? 哲二の部屋
サッカー百鬼夜行

第5節 対柏レイソル
2002.4.6(SAT) 日立柏サッカー場

柏レイソル 4-1 コンサドーレ札幌
サンパイオ【12分】
柳【29分】
黄【40分】
大野【47分】
3-1
1-0
山瀬【31分】
スターティングメンバー
GK 洋平
渡辺毅
萩村
薩川
DF ゴンザレス
先生
健作
渡辺光輝
サンパイオ
大明神
平山
大野
MF タブチ
板長
三平
三沢
山瀬

FW コジ
オグ
平山→森川【64分】
黄→根引【77分】
柳→キタジ【87分】
交代 オグ→ロブ【45分】
タブチ→ナオキ【45分】
健作→コマネチ【82分】

試合の感想
 開幕から続いた「死のロード」も今節で終了。前節ようやく今季初勝利を挙げた札幌は、柏レイソルとのアウェイゲームを戦います。日立柏といえば、Jリーグでも屈指の臨場感溢れる(もちろん柏サポーターの応援含む)として有名ですが、ことコンサドーレにとってはリーグ過去2戦ここで戦い、まだ勝ってないのはもちろんのこと、昨季の観戦記でも触れたように98年の時はVゴールを取り消され、昨季はここで行われた試合が俺王様の最後のお姿となったなど、あまりいい思い出はありません。それでもジュビロスタジアムの思い出よりはずっとマシですけどね。
 柏は昨季2ndステージから指揮を執っているペリマン監督が今季も引き続き指揮を執り、退団した洪明甫に代わる助っ人として昔横浜フリューゲルスにもいたサンパイオを獲得。元セレソンのボランチの加入によって、日本代表の明神と組むダブルボランチは強力となると思われましたが、4試合を終えて2勝2敗。第2節では昇格チームである仙台に5失点を喫するなどなかなか波に乗れません。
 そして名古屋をアウェイで打ち負かした札幌は、名古屋戦と同じメンバーをスタメンに揃えました。サブメンバーも前節出場停止だったロブが岳也に変わってベンチ入りした以外は前節と同じ。んで試合前、そのサブメンバーがシュート練習を始めたのですが、一人だけ全然違うことをやっていたのが平間。皆がいろんなシュートを蹴っている間、黙々と蹴ったボールをバーに当てています。1回目、成功。2回目、成功。3回目、成功。4回連続で成功すると、やたらうれしそうに周りに報告しています。宮の沢での練習で、よくジュースか何かをかけてバー当てコンテストをやっているのは知っていますが、何となく練習の目的を間違っているような気もします。

 さてそんな感じでキックオフ。開始から相手チームのペースで進むのは毎度おなじみの光景です。2試合連続スタメンの先生もいつもの通り先生らしさを随所に光らせ、山瀬や板長やビジュはいつものようにワンワン走り回り、和波もいつものように韋駄天走り。まぁいつもの通りだなと思っていたのですが、ただ一人いつもとは違う選手がいました。守護神・佐藤洋平です。前半12分、セットプレイから大野が蹴ったボールに飛び込んできたサンパイオが目に入ったのか、中途半端な飛び出しで味方選手とお見合い。先制ゴールを許してしまいます。
 先制を許した札幌は早めに追いつきたいところですが、柏は明神・サンパイオのダブルボランチが絶妙な位置関係をキープしており、なかなか攻め込むことが出来ません。中央突破が無理ならサイドに活路を見いだしたいところですが、右の田渕が1対1でまったく勝負をせず逃げのパスに終始。苦し紛れのバックパスをかっさらわれてピンチを招くなど大ブレーキです。たまに掴んだコーナーキックのチャンスも、柏と違って札幌のセットプレイはいわば通常のノーマルリーチみたいなもんなので、滅多なことでは当たりません。
 しかしそれにしてもサンパイオはスゲエ。身体能力では出色のはずのうちの宇宙人よりも頭一つ高いヘディングはもちろん、3バックの急所である両サイドのスペースへピンポイントのロングパスを通し、柏のサイド攻撃を引き出します。それに呼応するように柏の両サイドがスペースをえぐり、韓国2トップは変幻自在にポジションを変え、札幌選手は蜘蛛の子を散らしたような大混乱。そんな感じで執拗にサイドアタックを繰り返された29分、右サイドで黄が粘って落としたボールを大野がセンタリング、このボールが飛び込んできた柳のヘッドにドンピシャに当たり追加点を入れられてしまいました。前回の対戦に続いてまたもや鬼のような形相で迫り来る想鐵のツラを見せられてしまいました。

 さあ30分間ただの1本もシュートを打てていない札幌ですが、その直後に相手陣内で奪ったボールを山瀬がドリブルで侵入、3人に囲まれながらもコジにつなぎ、コレをコジが足の裏で後ろに流して再び山瀬が拾うというフットサルのようなコンビネーションを見せます。そのまま左足でシュートするとボールは右隅に決まり、何とか1点を返します。このままずるずる行くかと思われた矢先の得点は確かにうれしいですが、2点取られた直後に山瀬のゴールって、広島と同じパターンのような気が…。
 しかし、そんな心配は杞憂でした。後半終了間際、ハーフライン付近からのリスタートの何でもないロングボールをまたしても洋平が飛び出しをミス、DFと被ってこぼれたボールを黄善洪に押し込まれ再び2点リードとされてしまいました。確かに広島とは違うパターンです。ちっともうれしくねえ。

 後半、哲さんは守備はともかく攻撃ではまるで役に立たなかった田渕を下げ、古巣は柏のナオキを投入。確かに2点リードされている以上攻撃のことを考えなければいけませんからこの交代は納得がいくのですが、ならばロブソンがいるのはなぜですか? まったくボールが前線に行かない前半の体たらくから言って、FWがどうこうという話じゃないような気もします。ヒットが打てないからと言ってバットを変えるようなもんだと思うんですけど。
 まぁ入ってしまったものは仕方がない。磐田で受けたレッドカードの反省を生かしてくれることに期待、と思っていた矢先に、左サイドでのフリーキックを与えてしまいます。直接狙ってくる可能性をまるで考えずにポジションを取っていた洋平をあざ笑うかのように、大野がこのフリーキックを直接蹴りこみまたも失点。普段とは別人のようなお粗末な洋平、スキーウェアみたいな変なオレンジ色のユニフォームがよっぽどお気に召さなかったのでしょうか。

 追い上げの出鼻すらくじかれた札幌、柏が省エネモードに突入したために前半よりは相手陣内でプレイすることは多くなりますが、やはり肝心なところでミスが目立ったり呼吸が合わず、攻めきることが出来ません。ロブもまったく存在感をアッピールすることなく、その辺をうろうろするばかり。転校してきたばかりで友達の輪に入れない小学生みたいです。こりゃあよっぽど運がないと点は獲れんなと思っていたら、今度は健作からのなんでもないロングボールを萩村が処理を誤り、コジの元へ渡りました。慌てた萩村がペナルティエリアでコジを倒してしまい、得点機会阻止で一発レッド。いきなり望外のPKを獲得します。ラッキーマンでも参上しましたか?
 と思ったのも束の間、コジが蹴ったPKは完全に南に読まれて止められてしまいました。とはいえ、PKを決められなかったことについてはコジを責める気はまったくありません。残り時間は25分、決まれば10人の相手に2点差に詰め寄ることが出来るという状況で、しかもPKを蹴るのは相当なプレッシャーに違いないでしょう。ましてやまだ得点のないFWにとっては半端じゃなく緊張するはずです。もちろん決めてほしかったとは思いますけど、そうでなくても札幌はPKゲットの少ないチームですから、コジ以外の誰かなら決めていたなんてことは言えません。百発百中だった俺王様はむしろ異常なんだと思いますが、とりあえずこの状況ですらPKを蹴らせてもらえないロブが涙を誘います。

 で、この後も10人となった柏を相手に攻め込むことは攻め込むのですが、とても1人多いとは思えない拙攻の連続でゴールは割れずじまい。結局韓国2トップを下げる余裕の展開を見せた柏が逃げ切り、札幌はまたもや大量失点で惨敗。ジュビロスタジアムにも肩を並べるほどのイヤな思い出をおみやげにもらう結果となりました。つうか、ジュビロや日立柏に限らず、札幌ってどこのサッカースタジアムでもだいたい残念な試合してますけどね。

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