? 哲二の部屋
サッカー百鬼夜行

第1節 対サンフレッチェ広島(テレビ観戦)
2002.3.3(SUN) 広島ビッグアーチ

サンフレッチェ広島 5-1 コンサドーレ札幌
藤本【15分】
大木【31分】
森﨑(浩)【61分】
久保【68分】
森﨑(浩)【77分】
2-1
3-0
山瀬【31分】
スターティングメンバー
ダーシモ GK 洋平
駒野
ビロング
川島
サワケン
DF 板長
マクさん
吉川
健作
梅田
森﨑1号
森﨑2号
阿波ダンサー
MF ゴンザレス
ナメック星人
山瀬
コマネチ
マユゲ
久保
FW ロブ
コジ
森﨑2号→ミロ【80分】
サワケン→トゥーリオ【85分】
マユゲ→元気【89分】
交代 コジ→岳也【62分】
吉川→ナオキ【67分】

試合の感想
 昨年残留を果たし、1部リーグでの2シーズン目を迎えた札幌はいつもの通りアウェイで開幕を迎えました。広島ビッグアーチでサンフレッチェ広島との試合を戦います。昨季はヴァレリー・ニポムニシ新監督のもと超攻撃的スペクタクルサッカーを目指したものの、一番スペクタクルだったのは監督の辞任劇だったというオチに終わった広島ですが、堅実でならす広島フロントはすぐさまヴァレリー監督と同じロシア人のガジ・ガジエフ氏という段田男みたいな名前の監督を招聘、助っ人も元ブルガリア代表ミロ、元カメルーン代表ビロングと実績のある選手を獲得しました。しかしキャンプ中に上村、服部など日本人の主力選手のケガが相次ぎ、ホームゲームとはいえ万全とは言えない状態です。
 その広島のスタメンは上村の代わりに就労ビザの関係で出場が危ぶまれたビロングが無事出場できることになり、服部の代わりにベテランの沢田謙太郎を起用、日本代表候補の藤本、成長著しい元ユース代表森﨑兄弟に、ユニフォームよりもスカジャンが似合う大木と久保の2トップという攻撃陣です。

 対する札幌は哲二新監督の最初の公式戦となるこの試合、いろいろな意味でサポーターの注目度が高いと思われますが、システム的にはやはり4バック、守護神洋平、フラットなDFラインは右から板長、マクさん、京輔、健作と若手とベテランを平均して組み合わせ、中盤はディフェンシブハーフに今野とビジュ、オフェンシブハーフは平間と山瀬というワンワンミッドフィールド、そして注目の2トップは予想通りにロブとコジで、ベンチにはフジ、ルーキーの吉瀬、ナオキ、岳也、オグというあんまりDFのことを考えてなさそうなメンバーが名を連ねます。先生は?

 さて、いよいよ2002年の最初の試合がキックオフ。開始早々から札幌が広島陣内に攻め込みます。捻挫が癒えてワンワン元気に走り回る山瀬を中心に、ロブ、コジにボールを当てて2列目3列目の選手がシュートを放つという攻撃パターンで広島ゴールを目指します。ただし、吉川がいきなりヘディングを合わせ損なうスペクタクルもありましたが。だからスペクタクルは先生だけで充分だっちゅうに。今年も洋平の出番は多そうです。
 ところが、前半15分に最終ラインからのロングパス一発でマクさんが藤本に裏を取られて右足で先制点を叩き込まれた辺りからリズムが大きく狂い始めます。30分には久保を警戒するあまりに大木をどフリーにしてしまい失点。その直後に昨季よりも存在感の増した山瀬がロブが競って落としたボールを蹴りこみ1点差としますが、その後訪れた同点のチャンスも吉川のクリアで決められずじまい。
 それにしても広島の新助っ人ビロングはスゲエ。192cm90kgというゴツい体型もさることながら、そのツラのゴツさは広島の本職のみなさんですら裸足で逃げ出すんじゃないかと思わせるほど。空中戦はもちろんカバーリングやポジショニングもしっかりしており、マークしているロブをそうそうに自由にさせません。それだけじゃなく、先制点をアシストしたようにロングパスの精度も高い上、ボランチにボールを預けてそのまま「カメルーンの首都を答えてみろゴルァァァァ!」とばかりにオーバーラップしていく姿はさながらより凶悪さを増したシジクレイといった感じ。札幌ならずとも他のチームのFWもこの選手には苦労しそうな感じです。

 後半が始まっても試合は終始広島ペース。16分に久保のシュートのこぼれ球を森﨑浩司が蹴りこんで3点目を決められるとあとはもうやりたい放題。その7分後には大木のクロスを梅田がスルー、走り込んできたフリーの久保が右足で決め4点目、さらにそれから10分も立たないうちにゴール前での混戦からまた森﨑浩司に押し込まれついに5点目を決められてしまいました。ここまで来るともう札幌に反撃する力は残っておらず、札幌の2002年シーズン開幕戦は広島サポーターも札幌サポーターもビックリするような大差で決着しました。血の気の引いた札幌イレブンとは対照的にやたらと楽しそうな藤本の笑顔が印象的でした。そりゃあそこまで好きなように攻められれば楽しいだろうなぁ。ウン。
 まぁ別にね、アイツが悪いからアイツはもう使うなとか言い出したらそのうち選手が誰もいなくなると思うんで戦犯を作る気はないですし、ただでさえ緊張する開幕戦に4バックのセンターという重要なポジションでプロデビューを果たした吉川がミスするのは予想していたことですから、吉川個人を責める気もあげつらう気もないんですけど、言いたいことが一つだけ。

 なんでウチはDFラインが変わるたびに5失点するかなぁ。

 イヤ、テレビで見た限りだと、各選手の出来自体はそんなに悪かったとは思わないんですよ。雨でも降っていたのかボールが跳ねるたびに水しぶきが上がるビッグアーチのピッチに足を取られることが多く、それが失点の要因になったりもしてましたし、片山主審の絶妙なポジショニングに攻撃の芽を摘まれるシーンもいくつかありました。もちろんそれが敗因であるわけはないんですが、ボールを持ったらやたらと焦って縦ポン攻撃に走るのが気になりましたし、ポジションがカブったりワンテンポずつパスがずれているのを見ると、まだお互いの特徴がよくわかってないのかなという感じです。
 監督にしても初試合で完璧な采配をするとも思えなかったので、とりあえず評価は今のところ保留しようと思いますが、同じ日に開幕したJ2でも哲さんの実兄・幸一氏率いるモンテディオ山形が、セレッソ大阪に6点を叩き込まれるという大惨殺を喰らっており、兄弟合計で11失点という柱谷家にとっては天中殺のような桃の節句となったのでした。

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