? そんなタケシに騙されて
サッカー百鬼夜行

第1回戦 対群馬FCフォルトナ
2000.11.25(SAT) 群馬県営サッカー場

群馬FCフォルトナ 0-2 コンサドーレ札幌
  0-0
0-2
清水【64分】
野々村【89分】
スターティングメンバー
シュナイダー GK 井上
竹内
高橋
大石
苫米地
DF
先生
健作
浜岡
青木
生井
近賀
MF タブチ
三平
ノノ
村田
池内
ジロー
越智
福島
FW 河村
生井→飯塚【60分】
青木→石田【82分】
交代 河村→遠国【54分】
村田→大野【85分】

試合の感想
 というわけで2年連続してのっけから参加の天皇杯緒戦は、群馬代表フォルトナFCが相手です。コンサドーレ札幌サポーター一団は、会場となる群馬県営サッカー場に乗り込みました。大宮公園サッカー場をさらに小さくした感じのこのスタジアムは、メインスタンド以外すべて芝生席なのはともかく、フィールドと観客席の間には高さ60cmほどの段差があるくらいで柵も網も何もなし。バックスタンドへ向かってぞろぞろ歩く観客のそばでその段差に腰かけたネネコーチがくつろいでいるという、なんともほのぼのしたシチュエーションです。そんな建設当時からボーダーレス時代を先取りしていたに違いない21世紀のスタジアムは、大いに暴徒魂をくすぐる逸品です。横山やすし師匠にはおすすめできません。
 さて、地元のフォルトナはJ2チャンピオンのコンサドーレ札幌を迎え撃つにあたって、2,000人という大応援団を集結させました。ポンポン持ったギャルとブラスバンドによる応援は、裸族を含む野太い応援のプロチームとはひと味違って華やかです。フォルトナというチームは運営が堀越学園グループ(ユニフォームの胸に「堀越学園」と入っている)ということで、応援団はその関係の人たちという話です。深キョンはいませんでしたけど。

 優勝を決めてからというもの、まったくもってヘタレた試合が続くコンサドーレ札幌。スターティングメンバーは、GKがルーキー井上、3バックに森、古川、大森、ダブルボランチがビジュと復活の野々村、右サイドに田渕が入り、左サイド村田、トップ下に清水と池内を並べ、1トップに河村というメンバー。初出場の井上を除いてはほぼレギュラークラスの選手を並べた守備陣とリーグ戦でもほとんど出場経験のない攻撃陣という、点を取られる気はしないけど取れる気もしないメンバー構成です。
 そもそもデカいわけでもない、足も速くない、当たりも強くないドリブラーを1トップにおいていったい何をさせようと言うんでしょう。芸能界で言えばネプチューンの堀内にピンで勝負させるようなもんです。そういえば、確か1トップ、俗に言うノルウェー作戦にうってつけの元大砲がうちにいた記憶があるんですけど、何をどうしたのかベンチにすら入ってません。

 というわけで試合は予想通りというか、ある意味予想以上でした。こういうプロアマ混成のトーナメントの場合、失うものの全くないアマチュアチームは、プロに一泡吹かせてやろうと普段以上の集中力でぶつかってきます。アマチュアといえども天皇杯のトーナメントに都道府県代表として出てくるようなチームですから、少なくとも19-0というイラン代表とグアム代表との差ほど開きはないと思います。
 ですから、1トップの河村が得点チャンスになると姿が消える上、姿を現すのはオフサイドに引っかかった時だけという、まるでゼピウスのクラッカーみたいでしたし、村田はトラップミスを連発するし、池内はテレホンパスばかりでカットされまくるし、地元・群馬出身の清水はそれなりに絡んでましたけどボールを持ったら簡単にはたかずに攻撃を停滞させることも多かったし、酒はうまいしネーチャンはキレイだし、タクヤの結婚ちょ~ショックだしぃ~、そんな調子じゃまったくゲームを作れない状況でも仕方がありませんわな。先制点は清水と池内によるものでしたが、池内が挙げたクロスが相手DFに当たってコースが変わったボールが運良く清水の前に来たもので、完全に崩したわけではありません。野々村がロスタイムに1点を追加しましたけど、11月下旬にしては珍しい暖かさに反比例して、なんともお寒い試合内容でした。
 まぁ、フォルトナは確かにいいチームでしたよ。かなり引いて守っていたから、そうなればなかなかこじ開けられないのもわかります。ピッチ状態もあまり良くなかったのもあるでしょうし、札幌はもう雪が積もってますから、満足な練習が出来なかったというのもあると思います。主力に無理をさせられないというのもわかりますし、トーナメントですから1-0でも勝てばいいという理屈もわかりますし、座布団10枚集めたってろくな賞品がもらえないのもわかります。
 でもねぇ、それにしてもひどすぎるってものです。エメも播戸もいませんでしたけど、群馬のサッカーファンはもとよりフォルトナの応援の人たちにしても、普段そう多くは見られないプロの試合を楽しみにしていたと思うんですよ。フォルトナにがんばって欲しいと思う反面、「ああ、やっぱりプロってすごいんだなぁ」という試合を見たいはずですし、サポーターにとってみれば「おとなげねぇ!」という試合が見たいのですよ。そんなサポーターにとっての唯一の慰めが、ユースからの昇格1号生である遠国信也が出場したことだけってのも寂しいものです。マガジンを買ったらBOYS BE...だけが面白かったというくらい寂しいです。

 ところでこの試合、最も注目を集めていたのがフォルトナのゴールキーパー。185cm・75kgという堂々たる体躯もさることながら、その本名がシュナイダー潤之介という、コンバット越前も裸足で逃げ出すようなインパクトです。で、このシュナイダー選手、ハイボールにも強くキャッチングもパンチングもしっかり出来ていて、なかなかいいキーパーでしたよ。ただ、キックがパランパンだったのが玉にキズでしたけど。

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