? チャンリンシャン
サッカー百鬼夜行

第10節 対ジェフユナイテッド市原(テレビ観戦)
2002.10.23(WED) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-0 ジェフユナイテッド市原
新居【30分】 1-0
0-0
 
スターティングメンバー
洋平 GK 櫛野

先生
健作
DF 斎藤
エースケ
ナメック星人
板長
吉川
三沢
西田
MF 坂本
阿部
ムトゥ
村井
羽生
オグ
King of Sapporo
FW 大柴(本物)
King of Sapporo→ンダ【54分】
オグ→岳也【79分】
吉川→ジャジ【83分】
交代 坂本→林【57分】
羽生→ダーマス【72分】
恵→茶野【85分】

試合の感想
 J2降格寸前のコンサドーレ札幌は、ジェフユナイテッド市原とのホームゲームを戦います。相手の市原は、昨年ベルデニック監督がかけた魔法も今季はすっかり解けてしまってはいるものの、以前のように降格争いに巻き込まれない程度のチーム力はつけてきています。1stステージの試合では、山瀬やオグなどの主力選手をまとめて出場停止で欠いたこともあって、「天敵」崔龍洙に2ゴールを叩き込まれいいところなく敗れ去ってしまいましたが、この試合に負けるとJ2への降格が決定してしまう札幌の最後の意地を期待したいところ。つうか別にいいんですけど、道内マスコミなどの「ホームでの降格決定阻止」という論調は、逆に言えば「アウェイでなら別にいいや」というようにも取れてアウェイサポーターとしてはなんだかなぁという気がします。

 まぁそれはいいとして市原のスタメンですが、DFの要・ミリノビッチがケガで欠場。ミリノビッチさんはこれで通算3度目の札幌戦欠席ですが、その穴を埋めるのはもちろんキャプテン中西永輔。過去2度ともミリノビッチさんの代役を務め、そして2度とも札幌を抑えている「ジェフの魂」中西は今季俺王様に屠られた実績もありますが、それは札幌には何も関係がないですから、どうか一つお手柔らかに。永輔の左右には斎藤と吉田恵が並び、ダブルボランチが武藤とU-21代表の阿部、ウィングバックは左が村井で右が坂本、トップ下には羽生という、西武ファンのオレとしては思わず「田」をつけて「羽生田」としたくなるような名前のルーキーを起用。ちなみにその羽生田忠克と火星田マチ子は何の関係もありませんが、2トップはもちろん大柴と崔龍洙となっています。
 そして札幌のメンバーは、カタールで奮闘中の今野は今節もおらず、ベンチメンバーに前回は宮の沢にミステリーサークルを作っちゃった罰として遠征から外れたジャジが戻っただけで、あとは前節とまったく同じメンバー。GK洋平、3バックは尽、先生、健作、左右のウィングバックは和波と西田、トリプルボランチはビジュと吉川に板長、そして2トップはオグと我らが"King of Sapporo"新居辰基です。前節は初のスタメン出場を飾ったもののあまりいいところのなかったプチ俺王が、プロとして初の地元・札幌ドームでどれだけのパフォーマンスを見せられるかが注目となります。

 さて試合はやはり市原ペースで試合が進んでいきます。市原は阿部と武藤を中心に定番のサイドアタックでゲームを組み立てますが、札幌も守備自体はガンバ戦と同じようにそれなりに機能はしており、危ないシーンもあるもののギリギリのところで踏ん張りを見せます。
 ただし、やはりそこからの攻撃の切り替えが遅く市原ゴールを脅かすことが出来ません。前線で孤立していた"King of Sapporo"新居がマークに来たDFなんてお構いなしに俺シュートを放ち、生来の俺様っぷりの片鱗を伺わせたくらいで、あとは防戦一方です。
 ところが、その悪い流れのチームを救ったのが新居。得点の予感のしないままの前半30分、板長が上げた取り立てて何のひねりもないロングボールを新居が競り、こぼれたボールを相手GKの櫛野が西田と交錯してボールをこぼしてしまいます。こぼれたボールに再び反応した西田からのパスに新居がダイレクトで右足を振り抜くと、ボールはゴール右隅へ突き刺さり先制しました。
 厳密に言えば西田と櫛野が交錯した時点でGKへのファウルでしょう。それがファウルとならずに最終的に新居の元へ転がってきた時点で新居特有の嘘くさいゴールではありますが、何よりあのシュートの時点での落ち着きようは、「俺のところに絶対ボールが来る」と考えてなければ出来ない芸当です。とにかく新居は今季2得点目をゲット。たった3試合目で今季の播戸竜二くんの得点数に並びました

 1-0で折り返した後半、張監督は早々に新居を引っ込めて曽田を投入します。しかし、確かに疲れが見えていたものの、新居を引っ込めたことによって市原は背後を気にしなくても良くなり、逆にスピードのある林を投入した市原の怒濤の攻撃に晒されてしまいます。札幌は曽田投入後すぐに板長のパスからオグが抜け出して上げたクロスボールに曽田が飛び込むというチャンスがあったくらいで、あとは防戦一方。DFがクリアしてもクリアしても前がボールをキープできずにすぐまた攻められるという「いつものイヤな流れ」に突入します。
 しかし、猛攻を見せる市原ですが、エースストライカーの崔龍洙にいつものキレがなく、なかなかゴールを決めることが出来ません。好調時ならクロスボールに必ず飛び込んでくる崔龍洙ですが、この日はどうしたのかサイドに流れてボールを受けるだけで、いつもの怖さは感じられず。今までの軍人っぽい髪型をやめてサラリーマンっぽい「不動産営業やってます的髪型」にしてしまったせいで、得意の軍ドリブルとか軍シュートが出来なくなってしまったのでしょうか。
 交代をミスった張監督はオグに代えて岳也を投入しますが、この時点で札幌の中盤はいっぱいいっぱいで岳也どころの話ではありません。張監督の真の狙いだった「岳也のマイナスイオン頭輪」で癒し効果作戦はあえなく失敗。イヤな流れのまま札幌にとっては「魔の時間帯」である残り10分に突入します。
 しかし、監督の最後の手段である「ジャジの持つオーパーツに期待」作戦が的中したのか、洋平のファインセーブもあり市原にゴールを許しません。「終了ホイッスルフェイント」という吉田主審のお茶目なボケに札幌ドームがズッコケるというおいしいオマケはあったものの、3分と表示されたロスタイムも耐え抜き、問題の「ラスト10分」は何とか乗り切ることに成功。札幌はギリギリの瀬戸際になってようやく2ndステージ初勝利を挙げ、勝点を2桁にすることが出来たのでした。

 決勝点を挙げた新居は、試合終了後は初めてのヒーローインタビューでお立ち台へ。インタビュアーの質問を「え?」と訊き返すという前代未聞のインタビューで真のKINGへの道を踏み出したのでした。

印

戻る