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2013年12月 アーカイブ

2013年12月 5日

土俵際

2013年J2第38節
京都サンガFC 2-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/(??? ? ???)いないよ!
     京都/山瀬、横谷

 コンサドーレ札幌は前節モンテディオ山形をホームで下し、プレーオフ圏内争いに何とか踏み止まることができたわけですが、踏み止まったといってもあくまでそれは「可能性を残した」程度のレベルであって、他チームの動向次第とはいえ相変わらず「最低ラインはほぼ全勝」という綱渡りな状況にさほどの変化があるわけではありません。そんな中、苦手とする京都サンガFCとのアウェイ戦を迎えました。
 昨季は年間3位という成績を収めながらも、この年から導入された昇格プレーオフで6位の大分トリニータに敗れて涙を呑んだ京都。それまでのレギュレーションであれば自動昇格だったのに、まさにルールに泣いた格好となりました。しかも、この年ついうっかりJ1に行ってしまっていた札幌が異次元の弱さで降格。保持している最多昇格に並ばれたことに加え、回数最多降格回数(4回)も並ばれてしまいました。元祖エレベーターチームとしてのプライドに賭け昇格を目指す京都ですが、ガンバ大阪、ヴィッセル神戸の2強の壁は厚く、ここまでのところ2位神戸に勝点8差の3位。この試合を含めて残り5試合で逆転するには、ほぼ絶望的な数字です。
 となればディフェンディングチャンピオン京都としては、札幌よりも先に昇格するために、札幌を叩きつぶして昇格のチャンスを与えない、というのが自然な流れとなります。そんな感じで、かような裏事情があったのかなかったのか定かではありません(たぶんない)が、この試合札幌は京都に対して何もさせてもらえませんでした。

 今季の札幌はまぁ決して「強い」というわけではなかったにしても、ガンバ大阪にだって多少なりとも自分たちの時間を作ることができたとは思うんですよ。しかしこの試合の京都には文字通り手も足も出ませんでした。ほんと、カメじゃねぇんだからってくらい。特に山瀬をまったくと言っていいほど捕まえられなかったのが痛かったですね。フィールドを縦横無尽に駆け回る様は、そういえば元祖犬といえば彼のことだったということを思い出させますが、その山瀬の先制点も札幌の守備のまずさはあったにせよ、こぼれ球を拾われてシュートをふわりと浮かせた技ありゴール。あそこで思い切り打ってくれればまだ杉山さんが止めてたかもしれないんですけどね。アレやられたらGKどうしようもないです。
 手も足も出なかったといっても、それなりにいい形は作れてはいたんですが、最後の最後のところは許してもらえないという感じで、要するにバヤリッツァ邪魔。前半はシュート1本のみという体たらくで1点のビハインドのまま前半を終了。

 後半、財前監督は頭からフェホを投入...はいいんですが、交代カードは砂さん。そんなに調子が悪そうには見えなかったのですが。砂さん下げるとしたらフェホじゃなくて岡本ヤスあたりのほうがいいんじゃないでしょうかねぇ。じゃないと正直大作戦くらいしかやることがなくなるような気がするのですが、どうなんでしょうねぇ...とか言ってる間に奈良くんがペナルティエリアの中で横谷を倒してしまいPKを献上。これを決められリードを2点に広げられてしまいます。うーむ。
 2点を追う羽目となった札幌は、フェホが入っても劣勢のまま。というよりは、いくら197cmのフェホが相手でも単純な放り込みだけじゃ対応は楽ですよね。要するにバヤリッツァが邪魔ってことなんですが。もう少しこう、サイドからフェホを使うと見せかけて上原あたりがずっきゅんずっきゅんぶっ飛んでくるという形が理想なんですけど、肝心の上原がいまいち調子が良くないのか、上がってくるシーンがほとんど見られず。榊翔太(わんこ)の投入も「フェホを囮にすばしっこいやつを使いたい」という意図なんでしょうけど、あまりその意図をピッチが感じてないのか、それともそこらへんは感じてるけど思い通りにならないのか、なかなかうまくいきません。
 それでも後半だけでシュート6本打ったとおり、チャンスがなかったわけではないんですけどね。ただ、いずれの決定的なシーンも最強のDFゴール・ポスト選手の活躍に阻まれたり、あるいはGK正面だったりで相手ゴールを割ることができず。最終的にはうっちーに替えてようやく岡本ヤスを投入するものの、時既に遅し。結局最後まで得点を奪うことはできず、せめて引き分けには持ち込みたかった試合は、かなり痛い敗戦となってしまいました。

2013年12月11日

レジェンド伝説

 皆さんこんにちは。サッカー百鬼夜行でございます。2013年シーズンも終了しまして、札幌はプレーオフ圏内にわずかに届かない8位という非常に悔しい成績ではございましたが、異次元の弱さで降格した翌年の、ほとんどゼロからの再スタートということを考えれば、まぁ結果としては上出来だったのではないでしょうか。プレーオフ、行きたかったですけどね。

 さて、今回はコンサドーレ札幌 Advent Calendar 2013への参加記事です。登録してる他のメンツがあまりにも濃すぎるので、何を書いていいかちょっと迷いましたけど、最近ここの更新もサボり気味ですからね。たまにはほら、サッカー百鬼夜行らしい記事を書こうかなと。名付けて「レジェンド伝説」。タイトルの時点でおかしい気もしますが、そこはそれ。もともと何もかもがおかしいサイトですから。
 そんで、どういう内容かというとですね。コンサドーレにやってきた歴代外国人選手を振り返って、「忘れたくても忘れられない伝説」を残した選手を俺基準で紹介しようというコーナーです(成績はいずれも札幌在籍時、リーグ戦のみの数字)。まぁ「サッカー百鬼夜行別館」でやってたスター列伝のタイニー版みたいなもんですね。一部ネタもかぶってます。ちなみに「タイニー」と聞いてまっさきに「タイニーゼビウス」が思い出される人は間違いなくおっさんなので気をつけるように。

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エメルソン
 サンパウロFCから2000年加入。爆発的なスピードと溢れんばかりの俺っぷりでゴールを量産し、札幌のJ2優勝に貢献。オフには彼の札幌残留を望むサポーターから多くの「完全移籍資金」が集まるも、当の本人は年俸100万ドルを要求、それが通らないと見るや「朝起きたら肩が反対になっていたのでブラジルに帰ります」という名言を残して帰国したまま、次に札幌に戻ってきた時は敵選手としてだったという、FF4のカインみたいな選手。川崎フロンターレを経てから浦和レッズに移籍した後の某サッカー雑誌でのインタビューで、「札幌にいた頃から浦和でプレイしたいと思っていた」という発言は、カインの「おれはしょうきにもどった」と同じくらいの衝撃を札幌サポーターに与えました。「ブラジル人ってのはこういうもんだ」とサポーターに教えてくれた最初のレジェンド。
 後にパスポート偽造の罪で逮捕された際、札幌に来た当時18歳ではなく既に21歳だったことが判明。おまけにJリーグ在籍時の「マルシオ・エメルソン・パッソス」という登録名も偽名でした。まぁブラジル人については登録名に愛称を使う人も多いので、エメルソンが本名だろうが偽名だろうがあんま関係ないですけどね。

34試合31ゴール レジェン度...☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

アウミール
 FC東京から2000年加入。物静かで性格も真面目、日本語も堪能ということで、エメルソン、ビジュ、ウィルといったクセのありすぎるブラジル人ばかりが所属していた中、「お守り役」として活躍。アルフィーでいえば坂崎さんであり、たのきんトリオでいえばヨッちゃんのポジションと言えますが、シブがき隊の薬丸ポジションとはちょっと違います。2000年オフにはいったんは契約満了となりながらも、チーム事情による再契約を受け入れたり、人柄に関するエピソードには事欠きませんでした。ただ、サッカーのテクニックについてはブラジル人選手としては正直いまいちな感じで、2000年の天皇杯横浜F・マリノス戦では、「決めればVゴール勝利」というどフリーのシュートを外してしまう失態を見せましたが、このシーンについては後に岡田武史監督(当時)が「一刻でも早くブラジルに帰るためにわざと外した」と暴露。いろんな意味で「やっぱりミールさんもブラジル人」であることをサポーターに印象づけました。

54試合1ゴール レジェン度...☆☆☆

ウィル
 大分トリニータから2001年加入。肩が反対になって帰って行ったストライカーの穴埋めとして白羽の矢が立ったのが、「高い能力を持ちながらも気性難で扱いが難しい」と言われていたこの人。札幌に来てからも気性難は大して変わらなかったものの、崇めてくれるサポーターをいたく気に入ったようで、その能力を遺憾なく発揮。「スーパー北斗21号事件」や「サポーターに国歌(奥様熱唱バージョン)斉唱要求事件」など、数々の伝説を残すが、活躍しすぎてついうっかりJ1得点王に輝いてしまい、2002年に横浜F・マリノスに移籍。しかしスター揃いのマリノスではキングとして扱ってもらえず、プライドを痛く傷つけられた上にちんたらプレイしていたチームメイトを試合中に蹴ってしまい退団(キックオク事件)。翌年再びコンサドーレに移籍となり、初の「出戻り選手」となりました。ただし、キックオク事件による6試合の出場停止が移籍後も持ち越され、開幕から3試合を欠場。復帰後は福岡戦でのハットトリックを含む4試合4ゴールと大暴れするも、甲府戦での負傷による離脱中に深夜のススキノでも大暴れ。どうやら揉めた相手が悪かったらしく、そのままアンドラジーニャとのトレードで逃げるように大分に移籍。キングもやはり人間だったようです。

30試合28ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ロブソン
 スパルタク・モスクワから2002年加入。マリノスに移籍した俺王様の穴を埋める人材として、「ロシアリーグ1部得点王」という触れ込みで鳴り物入りで加入したものの、開幕からゴールどころかまともなシュートシーンすら見せない残念感あふれるプレイを連発。あまりのしょぼさに、疑問に思ったサポーターが調査した結果、「ロシアリーグ得点王は詐称」ということが判明。さらに、シーズン開幕前の某サッカー雑誌でのインタビューにおける「ロブソンは人格者だ」という紹介も空々しいばかりのロシア時代の悪行(乱闘など)も白日の下にさらされることに。結局、柱谷哲二監督(当時)の「ロブソンには責任を取ってもらう」という名言を引き出したことを最大の成果として5月末に退団。「経歴だけで判断してはいけない」「マスコミ記事を信じる前に自分で調べろ」など、我々に大事なことを教えてくれた選手でした。現在でも、札幌界隈で「ロシアリーグ得点王」といえば、経歴詐称を示します。使用例:「俺、今までつきあった女の子は片手だけじゃ足りないぜ」「それってロシアリーグ得点王でしょ?」

5試合0ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆☆☆

ホベルッチ
 コリンチャンスから2003年加入。「ブラジル代表で10番をつけていた」という、コンサドーレの歴代助っ人の中ではベットと並んでもっとも実績のあった人。デビュー戦で直接フリーキック2発をぶち込むなど能力は抜群だったものの、周りの日本人選手をまったく信用してなかったのか、パス出しが極端に悪く、日本のサッカーには合いませんでした。そんな中でも17試合の出場で5ゴールというのは立派な数字ではあったのですが、起用方法を巡ってのジョアン・カルロス監督(当時)との確執もあり、7月に退団。なお、彼の本名はRobert da Silva Almeidaで、普通に読めばロベルト、ブラジルポルトガル語の発音でもホベルチなので、彼の登録名ホベルッチの「ッ」がいったいどこから来たのかは、今をもって謎のままです。

17試合5ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆

ベット
 フルミネンセから2003年加入。ブラジル代表3キャップの実績の持ち主。視野の広さと長短織り交ぜたパスは一級品だったものの、運動量が少なく、日本のサッカー(特にJ2)にはいまいちフィットしませんでした。「なんでだろう~♪」と歌いながら練習したりとか、全治3週間のはずのケガを1週間で治してきたり札幌の背番号8を受け継ぐにふさわしいオモシロ人間の片鱗を見せていましたが、サンフレッチェ広島戦でブラジル代表の大先輩ボランチであるセザールサンパイオに軽くひねられたのがよっぽどショックだったのか、続くサガン鳥栖戦では精彩を欠いたプレイに終始し、直後にホームシックを理由に退団。一説によると通訳の鈴木ウリセスに(千歳)空港から電話をかけてきて、「もうここにはいられない。ブラジルに帰る」と、トレンディドラマのヒロインのように帰って行ったと言われています。コンサドーレ史上初の「5月病で退団」という伝説を残しました。
 なお、この翌年の途中にサンフレッチェ広島に加入。こてんぱんにやられたサンパイオの後継に指名されたことがうれしかったのか、ホームシックにもならず札幌にいたベットとは別人のようなプレイでJリーグにもフィット。あまりにも違うので「別途」と呼ばれていたとかいないとか。ただし広島では最終的に暴力事件で解雇されているので、中身はあまり変わってなかった模様です。

7試合1ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆☆

フッキ
 川崎フロンターレから2006年加入。今となっては「この選手が札幌にいた」というのが伝説となるかもしれない選手ですが、当時は荒削りもいいところというか、素人目にもはっきりわかるほどのものすごい能力を秘めておりながら、とんでもない気性難の持ち主で、38試合の出場で25ゴールという得点力を見せた一方で、イエローカード15枚、イエロー2枚による退場2度、一発レッド1度という記録を残しています。「ガチムチ」の見本のような肉体でタックルしてきた相手が逆に吹っ飛んでもフッキのファウルとなるなど気の毒なジャッジもあったが、相手に右ストレートを見舞うなど言い訳できないレベルのファウルもあり、ガンダムでいえばEXAMシステムみたいな感じの選手でした。今やブラジル代表の中心。

38試合25ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆

ダヴィ
 ヴィトーリアから2007年加入。札幌に来る前はアマゾン奥地にある州3部リーグのチームでプレイしていたそうで、まったく期待されていない中で17ゴールというリーグ2位の得点を叩き出し昇格に貢献。J1でも異次元の弱さを誇るチームにありながら16ゴールを挙げました。その活躍が認められ、翌年名古屋グランパスに完全移籍。戦力としてはもちろん、移籍の際に300万ドルともいわれる高額の移籍金を残すなど、札幌の助っ人の中では貢献度上位に名を連ねる選手ですが、彼の伝説は森脇良太との試合中の濃厚なキス(※いちご味といわれている)など札幌から移籍していってからのほうが多いので、札幌の助っ人としてのレジェン度は少なめ。

65試合33ゴール レジェン度:☆☆☆☆

イタカレ
 ヴィトーリアから2007年途中に加入。「しまふく寮」の料理長として、サッカー以外の面でチームに貢献しました。たぶんサッカー選手だったはず。ちなみにWikipediaでの彼の項目は、母国語であるポルトガル語のページがないのに、なぜか世界で46万人くらいにしか使われていないフィジー・ヒンディー語のページが存在します。ちなみにフィジー・ヒンディー語のWikipediaにはJリーグに所属していたブラジル人選手がたくさん載っているのですが、いずれもJリーグ在籍時のチームしか書かれていません。何かの暗号なんでしょうか。

3試合0ゴール レジェン度:☆☆

アルセウ
 パルメイラスから2008年加入。J1昇格した札幌の目玉補強として獲得したものの、グアムキャンプでのテストマッチで乱闘の末、翌日退団という前代未聞の伝説を残しました。なお、例年新チームのお披露目として行われるキックオフパーティーにはビザの都合で参加できなかったため、誰1人として「コンサドーレユニフォーム姿のアルセウ」を見ることはありませんでした。なお、「合流1週間で退団」は最速退団記録として未来永劫残るものと思われましたが、この5年後、松尾直人による「合流することなく退団」という裏技クラスの離れ業によって破られることになります。

0試合0ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆☆

ノナト
 フォルタレーザから2008年加入。クラブ史上最多の133ゴールという記録を持つ「バイーアの英雄」として鳴り物入りでやってきたものの、全盛期の俺王様をも凌ぐ肥えっぷりでまったく動けず、リーグ戦出場は1試合4分という記録に終わりました。そのたった4分間の出場で、「サイドからクロスを上げようとしたら、ゴール前に飛ぶどころかアウトサイドにかかってゴール裏の看板を直撃」という、きょうび高校生の試合ですら見られないような素人っぽい「伝説のクロス」を披露。三浦俊也監督(当時)を唖然とさせてそのまま退団。ちなみに、「ノナト」で画像検索すると松村邦洋さんの画像が出てくるのはオレのせいです。

1試合0ゴール レジェン度...☆☆☆☆

クライトン
 アトレチコ・パラナエンセから2008年加入。退団したアルセウからふんだくった(当然)違約金を元に獲得。視野の広さ、身体の強靱さ、精度の高いパスで、異次元の弱さを発揮し続けたチームにあって孤軍奮闘し、降格した翌年も数あるオファーを蹴って札幌へ残留...することにはなったものの、重病の父親の看護でグアムキャンプに参加せず、その間古巣アトレチコ・パラナエンセへの移籍が取り沙汰されるなど、動向がきな臭いままシーズン突入。キャンプ合流が遅れたこともあってか、あまりチームにフィットせず、J1昇格が怪しくなり始めた7月には慢性的に痛めていたアキレス腱の怪我の治療に専念したいという理由で、チームとの契約を解除しました。退団会見にて「給料をもらいながら治療を続ける選択肢もあるが、貢献できないならチームを離れるべきだと思った。今度は監督として札幌に戻ってきたい」という感動的な言葉を残してブラジルに帰国した2週間後には、満面の笑顔でアトレチコ・パラナエンセの入団会見に臨む彼の姿が日本でも観測されました。

53試合6ゴール レジェン度:☆☆☆☆☆☆

テレ
 フォス・ド・イグアスから2012年途中に加入。州下部リーグでのプレイ経験のみという、既に風前の灯火状態だった札幌のJ1残留の切り札というにはあまりにもしょぼい経歴であり、実際デビュー戦では多少光るプレイは見せたものの、筋肉質な割にはケガがちでこれといった活躍もできず。札幌の降格には特に何の影響も与えず翌年もチームに残ったものの、開幕からゴールは奪えず。2013年の5月には遠征メンバーから外れたことで、深夜まで酒を飲んでくだを巻き、翌日二日酔いで練習に参加したため契約解除。緊縮財政下のチームにあって「外国籍選手を連れて行くと通訳分の遠征費もよけいにかかるから」という、どちらかといえばチーム事情もあってメンバーを外されたことは多少は同情できますし、二日酔いでも練習には来たことから、少なくとも真面目な選手ではあったのでしょうが、それはともかくブラジル人にしてはサッカーはうまくありませんでした。

10試合0ゴール レジェン度...☆☆☆

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 というわけで13人の助っ人選手をご紹介しました。今まで札幌にやってきた助っ人の国籍って、全部で確か15カ国くらいあるはずなんですけど、ここの出てきたの見事に全員ブラジル人ですね。主にエメルソンのおかげで、我々サポーターも「ブラジル人には過度の期待をしない」意識がすり込まれているので、たいていのことには動じないようになっているのですけど、それでもこうやって並べるとよくもまぁこれだけの伝説があったもんだと思うばかりです。これからも札幌には多くの助っ人がやってくると思いますが、歴代のレジェンドを超える、我々の予想もつかない伝説を残してくれるのかどうか楽しみですね。

2013年12月12日

背水の陣

2013年J2第39節
コンサドーレ札幌 1-0 ジェフユナイテッド市原・千葉
得点者:札幌/内村
     千葉/(??? ? ???)いないよ!

 前節京都に敗れたことで10位にまで後退、プレーオフ圏内の6位との勝点差が6と、4試合という残り試合数を考慮するとほぼ絶望というところまで来てしまった札幌。数字上の可能性は残されているものの、それは「残り試合全勝が最低ライン」という条件が前提となります。ここまで2連勝が精一杯だったチームにとって4連勝というのはただでさえキツいのに、この試合の相手である4位千葉に加え、この次の試合はガンバ大阪との熾烈な優勝争いを繰り広げているヴィッセル神戸が相手。ハードルは高いってもんじゃないですよね。ハードモードとしては、FF5でものまねしゴゴに正面から戦いを挑むような感じですかね。「でなおして、きなしゃーい」みたいな。かなりわかりにくいと自分でも思います。

 で、相手の千葉は、この時点で勝点64の4位。勝点77で2位のガンバ大阪との差は13あるため、自動昇格の可能性は数字上も消滅しています(千葉が残り全勝しても最大で76にしかならないため)。3位京都との勝点差5は決して逆転不可能ではない数字ですが、正直なところ、2位になれないなら3位でも4位でも大して変わらないんですよね。5位以下だとまったく変わってきますが。まぁ5位6位が勝点60で並んでいますので、気を抜くとあっという間にまとめてまくられるポジションでもあるのですが、かといって1試合で逆転されるほど詰まっているわけでもない。結果論になりますが、そんな微妙な感じが、「負けたらそこで終了ですよ」の札幌との違いとして現れたのかもしれませんね。最終的には徳島ヴォルティスに抜かれてシーズン5位で終わってしまったことも含めて、千葉がなかなか昇格できない要因なのかも知れません。なんて、順位は千葉より下のくせにえらそうに語る、下から目線という新しい概念。

 さて、この試合の札幌のスタメンは、前節から堀米が外れて宮澤が入った以外は顔ぶれは前節と同じ。前線の位置関係は多少変わっているようですが、このメンツだとポジションについては「初期位置」以上の意味合いはあんまりないですね。
 で、試合は立ち上がりから札幌が主導権を握るべくアグレッシブにがぶり寄りを見せます。確かにメンバーだけ見れば相手のほうが上で、受けに回ったら攻められますからね。攻めとか受けとかそういうことを言いたいのではありませんので誤解なきよう。そんな感じでどちらかというと札幌が攻勢な感じですが、砂さんが起点となり、そこにマエシュンや荒野がうまく絡んでけっこう面白い攻撃を見せるのですが、チャンスを作っても最後の最後でうまくいかないもどかしい展開が続きます。京都戦では軽さを見せていた守備陣もこの日は割と安定を見せており、29分に危ないシーンがひとつあったくらいで、あとは大きな破綻も見せず前半は0-0で終了。

 プレーオフ戦線に生き残るためには、札幌は引き分けではダメ。あくまでも勝利が必要となります。是が非でも得点の欲しい札幌は、後半も頭から千葉ゴールを攻めます。マエシュンも得意のマエシュンキープからマエシュンドリブル、マエシュンフェイントとあらゆるマエシュン技で打開を図るものの、やはり千葉の守備陣は固く、なかなかゴールを割れません。後半19分にはカウンターから宮澤がゴールネットを揺らすも、惜しくもオフサイドの判定でノーゴール。31分にはマエシュンを下げてフェホを投入、なりふり構わぬと見せかけて割と何かを期待しがちな空中戦に突入した、その数分後でした。相手GKへのバックパスに対してうっちーが猛然と突進。渾身のスライディングタックルでボールを奪うと、すぐさまこぼれたボールをゴールに流し込んで、喉から手が出るほど欲しかった先制点をゲットしました。
 ちょっと足の裏を見せ気味のタックルだったので、よくファウルを取られなかったもんだと思います(うっちーはこの時点で既に1枚もらっていたので、場合によっては退場まであり得た)が、どういう形でもゴールはゴール。点が欲しい時に取ってくるのがエース、ってことなんでしょう。
 にしても、うっちーってこういう形のゴールよく取ってますよね。モンテディオ山形戦のゴールもそうですし、いつぞやも相手GKのクリアボールを足に当てたらそのままゴールに入ったこともありましたし。いつもこういうチャレンジをよくやってるんですよね。もちろんゴールに結びつくことは少ないですけど、こういうことがまれにあるから、9割方無駄であってもチャレンジする価値はあるということでしょう。他のメンツも見習って欲しいものです。いやだからといってそればっかり狙われても困るんですけどね。それだと韓非子の「守株待兔」みたいになっちゃうので。日本では北原白秋の「まちぼうけ」として有名な説話です。ごくたまには勉強になることがないわけでもないサッカー百鬼夜行。

 思わぬ形のゴールは思った以上に相手にダメージを与えたようで、その後千葉の攻撃も単調な力押しに終始。札幌もそういう攻撃なら余裕を持って跳ね返せます。追加点こそ奪えなかったものの、ほぼ注文通りに逃げ切って、またプレーオフへの希望をつなぐことができたのでした。

2013年12月26日

残った残った

2013年J2第40節
コンサドーレ札幌 1-0 ヴィッセル神戸
得点者:札幌/レ・コン・ビン
     神戸/(??? ? ???)いないよ!

 「残り1つも負けられない」という、福本豊さんなら「まず4つ勝たないかんね」という状況におかれたコンサドーレ札幌は、そのまず1つめであるジェフユナイテッド市原・千葉に勝利。正念場であるヴィッセル神戸とのホームゲームを迎えました。残り3試合という段階に来てもガンバ大阪との熾烈な首位争いを繰り広げているヴィッセル神戸とは、第3節というかなり早い段階で対戦し、0-1で敗れています。スコアこそ最少だったものの、全体として力の差を見せつけられる試合でした。札幌のプレーオフ進出の道に立ちはだかる最後の、そして最大の壁と言えるでしょう。でもだからといって怯んではいけません。壁は壊せるものだと9人組のスクールアイドルも歌ってました。
 で、その壁なんですが、この試合が始まる前に勝点70で3位の京都サンガFCがガンバ大阪に敗れ、残り試合を全勝しても現在の神戸の勝点79を上回ることが不可能になったため、この試合の結果に関係なく神戸のJ1昇格が決定。なんか何にもしてないのにちょっと壁壊れた気がする。

 札幌としてはもうやりきるしかない状況。持てる力を存分に使ってぶつかるしかないのですが、間の悪いことにFW内村圭宏が累積警告で出場停止。ここまでリーグ3位タイの15ゴールを挙げているエースを欠いた状態で難敵に挑まなければなりません。しかし、そんなことくらいでへこたれていては、サポーターにもレ・コン・ビンのおかげでついたスポンサーにも申し訳が立ちません。今季最後の山場に選ばれたメンバーは、トップに前田俊介、サイドに荒野拓馬とレ・コン・ビン、トップ下に宮澤裕樹、ボランチ河合竜二と深井一希、4バックは右から日高拓磨、奈良竜樹、チョソンジン、上原慎也、GK杉山哲。この11人でえんたーえんたーみっしょんすることになります。

 戦力の差は歴然ではありますが、試合は意外にも札幌のペースで進みます。札幌は前線からの激しいプレスで神戸に余裕を与えません。おお、こんなにやれるとは思わなかった。なんか1トップのマエシュンまでうっちーらしからぬ積極的な(当社比)プレスをかけてるじゃないですか。
 神戸もおそらく普段のチームならここまで動きが鈍いこともなかったと思いますので、その辺はやっぱりああいう形で昇格が「決まってしまった」のは、少なからぬ影響があったのかも知れませんね。もちろん、札幌も春先からはチームとして成長しているというのもあります。とはいえ、「これ90分持つのか?」というような飛ばし気味な試合展開に、若干心配もつのります。主導権を握っているうちに先制ゴールが欲しい。そんなサポーターの願いが通じたのかも知れません。通じた相手は、池内明彦主審でしたけど。
 36分、コーナーキックからのこぼれ球に反応した河合主将が、やけっぱち気味のミドルシュートを放つと、ボールは一直線にゴールには向かわず、ブロックに入った神戸選手の手に当たります。場所はペナルティエリアの中。正直、これでハンドを取るか取らないかは主審によって分かれると思うのですが、池内主審は取るほうだったようです。札幌にPKが与えられました。
 ペナルティキックは誰の邪魔も入らない絶好の先制チャンスではありますが、しかし「決めて当たり前」だからゆえに、キッカーには恐ろしいプレッシャーがかかります。しかも、絶対に落とせない試合で明らかに格上の相手に、喉から触手が出るほど欲しい先制点のチャンス。ホームサポーターの期待は、何よりも大きく、何よりも重い。そんな状況でペナルティスポットに立ったのは、自ら志願したレ・コン・ビンでした。
 ベトナムの英雄には、このくらいのプレッシャーなんて屁でもないんでしょうね。これまでペナルティーキックを蹴る前から絶対に外さないと自信を持って思えた選手は札幌では俺王様だけですが、レ・コン・ビンは「絶対に決める」という気迫というんでしょうかね。コースそのものはGK徳重に読まれていたんですが、それでも触れないコースに触れないスピードで蹴り込みました。
 待望の先制点を決めた札幌は、その後は多少落ち着いた展開を見せるものの、守りに入ることなくマエシュンがちょこざいなドリブルを見せたり、ちょこざいなイエローをもらったりしていつもの通りに前半終了。

 後半は開始から、さすがにこのままでは終われない神戸の攻撃に晒されます。札幌も後半は疲労からだいぶ運動量も落ちてきていたのですが、神戸も神戸でアウェイではずいぶん手を焼かされた助っ人3人がいまいちピリッとせず、効果的な攻撃を繰り出すことができません。結局、FWマジーニョとMFポポは18分に揃って交代。ところがそこから10分も経たないうちに交代で入ってきた松村が負傷して交代してしまいます。ゲームプランがさらに狂ってしまった神戸に対し、札幌は守備陣は集中を切らさず身体を張ってゴールを許しません。
 それでもヤバいシーンがなかったわけでもなく、あわやPK献上かというシーンもありましたが、今日の池内主審はいつもと違って札幌に有利な判定。有り体に言えば、「ついにデレた」といった感じですね。だって前半のPKは「どっちかといえばPKには見えんなぁ」というのをPKして、「どっちかといえばPKだよなぁ」という札幌のファウルは見逃してくれましたし。完デレですよ。こういう時もあるでしょう。長いものには巻かれる主義です。まぁ次会ったらまたツンツンしてるかもしれませんけど。

 札幌も数こそ少ないものの、マエシュンがちょこざいなループを狙ったり、レ・コン・ビンと交代で入ってきた岡本賢明が惜しいシュートを放ったりしますが追加点は奪えず。29分には疲れの見えた深井一希に代えて進撃の巨人(若干奇行種)を投入。さらに荒野拓馬に替えて榊翔太(豆柴)を投入と、可能な限り人間色を薄めた布陣にシフトして果敢にゴールを狙いますが、徳重のファインセーブに遭ったりしてやはり追加点は奪えません。それでも終了間際に神戸MFエステバンが、既にイエローカードをもらっていたのをわかっていた上で、「もうやってられないぜ」的な2枚目のイエローカードをもらい退場。これでほぼ神戸の攻撃の手がなくなりました。
 それでもラストのワンプレイで混戦から危うくゴールに押し込まれそうになったところを杉山がなんとか止め、試合終了。千葉、神戸と続くキツい2連戦を2つともものにし、プレーオフ進出へ大きく前進したのでした。

2013年12月27日

行く人来る人2013

 さて、相変わらずシーズンは終わったどころか既に2013年が終わろうとしているのに、オレのシーズンは未だに終わっていない(試合レポート2試合も残っている)のですが、そんな事実からは全力で目を背けつつ、「行く人来る人2013」を2回に分けて書くことにします。いやほら、ちょっと更新サボってたら行く人も来る人もたまっちゃって。全部書いたら長くなり過ぎちゃうんで。そうするとほら、2回に分けたら更新回数稼げるじゃないですか? 更新しないとアフィとかがっぽがっぽ入ってこないんですよ。いやアフィリエイトやってないですけど。試合は、そのうち書きます。多分。そうでなくても天皇杯はなかったことになっていますけど。

 そんなわけで、まずは「来る人」からまいりましょう。

新卒選手では、既に早い段階で加入が発表されている阪南大FW工藤光輝選手の他に、北海道教育大学岩見沢校からMF上原拓郎選手の加入が発表されています。今更何をいってんだってくらい前に発表されていることなんですけど、上原選手はコンサドーレ札幌U-18から北海道教育大学に進学していますので、今季で2匹目、通算では3匹目の鮭となりますね。
 ユースからの昇格選手では、MF前寛之、DF内山裕貴選手の加入が発表されています。前選手はトップチームの前貴之(GON44の1人)の実弟で、展開力に優れるボランチ。内山選手はユースチームでキャプテンを務めるセンターバックです。ともにU-18日本代表の選出経験があり、前選手は天皇杯ヴァンフォーレ甲府戦にスタメン出場しています(内山選手はベンチ入りするも出場なし)。しまった。天皇杯なんてなかった。
 札幌のアカデミー出身者は攻撃のポジションのタレントは多いけど、ディフェンダーがなかなか育たないみたいに言われてきていましたが、なんだかんだでこれで3年連続ユースからセンターバックの昇格者が出ています。もちろん試合に出てポジションを掴めるかどうかはこれから次第ですが。

 移籍加入選手は、今のところ3人の選手が発表されています。まずは愛媛FCからFW石井謙伍選手の移籍。まぁこの選手については今更説明なんて必要ありませんよね。コンサドーレの下部組織から2005年にトップチーム昇格。2009年までの5シーズン札幌でプレイしたものの、この年限りで札幌を退団、2010年からは愛媛FCでプレイし、これまでの4シーズンで126試合18ゴールという成績を挙げ、来季から札幌に復帰することになりました。ちなみに彼の愛媛での18ゴール中、4ゴールが札幌戦でのゴールです。
 そしてV・ファーレン長崎からGK金山隼樹選手が完全移籍で加入。金山選手は1988年6月12日生まれの25歳。サンフレッチェ広島ユースから立命館大学を経て長崎に入団、J2参入初年度の今年巡ってきたチャンスをしっかりものにし正GKの座をがっちり掴みました。今年札幌では現在アキレス腱の怪我(と外国籍枠の関係)でイ・ホスンが試合に出られず、GKは杉山哲と曵地裕哉、阿波加俊太のという、今年始まる時点でリーグ戦の出場経験があるのが杉山しかおらず、しかもそれも札幌に来てからの11試合のみという3人だけで回していました。当初はシーズン後半くらいにはホスンが復帰できるという目論見があったのかも知れませんけど、今から考えてもこれはやっぱり無謀ですよね。案の定今季はGKで悩むことが多いシーズンに。札幌は今まで割とチームの実力の割にGKには恵まれているチームでしたから、余計にそう感じてしまいます。「モノランモノラン」だって「ぐ?チョコランタン」の後じゃなければ、まだ評価は上がってたかも知れないですからね。たぶん。
 そんな中で曵地が退団することになり、単純な頭数としてもGKの補充は必要だったわけですが...まさかリーグ最少失点のチームの正GKを一本釣りしてくるとは思いませんでした。杉山さんもシーズン終盤の出来ならばまったく問題はありませんし、ホスンも復帰してくるとなると、非常に高いレベルでのレギュラー争いになりそうです。楽しみですね。
 最後に、栃木SCからMF菊岡拓朗選手が完全移籍加入しています。163cmと小柄ながら、スピードと正確なキックが持ち味の攻撃的選手です。上里一将、深井一希のワンワンコンビが怪我で長期離脱し、頭数の足りてないボランチもできるとのことですが、どっちかというとロアッソ熊本に移籍した岡本賢明の穴埋めといった感じでしょうかね。

 あと、どうやら野々村社長が、現在ウェスタンシドニーワンダラーズFCに所属している元日本代表MF小野伸二に「粉をかけている」らしいです。小野本人は前向きらしいのですが、シドニー側が移籍を拒否しているという情報もあり、まだどうなるかはわからないといった感じ。実現すればビックリですが...。だって小野って。伸二って。信義でもヨーコでもないんですよ。オノ・ヨーコといえば、22分間延々と「ヨーコオオオオオ」「ジョオオオオオオンン」としか言ってない曲を思い出しますよね。思い出しませんか。そうですよね。

 もう一つ、去就が注目されているレ・コン・ビンについては、難航していたソンラム・ゲアンとの交渉が妥結の方向に向かっているそうです。もちろん急転直下で決裂、という可能性もあるわけですが、レ・コン・ビンのキックは日本人にはないものですし、キャンプから参加することでチームにフィットする時間ができたらもっとやれると思いますので、是非とも来年も見たい選手ですから。結論は30日には出るという話ですが、いいニュースを期待したいですね。

2016年2月

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