? そんなタケシに騙されて
サッカー百鬼夜行

第8節 対FC東京(テレビ観戦)
2001.5.6(SUN) 香川県立丸亀競技場

FC東京 2-1 コンサドーレ札幌
アマラオ【51分】
佐藤【71分】
0-0
2-1
ウィル【89分】
スターティングメンバー
土肥 GK 洋平
内藤蹴
サンドロ
空飛ぶ豚
藤山
DF
殿
健作
浅蜊
フミタケ
ユキヒコ
ケリー
しげみつ
MF タブチ
ノノ
三平
長作
山瀬
アマラウ FW バンバン
俺王
しげみつ→喜名【81分】
アマラウ→ロピス【85分】
ユキヒコ→カブ【89分】
交代 長作→三沢【57分】
山瀬→大黒【57分】
バンバン→深川【75分】

試合の感想
 ゴールデンウィーク3連戦、最後の試合はFC東京。前身の東京ガスがプロ化して誕生したチームです。99年発足という現在のJ1チームでは最も若いチームですが、同年1部昇格を果たした上、翌年の1stステージでは周囲の低評価を覆して6位と大健闘しました。
 その歴史の浅さゆえ「チーム生え抜きのレギュラー選手」はまだ生まれていませんが、東京のユースチームも着実に力を付けているところですし、トップやユース組織に集まる人材の母集団であるホームタウンが首都・東京ということを考えれば、その秘める可能性はかなり大きいと思われます。しかし、今のところはまだ足下を固めているという段階で、監督の人相が悪いこともあってか、まだ「東京都のチーム」としての認識は浸透してないようです。いや、監督の人相については他チームのことは言えないんですけどね。

 さて、お互い1部への昇格を果たし、J1という舞台で再び相まみえた両チームですが、現在連敗中の東京と前節清水に大量失点を喰らった札幌。両チームとも勢いに乗っているとは言い難い状態である上に、東京のホームゲームとはいえ場所は香川県丸亀市。前節から中2日で四国まで移動してきた選手たちが元気であるはずもありません。岡ちゃんは前節の大量失点負けに、ケガ中の名塚を札幌から呼び寄せるという国家総動員法発動。対してFC東京の大熊監督は、これまで東京の攻撃を停滞させる要因となっていた呂比須と増田を外し、代わりに小林成と由紀彦を入れてくるという大英断を下しましたが、開始から試合は妙にまったりムード。
 イヤ、両チームともやる気がないというわけではないのですが、何しろ連戦と移動による疲労で、身体が気持ちに全然ついてきていない状態。お互い運動量が少ないためスペースではなく足下へのパスが多く、それでいてパスミスも目立ちます。観客が少ないことも相まって、1部リーグでの戦いでお互い成長した姿を見せるどころか、まるで99年のあの頃に戻ったかのような印象。ああ、あの頃はオレも若かったよなぁという郷愁の念すら抱かせる趣の中、どっちかというと東京ペースで前半は終了します。

 何となくこりゃラッキーなほうが勝つんじゃないかという予感がする中始まった後半早々、小林がドリブル突破してつないだボールを「キング・オブ・トーキョー」アマラウが身体を反転させながら打ったシュートは、ビジュに当たってコースが変わりコロコロとゆっくりゴールへ。シュートコースを予測して体勢を崩していた洋平も間に合わずゴールイン。すごいラッキー。つうか、ホントにJ2みたい!
 1点をリードされた岡ちゃんは、いまいち動きのさえなかった山瀬を大黒に代え、アウミールを和波に代えますが、中盤がなかなかボールをキープできないため効果的なサイドアタックも繰り出せません。そうこうしているうちに、後半途中から突然大雨がスタジアムを襲います。テレビ画面を通してもよくわかるほどの大粒の雨が降りしきる様に、柏レイソルを葬った雨の高知の再現、3試合ぶりの俺ゴールの期待をかける札幌サポーター。その期待に応えるかのように、名塚がPKを献上。まぁ、ケリーからのスルーパスをトラップして切り返そうとしたアマラウに、雨で濡れたピッチで滑った名塚が止まれずに猛然と突っ込んでぶつかったというラッキーなPKでした。そしてそのPKをセットしたのは佐藤。ゴールを守るのは佐藤。佐藤が蹴る! 佐藤が跳ぶ! 喜ぶ佐藤! 悔しがる佐藤! というわけで、アマラウって実はとってもラッキーマン? などと思ってしまうほどのラッキー2発で2点をリードされてしまいます。椎野王国は埼玉県越谷市なのに!

 その後、ようやくことの重大さに気づいた札幌が東京ゴールを攻め立てるものの決定力を欠き、結局後半ロスタイムに俺王様が名塚からの折り返しを右足でゴールを決めて練習の成果を出したことくらいが収穫に終わり、第3節で最下位の広島に初勝利を献上し、前節では調子を落としていたアレックスを波に乗らせ、今節は東京の連敗を止めて最下位脱出を助けたコンサドーレ札幌。現代人のニーズに余すことなく応える癒し系サッカーの真骨頂を発揮し、地獄のゴールデンウィークを終えたのでした。

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