? どこまでイバンチュール
サッカー百鬼夜行

第13節 対ジェフユナイテッド市原
2002.8.7(WED) 市原臨海競技場

ジェフユナイテッド市原 2-0 コンサドーレ札幌
崔【23分】
崔【48分】
1-0
1-0
 
スターティングメンバー
クッシー GK 洋平
斎藤
ミリノビッチ
永輔
DF ゴンザレス

健作
坂本
阿部
ムトゥ
村井
羽生
MF ナメック星人
板長
西田
コマネチ
三沢
大柴(本物)
FW ンダ
ジャジ
羽生→林【45分】
ムトゥ→長谷部【80分】
交代 三沢→フジ【48分】
コマネチ→ナオキ【60分】
ンダ→磯山【82分】

試合の感想
 「今日は何点差で負けるの?」と、一般のサッカーファンからは既に負けが前提となってしまっている札幌ですが、今節はウィークデーのアウェイ戦。相手はジェフユナイテッド市原。昨季万年降格候補から一気に年間3位という大躍進を遂げたチームですが、その立て役であった「ゾーンプレスの伝道師」ことベルデニック監督が名古屋に引き抜かれてしまいました。寝首を掻かれた格好の市原でしたが、すぐさま元チェコスロバキア代表監督の経験もあるベングロシュ氏を監督に招聘。恐ろしいほどの人脈のスゴさを見せつけましたが、現在のところは4勝5敗3分と昨季ほどの勢いはないようです。その市原は、ケガで戦列を離れていた韓国代表ストライカー・崔龍洙がこの試合で復帰。契約満了に伴い退団したムイチンの替わりにシーズン途中から加入したスロバキア代表のご老公・モラフチクとDFの茶野がケガで欠場した以外は出場停止もなくベストメンバー。

 イバンチェ就任以来「何となくアヤックスっぽいサッカー」を進めているものの未だに勝ち星がなく、もう何度目になるだろう「今度こそ連敗ストップ」に挑戦する札幌ですが、連敗脱出の予感どころか状況はむしろ厳しくなる一方で、「それとなくダービッツ風味」の山瀬、「ちょこっとクライフェルト」のオグ、「フケ顔という点だけがオーフェルマルス」のバッキーの3人が出場停止と、攻撃の選手3人が丸ごといません。とはいえ、サブの選手にとっては大チャンスで、特に函館でデビュー戦初ゴールを決めたルーキー新居のベンチ入りに期待が集まります。そんなわけで札幌のメンバーは、守備陣は前節とほぼ同じで、1トップに曽田、2列目にジャジと平間が並び、左のウィングバックに和波、サブメンバーは藤ヶ谷、先生、吉川、ナオキ、大宮から移籍の磯山とイマイチ感の拭えないメンバー。

 いねぇじゃん、新居

 つうか、タイプが違うとはいえサブメンバーにDFは2人もいらないと思うのですが。アウェイで守りに入る展開になるとは思えないし。まぁ鼻骨を骨折している健作の「万が一」を想定したのかもしれませんが。

 この日も関東地方は昼間はものすごく暑かったのですが、日が落ちてからは風もあり割と涼しいコンディション。まぁ、今となってはもう気温がどうこうの問題じゃないのですけど、それでも蒸し暑いよりはいいのか、開始からやや札幌ペースで試合は進みます。しかし、ジャジが疲労でコンディションを落としているのか普段とは違って1対1でも抜くことが出来ない上、さらには平間が相変わらず攻撃ストッパーの本領を発揮するなど、ボールを持っている割にはまったく得点の予感がしません。
 ここのところの札幌は昔と違って右サイドを中心に攻める「サイドの逆転現象」が起こっており、その分だけ和波がちょこちょこと空くのですが、ご存じの通り札幌の辞書に「サイドチェンジ」という言葉はないので、和波をスペースに走らせるようなこともありません。逆サイドのタッチライン沿いで和波が寂しくて泣いていないか、おじさんはとても心配です。結局、相手のペナルティエリア前でこちゃこちゃやってシュートを打たず、ということを繰り返しているうちに、カウンターからフリーになった崔龍洙にゴール右隅に決められ、今日も懲りもせず先制点を献上します。ここのところはもう相手のゴールには慣れっこになったオレですが、とりあえず東京戦、清水戦、そしてこの試合と3試合連続して前半20分過ぎに失点するのは新しいお約束ですか?
 いつもの通り追う展開となりましたが、その後もお世辞にも出来がよいとは言えない市原を崩すことが出来ません。監督の指示なのか選手に応用力がないのか曽田の武器である高さを生かそうとしません。確かに市原には188cmのミリノビッチが構えているとはいえ、普段とはメンバーが違って連携も望めないのですから、愚直ではあっても特色を生かした攻撃をするしかないと思うのですが、オグと同じように足元にパスを送ってはボールを取られる展開の繰り返し。先制した市原も昨年ほどの怖さが感じられず、ドキドキもワクワクもしないまま前半を終了します。

 追い上げたい後半ですが、前半の出来からすれば効いていなかった選手を代えて仕切直しが妥当なはずなのに、なぜかメンバー交代はナシ。早い時間に追いつくはずが、逆に開始早々にラインの裏に抜け出た大柴を洋平がペナルティエリア内で倒したとしてPKとなり、洋平がイエローカードを受けてしまいました。この判定に激昂した洋平がよせばいいのに辺見主審をこづいてしまい、2枚目のイエローで退場してしまいます。
 この一連のプレイは札幌側ゴール裏の目の前だったので、我々からはよく見えたのですが、ファウルを取られるような場面には見えませんでしたし、少なくともああいったデリケートな場面を、遙か後方にいた辺見主審に判別できるはずがありません。普段は冷静な洋平があそこまで怒ったということは、おそらく相手の足は洋平の腕に引っかかってはいなかったのでしょう。ただ、チームの置かれた状況を考えれば、洋平には自制して欲しかった場面ではありましたが、実は洋平が悪いのではないのです。全ては着用すると必ず良くないことが起こる蛍光オレンジのユニフォームが悪いのです。
 しかし仮にミスジャッジだったとしても判定が覆るはずもなく、退場した洋平に替わってU-21日本代表の藤ヶ谷がゴールマウスを守ります。藤ヶ谷的にはタナボタの今季初出場でしたが、結局このPKは崔龍洙に決められてしまいました。ケガでブランクがあっただけにこの日の崔龍洙はあまりよくありませんでしたが、それでも貫禄の2得点。崔龍洙には昨季もホームとアウェイで2得点ずつ取られましたが、何か「崔龍洙には2点取らせること」という契約でもあるんでしょうか。つうか、柏の柳想鐵といい黄善洪といい、うちのチームが千葉県在住の韓国人選手に弱いのはなぜですか?
 さてその後の藤ヶ谷。生藤ヶ谷を見るのは昨年の天皇杯3回戦の川崎フロンターレ戦以来ですが、3度ほどあった1対1の場面を止めるファインセーブを見せる一方、飛び出しを躊躇する場面が多く目に付くなど、良くも悪くも藤ヶ谷っぽさ全開で、おじさんは安心です。
 それはともかく、2点をリードされた上に数的不利となった札幌ですが、イバンチェはなかなか動きません。ようやく動いたのは別名岡ちゃん時間の後半15分。ここでようやく平間に代えてナオキを投入となります。ナオキはなぜスタートから使われないのか不思議なほどいい働きを見せ、何本かいいクロスも上げたのですが、1人足りないせいか中で待っているのが1人しかいないため得点に結びつけることが出来ません。
 市原のほうも2点リードしているため決して無理には攻めてこず、札幌がボールを支配しているというよりは「持たされている」という状況です。流れの中での得点が無理ならセットプレイに活路を見いだしたいところですが、何しろ山瀬とバッキーというCK時のキッカーがいないためそれも期待できません。ジャジが1本スゴいフリーキックを放ちましたが、惜しくも櫛野にセーブされ得点ならず、後半の見所といえば、相手の速いクロスに文字通り飛び込んできた尽が、元コロンビア代表のGK・イギータのような、人間離れしたスコーピオンクリアを見せたくらい。つうか、なんでうちのチームにはファンタジスタなディフェンダーしか来ませんか? 
 そんな感じで、FC東京戦のような「追いつけるかも」という期待は全くないまま試合は進んでいきます。そうこうしているうちに目に見えて運動量が落ちていき、しまいには藤ヶ谷がボールを持っても誰も動き出すことすら出来なくなる始末。残り10分くらいになってから思い出したように磯山を投入するも、時既に遅く試合は2-0のまま終了。札幌はチームワースト記録となる9連敗となってしまいました。

 レフェリーについての批判は出来ればしたくないのですが、この日の辺見主審はちょっとヒドすぎました。まぁ洋平のPKと退場については、アレがなかったとしても勝てたとは思えないのですが、その後今野がペナルティエリア内で後ろから足を引っかけたプレイにはなんのお咎めもないなど、ジャッジの基準がバラバラな上にポジショニングも悪く、はっきり言ってゲームを壊されたという感じ。こんなことなら舞浜で途中下車してディズニーランドに行ったほうがなんぼかマシという気になりました。少なくとも、ヘンミーランドに入場料2,200円は高すぎです。超嫌いです。

印

戻る