サッカー百鬼夜行

第20節 対ヴァンフォーレ甲府
2005.7.9(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 3-1 ヴァンフォーレ甲府
池内【49分】
池内【70分】
相川【80分】
0-1
3-0
バレー【18分】
スターティングメンバー
シャイニング GK 松下
ジェイ
ソダン
アバレッド
DF 杉山
池端
秋本
井上
カネコ
ワンコ
スナマコ
カズゥ
美白
MF 倉貫
藤田
水越
石原
アイカー
ゲンキ
FW 長谷川
バレー
ジェイ→カガケン【78分】
スナマコ→シャチョー【82分】
ゲンキ→セエノ【88分】
交代 長谷川→奈須【55分】
池端→青葉【66分】
水越→アライール【74分】
美白【27分】
アバレッド【61分】
警告 藤田【2分】
藤田【44分】
  退場 藤田【44分】

試合の感想
 第2クールも残り3試合となった今節はホーム厚別にヴァンフォーレ甲府を迎えました。上位陣との対決が続く第2クール終盤戦、4試合で2勝2敗くらいの数字は残したいところですが、前節は山形に同じくホーム厚別でなすすべなくやられてしまっているので、ホームでの連敗は避けたいこと、またあとのことを考えても今節は是非とも勝利がほしいところです。
 しかし、相手の甲府は現在2位。第1クールでの対戦(第1節)では2-2で引き分けておりますが、試合内容では押される時間が長く、正直「引き分けに持ち込めてよかった」というのが感想でした。その甲府は圧倒的な攻撃力がウリ。現在12得点で得点王のバレー、7得点の長谷川の凸凹コンビに、左右両足利きのマジシャン藤田も5得点と続き、ここまでのチーム総得点は取りも取ったり37得点。特に第2クールに入ってからは8試合で17得点と1試合平均で2点以上取っている計算です。その反面、アレックスオリベイラがケガで離脱中のためか失点は27と草津に次いでワースト2位タイと、スラムダンクでいえば豊玉高校というあからさまな攻撃偏重チーム。得点力に難のある札幌としては撃ち合いになれば分が悪いですから、いかに甲府の攻撃を抑えつつ点を奪うかが鍵となります。

 で、その迎え撃つ札幌のメンバーですが、ディフェンスラインは前節と同じくソダンを真ん中に右に池内、左にコードネーム・J(ジェイ)と呼ばれる西澤画伯の「子持ち3バック」。山形戦では全員が互いに「俺の娘が一番かわいい」と主張しあって対立してちぐはぐなシーンも多かっただけに、当初は出場停止明けの独身のカガケンが入るかと思われましたが、ヤンツーは結局そのまま臨むことにしたようです。この試合のキックオフはいつもより1時間早い13:00ということで、いわゆる昼間のパパは男だぜ作戦に賭けた模様です。そして中盤にもメスが入り、ワンボランチにはタバタンが外れて金子が入ります。金子はタバタンのような上背はありません、甲府の中盤も高さがないこともあり、お疲れモードのタバタンよりも金子の戦術眼を優先させたのでしょう。そしてしばらくケガで戦列を離れていたキャプテンビハクがようやく帰ってきました。

 さて、甲府の大木監督は札幌対策に当然前節の山形戦を参考にしているはず。その山形のように前からどんどんプレスをかけてくる甲府に、札幌はタジタジ。まさに「札幌潰すにゃ刃物はいらぬ。前からプレスをかければいい」といった感じです。イヤ、どんなチーム潰すにも刃物使っちゃいけないんですけど。そんなわけで試合は立ち上がりから予想以上の甲府ペース。厚別名物の強風の風下だったこともあり、札幌は押し込まれる一方。押し込まれているのでいざボールを奪っても思い切って上がっていけないし、フリーランがないのでパスコースが生まれず、パスコースがないのでパスを繋ぐこともできず、パスを繋げないのでボールを奪われ、ボールを奪われるのでまた押し込まれる…。そんな感じの見事なデフレスパイラル。ムーンスパイラルハートアタックとは似ているようで全然違います。
 そんなわけで、前半11分には早速ピンチを迎えます。ソダンが長谷川に振り切られてサイドからの折り返しをフリーのバレーに狙われました。ラッキーなことにこのシュートをバレーが空振りして事なきを得たものの、いつでもやられそうな雰囲気は払拭できません。で、18分には同じような形で長谷川に突破され、打たれたシュートのこぼれ球をバレーに押し込まれ先制を許してしまいました。
 その後も甲府は次々とチャンスを作り出し、仙台戦のような立て続けの失点もあり得そうな雰囲気です。しかしさすがにそれなりに成長したのか、ソダンの意地のクリアやクロスバーに助けられたりとギリギリのところで失点を許さず。ただ札幌は先制すると強いが先制されるとめっぽう弱いだけに、早めに追いつこうにもコレといったチャンスを作り出すことができません。印象に残ったシーンといえば、水越を倒してイエローカードをゲットした和波が、100万ドルの笑顔を見せつつ「むっちゃごおわくやに~」とネイティブな三重弁を駆使してバレないように文句を言った(推定)シーンくらい。正直ちょっとというか全然勝てる気がしなかったのですが、ターニングポイントは突然振ってきました。前半も終了間際の前半44分、池内を倒した藤田がイエローカードをゲット。既に開始早々にカードを1枚もらっている藤田はこれで2枚目となり退場します。

 前半だけで3失点くらいしているような内容を0-1のまましのぎ、2トップにパスを供給する藤田もいなくなり、さらに風上に立った札幌は、後半から見違えるような攻撃を見せます。後半開始早々、岡ちゃんのドリブル突破から得たCK、上里のボールはいったんはクリアされますが、そのボールを拾った金子が上里へパス。上里が左足で入れたクロスはゴール前を通過していきましたが、逆サイドで待ちかまえていたのは池内。倒れ込みながら放ったボレーシュートはゴール右隅に突き刺さり札幌が同点に追いつきました。
 目論見通り早めに追いついた札幌は、前半のダメっぷりはどこへやら。まるでアモンと合体後の不動明のような豹変っぷりを見せ、甲府ゴールを脅かします。相手が1人減って動きやすくなった砂川や金子からいいパスが出るようになり、チームが組織として回り始めます。不思議なもので、攻撃がよくなれば守備もよくなり、守備がよくなれば攻撃も良くなるものです。相手へのプレッシャーも速くなり、プレスが速くなれば高い位置でボールを奪えるようになり、高い位置でボールを奪えればそれだけチャンスが増えます。前半がデフレスパイラルなら後半はインフレーション。ムーンヒーリングエスカレーションとは重ね重ね全然違います。
 そして後半25分。甲府陣内中間辺りで金子がファウルを受けて間接FKを得ます。砂川の蹴ったボールを争って敵味方入り乱れた混戦の中からゴールが生まれました。こぼれ球を蹴り込んだのはまたしても池内。この試合2点目、今季通算4得点目となるゴールで逆転に成功します。
 さてようやく逆転した札幌ですが、何しろ相手は甲府です。後半10分に「要警戒レベルA」の長谷川が奈須と交代したものの、バレーの一発がありますから、できればあと1点を取って楽になりたいところです。ヤンツーも念には念を入れて、池内とソダンのネイティブ北海道弁でのコーチングに戸惑っていた東京育ちの西澤画伯を引っ込めて、どっちかといえば言語的に近い秋田出身の加賀を投入してDFの強化を図ると同時に追加点も奪いに行きます。
 そして後半35分には岡田の突破から得た右サイドのFKで、上里の蹴ったボールをニアサイドで相川が合わせ、逆サイドのネットに突き刺さるゴールでだめ押しの3点目をゲット。見事なゴールでしたがちゃっかりとファーサイドに詰めてこぼれ球を狙っていたのは、やっぱり池内でした。さすがに室蘭大谷高校時代の高校選手権ではDFながらもハットトリックを達成した男です。
 こうなればチームはもちろんサポーターもノリノリ。82分には砂川に替わり三原が入りましたが、その三原がまだピッチサイドで出番を待っている時点で、ウルトラスサッポロのラッパがその登場に花を添えるように三原のテーマを高らかに吹き鳴らすとボルテージは最高潮。暴れん坊将軍のテーマに乗ってピッチに入った三原は、暴れん坊どころかどことなく疲れたサラリーマンに見えてしまうのですが、その後も特に危ないシーンは見られず試合終了。苦しい試合ではあったものの、全員一丸となって勝利を掴んだ札幌。清野も出場給を掴みました。

 そういえば試合終了直前には相川が流血するアクシデントがありましたが、決して林の仕業ではありませんので誤解なきよう。

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