? 哲二の部屋
サッカー百鬼夜行

第3節 対ベガルタ仙台
2002.5.3(FRI) 仙台スタジアム

ベガルタ仙台 1-0 コンサドーレ札幌
藤吉【69分】 0-0
1-0
 
スターティングメンバー
小針 GK 洋平
飯尾
リカルド
小村
片野坂
DF 吉川
先生
ンダ
森保
村上
シルビーニョ
テル
MF タブチ
吉瀬
板長
健作
コマネチ
ザイー
光岡
FW 岳也
オグ
光岡→麺づくり【67分】
村上→バーチ【78分】
交代 コマネチ→ナオキ【65分】
吉瀬→中尾【78分】
岳也→プチ俺王【79分】

試合の感想
 ナビスコカップ予選リーグ第3節はベガルタ仙台でとのアウェイゲーム。リーグ戦では高知にて対戦し、まったくもってむごい試合を展開して自滅。その後は札幌はたった1試合勝ったのみ、逆にここで弾みをつけた仙台はたった1試合負けたのみという、J2で同じ釜の飯を食った市民チームとしては対照的な結果となっています。いわばキン肉マンとキン骨マンの関係とでも言いましょうか。

 そんな感じでリーグ戦では好調な仙台ですが、マルコスを怪我で、山下を代表招集で2トップをまるごと欠いているためか、ナビスコカップでは緒戦に復帰した名波のリハビリのために九州までつきあわされ、しかも大虐殺を喰らっており、中田一三、福永、村田など主力に怪我人も多く、苦しいチーム状態が続きます。まぁナビスコはナビスコと完全に割り切っているようで、GKもスーパーカリスマゴールキーパー・ノリヲではなく小針を起用しています。この時点で試合の楽しみが50%減(あとの50%は新居)。
 しかし苦しさにかけてだけならJリーグナンバーワンの札幌の状態はそれ以上。前節は厚別で磐田と引き分けましたが、ただでさえ少ない手駒から山瀬と藤ヶ谷をU-21に、今野をU-19にドナドナされてしまいました。山瀬のポジションには平間が入り、今野のポジションには久しぶりに吉川が復帰しました。たとえるならば、あり合わせで晩ご飯を作ろうにも、冷蔵庫には塩辛とお新香とちりめんじゃことごはんですよしかないといった感じの状況です。さらに料理する人の腕もしょぼいわけですから、そんなんでうまい料理が作れるわけもなく。

 さて、2年ぶりの仙台スタジアムでの試合となったこの日、仙台サポーターの中心グループであるファッカーズの面々が札幌ゴール裏に顔見せに訪れました。和気藹々な試合前のひとときでしたが、気が付けば周りに緊張した面持ちの警備員が集まっていたところを見ると、周りからはそういう風には映らなかったようです。別に何も起こりゃしませんが。そんなこんなで試合はキックオフ。
 試合は予想通りの仙台ペースとなりますが、札幌も仙台スタジアムを知り尽くしている平間が久しぶりにキレのあるドリブルを見せ、何度かチャンスを作り出します。とはいえ、板長とオグにミスが多くそこで攻撃が終わるシーンも多々見られ、相変わらず田渕がまったく縦に勝負に行かずに横パスに逃げるため右サイドからの速攻が出来ません。というわけで左サイドからの攻撃に活路を見いだしたいのですが、その左サイドにはリカルドががっつりと待ちかまえており、岳也に何もさせてくれません。
 守備のほうはといえば、とりあえずここのところ急成長を見せている曽田がこの日も1対1を止め続け、右のストッパーを務めた吉川もミスはありましたが及第点以上の働きは見せています。この2人が1対1で止めてくれるため、古川先生が久々にスイーパーの仕事に専念出来ています。いつもに比べれば負担が軽くなったせいか、「さっくりと1対1を止める古川先生」という天然記念物モノのレアシーンすらありました。しかし、攻撃はともかくもともと守備はあまり得意ではない平間に山瀬のような犬っぷりは望むべくもない上、さすがに中2日で3試合目で疲労がたまっているのか吉瀬の動きがあまり良くないためシルビーニョを自由にさせてしまい、仙台に中盤を支配され続けます。DF陣も相変わらず個人で何とか守ってるだけの状況ですから、何度か崩されて決定的チャンスを作られます。仙台もそんなに良くはなかったので何とか事なきを得ますが、柏の葉での試合からどこがどう変わったのかまったくわからないまま0-0で前半終了。

 さて後半。うちは勝った名古屋戦を除いては1試合に2点以上取ったことのないチームです。しかも現在チーム内得点王の山瀬がいないのですから、今の札幌に出来ることは先に1点を取って何が何でも守り抜くこと以外にありません。しかし前半は単発で何度かチャンスを作った程度で点を取れる気はまったくしないにもかかわらず、開始からのメンバー交代はありませんでした。つっても、後半のオレの楽しみは「新居がいつ出てくるか」ただ1つだけだったので、応援しながらもベンチのほうをちらちら見つつ「新居出せ電波」を送り続けていたのですが、その電波が効いたのか後半15分辺りにナオキと共に新居が呼ばれてウォームアップエリアから出てきたのが見えました。すわ、同時取っ替えか? 珍しく勝負に出たじゃんと少し見直したのですが、ユニフォームを脱いだのはナオキだけで、呼ばれて飛び出た新居は放置プレイ。やっぱそんなもんか。
 つうか、ナオキを投入したのはいいとしても、てっきり田渕と代えるのかと思っていたら、生け贄となったのはこの日かなりいい仕事をしていたコマネチでした。確かに平間は運動量が落ちてきてましたが、それでも札幌のボールの収まりどころが彼しかいなかったのも事実。結果として、ボールキープできなくなった札幌はいつもの通りのサンドバッグ状態、つまり「MAJIで取られる5秒前」状態に突入します。

 で、ホントに取られるしな

 ゴールを決めたのはわずか2分前に交代で入ってきた藤吉。この辺りはさすがにベテランらしく、ゴール後のパフォーマンスは「ど根性ガエル」のピョン吉という今時の若い人にはわからないネタを繰り出しました。人のことはまったく言えませんが。
 明らかな交代ミスでまたもやビハインドを追ったにもかかわらず、哲二監督はその挽回策を取ろうとしません。ようやく動いた監督、スタッフが慌ただしく選手を呼びます。新居の登場を今か今かと渇望していた我々が「いよいよか?」と色めき立つと、出てきた選手は…ベンチ脇で待機している新居を飛び越して中尾。すいません、誰がそんなボケをやれといいましたか。つくづくサポーターの神経を逆撫でしてくれる監督です。
 中尾は疲れ果てていた吉瀬との交代で入りましたが、結局プラスの交代ではないのですから状況は変わるはずもなく、時間だけが無駄に消費されていく中、監督は特に指示を飛ばすわけでもないのに意味もなくテクニカルエリアに立ったかと思えば、またすぐベンチに戻って座り込み、しばらく経ったらまた立ち上がってテクニカルエリアへ…。奥さんの出産を待っている亭主じゃあるまいし少しは落ち着いてくださいよ。
 で、ようやく思い出したかのように新居をピッチに入れたのは後半も残り10分になってから。とても負けているアウェイチームとは思えない選手交代です。遅すぎです。超遅いです。最後まで使おうとしないのは「18歳ルーキーには荷が重い」と考えてのことなのかもしれませんけど、だったら逆にそのルーキーに「10分で何とかしてこい」というほうがよっぽど荷が重いと思うんですが。

 遅まきながらもいよいよピッチに登場したKing of Sapporo、ボールを持った矢先にいきなり俺ドリブルから縦に切れ込み、角度のないところから俺シュート。このシュートは残念ながら小針の正面に飛びましたが、相変わらずの俺様っぷりでゴール裏一部の新居マニアを楽しませてくれます。それはいいんですけど、試合開始から約80分も経って初めてまともに枠に飛んだシュートが出たのはどうかと思います。その直後にもやはりドリブルでペナルティエリア内に侵入、シュートを打ちます。このシュートは辺り損ねて枠を外れたものの、そこに健作が飛び込んできて再びシュート。体勢が悪く決まりはしませんでしたが、そうやってシュートを打てば何かが起こるんだよな。
 新居の投入後は明らかに流れが札幌に傾きますが、いかんせん時間が全然足りません。思い出したように繰り出した曽田アタックも実らず、最後の最後に板長か中尾がファウルを受けながらもDFラインの裏に出たボールが新居につながったチャンスも、吉田主審がアドバンテージを取ってくれずにやり直しとなり潰れ、そのリスタートのFKから得たCKも蹴らせてもらえずにタイムアップ。「せめてあと1分」という受験生のような心境の札幌サポーターにはむごい仕打ちでしたが、考えようによってはこの鬼のような吉田主審が、後に札幌にとって神のような存在になるといいのですけどね。

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