を失い完全に意気消沈した福岡を相手に、その後は好きなように攻める札幌。砂川が引っかき回し、上里が正確なサイドチェンジのパスを見せ、相川がシュートをもたつき、元気がオフサイドにかかり、守備でも池内とソダンが頻繁にポジションチェンジを行いお互いをカバーし、林も持ち前の守備範囲の広さを発揮してギャグはスベっても得点は許しません。各選手はもちろんのことヤンツーも清野や三原を入れる余裕を見せただけでなく、またしてもヒールトラップにチャレンジするなど持ち味を存分に発揮。

 結局、大量リードでノリノリの札幌は最後まで運動量が落ちることなく、福岡の太田を入れてのパワープレイに対しても落ち着いて対処し、ほとんど危ない場面を作られることなく試合終了。メンバー落ちとはいえ、2位の福岡にアウェイでの大勝は自信となるはずで、今後に期待の持てる試合ではありました。

 【ワンポイント福岡戦】
 カズゥのお友達ノリよすぎw

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