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2014年4月 アーカイブ

2014年4月 2日

京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場

2014年J2第5節
京都サンガF.C. 1-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/内村x0.2(宮澤x0.8)
     京都/アレッサンドロ

 鬼の3月日程も、ようやく締めくくりの京都サンガとのアウェイ戦を残すのみとなりました。ここまで4試合を終えて2勝1敗1分で勝点4。まぁ思っていたよりはいい成績です。3月のラストマッチをいい形で締めくくることができれば スタートダッシュとまでは行かないかもしれませんが、4月以降に向けて弾みがつくに違いありません。
 3月でも当たり前のように雪が降り、思うようなトレーニングができないことも多い札幌においては、この時期なかなか万全の体制で試合に臨むのが難しいのも確かなのですが、長丁場のJ2とはいえスタートダッシュは重要で、3話までに面白くならなかったアニメは高確率で切られるのと同じように、ここを失敗すると挽回するのはけっこう大変です。去年も3月の6試合で2勝4敗と大きく出遅れたことが、最後の最後でプレーオフ進出を逃したひとつの要因にもなりました。ここで最低でも五分に終わっていれば、札幌がプレーオフに進出し、プレーオフでは大方の予想を覆してJ1に昇格を勝ち取り、今頃は大方の予想通り異次元の弱さを発揮していたはずです。つくづく残念です。

 で、相手の京都はそのプレーオフ決勝で徳島ヴォルティス相手に不覚を取り、2年連続でプレーオフ敗退。勝ってJ1に上がった徳島が、最速の申し子コンサドーレ札幌を上回るハイペースで黒星を重ねているだけに、歯がゆい思いはあるのではないかと思います。一時期ほど予算には恵まれてはいないようですが、それでもFW大黒将志やDF比嘉祐介といった実績のあるメンバーを補強しています。

 今までも何度か触れてきましたが、試合会場となる京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場は札幌にとって鬼門といえるスタジアム。まぁ札幌にとっての鬼門スタジアムは他にも割とたくさんあるのですが、この京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場は数多い鬼門スタジアムでもとりわけ鬼門度は高く、京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場での対戦成績は札幌の1勝9敗。しかも4点取られた試合が4試合もあって、その他の試合もたいてい2点は取られてる、唯一勝った試合ですら2点取られたという感じで、もう京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場といえばこてんぱんにやられた思い出しかありません。

 そんな京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場での試合は、やはり開始から京都ペース。立て続けにゴール前にボールを運ばれます。ただその猛攻を凌ぎきると、今度は札幌が反撃。左サイドを崩してうっちーからの折り返しのボールに詰めていた河合主将が完璧に合わせますが、このシュートをバヤリッツァがブロックしゴールならず。シュートの勢いからもブロックできてもゴールに入っておかしくない状況だったのに、ボールはギリギリでクロスバーの上へ。なんですかこれでも入らないって。これが京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場の魔物なんですか。平安京のエイリアンなんですか。
 完全に1点もののシーンを逃したものの、ペースとしてはここから互角の戦いを見せます。今季はケガの影響もあってかちょっとイマイチな出来が続いていた河合さんも少し調子が上向いてきたのか、相変わらずびっくりどっきりパスを見せることはあるもののだいぶ動けるようになってきています。前半25分には札幌のレジェンド、ミスターコンサドーレ砂川誠の伝統芸「壁当て」も繰り出されるなど絶好調。しかしながら、相手の信じられないミスもあったりでチャンスは多いもののどうにも最後のプレイが雑で、なかなかフィニッシュに持って行けません。
 守備面も2戦連続のコンビとなった奈良・薗田コンビは、前線でイヤらしい動きを繰り返す大黒と山瀬の「昔札幌でポジションを奪ったり奪われたりしてましたコンビ」に時折翻弄されつつも、なんとか無失点で切り抜けます。終了直前の相手のゴールはオフサイドだったからよかったのものの、本当に危なかったですけどね。

 0-0で折り返した後半も札幌のペースが続くのですが、前半に比べればシュートまで持って行けるシーンは増えたものの、やはりどうしてもフィニッシュの精度が甘くシュートが枠に飛びません。そういうしているうちに、何となく与えてしまったコーナーキックをきっかけに、アレッサンドロに技ありのシュートを決められてしまい先制を許します。
 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では珍しくそれなりにペースを握れていたにもかかわらず、ここに来ての失点。やはり今日も京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では勝てないのか、という雰囲気が出始めます。25分にはマエシュンに替えていくら賢を、29分には京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場ではここまでの唯一の勝利を挙げた試合で決勝のゴールを挙げた石井謙伍に替えて菊岡拓朗を投入。すると33分、菊岡の右からのコーナーキックを宮澤がうまく胸でコントロールし、ダイレクトで放ったシュートがうっちーに当たりゴールイン。うっちーに当たらなくてもゴールには入ってた気がするので宮澤のゴールでもいい気はしますが、記録はうっちー。宮澤くんはうっちーにからあげくんでもおごってもらうといいでしょう。

 その後は明日止まり始めた両軍によるオープンな行ってこい状態の「ザ・J2」な展開が続き、どちらのチームも点を取れそうで取れないもどかしいシーンが見られますが、結局お互いゴールを奪うことができずドローで終了。両チームにともに「もう少しうまくやってれば勝ててたんじゃないか」と思えるような、何となくもやっとした感じの試合でした。まぁ京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で勝点が取れたんだからよかったんでしょうか。

2014年4月 9日

いくらゴール

2014年J2第6節
コンサドーレ札幌 1-0 松本山雅FC
得点者:札幌/都倉
     松本/なし

 3月を2勝1敗2分、順位としては7位タイと、まずまずな成績で乗り切りました。終わってみればもう少しやれたんじゃないかなという気もしないでもないですが、それは結果論ですし、去年の同じ時期にガンバ大阪が勝点7だったことを考えると、ペースとしては悪くはありません。
 もっとも、その去年の同じ時期に6位までにつけていたチームで最終的に昇格したのが首位だったヴィッセル神戸だけですし、2位と4位につけていたガイナーレ鳥取とカターレ富山の最終順位がげれっぱと18位だったことを考えると、まぁやっぱりこの時期の順位は本気でアテにならないわけですけどね。
 で、今節の相手は現在3位につけている松本山雅FC。ここまでの勝敗は2位につけるジュビロ磐田と同じ3勝1敗1分けですが、山雅の対戦相手が札幌がここまでで戦ってきた相手よりも多少力の劣る相手だったこと、首位湘南にはタコ殴りにされていることからも、力関係としてはそこそこ割と似たような感じなのかもしれません。果たして、試合はだいたいそんな感じの内容でした。

 この試合、センターバックに前節までスタメンを張っていた奈良・薗田コンビではなく、奈良・パウロンのコンビで臨んだ財前監督。おそらく憎たらしいほど相手を研究し尽くす松本山雅・反町康治監督に対抗するため、敵はもちろん味方にさえ予測不能な動きをするパウロンをリーサルウェポンとして入れたに違いないのでしょうが...。アホみたいな身体能力を誇る一方で、その有り余る能力に身体がついてこないのかしょっちゅうケガをするパウロンが、試合に出られる姿を見られるとは思ってなかったサポーター多数(俺含む)。
 それにしてもケガから復帰して以来、櫛引一紀、薗田淳、パウロンと既に3人も相方が代わった奈良くん、水谷豊以上の相棒変わりっぷりですね。噂の刑事くらいの安定コンビのほうが楽なんでしょうけど、こういう経験はきっと代表などでも役に立つでしょう。たぶん。それ以外のメンバーは前節と同じ。

 開始からペースを掴んだのは松本山雅。中盤からの積極的なプレスでボールを奪い、シンプルに前線にボールをつなぐスタイルで、札幌ゴールに迫ります。札幌は相手のシステムへの対応に戸惑ったかサイドでマークが曖昧になることが多く、後手後手な対応。特に中盤で自在に動く岩上を捕まえることができず、岩上がスローインを入れて岩上がシュート打って終わるというわけのわからない状況まで生まれる始末。ただそれでも枠に飛んだシュートはGKホスンがキッチリと止めて失点は許さず、途中なんかゴール裏のサポーターが知らない選手にブーイングをしてた気がしますが気にしない。

 ただ今季の札幌は攻撃がどうも噛み合わないのか、昨季に比べても極端にシュートが少なくなっており、この試合でもなかなかシュートまで持っていけません。この試合でもなかなかペナルティエリアまで入れず、散発的なミドルシュートをあさっての方向に繰り出す程度。それでも砂さんやマエシュンを中心に惜しい形までは作れるのですが、味方に合いません。
 前半終了間際には、マエシュンが3人を引きつけてどフリーの石井謙伍にパスを通すものの、このボールを焦ってダイレクトでしょぼしょぼなシュートを打って萎え萎え。点取り屋ではないことはわかってますけど、こういうのはせめて枠に飛ばしてほしいんですがねぇ。ワントラップする余裕もあったでしょうに。

 そんなわけで札幌ももったいないチャンスを逃した上に、前半終了直前には2戦連続得点中と調子が上向いてきたエース内村が足を痛めて都倉賢と交代するアクシデントも発生。前半は0-0で終了します。

 後半は多少札幌も持ち直したのと、やはり前半飛ばしすぎたのか松本の運動量も多少落ち着いたせいか、徐々に札幌がペースを握り始めます。後半7分には都倉からのパスを上原が追いつき、低いクロスに飛び込んだ石井が頭で合わせますが、このボールをギリギリで相手GK村山のファインセーブにあいゴールならず。
 そして15分、カウンターから砂川誠が右足アウトサイドで相手GKとDFの間を狙ったロビングのパスに、都倉が相手DFとボールの間にうまいこと身体を入れて持ち前の身体の強さで相手をはじき飛ばし、ボールを奪い取るや振り向きざまに強烈なシュートを放つと、ボールはGKのニアサイドをぶち抜きゴールイン。札幌に移籍してきたその日に大盛りのいくら丼をTwitterにアップしたことから、「いくらけん」の名がついた都倉選手の待望の札幌初ゴールで先制しました。

 さて、松本にとっては厳密に言えばDFの対応ミスとも言えるのですが、崩されたわけではないのに失点したというのはやはり精神的なショックは少なからずあるのでしょう。もともと止まりかけていた足がピタッと止まってしまい、おおよそ札幌ペースになります。
 ただ2点目を取るチャンスもあったのですが、ここでダメを押す力はまだないんでしょうかね。後半39分には宮澤の限りなくシュートに近いクロスをペナルティエリアで待ち構えていた都倉がトラップ。ここで素直にダイレクトでプッシュしていればよかったんでしょうけど、思った以上にぴったりと足もとに入ってしまったため、かえって難しい体勢になってしまい、それでもうまくシュートを打ったもものの、ボールはギリギリ枠の外。無念。
 それでも残りの時間はほぼ危なげなく切り抜け、マエシュンの不思議なクロスやパウロンのあり得ないヘディングクリア、奈良くんの塩沢おんぶなど無駄に見所の多かった試合は1-0で終了。札幌は今季3勝目で6位に浮上しました。

 あ、パウロンはフル出場です。途中鼻血でピッチを退いた時にちょっと何かを期待をしたのは自分だけではないと思います。

2014年4月16日

大凶

2014年J2第7節
大分トリニータ 1-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/おりませんでした
     大分/末吉

 4月最初の試合を勝ちで飾ったコンサドーレ札幌は、大分トリニータとのアウェイ戦を迎えました。2013年J1で戦った大分は、その前年に史上最速降格を華麗に決めてJ2に凱旋してきた札幌の降格速度こそ破れなかったものの、その札幌ですら破ることができなかった年間最低勝利数(湘南ベルマーレの持つ3勝)を更新する、わずか2勝という記録を樹立し、故郷J2に戻ってまいりました。2011年以来3年ぶりの対決となる「最弱チーム対決」ですが、その血の滲む思いで樹立した両チームの記録すら、あらかた塗り替える勢いで驀進している徳島ヴォルティスを見ると、改めてJ1って怖いところだと思います。

 さて、札幌は上位を狙うためにはこのあたりで連勝が欲しいところですし、他カードの結果次第では、最高で2位まで順位を上げることができるだけに、ここは是非とも勝っておきたい試合だったのですが...。結果は負け。
 まぁ2位と言っても札幌に一番都合がいいように妄想した場合であって、言ってみればクラスの女子が全員自分に惚れるくらいの感じなんで、世の中そうそううまくはいかないのはわかっていますが、、実際のところ終わってみたら札幌が勝ってれば3位にはなれていたという、割とそれに近いくらいの感じになってたんですよね。まぁ肝心の札幌がころっと負けたんで、自らフラグをへし折ったみたいな形になりましたけど。もったいなかったですね。

 エース内村圭宏が前節松本山雅戦の試合中に負傷、この試合も欠場となった札幌は、そのうっちーとの途中交代で決勝ゴールを挙げた都倉賢が今季初スタメン。彼自身優れたストライカーですから能力的にはまったく問題はないのですが、札幌の対応力には多少問題があったようです。うっちーといくら選手ではプレイスタイルもエリアも違うのに、同じような感じで展開してもうまくいくはずもありません。
 それでも試合終盤まで五分五分の試合に持ち込むことができれば、相手も焦れてスキが生まれる可能性もあったんでしょうけど、前半8分に大分MF末吉にきれいなミドルを決められてぽこんと失点。ディフェンスのマークがずれてスペースを空けていたことでシュートを狙う余裕を与えてしまったせいもありますが、ホスンでも触れないゴール右隅ギリギリに決まる見事なシュート。末吉なんておみくじ的にはあまり運のなさそうな名前なのに。彼に対抗するためには博多大吉さんでも連れてこないといけないですね。

 こうなるとホームの大分が余裕を持って試合を進められるわけで、札幌としてはそうでなくてもあまり噛み合ってない攻撃がなお一層噛み合いません。湘南や松本みたいにそんなに前からプレッシャーをかけてこないため、ボールを運べることは運べるのですけど、がっちり固められた真ん中をこじ開ける力も工夫もないのが痛いところ。
 前半25分には、ルーズボールをあきらめずに追っていった南上原がライン際でクロスを上げ、詰めていた石井謙伍が押し込みますが、折り返しの時点でラインを割っていたということでノーゴール。まぁ、中継でもはっきり割ってましたからね。昔逆の立場で、同じようなシーンで完全に割ってたのを見逃されてゴールを認められたことがありましたけどね。

 おおまかなところでの見所といえばこのシーンくらいで、石井謙伍の姿が確認されたのもこのシーンくらい。砂さんもあまり調子がよくなかったんですが、砂さんはまだボールを持ってはいましたからね。
ボールを持つことすらないのでは別にピッチにいなくてもいいというか、むしろ1人減ってる分いないほうがいいというか。なんか5年前と同じこと言ってる気がしますよ。なんか変わったんじゃなかったんですか。

 後半は頭から砂さんに代えて菊岡を、18分には石井に代えて古田を投入するも、あまり流れは変わらず。菊岡さんはともかく古田はまだトップフォームには程遠いというか、本調子じゃないですね。まぁ彼はもともと積極的にボールを触って調子に乗るタイプなので途中交代だとあまり持ち味を発揮できないというところはあるんですけど、今のところ試合に出てる割りにはパッとしたところを見せられていない石井謙伍からポジションを奪えてないことからも、もう少し時間がかかるのかもしれませんね。というかここのポジション一番人が多いはずなのに、みんなどうしたんでしょう。

 まぁそんな古田もボールをそんな触らないうちに、元韓国代表FWチョンソンフンを投入したことで、実質封印されたも同然。右サイドバックの日高を下げて190cmの巨漢FW入れたら、当然やることは大作戦しかないわけで、そうなったらボール持って仕掛けてなんぼの選手が活きるシーンなんてあるはずもなく。なんでしょうね、このイタリアンのコース料理の中に突然わかめそばが出てきたような感じのモヤモヤ感は。
 しかしまぁ、いくらさんとソンフンでツインタワーするなら、いっそのこともうパウロンも上原も上げちゃって、実況のアナウンサーが「あーーーーーーーーっとこれはまるで札幌の万里の長城だーーーーーーーーー!!」とキン肉マンのアナウンサーみたいに叫ぶくらいは徹底して欲しいですよね。守備? んなもんパウロンが走ってなんとかすんだろ(適当)。何試合かと引換えになるかもしれませんけど。

 結局、それでも大したチャンスは作れず時間だけが過ぎていき、終了間際のコーナーキックからの展開で、上がっていたイホスンがヘディングシュートを見舞うという割と珍しいシーン(ただしシュートは枠外)が見られたのがよかったくらいで、試合はそのまま0-1で終了。レフェリーも若干ホーム寄りだったかなぁというきらいもありましたが、まぁ全体的には悪いジャッジではなかったので、要するに札幌が圧倒的にしょぼかったってことですね。
 選手個々人が手を抜いてたとは思いませんけど、砂さんとうっちーのホットラインがないとこんなに攻撃に手詰まり感が出るとは思わなかったですね。小野伸二がやってきて上里が復活できればもっとボールの出所は増えるんでしょうけど、もう少しいろんな意味で臨機応変に戦える器用さを身につけないと、上に上がれても苦労するだけですからねぇ。

2014年4月30日

ファンタジスタ

2014年J2第8節
コンサドーレ札幌 1-0 ザスパクサツ群馬
得点者:札幌/マエシュン
     群馬/なし

 勝ったり負けたりで波に乗ってるとは言えないけど調子が悪いというわけでもないコンサドーレ札幌は、ホームに戻ってザスパクサツ群馬と対戦。

 群馬は前節終了時点で17位と、7位の札幌から見てだいぶ開きがあるように見えますが、勝点では9と、勝点11の札幌と2しか違いがありません。というか5位京都サンガFCから17位群馬まで13チームが勝点3の差でひしめいているというだんご大家族なんですが、要するに1試合の結果で大幅な順位の変動が起こるということであり、まだシーズン序盤とはいえできるだけこの集団から遅れないようにしたいもの。

 しかしチームを取り巻く状況は決して芳しいものではなく、エース内村圭宏は肉離れで離脱中のほか、MF荒野拓馬も足底という厄介そうな箇所を負傷し約1ヶ月半、さらにはDF上原慎也も肉離れで全治は不明と、札幌恒例の肉を切らせて骨を断たない謝肉祭が始まったようです。やっぱり寒いからなんでしょうかね。そういえばうっちーも南上原も南方出身ですね。偶然でしょうけど。
 群馬もエース平繁やエデルといった札幌が苦手っぽいタイプの選手がケガで欠場と、決して万全な布陣でないのがこちらとしては救いでしょうか。
 まぁそんなわけでワントップには前節に引き続き、都倉賢こといくら賢選手が、南上原の代わりに開幕戦以来のスタメンとなる松本怜大が入りました。開幕からここまでスタメンを張ってきた砂川誠がベンチに回り、ここしばらくはベンチスタートだった菊岡拓朗が入りました。

 ここまでの札幌は成績はまずまずとしても、とにかく得点が少ないのが目立ちます。そもそもシュート数自体がえらい少ないのでさもありなんといった感じなのですが、今のところ守備陣の奮闘で勝点は拾えてはいますけど、全ての試合で無失点に抑えるなんてどだい無茶な話ですからね。GKイホスンはケガによる2年のブランクを感じさせないパフォーマンスを見せていますし、彼が出場できないとしても金山隼樹がいるのは心強い(とはいえガチ勝負の場が多くないのはちょっと心配ですが)ですけど、サッカーは運のスポーツですからね。どんなに頑張って守ったとしても運が悪ければ失点することはありますし、相手をほめるしかないゴールもあるわけで、ゼロリスクなんてどだい無茶な話ってことですよ。
 ならばやっぱり1試合1点くらいしか取れないというのは勝点を取りこぼす遠因にもなりかねないですし、J1に上がってからのことを考えると、もうバラ色の未来(※血のような赤)しか見えません。

 しかし、試合は開始から得点の予感がほとんどしない展開。草津...いや群馬がだいぶ引いていたのはあるにせよ、そこをどうこじ開けるのかという方策がない感じ。通っぽく言うとメソッドがナッシング(余計アホっぽくなった)。
 というか、前節同様とっくんそういう選手じゃないのに裏に蹴ったりポストやらせたりしてうまくいくわけないですよね。群馬(当時草津)で23点だか73点だか取った時も(うちもやられましたけど)そんな感じではなかったような。
 そんなわけで攻撃の手詰まり感が漂う札幌、前節に引き続き19番石井謙伍の不在も響いて、ほとんど見るべきチャンスはなし。うっちー砂さんのホットラインがないだけでこんなにゆるふわなチームになるなんて、ステキ! まるでファンタジーの世界みたい!
 
 スコアレスで折り返した後半も、やはり前半同様のファンタジーサッカーが展開されます。しかし、ファンタジー世界ではやはりファンタジーの住人が活躍するのでしょうか。前半、あり得ないボール処理でボールを奪われて大ピンチを作り出した「ザ・ファンタジスタ」ことパウロンが、飛んできたボールを思い切りファンタジックヘッドでクリアを敢行。まるで親の仇と言わんばかりの勢いで叩きつけられたボールは、ワンバウンドして対応に入った群馬DFクォンハンジンの頭上をわずかに超えていきます。そのボールはその辺をうろうろしていたマエシュンの元へ。
 こいつぁ儲けもんとばかりにボールを拾ってドリブルで突き進むマエシュン、カバーに入った群馬DFに利き足である左足を切られていたため、正直これチャンスっぽいけどダメっぽいかと思っていたのですが、そのまま右足で狙い澄ましたシュートを決めて先制。マジか。

 得点なんてどんな形であっても入りゃいいんですけど、相手としては割と浮かばれない形ですよね。普通、ヘディングのボールがあんな跳ねるとは思いませんもんね。前回のホームゲーム同様、まるで点の入る気がしない展開に、常識外の力で奪った得点。

 まぁとはいえこのシーン以外はやっぱりあんまり見所もなく、試合は1-0で何となく終了。交代含めてピリッとしないのはカードの切り方なのか、それとも流れを変えられないのが問題なのか、モヤモヤしたままゴールデンウィーク連戦を迎えることになります。

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