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2014年3月 アーカイブ

2014年3月 5日

開幕勝利

2014年J2第1節
ジュビロ磐田 0-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/俺たちの砂川誠
     磐田/(??? ? ???)いないよ!

 気づいたらもう開幕ですよ。何か去年の観戦記も全部書いてないような気がしますけど、もう開幕しちゃいましたね。ていうか2月は結局1回しか更新してなかったよ! それもこれも真夏のせいだよ! そうじゃなかったらぜんぶ雪のせいだよ! なのでもう去年の書いてない試合はひとまずなかったことにしますね!

 そんなわけで2014年も開幕です。昨季の8位という成績は、クラブを取り巻く状況から見れば上出来とは言えるものではありました。今季はさらに上を目指すため、昨季からの戦力をベースに上積みを図る...はずでしたが、DFチョソンジン、MFレ・コン・ビン、FWフェホの助っ人3人が退団するなど、なんだかんだ言って例年以上に出の激しいオフシーズンとなっただけでなく、残っているメンバーもキャンプ中に相次いで故障。リハビリ中の上里一将と深井一希の他、新助っ人MFヘナン、DFパウロン、DF奈良竜樹、MF河合竜二、MF日高拓磨と主力選手が脱落していきました。
 残ったメンバーでやりくりしなければならない札幌の開幕戦の布陣は、ワントップ石井謙伍、トップ下に内村圭宏、サイドは砂川誠と栃木SCから新加入の菊岡拓朗、ボランチに宮澤裕樹とユース出身の大卒ルーキー上原拓郎、サイドバックは右に上原慎也、左に松本怜大、センターバックは小山内貴哉と櫛引一紀。GKはV・ファーレン長崎から新加入の金山隼樹。パウロンはまぁ、「たまにしか載らない」を通り越して「載ってるとちょっと得した気分」になる「HUNTER×HUNTER」くらいの扱いなんで別にいいんですが、奈良くんまでケガというのはチームとしてもかなりの痛手です。1人はくっしーでいいとしても、その相方として白羽の矢が立ったのは、GON44の1人小山内貴哉。過去のキャンプで何度かセンターバックに入っていたのは見たことがありますが、本職はサイドバックの選手です。去年までのリーグ戦出場は5試合のみ。どっちかというとくっしーとのTwitter上での煽り合いが目立つ選手です。あれ? 薗田は?
 河合、日高はベンチ入り出来るまでには回復したものの、ベストにはちょっと遠いめのメンバー。とりあえずケガ人は治れば戻っては来れますし、夏には上里深井コンビが戻って来て、小野伸二も移籍してきますから、「札幌はまだ変身を残している」と考えられなくもないのですけど、優勝候補の筆頭・ジュビロ磐田といきなり開幕で当たり、続いてはノブリンのモンテディオ山形、湘南ベルマーレ、ギラなんとかかんとか、京都サンガFCと、割とどSな日程が組まれており、変身する前に終わってしまいそうな感じもぷんぷんします。
 降格したとはいえ磐田は主戦力の引き留めに成功。前田遼一、駒野友一、伊野波雅彦と減益の日本代表3人を擁し、さらには元日本代表松井大輔やヴィッセル神戸で昇格に貢献したポポらを補強。去年のガンバ大阪に優るとも劣らない大人げのなさっぷりです。藤ヶ谷さんもいます。

 そんでキックオフ。最初から大人げなく攻め込む磐田に対し、防戦一方の札幌。それはまぁ予想通りっちゃ予想通りなんですけど、思った以上に何もさせてもらえません。前に出ていけないし、ボールを奪うのも深い位置なので、カウンターを狙おうにもうまくいかず、なんだか池乃めだか師匠を見ている感じです。12分にはあれよあれよと右サイドを突破され、グラウンダーのクロスを松井にヒールでおされシュートを狙われます。これは間一髪GK金山がファインセーブ。結果的には、このプレイが明暗を分けたのかもしれません。
 昨年のJ2最少失点チームの守護神とはいえ、本人にとってはプロ初の開幕スタメン。移籍してきて最初の試合でもありますから、それなりの緊張はあったと思います。この前のミドルシュート何本かも無難に止め、さらにはファインセーブでピンチを救ったのですから、このプレイで波に乗れたというのはあったでしょうね。この後は安定したプレイを披露。ゴール前にハイクロスが上がってもハラハラしないって素晴らしい。キックもタッチを割らないどころか、一発でチャンス作ったりもするし。金山マジ半端ない。

 ピンチを脱した札幌は、その直後に珍しくお見舞いしたカウンターから石井謙伍が倒されてFKを獲得。キッカーには菊岡、砂さんの2人が並んでいましたが、立ち位置から見ればおそらく蹴るのは砂さん。壁は3枚。
 ああ、砂さんはきっと直接入れるんだろうな、雨も降ってるしこの位置からだと壁の外を巻いて、きれいな弾道でポストのそばにあるドリンクボトルに当ててエビ反るまでが様式美。やっぱりコンサドーレは砂さんのエビ反りがないとね! などと思ってたら、ホントにその通り...あれ、入った。

 砂さんすごい。でもちょっと寂しい!

 おそらく「このメンツでジュビロ相手のアウェイなら引き分け上等」くらいで考えていただろう札幌は、これでずいぶん楽になりました。相変わらず守勢に回るシーンは多いものの、出足が遅れていた守備もついて行けるようになります。ちょこちょこスペースが空いたり人数が足りなかったり、ベンチにいる翔太がしっぽをぶんぶん振ってたりしているのですが(憶測)、集中力を切らさず水際で阻止。いくつか打たれた決定的なシュートも金山が防ぎ、前半終了間際にゴールネットを揺らされるものの、判定はオフサイドで命拾いします。1点リードという願ってもない状態で折り返します。

 後半もやはり攻める磐田と守る札幌の図式は変わらず。しかし、昨年の天皇杯でほぼユースのメンバーで磐田に勝ったことは、やはりそれなりの自信にはなってたんでしょうね。強いことは強いけど、決してなんとかならない相手ではないというように、未知数だったボランチ上原拓郎(北上原と呼ぶことにした)もセンターバック小山内貴哉も及第点以上の働きを見せ、慌てず騒がずに対応。18分のポポのミドルシュートは正直やられたと思ったのですが、ここも金山がファインセーブでゴールを許しません。というか金山さんすごいです。あれ止めるとは思わなかった。
 しかし後半最大の山場は後半29分頃でした。磐田の猛攻に晒され、ペナルティエリアの中でボールを受けた前田の後ろから、宮澤が「お前のことが好きやったんや」とばかりに抱きついて倒してしまいます。アンジャッシュ児嶋似の木村主審もこれは公序良俗違反としてファウルを取り、PKを献上。
 もしこのPKを決められてもまだ同点ですから、ゲームプランとしては大筋でブレはないはず何ですけど、昔ナビスコカップの鹿島アントラーズ戦でこんな風に攻められながらもワンチャンスを生かして先制し、なんとかかんとか守ってる中で、PKを与えて同点になってから一気に崩れたことがあったので、ちょっとイヤな予感がします。そういえばあん時も宮澤のファウル(前足)じゃなかったでしたっけ。

 しかし、この試合では前田が蹴ったシュートを金山が見事にストップ。跳ね返りのボールも防いで絶体絶命のピンチを凌ぎます。最後にクリアに入った上原がそのまま金山に「お前のことが好きやったんや」と抱きつくも、こちらは大丈夫でした(何が)。
 こうなると、磐田に「どんなに打ってもゴール入らないんじゃないか」という負のオーラがまとわりつき始めます。決定的な場面になっても、相手のGKのファインセーブにあったり、フリーでもシュートがハズレてしまったり。まぁ札幌もそんな感じで落とした試合が過去に何度もあったように、サッカーって割とそういうことがあるんですよね。ロスタイムにも何度かピンチはあったものの、札幌が守ったと言うよりは相手が勝手に外してくれたというか、そんな感じでそのまま試合終了し、札幌は昨年に引き続いて強豪チーム相手の開幕アウェイ戦で貴重な勝点3をゲット。試合後は野々村社長まで参加した「ススキノへ行こう」の大合唱でしたが、この試合の出場がなかったマエシュンが一番跳んでませんでした。

2014年3月12日

ホーム開幕

2014年J2第2節
コンサドーレ札幌 1-1 モンテディオ山形
得点者:札幌/俺たちのマエシュン
     山形/ディエゴ

 開幕戦でジュビロ磐田に勝利し、貴重な勝点3を手に入れた札幌。優勝候補筆頭とのアウェイゲームでの勝利は、札幌にとっては値千金とも言えるのですが、とはいえ別に磐田に勝ったからといって、実際の勝点が倍になったりするわけではありません。こんなことならスーパーひとしくんを賭けておくべきだったと思うのですが、さりとて札幌イジメとしか思えない開幕からの対戦カードからは、3月は1つも勝てないことまで覚悟していたので、とりあえずひとつ勝てたことには一安心。

 ただ、去年も「最初からニューゲーム」状態でありながら開幕戦のアウェイでジェフユナイテッド市原・千葉に勝っちゃって、こりゃあやるじゃないかと思ったらホーム開幕の栃木SC戦で圧倒的に押していながらコロッと負けて、見事に転んだのが後々響いた感じでしたからね。自動昇格枠というのはかなり厳しい目標だとは思いますが、プレーオフ圏内というのはクラブとしてもおそらく必達目標でしょう。そのためにはやはり勝点の取りこぼしは避けたいですし、せっかく「入るとは思ってなかった勝点3が手に入ってマンモスうれP」なこの状況を無駄にしたくはありません。
 とはいえ、ホーム開幕戦の相手はモンテディオ山形。J1から降格した昨季は順位こそ10位でしたが、8位札幌との勝点差は5と、さほど変わらない成績でした。今年こそ昇格を狙う山形は、前札幌監督のノブリンこと石崎信弘監督を招聘。さらには柏レイソルや東京ヴェルディで活躍したディエゴを獲得した他、カターレ富山から舩津徹也を、栃木SCから當間建文を獲得するなど、J2的にも割と地味に派手な(ノブリンらしい)補強を敢行しています。
 しかし、札幌と同じくこの時期は降雪で地元での練習がままならない山形、ドームのある札幌はまだいいほうで、開幕からアウェイ連戦を強いられる上に、開幕から湘南ベルマーレ、コンサドーレ札幌、FCラモスという日程はあちらさんもけっこうキツいですよね。開幕戦では湘南に0-1で敗れた上に、ロメロフランクが退場でこの試合出場停止。

 迎え討つ札幌ですが、前節ベンチスタートだった河合主将と日高拓磨がスタメン復帰。前線も前節スタメンだった石井謙伍ではなく前田俊介を起用。おそらく前節よりは押し込まれることはないと踏んで、高いところで攻撃の起点を作る狙いと、あと面白いからだと思われますが、結果的にはこの起用がずばり当たった形でした。前半20分、サイドでのパス交換から菊岡のスルーパスに斜めに抜け出したマエシュンが、角度のないところからGKの股を抜いて決めて先制。普段はボールを持って仕掛けてなんぼのマエシュンの、珍しいゴールでした。そりゃこの翌日から札幌は大雪にもなりますよね。
 しかし、前半でよかったのはこのシーンくらい。この前にもDFの裏を取った砂さんが中央の内村にグラウンダーのクロスを送りますが、ちょっと丁寧に出し過ぎたのか、それともドームの芝が思った以上にボールが走らなかったのか、いずれにしてもボールの勢いが弱くGKのカバーが間に合ってしまいシュートを打ちきれず。前半ロスタイムにも、高い位置でボールを奪った砂さんからのスルーパスをマエシュンがダイレクトでシュートを打ちますが、ギリギリで枠の外。このうちどっちかでも決めることができれば、だいぶ楽にはなったと思うのですが...。
 守備面でも河合さんがらしくないミスを連発したり、磐田戦ではほとんどタッチラインを割ることがなかったGK金山のキックも一発目からOBだったりと、全体的に不安定なプレイが目に付きます。それでも主導権を握っている時間はまだよかったのですが、前半39分には右サイドを突破され、クロスボールから最後はディエゴに決められて同点に追いつかれてしまいます。前半は1-1で終0了。

 後半は一進一退の攻防...というかどっちかというと押され気味で試合は進みます。おされといってもオシャンティーとかそういう意味ではないですよ。山形の攻撃は「ほぼ」ディエゴを経由するのですけど、真ん中あたりをうろうろするディエゴを捕まえきれずに、ちょくちょくヤバい感じでフリーにしています。攻撃の迫力という意味では前節の磐田よりは少ないんですけど、なんかけっこうゴール前まで運ばれるシーンが目に付きます。一週間前とは別チームのよう。あれなんですかね。やっぱり札幌の空気を吸うと札幌らしくなってしまうのでしょうかね。セットプレイでハイボールを処理しようと飛び出た金山がボールに触れなかった時は、ディドから連綿と続く札幌のGKの系譜を感じましたね。ボールを掴んでからこぼすのではなく、美しい飛型でボールに触らないのが芸術。ただしGKとしてはアカンプレイ。
 そんな感じでけっこうヤバいシーンもあったのですが、DFが集中を切らさずに守っていたのと、あとは相手の決定的なシュートを最強のDFゴール・ポスト選手が防いでくれたりもして、なんとか失点はせずに済みました。
 札幌も左サイドでキープした南上原から、逆サイドの日高にサイドチェンジがバシッと決まったり(クロスがアレでオッペケペに終わる)、非常にオレ好みの展開も随所に見られましたし、日高のボレーシュートなど惜しいシーンもあるにはあったのですが、交代選手があまり有効に機能しなかったこともあって、攻撃面も若干物足りない感じではありましたね。砂さんやマエシュンがいない時に誰がどう組み立てるのか、菊岡ももう少しフィットしてくれば変わるのかもしれませんが、そのあたりが課題でしょうか。
 全体的には、レフェリーのジャッジがちょっと不安定だったのが残念でしたが、内容からすれば引き分けは妥当といったところ。しょぼい失点をして負けなかったというのは、去年の同時期からすれば悪くはないんじゃないでしょうかね。

2014年3月20日

ウェリントンの勝利

2014年J2第3節
湘南ベルマーレ 2-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/誰もいない
     湘南/ウェリントン、大槻

 「お前たちにスタートダッシュなんて許すと思うかね?」という日程くんの声が聞こえてきそうないやがらせ日程の第3弾、湘南ベルマーレとのアウェイ戦がやってまいりました。
 湘南は2012年にJ2で2位となりJ1昇格を勝ち取りましたが、惜しくも残留を果たすことができず降格。札幌は2012年をJ1で戦い、誰が見ても明らかなほどの異次元の弱さを発揮し降格し、ちょうど入れ替わる形となったため、湘南との対戦は3年ぶりとなります。

 札幌は開幕から2戦スタメンを張っていた菊岡拓朗が体調不良とのことで遠征メンバーから外れ、代わりに荒野拓馬が出場。代表でのケガで戦列を離れていた奈良竜樹が復帰しました。あと、「眠れる巨神兵」パウロンと、うっかりするとその存在を忘れそうになる新助っ人ヘナン、神戸から新加入で、札幌を堪能しまくっている都倉賢(通称いくら賢)も遠征メンバー入りを果たしています。少しずつベストメンバーに近くなってきてはいるのですが...ちょっとその事実から目を背けたくなるほどいいようにやられちゃいましたね。

 開始こそ南上原こと上原慎也がシュートを立て続けに浴びせ主導権を握るかと思われたのですが、残念ながらよかったのはここまで(ってことは5分もなかった)。お互い中盤でガシガシプレスをかける、いわゆる「リング中央で足を止めての打ち合い」なんですが、打ち合っているように見えて実はあんまり有効打がないというちょっとアレな感じの試合。で、どっちかというとミスが多いのが札幌で、「前線からプレッシャーをかけて、ミスパスを誘ってボールを奪う」まではしっかりできているんですけど、そこから1本目2本目のパスがとにかく合いません。相手のプレスがきつかったのも確かですが、まったくもってどフリーの時でもチョロパスで相手に詰められたり、狙い澄ましたように相手にパスしたりなどでほとんど攻撃の形を作れません。前線で起点を作れるのが砂さんくらいで、マエシュンにもうっちーにもいい形でボールが入らないので、ほとんどシュートまで持っていけない状態が続きます。

 かといって湘南もすんげえよかったかというと決してそういうわけではなく、そこそこ札幌の守備の網に引っかかってくれているんですけど、奪ってもすぐにボールを失うもんだから、開始こそガンガン上がっていたサイドバックもなかなか上がることができなくなります。
 だいたい、札幌のサイドバックは両方いっぺんに上がってなんぼですからね。日高のクロスに南上原が突っ込んでシュートとか、南上原のサイドチェンジが日高に渡るとか、そういう鼻血的な展開があってこそのコンサドーレ札幌なのですよ(※個人の感想です)。そこらあたりを封じられると札幌としてはツラいですよね。

 そんな感じでだんだんとボールの失い方が悪くなってきたなぁと思った矢先、割と遠目からのクロスをウェリントンにズバンと頭で決められ失点。このウェリントン、ドイツブンデスリーガでのプレイ経験を持つ選手ですが、そのドイツが生んだ大作曲家であるL.v.ベートーベンが作曲した、「ウェリントンの勝利」という曲があります。「運命」や「合唱付(いわゆる第九)」など数々の名曲を残したベートーベンですが、この「ウェリントンの勝利」では、曲の中で大砲とかマスケット銃(まどマギのマミさんのアレ)をぶっ放すという、ベートーベンの数ある楽曲の中でも一番の駄作の誉れ高い作品です。
 ちなみにベートーベンは「お願いです、変ホ長調の音階を書いてください」とか「それはまっぴら、ごめんこうむる」といった割とイカレたタイトルの曲も作っていたりします。機会があれば是非聴いてみてください。

 そんなわけでベートーベンとウェリントンの間にはまったく関係はないのですけど、ともかく前半は1点をリードされて終了。

 後半、巻き返しを図りたい札幌ですが、相変わらずなんとなくピリッとせず。選手交代で流れを変えようにも、正直攻撃に関してはだいたいの選手がダメという状態では、どこから手を着けていいのやらといった感じ。サッカーではルール上3人までしか替えちゃいけませんからね。たとえて言うなら、「ステラ女学院高等科C3部」と「断裁分離のクライムエッジ」と「帰宅部活動記録」と「フラクタル」と「ウェイクアップガールズ」と「惡の華」と「あっちこっち」とを並べて「どれか3本までしか切ってはいけません。あとは全部見てください。何があっても。」というようなもの。
 結局、90分プレイさせるとだいたい地方条例に引っかかる可能性がある砂さんと、45分以上プレイさせるとだいたいセーフモードに切り替わるマエシュンと、河合さんがいると途端に影が薄くなる宮澤を交代させるのが精一杯で、最初から最後までいないも同然だった荒野はフル出場させざるを得ない状態に。どれが誰に当たるかは皆様のご想像にお任せします。なお、キミキスのアニメなんてなかった。
 そんな感じなものですから、後半もろくすっぽシュートも打てない状態が続き、19分には右サイドからの速いクロスを金山がはじき、そのボールをウェリントンが中央に折り返したところを詰めていた大槻に押し込まれます。オフサイド...に見えましたが判定はゴール。
 今年からオフサイドのルールが(また)変わっているのですけど、ウェリントンがプレイに関与した時点で大槻がオフサイドポジションにいたのは明らかなので、これがオフサイドにならないとしたら、ヘディングしたのがコンサドーレの選手だった場合くらいですかね。だとしたら見間違ったのかもしれませんが...吉田主審も副審に確認は行っているので、レフェリーがオフサイドじゃないと判断したのであればオフサイドではないのでしょう。

 いずれにしても2点のビハインドはこの日の札幌にとっては重い枷。1点くらいなら何かの間違いで取れたりするかも知れませんけど、2点となると大変ですよね。交代で入ってきたいくら賢選手も持ち味を発揮したとは言いがたく、前貴之が惜しいミドルシュートを放ったり、日高のボレーがクロスバーを叩いたりしたシーンがあったくらいで、最後まで湘南の守備陣を崩すことはできず試合終了。ここでの負けはある程度想定内とはいえ、ちょっと内容的にも残念な感じの試合でした。

 なお、パウロンは出場しませんでした。

2014年3月26日

ホーム初勝利、だけど...

2014年J2第4節
コンサドーレ札幌 3-0 ギラヴァンツ北九州
得点者:札幌/内村x2.5、上原(慎)
     北九州/なし

 開幕から3試合を終えて1勝1敗1分、勝点4という成績の札幌。ジュビロ磐田、モンテディオ山形、湘南ベルマーレと、いずれも昇格候補に挙げられているチームが相手だったことを考えると、ここまでは決して悪くはない結果です。今節の相手は比較的与しやすいと見られるギラヴァンツ北九州。自動昇格を狙うのであれば連敗は避けなければいけませんし、来週は苦手の京都サンガFCとのアウェイ戦が控えていることからも、ここはきっちりと勝点3を取っておきたいところ。
 とはいえ、北九州といえば忘れもしない昨季の最終節、「勝てばプレーオフ進出」という状況で対戦して引き分けに終わったように、決して楽な相手ではありません。あの試合での北九州が最初から引き分け上等な感じではあったにせよ、そこをどうにかしてこじ開けられなかったのは札幌なのですから、力不足といえば力不足。だからこそこの試合できっちり勝利を挙げることが重要だと思います。まぁあの試合で勝ってもないのに勝ったような騒ぎをしてた北九州への意趣返しというのも、多少はね?

 札幌はケガや体調不良者が多いこともあり、前節からスターティングメンバーがけっこう変わりました。まずDF櫛引一紀とMF宮澤裕樹が欠場。先週戦列に復帰したはずのDFパウロンはいつの間にかまた戦線離脱の任務に復帰し、センターバックの代わりに入ったのは川崎フロンターレから移籍してきた薗田淳。ボランチは北上原こと上原拓郎が入っています。前節体調不良で欠場した菊岡拓朗が戻ってきたものの、ベンチスタート。サイドハーフには石井謙伍が入りました。
 そしてGKは前節までゴールマウスを守ってきた金山ではなく、約1年10ヶ月ぶりにイホスンが出場。おそらく今季は2人の守護神を使い分けていくつもりなんでしょうね。どんなにアレでも杉様以外の選択肢がなかった昨年を思うと、泣けるほど贅沢なGK陣です。
 また、昨年3月31日のガンバ大阪戦で膝を負傷し、長期離脱をしていたMF古田寛幸がほぼ1年ぶりにベンチ入りを果たしました。

 一方北九州は今季、FW原一樹(京都)、MF風間宏希(川崎フロンターレ)らが加入。ほぼオールリセット状態だった昨季に比べて今季はさほどの戦力流出はなかったものの、ここまで1勝2敗とまだはじまったばかりとはいえやや苦しいシーズンとなっています。ちなみに、風間といえば我々の世代にとっては三姉妹ですね。

 さて、試合はいろんなうっぷんを晴らすかのように札幌が支配します。北九州があまり前からボールを取りに来なかったこともあり、湘南戦ではほとんど上がる機会のなかった南上原と日高のサイドバックも高い位置でプレイし、相手を自陣に釘付けにします。
 先制は13分。左サイドで砂川誠からのスルーパスに反応してDFの裏を取った内村圭宏が、角度のないところから右足でうまく流し込んでゴール。これで気をよくしたうっちーは、その10分後にも砂さんのコーナーキックをうまく頭で合わせて2点目をゲットします。下がりながらの難しい体勢でしたが、この辺、調子に乗った内村さんはさすがですね。
 すっかり勢いの出た札幌は、すっかり元気のなくなった北九州を相手にやりたい放題。26分には細かいパスをつないでペナルティエリアに侵入したところを南上原が倒されPKを獲得。キッカーを務めたうっちーのシュートはいったんは相手GKにはじかれるものの、詰めていた南上原が押し込んで3点目となりました。
 このPK、うっちーが決めていればハットトリック達成だったのですが、なんとなく外しそうな気がしていたんですよね。南上原の反応の早さを見るに、彼もそれを予想していたというか、むしろ外せと思っていたかもしれませんね。元FWとしては正しいと思います。ちなみに、開幕戦での前田のPKを最終的にクリアしたのも南上原。ある意味PK職人と言えます。
 前半30分も経たないうちに3点のリードを得た札幌。守備面でも相手のFWにいい形でボールが入らなかったこともあり、今季初となる奈良竜樹と薗田淳のコンビもほとんど危ないところはなく、また久しぶりの実戦となるイホスンもブランクを感じさせないプレイを披露し、無失点で前半終了。申し分のない内容で折り返しました。

 しかし、この時は誰も知らなかったのです。後半は、前半がまるで夢だったかのような残念プレイに終始することを...。

 サッカーにおいて3-0というのはセーフティーといえるスコアです。よっぽどのことがなければここから試合をひっくり返されることはほぼないと言ってもよく、去年3点差を逆転した試合はJ1J2ひっくるめても浦和レッズ対大分トリニータの1試合のみだったはず。調べてないですけどJリーグの歴史上でも10回もなかった気がします。
 なので、無理に追加点を狙って攻め込んで無闇に体力を消耗したりケガのリスクを負うよりは、相手の出方に合わせてカウンター狙い、という作戦もありだとは思いますし、どちらかといえばそっちのほうがセオリーでしょう。それはわかります。
 ただ、後半のできに関しては、意識してそれを狙っているというよりは、「思い切り手を抜きました」というような感じだったのが残念だなぁと。パスも足もとばかりで動きも少なかったですし、かといっていらんところで手数をかけたり。悪い時のシャフトアニメ、を模したシルバーリンクアニメみたいな感じでしょうか。わかりにくいたとえですみません。

 案の定、後半のチャンスはといえばマエシュンのマエシュンエリアからのマエシュンシュートがクロスバーを叩いたくらい。北九州の気合もすっかり削がれていたこともあって、無失点で終えることができたのはよかったですし、3ゴール取れたこともよかったんですが、前半のシュート数7対2に対して後半は4対4。途中出場のいくら賢選手もまだ少し噛み合わない感じで不発に終わり、何かこう、モヤモヤしたものが残る後半でしたね。
 90分相手を圧倒しろなんて求めてはいないですけど、自動昇格を狙うのであればやっぱり最低でもあと1~2点は欲しかったところですし、やり方はともかくそこは貪欲に狙って行って欲しかったなぁと。もちろん、北九州を完膚なきまでに叩きつぶして欲しかった、というどす黒い心情も、多少はね?

 まぁとにもかくにも勝点3をゲットということで、とりあえず、これで3月の勝点は7となりました。開幕前の自分の予想よりかは大幅に上回っています。この日フル出場を果たしたイホスン、交代出場した古田など少しずつ怪我人も戻ってきて、戦力も整いつつあるので、ここから調子をまた上げていってもらいたいですね。パウロンがいつ戻って来るかは分かりませんけど。

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