? そんなタケシに騙されて
サッカー百鬼夜行

第4節 対アビスパ福岡(テレビ観戦)
2001.9.8(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 3-4v アビスパ福岡
ウィル【26分】
山瀬【44分】
ウィル【73分】
2-0
1-3
0-1
バデア【63分】
ビアージョ【81分】
呂比須【89分】
呂比須【96分】
スターティングメンバー
洋平 GK 神を見た男
森川
先生
健作
DF へらじま
前田
小鳥
内藤蹴
タブチ
森下
三平
アダウト
山瀬
MF
野田
バデア
中払
バンバン
俺王
FW ロピス
ビアージョ
アダウト→三沢【68分】
タブチ→ゴンザレス【74分】
交代 中払→ヤストシ【81分】
へらじま→服部【86分】
服部→藤崎【90分】

試合の感想
 3連敗となかなか結果の出ないコンサドーレ札幌は眼下の敵、アビスパ福岡をホーム厚別に迎え撃っての対戦です。1stステージのアウェイ戦では苦手としていた博多の森で0-2の完封で1st開幕戦以来のアウェイ勝ちを収めている札幌ですが、福岡も現在年間で14位と相当に危険な順位に甘んじているだけに、分がいい札幌を相手に何とかして勝点を稼ぎたいハズ。
 福岡は2ndステージから東京で出番を失っていた呂比須と内藤、そしてセレッソ大阪を解雇された盧廷潤と、崖っぷち脱出に余念なく補強した3人が先発リストに名を連ねます。しかしまぁこのチーム、毎年この時期になるとスタメンにデカい背番号が増える傾向にありますね。去年のビスコンティも42番だったし。晩年の川崎フロンターレもスタメンの背番号がエラいことになってましたよね。
 対する札幌は、合流したばかりの新外国人アダウトがスタメンとなりましたが、相変わらずノノがケガで今節も欠場、さらに悪いことは重なるもので、名塚も靱帯を痛め全治1ヶ月以上、それどころか森までが膝の故障で欠場と、2ndステージが始まって以来、メンバーは日ごと寒さが募ります。ノノの代役はいつもと同じ森下ですが、殿の代わりに古川先生、森の代わりに森川と、高さが武器の呂比須を抑えるにはかなり不安となる布陣。

 さて、中盤での素早いプレッシャーをディフェンスの基本線とする両チームの対戦は、やはりその特徴通りに初っぱなからミッドフィールドでごちゃごちゃとボールを奪い合う中学生サッカーとなりましたが、ホームの札幌が圧倒的な声援をバックに主導権を握ります。前半26分、俺王様がバンバンとのワンツースリーでキレイに抜け出し、キーパーとの1対1を冷静に決めて先制します。俺王様といい感じのコンビネーションを見せたバンバンは、その後もオフサイドを恐れずガンガン裏に抜けたり、ドリブルで抜けようとして前にいた小島にオノレからぶつかっていってついでにイエローを喰らわせるなど、随所にバンバンっぽいプレイを発揮。どうやらバンバンが行っていた自分探しの旅は、ご多分に漏れず「やっぱり家が一番ね」に落ち着いたようで一安心です。
 そして新外国人アダウトも噂通りのフィジカルの強さを見せ、まだ合流して日が浅い割には攻撃にも積極的に絡んでいきます。もちろん1試合だけで評価を下すのは危険ですが、少なくとも「外れ」ではなさそうです。
 先制された福岡ですが、「呂比須や! 呂比須を狙うんや!」という加茂監督の声が聞こえてくるような攻撃の連続で、まったく怖さを感じません。札幌は前半終了間際にも俺王様のシュートのこぼれ球を山瀬が蹴りこんで追加点を奪い、ホームで2-0という連敗街道から抜け出すためには満足のいくスコアで前半を終えます。

 しかし連敗中のチームは得てして、いくらリードしていても追いつかれるんじゃないかとビクビクしてしまうものです。ちょうど、フラれ続けた男がたまに女性から告白されるとやたらと疑心暗鬼になってしまうのと似ています。後半開始早々にバデアを捕まえきれずにミドルシュートを決められると、案の定まだ1点リードしているにも関わらずやたらとディフェンスラインが下がり、それにつれて中盤のプレッシャーがまるでかからない状態。スペースが空いているためにセカンドボールも拾えず、選手間の距離があるためにボールを奪っても中盤でキープできません。中盤がボールをキープできなければ両サイドが押し込まれて上がれなくなるのも当然の話で、前半効いていたアダウトもディフェンスに負われ、効果的に攻撃に絡めない悪循環となってしまいました。
 さすがに旗色悪いと思ったか、たまらず岡ちゃんはアダウトに代え和波を投入。その直後、バンバンがペナルティエリア内で引きずり倒されPKを獲得。このPKを俺王様が外すはずもなく、悪い流れの中望外の3点目をゲット。これで今度こそ勝負ありと思われましたが、それでもやはり相変わらず福岡の単純な縦ポンサッカーに腰が引けた状況が続き、マイボールにすることすらままならない状態。苔の一念岩をも通すと言いますか、パターンはわかっているのについ笑ってしまうドリフのコントと言いますか、その展開通りに後半35分にビアージョに決められ、さらに後半終了間際に呂比須に決められ、ついにリードを失ってしまいました。
 ところで、アダウトが入団した際に「いろいろプレイを盗みたい」と言っていた和波は、アダウトのプレイではなく胸の鍵を盗んでしまったのか、足下でボールを受けては持った瞬間に福岡の選手に囲まれボールを奪われてしまうことが目立ちました。もちろんレベルアップを目指す心意気は大変にあっぱれなのですが、和波がオノレの持ち味である裏に抜けるスピードを自ら封印するなんて、いなかっぺ大将が渋谷デビューを目指すようなモンだと思います。バンバンにようやく「らしさ」が戻ってきたと思ったらこれかい。

 さて延長、2点のリードを追いつかれた札幌、2点のビハインドをギリギリ跳ね返した福岡、勢いの差は明らかで流れは全く変わらず、前半6分にコーナーキックから呂比須に頭で押し込まれて4連敗。そして両チーム合計で7つも得点が入ったにもかかわらず、J1っぽいゴールは先制点だけでした。

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