サッカー百鬼夜行

第25節 対ザスパ草津
2005.8.6(SAT) 群馬県立敷島公園県営陸上競技場

ザスパ草津 1-2 コンサドーレ札幌
山口【79分】 0-1
1-1
池内【11分】
和波【55分】
スターティングメンバー
小島 GK シャイニング
小川
齋藤
籾谷
酒井
DF カガケン
ソダン
アバレッド
氏家
山口
鳥居塚
寺田
MF カネコ
ワンコ
トモキ
カズゥ
美白
樹森
佐藤マチャミ
FW アイカー
ゲンキ
寺田→佐田【58分】
酒井→杉山【58分】
氏家→反町【66分】
交代 カガケン→J.ニシザワ【54分】
ワンコ→ヒロユキ【83分】
アイカー→ゲンキ【87分】
寺田【52分】
小川【68分】
齋藤【76分】
警告 トモキ【59分】
ソダン【78分】

試合の感想
 前半戦を3位という好成績で折り返し、未だおぼろげではあるものの「昇格」という文字も少しだけ形が見えてきた札幌。その形を確かなものにするために下位との対戦が続く第3クール開始からの3試合を確実にものにするつもりが、徳島ヴォルティスに引き分け、横浜FCに破れてしまい2試合を終えて得た勝点はわずか1と、だいぶ目論見が崩れてしまいました。次節からはベガルタ仙台、モンテディオ山形という苦手チームとの連戦が控えているだけに、アウェイとはいえザスパ草津とのこの試合は是が非でも勝点3が必要となってきます。その草津は今なお最下位。前年JFL3位、今年は急造に近いチームでプロ初挑戦ということを考えれば無理からぬ成績ではありますが、24試合時点での4勝4分16敗、勝点16という数字は去年の同時期の某J1経験のあるプロチームよりも上ではあります。
 成績不振による社長が交代し、10番をつける高須が骨折で離脱するなどのアクシデントはあったもの、それでもじわじわと試合内容は安定してきており、課題だった守備面でも大ベテラン小島を中心に失点は少しずつ減少、さらにはチカという石狩港辺りで釣れそうな名前の助っ人DFがケガによる長期離脱から復帰、この試合からベンチに入りしています。

 そして札幌ですが、攻撃の要の1人である砂川が痛めていた左膝裏を悪化させてしまいリタイア中で、前節横浜FC戦から金子がスタメンとして出場。中盤の3人は上里19歳、智樹20歳、金子23歳で平均年齢21歳弱という若さ溢れる布陣は期待が集まりますが、同時に若さゆえの過ちを認められるかどうかが不安です。そして第3クールから加入のデルリスが満を持してスタメン出場、アイカーとの2トップを組みます。水戸時代の8得点を含めればデルアイカーで14得点。普通に2トップらしい2トップです。DFラインはもちろん池内、ソダン、カガケンで、GK林という最凶…いや最強カルテット。右サイド岡ちゃん左サイド和波はかなり楽しめそうです。
 しかし、そんな札幌の最大の敵はやはり夏の暑さ。この日も新幹線で高崎駅に降り立った途端そのまま引き返したくなったほどで、もう何というか形容する言葉も見当たらないほど暑いです。「あつい」と言うのに「あ゛ち゛い゛」という発音しかできないくらいです。

 そんなわけでキックオフなのですが、すっかり日も落ちた午後7時というのに、気温は相変わらず30度を上回ったまま。直射日光を受けているわけではないですし、湿度は比較的低かったものの、30度という気温の中で動き回るのは想像以上にキツい作業です。北海道から上京してきて十数年経つオレですら未だに暑さに慣れないわけですが、群馬出身の義妹曰く「群馬でも一番暑いところなんですよ」という前橋はそんなハタチのオレがスタンドでの観戦するにもキツいのですから、普段札幌で暮らしている選手たちにとっては相当にキツいだろうと思われます。試合開始からそれほど経ってないのに、カクテル光線に照らされる札幌選手の姿はいずれも汗が反射しています。和波なんて白身なのか光物なのかはっきりしてください。そんなわけで札幌選手の動きが軽かろうハズもなく、プレスの出足もよくありません。
 中学まで埼玉県北部で育ち、高校3年間前橋で暮らしていたはずの相川も消えっぱなし…というかアイカーが試合の大半目立たないのはデフォなんですが、デルリスとのコンビネーションもよくなく動きがかぶったり微妙にずれたりともどかしい展開が続きます。デルリスに頼ろうにもやはり警戒されているだけに執拗なマークにあっており、個人突破でチャンスメイクというわけにもいかないようです。
 しかし、それでも点を獲れるのがかつての札幌とは違うところです。前半10分、ペナルティエリアやや外でデルリスが倒され、絶好の位置でフリーキックのチャンスを得ます。普段であればセットプレイのキッカーは左が上里で右が砂川ですが、砂川がいないため右のキッカーは智樹。札幌でもピカイチのキック精度を誇る19歳と20歳のコンビを目を細めていると、智樹の蹴ったボールは柔らかな軌道でゴール正面へ。その落下地点にフリーで飛び込んできた選手が左足でうまく合わせたボールはキーパー小島(ヒゲ)の手をかすめゴールネットを揺らしました。
 この日のスタジアムは第1クールの試合が行われたサッカー・ラグビー場ではなく、その隣の陸上競技場。施設としては比較的大きいのはいいのですが、トラックがある分ピッチが遠く、しかもこの時はホーム側でのゴールだったため、ド近眼のオレには最初誰が決めたのかはわかりませんでした。しかし既に札幌には「セットプレイでの得点=池内」という方程式ができているので、ろくに確認もせずに某所での実況で「池内のゴール」と伝えたらやっぱり池内でした。それにしても後ろからの決してやさしいボールではないのに、うまく合わせたもんですね。
 まぁそんなわけで体よくとっとと先制したわけですが、その後はあまりいいところがありません。いつもの悪い時のように中盤でイージーなミスを繰り返す展開で、なかなかボールを前に運ぶことができません。デルリスはさすがに動き出しは早いのですが、パスの出し手とのタイミングがワンテンポずれてしまいオフサイドにかかりまくるシーンが多く、なかなかシュートを打てません。草津の攻撃が「3バックのサイドのスペースに長いボールを蹴って、とにかく行ってこい」というパターン一辺倒だった上、サイドの選手のクロス精度があまりよくなかったためいい形こそ多くはないものの、それでも中盤のマークがルーズになってシュートを打たれるシーンもいくつかありました。
 そんな感じで全体的に押し気味なのは草津のほうでしたが、セットプレイでちゃっかり1点を取った札幌のリードで前半を終了。

 後半も展開としてはあまり変わりません。やはり札幌は相当に暑さが堪えているのでしょう。運動量はやはり少なく、後半9分には加賀が軽い熱中症の症状を訴えたらしく西澤画伯と交代してしまいました。そういえば昔「熱中時代」というドラマがありましたね。主役の北野先生を演じていたのは芦別出身の水谷豊ですが、もちろん加賀とはこれっぽっちも関係ありません。
 しかし草津も前半同様に肝心なところでミスが出て、また牧野主審が札幌よりな笛を吹いていたため追いつくには至らず。こちらもこの暑さでは集中力もとぎれがちなのか肝心なところでミスが出てしまい、また牧野主審が札幌よりな笛を吹いていたため追いつくには至らず。完全に消耗戦状態です。
 どちらもチャンスらしいチャンスに恵まれず膠着状態だなぁと思い始めた後半10分、カウンターから智樹のミドルパスが左サイドを走り込んだ和波のちょうど先へぴたりと合います。スピードを緩めることなくボールを受けた和波は、久しぶりに「韋駄天」らしい勢いで左サイドを切り裂きました。ゴール前には既にデルリスとアイカーが詰めており、サイドを破られた草津は中の人数が足りません。草津の守備陣は中のデルリスに折り返すと思ったことでしょう。オレ自身もデルリスに合わせて智樹→和波→デルで白い三連星と書こうと思ったくらいですから。しかし、チームの勝利を何よりも優先するキャプテン・和波は、まだ少しチームになじめていないデルリスに点を取らせてラクにしてやろうなんてこれっぽっちも思っちゃいないようです。
 そんなわけで苦しい中で追加点をゲットした札幌はこれで幾分楽になりました。追いつきたい草津はすぐさま寺田に代えて佐田を、酒井(ヒゲ)に代えて杉山を投入。草津は前半から愚直にサイドのスペースを使い続けてきましたが、スピードのある佐田が入ったことによりその攻撃がようやく実を結んできます。サイドのスペースを埋めるために西澤がつり出され、そのスペースを埋めるためにボランチが下がらずを得なくなり、ぽっかり中盤が相手セカンドボールを拾えません。草津のラインが上がっているためDFの背後には広大なスペースがあるのですが、やはりデルリスとの呼吸が合わずオフサイドを連発。追加点を奪うには至りません。後半34分には何食わぬ顔で股抜きされた西澤がペナルティエリア内で反町を倒してしまいPKを献上。このPKを山口に決められ1点を返されました。

 それでも1点差となったことでリードを守りきることを選択し、攻撃はほぼ2トップのみに任せてあとは守備に専念した札幌が逃げ切り勝利。試合内容は決して褒められたものではありませんが、守りきろうと思っても守りきれなかった頃から見ればやはり進歩はしてるのだなぁと感じた試合でした。

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