? そんなタケシに騙されて
サッカー百鬼夜行

第4節 対東京ヴェルディ1969(テレビ観戦)
2001.4.7(SAT) 室蘭入江運動公園陸上競技場

コンサドーレ札幌 2-0 東京ヴェルディ1969
ウィル【11分】
播戸【18分】
2-0
0-0
 
スターティングメンバー
洋平 GK 新吉

殿
健作
DF 中澤裕子
米山
廣長
タブチ
ノノ
ゴンザレス
三沢
山瀬
MF 山田
ボランチ(美白)
永井
麻呂
ゾノ
バンバン
俺王
FW 石塚
飯尾
三沢→深川【69分】
俺王→黄川田【86分】
交代 ゾノ→西田【29分】
中澤裕子→小倉【78分】
永井→ホリプロ【65分】

試合の感想
 本道のサポーターが待ちに待った道内開幕戦の相手は、東京の重力に魂を引かれたチーム・東京ヴェルディ1969。言わずもがなの日本リーグ時代から日本サッカー界をリードしてきた読売クラブが前身で、Jリーグが開幕しヴェルディ川崎となっても圧倒的な強さを誇っていたクラブです。しかし、東京への移転話やチーム名などを巡る川淵チェアマンとの「ガチンコ三番勝負」に破れた渡辺恒雄・読売新聞社社長が経営から手を引いたことによって給料が払えなくなったスター選手を次々と放出したため人気も落ちてしまい、今ではすっかり諸行無常とか盛者必衰とか色即是空とか大三元とか字一色とか多牌(チョンボ)という言葉がしっくり来る状態となっています。
 そんなヴェルディですが、フロンターレが出来た川崎市民から「あ、オレもう新しい彼女が出来たから」と、華原のトモちゃんが小室哲哉にされた仕打ちのような扱いを受け今季から東京へひっそりと移転、「輝いていたあの頃」に戻りたいと思うあまり監督にヴェルディ全盛期に指揮を執っていた松木安太郎氏、サテライト監督とユースコーチにそれぞれ読売黄金期を支えた与那城ジョージ氏と都並敏史氏を迎え、さらには武田、永井、前園、小倉らの元日本代表を集め小室ファミリー、橋田ファミリーに次ぐ第3勢力として「松木ファミリー(別名やすたろう王国)」を完成させました。どうせならミニラ中村(浦和、京都にて2年連続降格体験中)も復帰させれば良かったのに、と思います。

 さて札幌のほうですが、前節広島戦で初黒星を喫し、水曜日に行われたナビスコカップ1回戦の1stレグ大分戦にも負け、しかもその試合でビジュが俺王様のお株を奪う報復行為で一発レッド、さらにアウミールが靱帯損傷でこのヴェルディ戦にブラジル人2人が出られないという緊急事態。この大ピンチに岡ちゃんは、アウミールの代わりとして今季湘南から移籍してきた和波を、ビジュの代わりとして、チーム最年少ながらその妙におっさんくさい外見とプレイスタイルに、広島のトゥーリオに続いて年齢詐称疑惑のわき起こっている今野を配してきました。

 というわけで、近頃流行りの「無理矢理ダービーマッチ」を適用するなら「オーストラリアでキャンプダービー」としてまるで注目されないゲームがキックオフ。いつもであれば開始20分は相手の出球チャンスとなるはずなのですが、道内開幕戦で満員のホームが影響したのか、それともただ単にヴェルディ選手がやすたろうさんのギャグ(別名:かがやくいき)に凍りついて動けないだけなのか、この日は開始早々から圧倒的な札幌ペース。ヴェルディは飯尾と前園がアクセントをつけるものの単発に終わります。中盤で全くゲームが作れないヴェルディに対し札幌は前半11分、ハーフライン付近で無理矢理ボールを奪い取った今野がすかさず前線の俺王様に「忠誠の証」のスルーパス。俺王様の左足から放たれたボールはファーサイドのネットに吸い込まれ、ホームアイランド・北海道に俺王の臣民を激増させるには充分な先制点をゲット。アシストした今野は、とてもビジュには出来なさそうなこのスルーパスにより、サポーターの心を掴むのみならず俺王様の臣下ランキングの上位にも顔を出したのでした。
 そして先制点から7分後、今度は同じく初スタメンの和波が健作との縦ワンツーという、コイツでなければ絶対成功しないであろうマニアックな突破から低いクロスを上げると、走り込んできたバンバンがちょこんと合わせて2点目。平塚・湘南時代、快足を飛ばして一瞬で相手を置き去りにする突破力で敵選手とファンの度肝を抜き、その後あさっての方向に飛んでいくクロスで味方選手とファンの度肝を抜いて「成らない香車」の名をほしいままにしてきた彼ですが、室蘭の地に姿を見せた和波、明らかにクロスが巧くなってました。しかし、その後味方だけでなく敵にもナイスパスを通すなど札幌の左サイドの伝統はしっかり受け継いでいました。和波サイコー!

 さて「ボーナスタイム」に2点をゲットした札幌。代えなければならないほど悪くは見えなかった前園を30分で早々と交代させた「やすたろうさんマジック」もあって前半は札幌ペースだったのですが、今季はどうも「贅沢は敵だ!」という標語があるらしく、「2点で我慢」の札幌の確率変動は前半で終了。後半はヴェルディに押し込まれる展開になりました。しかし札幌のフィーバーは終わったものの、今度はモットラムさん、確変突入。前半18分に飯尾、前半終了間際に西田にイエローを出すと連チャンの嵐。後半は米山、廣長、そしてオノレを倒した今野に対してスカイラブ・ハリケーンをかました石塚に次々とカードプレゼントの大盤振る舞いです。
 それにしてもヴェルディは、中盤の運動量がほとんどありません。全盛期の欽ちゃんの運動量をも下回るのではないかと思えるほどです。やすたろうさんは後半になってシステムを変更、武田を投入して流れを掴むも、本日大当たりの洋平が好セーブを立て続けに連発。唯一の恐怖だった「Jリーグで最も公家ファッションが似合う男」・三浦淳宏中納言(ちなみにJで最も浪人ファッションの似合う男はゴン中山)のFKも抑え今季初の無失点で試合は終了しました。

 というわけで、ナビスコカップ1回戦2ndレグ(4月18日室蘭)では大分相手に3点差をつけて勝たなければならないという事実からとりあえず目を背けることの出来る勝利をもぎ取って3位を死守した札幌。代役として出場した和波、今野がそれぞれ1アシストずつ記録したということで昨年より全体的な選手層は厚くなっていることを証明しました。特に今野にはユース代表でもレギュラー奪取の期待がかかってきますが、この日チームで唯一だった彼の黒髪がシーズン終了まで黒さを保っていられるか非常に気になるところではあります。

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