? そんなタケシに騙されて
サッカー百鬼夜行

第7節 対ヴィッセル神戸(テレビ観戦)
2001.9.29(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 5-2 ヴィッセル神戸
ウィル【29分】
山瀬【57分】
ウィル【62分】
播戸【66分】
ウィル【78分】
1-1
4-1
岡野【4分】
松尾【82分】
スターティングメンバー
洋平 GK 掛川

先生
ゴンザレス
DF 吉村
シジクレイ
バウル
菅原
タブチ
板長
三平
三沢
山瀬
MF サントス
鯛雄
野人
鉄腕
ダニエル
バンバン
俺王
FW キングぅ
タブチ→森川【64分】
俺王→曽田【80分】
山瀬→深川【87分】
交代 サントス→モッチー【42分】
鉄腕→薮田【45分】
吉村→山口【66分】

試合の感想
 日本代表の欧州遠征中断前の第7節、現在勝点27で年間9位と残留争いからは一歩抜け出た感のあるヴィッセル神戸をホーム厚別に迎えての一戦です。神戸は2ndステージ途中から浦和で出番を失っていた野人こと岡野を獲得。地味だ地味だと思っていたこのチームも知らない間にネタチームっぽくなっていたんですね。
 神戸はカズのワントップで、ダニエルをトップ下に置いて和多田と野人が左右のウィングという攻撃陣。しかし、モッチーがケガでベンチスタート、佐伯が出場停止ということでサントス翁と松尾(鯛雄)のダブルボランチに吉村、土屋、シジクレイ、菅原と並ぶ4バックという布陣となっています。
 札幌はケガが伝えられたバンバンと山瀬は無事出場となったものの、この試合で復帰が期待されたノノが今週の練習中に同じ箇所を痛めてしまい欠場、殿も復帰のめどはまったく経たない状況。また、前節のガンバ戦で黄紙2枚で退場した健作とアダウトが出場停止で主力をまとめて失った格好の左サイドですが、アダウトの代わりとして韋駄天和波を、健作の代わりにはここ2戦ボランチに入っていたゴンザレス今野を起用、そのボランチには同じくここ2戦右サイドを務めていた板長をスライドさせ、右サイドには田渕が復帰とまぁ大方の予想通りのスタメンとなりましたが、学生時代に「犬をチギッた」という有名なエピソードを持つ岡野に対抗して、ならばとばかりに岡ちゃんはあらん限りの犬をぶつけてきた格好です。

 ということで非常に苦しいメンバー構成ではありますが、5月12日以来勝っていない厚別で久しぶりの勝利を狙いたい、つうか何よりかにより頼むから残業だけはしてくれるなという願いの渦巻く中キックオフ。
 開始早々から気合い充分にガッツンガッツン攻め込む札幌。3試合ぶりにスタメン復帰となった田渕までがいきなりサイドからシュートを放つなど攻めの意識は充分です。ところが清水戦がそうだったように、そういう流れの時に限ってポロッと失点するのも札幌の数多いお約束の一つでして、今野がいきなり岡野にブッちぎられ先制を許してしまいます。さすが岡野、ウチの犬までチギるとは伝説は伊達じゃなかったようです。
 とはいえ、「今更上位は狙えないが降格を心配するほどでもない」という中途半端な成績にいるせいなのか、この日の神戸にアウェイで対戦した時のプレスの速さはまるで見られず、いつもなら熟年の経験を感じさせるサントス翁も今日は恍惚の人となってしまっており、中盤はスカスカ状態。当然札幌は中盤で好きなようにボールが持てる状態で、先制されたとはいえいつでも追いつけるような雰囲気です。しかし、やはり最終ラインにどんと構える「デカくて強くて怖い」シジクレイが踏ん張って札幌にゴールを許しません。
 「取れそうで取れない」というのは時として徐々に焦りを生み、攻めが雑になって却って点が取れなかったりするものです。札幌も俺王様のループシュートがワンバウンドしてなぜかクロスバーに当たったりなどじりじりした空気が流れ始めた前半29分、ペナルティエリア内で引きずり倒された俺王様がPKをゲット。コレをきっちりとゲットして同点に追いつきます。神戸はさんざんな出来だったサントス翁を前半であきらめ、出来れば出したくなかったであろうモッチーをスクランブル発進させました。そのモッチーの奮闘もあって前半は同点のまま終了します。

 後半、神戸の川勝監督はアタマから和多田に代えて藪田を投入。確かに前半の和多田はいないも同然でしたが、コレによってスローインからのセットプレーの脅威が消えたワケで、ずいぶんラクになった札幌が圧倒的に攻め込みます。岡野も目立ったのは最初だけであとは今野や和波がよく抑え、ケガ中のモッチーもあっという間に電池が切れたらしく徐々に消えてしまいます。
 そして後半12分、それまでワンワン言いながらフィールドをかけずり回るだけだった山瀬が左足ですげえミドルシュートを突き刺して逆転に成功するとあとはやりたい放題。そのわずか5分後に俺王様がクロスバーに当たったヘディングシュートを自らプッシュし3点目。さらにその4分後にはカウンターから抜け出た俺王様のクロスボールをバンバンがヘディングで流し込んで4点目をゲット。2ndステージ初ゴールとなったバンバンのシュートは俺王様のロビングが直接ゴールインしたようにも見えますが、れっきとしたバンバンのゴールです。バンバンが触ってようがいまいが、あれは欽ちゃんジャンプの芸術点なのですから。
 もはや勝負の決した後半31分には俺王様が2ndステージ3枚目の俺カードゲットで今シーズンの初有給が確定してしまいましたが、「コレで文句はねぇだろ」とばかりに板長からのクロスボールをヘディングで叩き込みハットトリックを達成して曽田と交代、心おきなく有給バカンスに旅立ちました。ついでにビジュも次節は累積警告の有給休暇で、ナメック星に帰る準備を整えている模様。
 今シーズン、5失点したことはあっても5得点なんて初めての経験である札幌。そんな大収穫祭に自分たちのほうがビックリしてしまったのか、後半37分にコーナーキックからどフリーの松尾(鯛雄)にヘディングシュートを決められてしまいました。厳しい言い方をすれば無駄な失点なのですが、まぁ慣れない大量得点に気が緩んだ、というよりはパチンコでたまに大勝ちしたお父さんがチョコレートをくれるようなモンではないかと。

 結局そのまま逃げ切り、久しぶりの厚別での勝利を大量得点で飾りました。それにしても欠場者の穴をチーム全員で埋めた札幌イレブン、今更ながらに複数のポジションをこなせる選手が多い、というよりは犬っぽいのばっかり集めているチームの方針が間違っていないことを感じますが、「堅守速攻」がウリだったはずの札幌がコレで2ndステージは16得点18失点と非常に出入りの多い成績となり、なんだかいつの間にか遠峰ありさが華原朋美としてブレイクするような感じになっちゃったんですねぇ。まぁそれもまたオモロイからいいんですけど。

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