? どこまでイバンチュール
サッカー百鬼夜行

第3節 対ヴィッセル神戸(テレビ観戦)
2002.9.15(SUN) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-2 ヴィッセル神戸
曽田【66分】 0-1
1-1
オゼアス【36分】
アリソン【57分】
スターティングメンバー
洋平 GK 掛川
ゴンザレス

健作
DF 吉村
バウル
北本
平野
ナメック星人
板長
西田
ジャジ
MF シジクレイ
佐伯
薮田
アリソン
バッキー
オグ
岳也
FW バンバン
オゼアス
西田→ナオキ【53分】
オグ→ンダ【67分】
バッキー→三沢【75分】
交代 オゼアス→ホー【50分】
佐伯→モッチー【83分】
バンバン→野人【83分】

試合の感想
 崖っぷちからもう腕だけでしがみついているというような感のある札幌の今節は、札幌と同じように降格圏内からの脱出を果たせない神戸を札幌ドームに迎えての裏天王山です。1stステージのアウェイ戦では、終始試合のペースを握りながらもCKから土屋のヘッドで敗戦を喫しましたが、ホームゲームとなるこの試合はキッチリ勝って勝点差を詰めたいところ。ぴったり1年も勝っていないここ札幌ドームですが、前日には北海道神宮の神主さんを呼んで必勝祈願をするという、困った時の神頼みで試合を迎えました。
 J1残留を賭ける神戸は2ndステージ開幕前にすっかりベンチウォーマーとなっていたダニエルとの契約を解除し、ブラジルのクルゼイロから国際Aマッチ3試合出場という元セレソンのオゼアスをレンタルで獲得。また、第1節終了後には「コリチーバのアタリバはハズレバ」と散々な言われようだったアタリバとの契約も解除し、浦和を構想外となったアリソンをレンタルで獲得しました。しかしチームの調子は一向に上がらず2ndステージも開幕2連敗を喫してしまっています。

 そんな神戸のスタメンは、これまでセンターバックを務めていたシジクレイをボランチの位置に上げて佐伯とのダブルボランチとし、センターバックは偽シジクレイの土屋と北本の2枚。両サイドバックに吉村と平野、2列目には薮田とアリソン、そしてオゼアスとバンバンというその身長差20cm(バンバンの髪の毛おっ立て分を除く)の2トップという布陣です。
 対する札幌は前節で出場停止だったビジュが戻ってきたものの、その京都戦で一発退場した古川先生が出場停止と相変わらず誰かが戻れば誰かがいなくなるなんちゃってターンオーバー制。負傷中のゴリはまだ出場はムリのようですが、同じくケガのバッキーがなぜか驚異的な回復を見せて出場。そのとても23歳とは思えないツラ構えから見ても怪しいとは思っていましたが、ここに来てバッキーも宇宙人疑惑がわき起こっています。というわけでオグの両脇に岳也とバッキーが並ぶ3トップとなり、その他はいつもの3バック、いつものダブルボランチ、いつもの両ウィング。フジ、曽田、和波、ナオキ、松川というベンチメンバーとなっています。

 いねぇじゃん、新居

 さて試合は、さすがにJ1年間最下位とブービーチームらしい試合で、お互いパスミスから攻守がめまぐるしく入れ替わる展開。ハーフウェイラインを挟んで縦パスが直接相手選手に行き、そのボールを縦に送ったらまた相手選手に渡るというシーンが連続します。テニスですかこれ
 それでも序盤はホームの札幌がややペースを握り押し気味に試合を進めるものの、肝心のアタッキングエリアで雑なプレイが目立ちシュートまで持って行けません。ジャジがサイドを突破しても中の人数が足りず、岳也もサイドに流れるのはいいのですが、そこでボールを奪われるか当てずっぽうなクロスを上げては神戸のディフェンスに跳ね返されるかのどちらかで、バッキーが簡単にボールを奪われてカウンターを喰らうという展開が続きます。
 しかし神戸のほうもやはりパスが雑で、危険な状況になる前に勝手にミスしてくれるため大事には至らず。神戸としては186cmのオゼアスを中心に攻めたいところなのでしょうが、同タイプのマグロン(ガンバ)のような怖さは感じられず、プレイよりもその容姿にばかり目が行ってしまいます。何でしょうかあの頭は。うしろ髪すだれ隊とでも言いたいのでしょうか。古巣対決に燃えているというバンバンも、その気合いとは裏腹にほとんどのシーンで今野に負け続け、お互いにまったく得点の予感がしない蹴り合いが続きます。
 しかし、そんな中でも札幌になくて神戸にあるもの。それは「セットプレイ」です。神戸に多くのコーナーキックを与えていたことにイヤな予感はしていたんですが、前半36分、平野のフリーキックからそれまでほとんど見せ場のなかったオゼアスに頭で決められ先制を許してしまいました。逆に札幌はその後もフリーキックやコーナーキックのチャンスを掴みますが、板長のフリーキックからビジュのヘディングが枠の外に飛んでいったのが一番惜しいシーンだったくらいで、前半は0-1のまま終了。

 後半追いつきたい札幌ですが、やはりというか選手交代はなし。開始早々にオゼアスが足を痛めて城と交代しましたが、試合の流れを取り戻すことが出来ません。さらには神戸が徹底してオグへのくさびのパスを狙いに来たこともあって、ボールがまったく落ち着きません。そうこうしているうちに西田が足を痛めてナオキと交代しましたが、後半12分には前がかりになっていたところを、カウンターを喰らい左サイドを破られ、絵に描いたようなジェットストリームアタックでアリソンに決められ2点目を許してしまいました。つうか、オゼアスといいアリソンといい磐田のグラウといい、うちのチームはなんだって新加入の選手にゴールを献上するのが得意ですかね。
 いよいよ後がなくなった札幌は曽田を投入。はいいとしても、なぜか生け贄はオグ。確かにオグの出来自体もよくはなかったのですが、代えるのならそこはバッキーだろうと思っていると、その曽田が大仕事をやってのけました。ナオキからのクロスを曽田が頭でつなぎ、そのボールを受けたバッキーからの折り返しを再び曽田がダイレクトで左足で叩いたボールは一直線にゴール左隅へ。意外といっては失礼ですが、頭ではなく左足という曽田のプロ初ゴールで1点を返します。これまで監督が替わり、ポジションが変わり、それでも使われ続けながらも、これといった結果が残せなかったことに本人も悩んでいたのでしょうね。ようやくゴールという結果を出すことが出来た曽田が、一週間ぶりに便秘から解放された時のような晴れやかな表情をしていたのが印象的でした。
 1点差に追い上げた札幌は、現金なものでここから怒濤の攻撃を見せます。右サイドのナオキが再三チャンスを作り、今野や健作も積極的な攻撃参加を見せ、そしてビジュが1試合カード1枚のノルマを果たすなどで神戸を自陣に釘付けにします。中でも鬼気迫る表情で勝利への執念を見せていたのがジャジ。4人を一気に交わしてペナルティエリアに入り込んでシュートを放ったり、エリア外からも積極的にミドルシュートを放ったりしますが、惜しくもキーパーにキャッチされたり、はたまたバッキーにブロックされたりとなかなかゴールの中へ蹴り込むことが出来ません。

 この間、札幌はストッパーの今野と健作が同時に上がるシーンもあったように、ほとんどディフェンスを捨てた格好だったため、一度佐伯に突破されて決定的なピンチを迎えてしまいます。しかし、札幌のサポーターで埋め尽くされたホーム側ペナルティエリア内でどフリーでパスを受けた室蘭生まれの城くんは、生まれた北海道の人たちの目の前でボールを持ったまま「ふしぎなおどり」を披露して自爆というお茶目なところを見せ事なきを得ました。しかしそんな城くんの心遣いも及ばず、結局最後まで攻めながらも追加点は奪えずタイムアップ。ついに神戸との勝点差は8に広がってしまったのでした。

印

戻る