? 哲二の部屋
サッカー百鬼夜行

第1節 対柏レイソル
2002.4.27(SAT) 柏の葉公園総合競技場

柏レイソル 1-0 コンサドーレ札幌
大野【79分】 0-0
1-0
 
スターティングメンバー
GK 洋平
渡辺毅
根引
薩川
DF ゴンザレス
先生
ンダ
渡辺光輝
萩村
サンパイオ
平山
大野
MF タブチ
板長
吉瀬
健作
コマネチ
キタジ
のぞむ
FW 山瀬
オグ
のぞむ→町田【65分】
萩村→俊太【88分】
交代 コマネチ→岳也【81分】
タブチ→中尾【83分】

試合の感想
 ナビスコカップ予選リーグの第1節は、今月頭に対戦したばかりの柏レイソルとのアウェイゲーム。「見づらい来づらい柏の葉」として有名な柏の葉公園競技場に舞台を移しての対戦となります。ここのスタジアムは柏の葉公園内にぽつんとたたずんでいるのですが、東京からはるばるやってきた柏の葉公園の第一印象は、ここ、野幌森林公園じゃねぇの? という感じ。百年記念塔はどこですか?

 さて、前回のリーグでの対戦では札幌を4-1と一蹴して復活を印象づけた感のある柏ですが、次の試合ではその札幌が0-3で今のところただ1つの勝利を挙げた名古屋を相手に2-0の敗戦を喫するなど、相変わらずどう判断していいのかまったくわからない柏レイソル。その名前に反して「日立柏のナイトゲームじゃないと勝てない」というのが通説となっており、おまけに今回は日本代表の明神と韓国代表の2人を欠く布陣で、2トップはキタジと加藤望となっています。コリアン2トップに比べればあまりにも破壊力の足りなさそうな2トップに、いくらクソ弱い札幌が相手とは言え決して楽な条件が揃ったわけではないのがわかっているのか、柏サポーターの応援リーダーが檄を飛ばします。

 「今日は夜だと思えー!!」

 そういわれても。

 そして札幌ですが、ビジュが左膝を手術して戦線を離脱したため、ボランチが足りない危機的状況。森くんもまだ復帰できないため今野を上げると今度はストッパーが足りなくなるという、あちらを立てればこちらが立たないドラゴンボールの設定のような札幌。そのビジュの代わりとしてボランチにはルーキー吉瀬が大抜擢され、残りのメンバーは鹿島戦と同じメンバーとなっていますが、ベンチメンバーに関しては哲二監督はギリギリまで悩んだのか、試合メンバーよりも1人多い17人を遠征に連れてきました。
 試合前、いつもの通り選手全員が試合前にサポーターのもとへ挨拶に来ました。スタンドのサポーターが柏からのレンタル選手であるナオキに「ナオキ! 柏を見返そうぜ!」と叫びます。その声援に力強く頷いたナオキですが、その時には既にベンチメンバーから外れたのはわかっていたでしょうね…。

 そんな感じで試合は始まりましたが、やはり試合は柏ペース。前回と同じくサンパイオと大野が中心となってゲームを作っています。札幌は山瀬がFW登録ながらも実質はオグの1トップという感じになっているのですが、吉瀬を入れてのマーキングの練習をまったくやっていないのがバレバレで大野を抑え切れず、またサンパイオを抑えるべき平間がまったく守備で役に立っていないため山瀬がワンワンディフェンスに追われる時間が長くなり、相変わらず板長や今野や曽田、吉瀬といった守備の選手がボールを奪っても前線につなげられないことが多く、出しどころに迷って中途半端なバックパスや横パスを出してはカットされてカウンターを喰らう守備陣総先生化状態。しかし、そんな中でもやはり先生はひと味違います。フリーで今野につなごうとヘディングを狙い澄ましてタッチラインの外に出すなど元祖スペクタクルの名に恥じないプレイの連続。柏の2トップが全然怖くなく、特にキタジは急造DFの曽田にすら抑えられる体たらくのため何とか事なきを得ますが、コリアン2トップがいたら確実に2点はやられていたかも知れず、チームとしては月の初めの対戦時とどこが変わっているのかさっぱりわかりません。
 しかし明神がいないお陰で柏の中盤に所々に穴が空き、吉瀬は視野も広く、ワンタッチ・ツータッチで正確なパスを出せるため攻撃面ではいいアクセントとなっており、前回よりは明らかに試合になっています。しかし、これまでよりはだいぶ改善されてはいるものの、相変わらず平間が持ちすぎてカウンターのチャンスを潰し、健作がサイドチェンジで活路を見いだすも、逆サイドでボールを受けた田渕がまったく勝負をせずに横パスに逃げ、結局サイドチェンジの意味がなくなる悪循環で、前半はお互いサポーターにとってはやきもきしたまま両者無得点で終了しました。

 前半は攻められはしていたものの、相手の決定力不足、何よりも運に助けられていた札幌。相手も決定力不足に悩んでいた以上、1点を取れば勝てる試合展開です。てっきり後半から勝負をかけるものと思われましたが、決定的なチャンス自体もそれほどなかったにもかかわらず、またも後半に向けてのメンバー交代はありませんでした。
 後半が始まるとペースは柏のまま。この頃になると吉瀬も消える時間が多くなってきており、1トップのオグは常に2人で囲まれるためキープできず、平間のドリブルもサンパイオにあっさりカットされて奪われ、頼みの山瀬もケガの影響か動きは重く、DFがクリアしても前線がキープできないといういつものパターンで、いつ失点してもおかしくない状態です。それでもフレッシュな選手を入れて局面の打開をしようともせず、まったく動こうとしない監督。寝てるんですか?

 そんなこんなしているうちに、誰かがサンパイオを引きずり倒してPKを与えてしまいました。またPKかよ。大野が蹴ったこのPKに魂のセーブを見せながら、その直後のCKではいったんキャッチしたボールをファンブルして危うくゴールに入れそうになるなど、洋平も見事なスペクタクル自作自演を見せます。明らかにチームは一杯一杯になっていますが、それでも哲二監督は動こうとしません。もしかしたら「果報は寝て待て」とか思っているのでしょうか。でしたら遠慮することはありません。一生寝てていいです
 ようやく動いたのはもう残り時間が15分を切った辺りでした。しかし、哲二監督が呼んだのは新居ではなく岳也。しかし岳也を呼んだときにはもう既に遅きに失した感があり、案の定岳也がユニフォームを脱ぎかけたときに大野にゴールを決められてしまいました。最悪のパターン。つっても、オレ自身はベンチのほうばかり見てて失点シーンは見逃したんですが。
 その後すぐに田渕に代えて中尾を投入しますが、泥棒を見て縄をなうといいますか、売れなくなってからヌードになるといいますか、全てが後手後手に回っている状況ではもう手遅れです。あと一つ残っていた交代枠を使うこともなく、最後に申し訳程度に曽田アタックを敢行するもあまりにも時間がなさ過ぎ、結局何の盛り上がりも見せることなく終了。楽しみにしていた"King of Sapporo"の出番もなく、カレーの入っていないカレーパンを喰わされたような心境のまま家路についたのでした。

印

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