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サッカー百鬼夜行

第10節 対横浜F・マリノス(テレビ観戦)
2002.7.24(WED) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 2-3v 横浜F・マリノス
バーヤック【11分】
酒井【17分】
2-0
0-2
0-1
ウィル【55分】
ドゥトラ【88分】
奥【96分】
スターティングメンバー
洋平 GK 榎本
ゴンザレス
先生
健作
DF 中澤裕子
松田
ナザ
ナオキ
板長
山瀬
三沢
MF 鳩ポッポ
上野
遠藤
ドゥトラ
バッキー
オグ
ジャジ
FW 坂田
俺王
オグ→ンダ【84分】 交代 坂田→平瀬【59分】

試合の感想
 Jリーグ開幕から約4ヶ月半にしてようやく巡ってきた札幌開幕戦。札幌ドームに首位の横浜F・マリノスを迎えてのホームゲームとなります。昨季は多くの日本代表候補を抱えながらも最後の最後までJ1残留争いを繰り広げてしまった横浜は、その主たる原因だった個人技頼みのサッカーの反省から、札幌で得点王に輝いた俺王様ことウィルをレンタルで獲得、さらには所属チームでダダをこねた日本代表の中澤と奥をそれぞれ東京ヴェルディとジュビロ磐田から獲得(奥は期限付き)、さらには鹿島アントラーズから平瀬を期限付きで獲得するなど、押してダメならもっと押してみたといった感じで、今季はジュビロ磐田をアウェイで破るなど快進撃を続け、ここまで無敗で首位を独走しています。
 チームの中心であった中村俊輔が前節を最後にイタリア・セリエAのレッジーナに移籍したものの、抱えるメンバーの厚さから言ってもそう大きなマイナスにはならないというのが世間のもっぱらの判断です。その横浜のメンバーは、いつもなら2トップは俺王様とジローの元札幌コンビ(ただしかぶってない)ですが、ジローが前日高熱を出して寝込んでしまったため、スタメンFWはU-19日本代表の坂田大輔となっており、トップ下に奥。俺王様にドゥトラとナザを加えたマフィアトリオも健在。サブメンバーにはDFを入れないという超余裕の布陣で札幌に乗り込んできました。

 迎え撃つ札幌はイバンチェビッチ監督になってからもまだ勝ちがありませんが、首位チームが相手とはいえ今季初の札幌ドームで初勝利を狙いたいところ。前節浦和戦でケガから復帰したばかりのビジュが今節予定調和の出場停止となったものの、前節出場停止だった健作が復帰して今野、先生、健作の3バックが復活。和波が左ウィングバックに、山瀬がボランチにそれぞれ戻り、週の半ばに東京ヴェルディから西田吉洋を期限付きで獲得しましたが、登録の関係でこの試合には出場できず、サブメンバーも含めて神戸戦とまったく同じメンバーとなりました。
 やっと札幌に帰ってきたおらがチームを迎える満場のサポーター、といいたいところですが、客入りとしては2万5千人と6割程度といったところ。それでもこの日行われた全試合の中では唯一2万人を超える動員数トップでしたから、ウィークデーの夜の試合としては上出来といったところでしょうか。まぁ、水曜日の試合で4万3千人収容のドームが超満員だったりしたら、それはそれで大丈夫か北海道という気もしますしね。

 そんなわけで試合は、前線から最終ラインまでコンパクトにまとめ、中盤で2~3人がプレスをかける札幌のワンワンサッカーに対し、邪魔者がいなくなって生き生きしている俺王様を中心に、個人技を生かして細かくパスをつなぐ横浜とのがっぷり四つとなりました。決定的なピンチも札幌最強のDF・ゴールポストの活躍で防いだあとの前半11分、ジャジのドリブル突破から相手ペナルティエリアすぐ脇のいい位置でフリーキック得ます。山瀬が蹴ったボールをバッキーが倒れながら左足で合わせてゲット。ホームゲームで貴重な先制点を挙げます。
 この先制点で俄然勢いづいた札幌は、その後も横浜を攻め立てます。その6分後には、オグのポストプレイから和波が左サイドを突破して、上げたクロスをナオキがダイレクトで合わせて追加点。最下位の札幌が首位の横浜を相手に2点のリードを奪うという、まさに窮鼠猫を噛むといった感じの展開となりました。イヤ、犬ですけどね。
 2点を先行された横浜は怒濤の反撃を開始しますが、札幌の効果的なプレスの前になかなか思うように前にボールを送ることが出来ません。しびれを切らせた俺王様が中盤まで下がってボールをもらいに来ますが、ジローの代役の坂田は先生にあっさり止められるという体たらく。前半終了間際、札幌ゴール前に上がったクロスボールを洋平が俺王様と競りに行きましたが、ヘビー級の俺王様にはじき飛ばされファンブルし、がら空きのゴールにシュートを打たれてしまいます。しかし、カバーに入っていた健作がこのボールを間一髪でカニばさみ。まるで「みんなのゴルフ」でホールインワンした時のように本人が一番ビックリのスーパープレイで事なきを得て、2-0のまま試合を折り返します。

 久しぶりの勝点ゲットに向けて大きなアドバンテージを得た札幌ですが、相手はなんと言っても首位横浜。このまま逃げ切れるとは到底思えません。1点を返されると連敗中の札幌にとってはかなり苦しい状況になってしまいますから、是が非でももう1点を追加したいところです。しかし、そんなサポーターの願いも裏腹に、後半14分頃に相手フリーキックの時のペナルティエリア内でのポジション争いで先生が中澤を倒してしまったプレイを、ルシリオ主審はPKと判断。蹴るのはもちろん俺王様。PK百発百中の俺王様がこれを外すわけもなく、やりたくはなかった1点を与えてしまいます。
 ここから試合は後半から大きく動き始めました。怒濤のように攻めてくる横浜に対し、焦る必要は全くないのに蜘蛛の子を散らすような騒ぎの札幌。むやみにドリブルをしてはカットされ、パスをもらってもまるで爆弾ゲームの爆弾が回ってきたかのように慌ててトンチキな方向へボールをほかすなど浦和戦と同じ状況に。
 試合も徐々に荒れ始めます。タッチラインを割ったボールを巡ってジャジと波戸がもみ合い、思わず波戸に取り憑きかけたジャジを見たルシリオ主審が、「遊星からの物体X」ごっごは禁止という理由で両者にイエロー。さらには久しぶりに札幌ドームの芝を踏んだ俺王様が、懐かしの芝の感触を確かめようと札幌ペナルティエリア内で寝ころんでみたところ、ルシリオ主審は「寝る子は育つ」という理由でイエロー。かつての臣民の前で俺王様らしいところを見せましたが、驚いたことに俺王様はこれが今季初のカードゲット。市原戦で立石と英輔を血祭りにあげた俺王様ですが、今季初のイエローだそうです。そして後半も残り10分を切った辺りで波戸が2枚目のイエローで退場。ギリギリの戦いを続けていた札幌にとって大きな追い風となります。
 しかし札幌はこの数的優位で逆に気を抜いてしまったのか、後半終了間際にドゥトラに個人技で意地のゴールを決められついに同点に追いつかれてしまいました。

 試合は延長に入りますが、2点差を追いついた横浜と2点差を追いつかれた札幌では勢いの差は明らかです。延長前半6分に奥に見事なヘディングシュートを決められ、2試合連続のVゴール負け。どんなにヤッターマンを追いつめても、結局は最後に負けてしまうドロンジョ様ご一行の気持ちが改めてよくわかる札幌開幕戦でした。

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