? そんなタケシに騙されて
サッカー百鬼夜行

第1回戦 対草津東高校(テレビ観戦)
2000.12.3(SUN) 室蘭入江運動公園陸上競技場

コンサドーレ札幌 6-0 草津東高校
優津樹【15分】
中尾【22分】
ビジュ【48分】
池内【71分】
アウミール【83分】
高木【88分】
2-0
4-0
 
スターティングメンバー
洋平 GK 藤本

先生
健作
DF 蓑方
田中
神崎
中尾
三平
ノノ
優津樹
長作
山瀬
MF 間所
近江
中川
藤原
河村 FW
井口
河村→高木【45分】
山瀬→村田【45分】
優津樹→池内【62分】
交代 蓑方→内林【45分】
藤原→小山【83分】
森→塩田【83分】

試合の感想
 正真正銘道内最終戦は、滋賀県代表の草津東高校との対戦です。ユニフォームがモンテディオ山形にそっくりなことでごく1部だけで有名な草津東。昨年の全国高校サッカーでは2年生中心のメンバーでベスト8にまで進出した高校です。その時の主力メンバーが現在の3年生ですから、高校生とはいえ侮れる相手ではありません。何より札幌は、天皇杯ではアマチュア相手に残念な試合っぷりを見せることが多いだけに、サポーターにとっては多分に不安が募ります。まるで日能研の中吊り広告の問題を解けない大人のようです(←オレ)。
 そして高校生を迎え撃つ札幌のスターティングメンバーは、日本代表候補に初選出され休むに休めなくなった洋平が復帰で、3バックは森、古川、大森、ダブルボランチにビジュと野々村という守備陣と、2列目にアウミールと山瀬、左サイドの優津樹と、ほぼレギュラークラスを並べて来た岡ちゃん。注目は、11月12日の甲府戦のオーバーヘッド以来長らく絶賛蒸発中の河村と、4月23日以来2試合目の登場となる中尾です。
 で、その中尾くんですが、4月の時点ではステキなモトやんカットだったのが、しばらく見ない間に茶髪・眉剃りになっていてビックリ。地味で目立たなかったクラスの女の子がアメリカ留学に行って、帰ってきたら目も当てられない有様になっていたりすることが多々あります。逆浦島太郎といいますか、ITを語る森総理といいますか、なぜかはわかりませんけど痛々しい気持ちでいっぱいになりました。

 さて試合です。「百獣の王・ライオンはウサギを狩るのにも全力を尽くす」といいます。異論もありましょうが、この場合は札幌がライオンで草津東高校がウサギです。道内最終戦をホームのサポーターの前で戦う札幌は、いきなり高校生に攻め込まれるなんともな展開。草津東は10番・藤原選手を中心に組織的なサッカーで再三いい形のチャンスを作り、守備もまとまっているいいチームです。いいチームですけど、そんなことでいいのかライオン。
 と思っていた矢先に、草津東のDFのスキをついて左サイドを駆け上がった優津樹が左足を振り抜くと、GKのニアを抜いて今季初ゴール。ようやく先制点を決めて動きのよくなった札幌、22分には中尾のミドルシュートで2-0とします。プロ入り初ゴールを決めた中尾にブレイクを予感しましたが、このゴール以降ブレイクどころかぷっつりと行方をくらましてしまいます。相も変わらず消息不明の河村に加えて中尾まで蒸発したため試合も膠着し、さしたる見せ場もないまま前半終了。

 後半、2点をリードした札幌は頭から高木と村田を投入する顔見せモード。とはいえ、おそらくホームサポーターの前では最後になるだろう両者は鬼気迫る表情でボールを追います。ただ、その意とは裏腹に身体がついて来ておらず、ここ最近のドリフ大爆笑を見ているかのようです。
 そして開始3分、ゴール前でのこぼれ球に反応したビジュがすんげえミドルを突き刺して3点目。普段はその有り余るパワーを主に宇宙に向けるスペースノイドなビジュですけど、この時ばかりはキーパーが一歩も動けない見事なシュートでした。試合を見ていた札幌サポーターは、そのシュートの軌跡に「給料上げやがれゴラ゛ァァァァ!!」という、雑用仕事中のOLのような魂の叫びを見たといいます。
 さすがに60分を過ぎると草津東にも疲れが出てきましたが、岡ちゃんはたたみかけるようにタイムリミットの過ぎた優津樹を池内に代えます。その変わった池内が4点目を決めるとあとは押せ押せムード。83分にアウミール、88分に高木がゴールを決め6-0。後半の4ゴールを挙げたのは、ほぼ来年はもういないことが決まっている選手たちです。晩年のおニャン子クラブを見ているような、一抹の寂しさの残る後半でした。

 結果だけ見れば6-0と圧勝のように見えますが、高校生に14本ものシュートを許し、そのうち何本かは洋平でなければ入れられていたかも知れないシュートでした。お世辞にも圧倒したとは言い難い試合ではあったものの、ともかく3回戦に駒を進めました。とりあえずサポーターにとっては、紅白の小林幸子が期待ほど大したことなかった時のような、あるいはもみあげを剃った大徹を見た時のような、そんないまいち煮え切らない試合ではあったものの、「プロにぶつかっていく高校生」に日本人的な判官贔屓で応援するのも天皇杯の醍醐味でもありますから、第三者的には割と楽しめる試合だったかも知れません。
 というわけで、草津東の攻撃の時に「シュートだ!」とか「入ったか!?」などと、解説者であることをまるで意に介せずそれをやってくれる原博実さんが結構好きだったりします。

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