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2013年11月 アーカイブ

2013年11月 5日

うまくない

2013年J2第35節
ロアッソ熊本 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/上原
     熊本/斉藤、片山

 前節、退場者を出しながらもV・ファーレン長崎を下し、プレーオフ圏内目前の7位にまで順位を上げた札幌。6位のジェフユナイテッド市原・千葉との勝点差は4。1試合で逆転できる差ではありませんし、札幌としては上位チーム以上の成績を残していかなければその差を詰めることはできません。残り試合数や対戦相手を考えてもこの差は小さいように見えて案外大きな差です。18位のロアッソ熊本との試合は、取りこぼしのできない試合、という位置づけでした。だったんです。4位に10人で勝てるのに、なんで18位のチームに勝てないんですかねぇ。
 なんかもう時間が経って記憶の彼方に追いやりたい残念なゲームだったので、とりあえず心底どうでもいい考察でお茶を濁すことにします。

 この試合を振り返るにあたり、まず一番最初に思い浮かぶ疑問は、おそらく皆さん「なぜ、『うまかな・よかなスタジアム』なのか」というところだと思います。ここに触れずに試合を分析することなどできるはずもありません。以前は「KKWING」という愛称で呼ばれていた熊本県民総合運動公園陸上競技場ですが、昨年末に熊本市に本社を置く山田青果卸売市場株式会社がネーミングライツを取得。今年の2月1日に「うまかな・よかなスタジアム」と変わりました。この「うまかな・よかな」というのは、同社の登録商標である「美味果菜」と「良果菜」だそうで、花澤香菜とはあまり関係はないらしいのですが、別にふたつ使う必要はなかったんじゃないかと思わないでもないですね。どうせなら「エスタジオ・ド・ウマカナ」などにしたらブラジルの有名スタジアムっぽくてよかったのに、と思います。
 まぁそれはともかく、県外の人にしてみたらなんのことかさっぱりわからないこのスタジアム名、名前が変わっても札幌がここではあまり相性が良くないのは変わりませんでした。ロアッソ熊本がJ2に参入したのは2008年、この年札幌はなぜかJ1にいたため、ロアッソとの対戦は2009年からとなりますが、このスタジアムでの対戦は2009年に2試合あって0-4、0-0、2011年が0-1と3試合で1勝もしていないどころか、1点も取れていません(2010年は水前寺での開催)。しかも忘れたくても忘れられないあの「ソンファンのバックパスを荒谷がトラップできずにゴールイン」という、伝説のロスタイム3失点に並び称されるほどの「コンサドーレ黒歴史」が生まれた場所でもあります。この試合で上原がゴールを挙げ、ようやくノーゴールから脱することはできましたけど、愛媛のニンジニアスタジアムに並ぶ鬼門となっています。
 でも、愛媛はともかくこのスタジアムって札幌がここ数年ずっとキャンプで使ってるスタジアムなんですよね。今年やってた「白い恋人」の「おーおーおおーおー」って歌をバックに選手や監督が走ってるCMもここだし。札幌ドームや厚別に次いで「勝手知ったる」スタジアムなはずなんですが...。逆に、勝手知りすぎて「ここに来るとキャンプの思い出とかがフラッシュバックしてどうしてもアレ」で力を吸い取られるとかあるんでしょうか。不愉快です。

 まぁそんなわけで試合とはまったく関係ないことでスペースの大半を埋めることができたので(前言をあっさり撤回)、仕方ないので試合について触れます。前回書いたとおり上里一将は靱帯断裂で今期絶望、河合竜二も栃木戦で痛めた脇腹が快復せず欠場、おまけに復帰したばかりの深井くんが股関節の痛みで再び戦線離脱し、ボランチにばかり怪我人が相次いでいます。それでもこの状況で経験の浅い選手を持ってくるのは得策じゃないと判断したか、財前監督が打ってきた手は堀米ではなく砂川誠をボランチで使う特殊布陣。まぁ結果としては負けてしまったので、この布陣が妥当だったのかどうかという議論はあるかと思いますが、砂さんをボランチで使うのは確か厚別のカターレ富山戦でやってますし、その時は勝ってますから、こういうのって勝てば良策負ければ下策、外はさくさく中はしっとりですよね。何言ってるかちょっとわかりませんね。

 まぁなんかわかったようなことを言うのであれば、これまでの試合でもそうなんですけど、上位のチームに正面からぶつかって堂々の勝利を収めることもあれば、下位のチームに何もできずにころっと負ける、そんな不安定さも現在のチームの実力なんでしょうね。上原が同点弾を叩き込んだときは、普通にやってりゃこれで逆転できるだろうとは思っていたんですが...。なんか得点が取れそうで取れず、取られなさそうなときにスコーンと取られるって意味では、ある意味いまのチームを象徴する試合だったのかもしれません。おお、なんか通っぽいこと言ってるようで大して意味のない分析ですが。勝ってれば6位の千葉にあと勝点1差にまで迫れていたんで、もったいない試合だったと思います。

2013年11月20日

自滅

2013年J2第36節
コンサドーレ札幌 1-3 ザスパクサツ群馬
得点者:札幌/荒野
     群馬/エデル x 2、ダニエルロビーニョ

 うまくいかないときはとことんうまくいかないもんですね。

 この時期に来ての連敗も痛いのですが、それ以上に下位相手というのが痛いですね。熊本戦は「アウェイだから」という言い訳がまだできるとしても、20位の群馬にホームで負けるのはさすがに痛い。足の小指をタンスの角にぶつけて、その痛みにもんどり打ったら今度はテーブルに頭をぶつけたってくらいの痛さです。

 札幌はV・ファーレン長崎戦で退場して前節出場停止だったレ・コン・ビンが戻ってきたものの、河合主将はベンチスタートとまだスタメンで出られる状態ではないようで、相変わらずボランチ不足の状態は解消されていません。少し前までは「スペランカー体質」の代名詞と言われていた宮澤裕樹も、その称号をすっかりパウロンに奪われた上、周りのボランチが次々に怪我をしていくので、いつのまにか怪我できない状態に。それに伴い宮澤の相方もめまぐるしく変わり、この試合の相棒は、日高拓磨。
 って、え? 日高さん? サイドバックですよ? 「北海道で日高といえば日高山脈ですからね。北海道の真ん中にあるこの山脈で雲とかいろんなものを止めるんですよ」ってことですかね? そりゃすげえ。うまいこと言ったつもりか。

 で、日高さんが中盤に回れば当然右のサイドバックが空くわけで、開幕頃にこのポジションをやってたソンジンが入ったのですが、もともと彼も本職はセンターバック。カバーはうまい選手なので守備はいいとしても、攻撃という意味ではさほど得意ではありません。で、ソンジンがサイドに回ればセンターバックが空くわけで、ここにはうっかりすると存在を忘れかけるパウロンを投入。うーん。まぁ確かに面白い選手ですし(色んな意味で)、能力がべらぼうに高いのはわかりますけど、ずっと怪我をしていた分チーム戦術の理解度は決して高くはないでしょうし、身体能力だけで抑えられるほど今のJ2は甘くはありません。奈良くんもこの年齢にしては場数を踏んでますけど、当たり前ながらほっとくとどこに行くかわからんパウロンを気にしながらプレイできるほどの熟練の選手ではありません。そんなリスクを負ってまで、「ボランチ日高」を敢行する理由がじぇんじぇんわかりませんのですよわたしゃ。
 さらにじは前線のメンツも大幅に変更。1トップにフェホ、トップ下に内村圭宏、サイドにレ・コン・ビンと砂川誠となっています。まぁ前のポジションについては、コンディションのいい選手から使うという方針なんだろうとは思うのですが、これだけざっくり変えるってのもどうなんでしょうかね。まぁメンツ的には得点ランクリーグ4位タイの内村さんはともかく、その他でスタメンが保証されている選手なんていないのは確かではありますけど...。

 まぁこのあたりは結果論の部分もありますからね。うまくいけば奇襲成功、うまくいかなければ策に溺れる、そんな感じですけど、果たしてこの試合は開始4分で失点と、逆に主導権を握られる有様。そんな不慣れな布陣でもうまく主導権を握ることができればそれなりには戦えたのかもしれませんが、こうなるとまるでプランが狂いますよね。普段なら焦る必要はまったくない時間帯の失点なのに、妙に焦った感じがしたのは、やっぱりフォーメーションが不慣れだったせいもあるんでしょうかね。
 こういう展開でも前線に控える進撃の巨人・フェホがいるというのは札幌にとってはストロングポイントではあるのですけど、ただそうはいってもそこに来るとわかっていれば相手も対処はしやすいわけで、もう少しやっぱり工夫は欲しかったかな、と思います。しかもフェホが13分という早い時間にイエローなんかもらっちゃったせいで、無理もできなくなっちゃいましたしね。

 加えて、カードをもらったフェホをあきらめてマエシュンを投入、仕切り直しの後半も立ち上がりの時間帯に、何でもないシュートを曵地がファンブルしてエデルに押し込まれ失点。いや、何でもないっていうのはあくまで素人が外野から好き勝手言ってるだけで、実際プロのシュートなんて自分が受けたら逃げる間もなく悪即斬でしょうし、何でもないように見えて、キャッチした瞬間ボールから何とも言えないぬめっぽさがしたとか、はたまたボールが「何すんじゃワレェ」などというこの世のものとは思えない声を発したとかで、思わずボールをこぼしてしまったみたいな裏事情があったのかもしれませんけどね。いずれにしてもこれから追いつこうというところでいきなり出鼻をくじかれる展開になったのは確かで、かなり雲行きが怪しくなってきました。
 それでも21分に交代出場の荒野がびゅーてほーなボレーシュートを突き刺して1点差に追い上げたときは、流れが変わると思ったんですけどねぇ。逆にお粗末な守備から交代で入ってきたばかりのダニエルロビーニョに決められ再び2点差をつけられる有様。まぁ早く追いつきたいという焦りが裏目に出たんでしょうけど、このあたりはやっぱり若さゆえの過ちでしょうかね。毎回同じこと言ってるような気がしますけど。

 窮地に立たされた札幌は、さらに悪いことにDFのパウロンが右手を痛め交代(後に骨折が判明)。DFを下げざるを得ない状況になってしまい、おそらく使う予定ではなかったであろうMF河合竜二を投入したのですが、もっと悪いことに、その河合さんが39分にコーナーキックの混戦でのプレイからイエローカードを受け、その抗議に速攻で2枚目を出されてあっさり退場した時点でジ・エンド。まぁはっきり言って自滅みたいな負けっぷりで痛い連敗となってしまいました。

2013年11月27日

残った

2013年J2第37節
コンサドーレ札幌 3-1 モンテディオ山形
得点者:札幌/日高、砂川、内村
     山形/秋葉

 ここにきての連敗で10位にまで順位を落とし、6位V・ファーレン長崎に勝点6の差をつけられてしまった札幌。理論上は相手が2連敗し、こっちが2連勝すれば追いつける数字ではありますが、世の中そんなにうまくいくもんではないっつーか、上位のチームにそんな負けを期待するってのも、何かを期待して美少女の捕虜の脱走を手助けするカツより虫のいい話です。サッカーでは残り試合数が勝点差を下回ると逆転はほぼ絶望的、というのが定説で、それに倣うとこの試合を含めてあと6試合で勝点6差というのは、プレーオフ圏内に行けるかどうかの、まさに崖っぷちであります。
 そんな中で迎えたホームでのモンテディオ山形戦。山形も札幌と同じく勝点51で、得失点の差で札幌より上の9位につけていますが、状況的にはほぼ同じ。つまり、札幌と山形、どちらか負けたほうは事実上脱落、後に残るのは「可限全(可能性がある限り全力を尽くす)」という、開闢以来何度も聞いたけどついぞそれがかなった試しのない幻の呪文を詠唱するだけですからね。デスマッチなわけです。
 そんな感じでだいぶ切羽詰まっている感じですが、前節ザスパクサツ群馬戦では深刻なボランチ不足に起因するシステムの大幅な変更でちぐはぐなままいいとこなく敗戦したものの、リーグ戦の合間に行われた天皇杯3回戦で、控え組中心のチームがJ1ジュビロ磐田を1-0で撃破。ほとんどの主力を休ませることができた上に、群馬戦で電光石火の退場となった河合竜二の出場停止も天皇杯で消化され、この山形戦には出場可能となり、雰囲気は決して悪くない感じ。河合さんが戻ったことで日高ももとのサイドバックに戻ることができ、中盤から後ろはいつものメンバー。前線はフェホがベンチに下がり、内村圭宏の1トップにトップ下マエシュン、サイドには砂川誠とレ・コン・ビンという布陣。

 試合は立ち上がりは五分五分でしたが、徐々にホームの札幌がペースをつかみ始めます。25分、敵陣深くで得たフリーキックからのクリアボールを、宮澤やマエシュンがミドルシュートを面白いように相手に当ててたら、何となく相手のクリアミスを誘ったらしく、再び奪ったボールを左サイドから砂さんがクロス。これを中央に残っていた日高が頭で合わせて先制点をゲットします。
 これで主導権を握った札幌が押し気味に試合を進めますが、こういう時にスコーンと気が抜けるくせは相変わらず。37分、相手のロングスローからのこぼれ球をクリアしきれずに相手に奪われてしまい、秋葉勝にミドルシュートを決められて同点に追いつかれてしまいます。まぁ確かに「相手から奪ったボールを単にクリアするのではなく、味方につなぐ」というのは大事なことですし、クリアするだけではいけないのは間違いないのですけどね。とはいえ、危険なゾーンでのプレーにおいては、周囲の見方の状況まで判断してプレイの選択ができるようにしてほしいです。難しいとは思うのですけどね。オレだってお姉ちゃん口説くのに相手のゾーンに入ってから押すのか引くのかの判断はいつも難しいですもの。まぁうまくいった試しなんてありませんけどね。というか相手のゾーンに行けることすらありませんけどね。そんな感じで前半は同点のまま終了。

 前節までの札幌のチーム総得点は52得点。リーグ6位とそこそこ攻撃力はあるほうなのですが、チームが若いせいもあるのか、「どうしても点が欲しい時に取れない」ことが多いんですよね。まぁどうしてもとかそれ以前に点が欲しくない時なんてないですし、「どうしても点が欲しい時は点が取れる」チームなんてあんまりないと思うんで、「それっぽいこともっともらしく言ってるけど、それって別に普通じゃね?」なんて気もしないでもないのですが、まぁ要するにノってるときはあっさり点を取るのに、相手にガッツリ守られている時(リードを許してる時)はそこをこじ開けるほどの力はまだないってことですね。自分たちの形ができている時は滅法強いけど、相手のペースにはまると妙に焦ってしまったり、逆に大事に行きすぎて手詰まったりって感じになっちゃうんですよね。

 そういう意味では、16分の砂さんのフリーキックはかなりチームを助けたと言えるものでしょう。山形GK常澤が完全に誰かに合わせてくるのに決め打ちしてたこともありますけど、得意な位置からゴール隅に(珍しく)正確に(壁に当てることなく)叩き込んで再びリードを奪いました。
 さらにその4分後、うっちーが相手のGKへのバックパスに猛然と突進。切り返しで交わそうとした常澤のフェイントを読んでボールを奪うと、いったんはバランスを崩すものの、すぐに立ち直って落ち着いてゴールに入れてダメ押し点を奪いました。まぁうっちーがよく突っかけたというプレイなんですが、それにしても相手のことながらGKはちょっとお粗末なプレイでしたね。なまじ足もとに自信があったのが災いしたんでしょうか。杉山さんが同じことやったらサポーターは怒り狂うかもしれないなぁと思いましたが、そもそも杉山さんはボール持って切り返しなんてしないと思いますね。

 2点のリードを得た札幌はイケイケ状態で山形を攻め立てますが、決定的なチャンスをいくつか迎えるもいずれもものにすることができず。この辺はまだまだ課題だなぁと感じますが、ひとまず試合はこのまま逃げ切り3-1で勝利。何とかプレーオフ戦線に踏み止まることができたのでした。

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