? どこまでイバンチュール
サッカー百鬼夜行

第11節 対FC東京
2002.7.28(SUN) 国立霞ヶ丘競技場

FC東京 3-1 コンサドーレ札幌
ケリー【11分】
石川【21分】
戸田【33分】
3-0
0-1
バーヤック【54分】
スターティングメンバー
土肥 GK 洋平
加地
茂庭
伊藤
藤山
DF ゴンザレス
先生
健作
下平
宮沢
石川
ケリー
戸田
MF 板長
山瀬
ナメック星人
三沢
King of TOKYO FW バッキー
オグ
ジャジ
石川→☆【70分】
戸田→福田【77分】
宮沢→喜名【88分】
交代 三沢→ナオキ【45分】
ジャジ→ンダ【85分】

試合の感想
 先週、初の国立霞ヶ丘競技場の芝を踏んだコンサドーレ札幌は、それから1週間後にまたこの地に帰ってきました。今節の相手はFC東京。この日は東京の本来の本拠地である東京スタジアムが浜崎あゆみのコンサートで使用できないため、またも国立での試合が巡ってきたというわけです。
 今節は主要なJ1チームの試合が全て土曜日に行われ、関東で行われる試合はこの国立だけということで、関東在住のサッカーファンが大挙して押し寄せました。東京スタジアムに。「サッカーファン関係ないじゃん」という声も聞こえてきそうですが、実はこの日オレは東京スタジアムのすぐ横にあるミズノフットサルプラザ調布でフットサルをやってまして、その帰り際に近くのファミリーレストランで昼食を摂ろうとしたんですが、そこは既にコンサートを見に来たであろうお客さんで一杯。で、その待ち客の中に揃いのTシャツに身を包んだ男性が数人いました。ファンが浜崎グッズを身につけるのは別段珍しいことでもなんでもないんですが、よく見たらそのシャツにはURAWA BOYSと書いてありました。

 さて、J1での3シーズン目となったFC東京は、前身である東京ガス時代から指揮を執ってきた大熊清監督が退任、「入った」「いい時間帯」でおなじみの元浦和監督・原博実氏を新監督に迎えました。「攻撃的なサッカー」を標榜した原監督は、開幕戦で堅守を誇る鹿島アントラーズから4点を奪って大勝を飾るなどアグレッシブなサッカーを見せていますが、ムラも多くここまで3勝2分5敗という成績に留まっています。とはいえ、チームとしてはすっかり「J1にいて当然のチーム」となった感があり、あらゆる意味で期待を裏切らない監督とチーム、期待を裏切らないフロント(公式イヤーブックの付録のアマラオのお面はウケた)、期待を裏切らないサポーターで地道にファンを増やし続けています。
 再び国立に乗り込んできた札幌は、「キング・オブ・トーキョー」アマラオを中心としたキングダムサッカーを封じるために、イバンチェはこれまでの3バックに変えて左の和波が若干高めの位置を取る変則的4バックを採用、オグ、ジャジ、バッキーの変則3トップは変わらないものの、前節出場停止だったビジュが復帰して中盤はこれまた変則気味のトリプルボランチと、どこに誰がいるのか何だかよくわからない変則システム。この日の関東地方はいつもに比べて気温が低く、試合前のサポーター同士の会話でも「今日は割と涼しいからけっこうやれるかもね」という話が聞かれます。相手とかチームとか以前にまず天気を心配されるというのもどうかと思いますが。

 というわけで試合開始。札幌にとってプラス材料だった涼しさですが、しかしそれは相手の東京にとっても同じこと。先週土曜日からの1週間で東京、札幌、東京と移動し、そのうち2試合が延長までもつれ込んだ札幌に対し、同じ3連戦を東京スタジアム→東京スタジアム→国立競技場とサラリーマンの通勤以下の移動で済んだ東京の差が現れます。お互いコンパクトなラインが持ち味の両チームですが、中盤での競り合いはことごとく東京が制します。11分にはコーナーキック崩れからフリーになっていた戸田が放ったシュートは洋平がセーブ、その跳ね返りが再び戸田に渡り、さらにシュート、またしても洋平がセーブする様は往年のマッケンローとコナーズを見ているかのような攻防でしたが、その壮絶な撃ち合いを制したのは…そのこぼれ球を頭で押し込んだケリーでした。勝手にダブルスにするな
 1点をリードされた札幌ですが、単発的にチャンスを作るものの、相変わらず球際の競り合いに負け、なかなかたたみかけることが出来ません。そうこうしているうちにU-21代表の石川に見事なダイレクトループシュートを決められ追加点を許します。「思い切り打つ余裕がなかったのが逆に幸いした」とはBS中継で解説していた早野さんの見解ですが、確かに先日のトゥーロンでも見せたような、その類い希なる突破力を生かしてゴールキーパーまで交わし、最後は見事な宇宙開発シュートでギャグを完結させるほうが石川らしいですね。
 この後はようやく少しは札幌の時間帯が作れるようになります。これまではボールに触る機会の少なかったオグにボールが入るようになりました。そのオグはやはりパスが合わないこともあるものの、以前に比べればだいぶジャジや山瀬とのワンツーなども決まるようになってきました。オグがキープしてファウルを受けながらも山瀬にパス、山瀬も潰されますが、そのこぼれ球がフリーで走り込んできたジャジへ渡り、ゴールキーパーと1対1となるビッグチャンス! …というところで、なぜか長田主審が今更オグへのファウルを取って試合を止めてしまいます。抗議する札幌イレブンですが、当然判定は覆らず。一応いい位置でのフリーキックは得ましたが、福引きのポケットティッシュ同然のこのフリーキックも土肥にセーブされ得点なりませんでした。
 あとからビデオで確認すると、長田主審も思わず笛を吹いてしまったようでバツの悪そうな顔をしていたのですが、いずれにしてもこの判定を引きずってしまったのか、33分にはDFラインの裏を戸田に突かれ3失点目。副審によってはオフサイドを取るであろうプレイからの失点に、これまた札幌イレブンが抗議しますが、やはり判定は覆りません。さらにはこの3点目が入った途端、ばっちりのタイミングで隣の神宮球場でのラッキー7突入の花火が連発。レフェリーの判定のみならず明治神宮外苑総力を挙げてのアウェイの洗礼を浴びることになりました。

 後半、点を取りに行かねば始まらないイバンチェは和波に代えて前節移籍後初ゴールを挙げたナオキを投入。3点をリードした東京がかなり緩んでいたという側面はあるにせよ、3バックに戻した後半開始早々から怒濤の攻めを見せます。早い時間(つまり「いい時間帯」)にゴールを決めればまだまだわからなくなります。そしてその通り後半9分、ショートコーナーでナオキからリターンパスを受けたバッキーが、なぜか誰からもチェックを受けないままするするとドリブル。そのまま左足を振り抜くとボールはキレイな弧を描いて逆サイドのネットに突き刺さり、ようやく札幌が1点を返しました。
 なおもたたみかける札幌。1点を取って気をよくしたバッキーが、俗に言う「ウェーブの動き」で何度もDFラインに対して斜めに入るのですが、いい感じで抜けてもそこにパスが出てこないので大抵無駄走りに終わります。また、かつてはポツンと寂しそうに右サイドに佇んでいたことの多かったナオキですが、身体のキレがよくなってきたのか、それとも先日のゴールで周囲の信頼感が増したのかボールがたくさん集まるようになり、右サイドからいい形を何度も演出するようになりました。かわりにジャジが佇むようになってますけど
 そんな感じで東京にほとんどシュートを打たせない押せ押せムードで、点が入りそうな気はそこはかとなくするのですが、いつもの通りに肝心なところでミスが出たり、攻撃のスピードがダウンしてしまい、チャンスは作れど得点には結びつけられず。結局シュートが入りそうで入らない、ゴールが見えそうで見えないという、その筋のマニアにはたまらないチラリズムサッカーを展開したまま試合は終了し、札幌はチームワーストをまた1つ更新する7連敗となってしまいました。

 ところでこの日はFC東京のテディベアデー。抽選で200人にFC東京テディベア、2人にドイツ・シュタイフ社製のテディベアが当たるというもの。オレの当初の予定としては勝点3とテディベアをゲットという予定だったのですが、試合にも負け抽選もハズレ。ちゃんとこの日もクマ柄の勝負パンツはいてたんですけどねぇ。

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