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サッカー百鬼夜行

第5節 対浦和レッドダイヤモンズ(テレビ観戦)
2002.9.21(SAT) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-2 浦和レッドダイヤモンズ
堀井【72分】 0-1
1-1
エメルソン【42分】
鈴木【51分】
スターティングメンバー
洋平 GK 山岸

ナメック星人
健作
DF 井原
坪井
室井
ナオキ
ゴンザレス
板長
三沢
MF 鈴木
山田
ウッチー
平川
大将
ジャジ
オグ
岳也
FW 俺王子
永井
三沢→バッキー【59分】
健作→ンダ【59分】
ジャジ→ゴリ【84分】
交代  

試合の感想
 2ndステージが始まっても相変わらず勝ち星のない札幌は、2ndステージまだ負けなしと絶好調の浦和レッズとのホームゲームを戦います。前節は柏レイソルと引き分けてしまいましたが、前々節は腕を骨折した俺王子ことエメルソンを欠きながらも、アウェイで磐田を破るという強さを見せました。
 1stステージで下位に低迷した浦和は、2ndステージ開幕前にアリソンとの契約を解除して、今年京都に移籍して「家庭の事情」でたった1試合で帰国した元オーストラリア代表のゼリッチを獲得しましたが、来て早々ケガをして未だに試合には出られずと、「日本に来るけど働かない選手」としての名声を確立しつつあります。さらには「行ったきり2トップ」の一角・トゥットが肉離れで戦線を離脱中となっており、スタメンは前節とまったく同じ。札幌の「森システム」に勝るとも劣らない坪井、井原、室井の「井3バック(言いにくい)」も健在で、2トップは俺王子と永井、トップ下に「ミスターレッズ」福田、ウィングは左に平川右に山田、ダブルボランチが内舘と、1stステージの試合では出場停止だったU-21日本代表の鈴木啓太、GKは山岸という布陣。
 対する札幌は、前節遠征メンバーから外れたオグがスタメン復帰。それ以外は前節と同じメンバーで、健作、ビジュ、尽の3バック、板長と今野のダブルボランチ、和波とナオキのウィングバックに、3トップが真ん中にオグの左右にジャジと岳也という、現状ではまぁいっぱいいっぱいと思われるメンバー構成です。

 中2日の3試合目、さらに両チームとも前節は延長戦を120分ほぼフルに戦っており選手の疲労が心配されますが、まずペースを掴んだのがホームの札幌。ボランチ今野の積極的な攻撃参加からオグが惜しいミドルシュートを放ち主導権を握ると、その後もジャジが得意の悪魔将軍ドリブルでシュートを放つなど、動きの良くない浦和の中盤を後目に相手ゴール前まで攻め込みます。しかし、守備範囲が異常に広い坪井に手を焼き、攻めている割には決定的な形を作り出すことが出来ません。
 浦和はいつもの通りの「俺王子行ってこい」攻撃で俺王子にボールを集めますが、札幌はいつもより引き気味のラインで俺王子にスペースを与えません。必然的に中盤での勝負となりますが、お互いラインが間延びしており、また中盤の運動量も多くないため、両チームともカウンターらしいカウンターも繰り出せず、ただ何となくボールを蹴り合う前時代的な大映ドラマサッカーを展開します。両チームともシュートが少なく、その数少ないシュートもほとんど枠に飛ばない状況に無得点の予感が漂っていた前半終了間際、浦和のロングボールの尽が処理を誤り、永井にボールを奪われてしまいました。永井はすぐさま中央へグラウンダー気味のクロスを入れ、そこに飛び込んできた俺王子がニアサイドで足にちょんと合わせて方向を変えると、ボールはコロコロとゴールの中へ入り、先制点を許してしまいました。
 それにしてもさすがは俺王子、腕を骨折していても点は獲る。「腕なんて飾りです。札幌の選手にはそれがわからんのですよ」とでも言わんばかりのちょこざいなシュートで先制点をゲット。そりゃまぁ、札幌の選手には前足しかついてないしね。その後は今野がゴール前フリーとなるチャンスがあったものの、シュートをぶっぱずしてしまい得点ならず、1点ビハインドのまま前半終了。

 早めに追いつきたい後半ですが、札幌には最初から行くのかそれとも少し様子を見るのかはっきりせず、何となくファジィな空気が流れているような感じでした。そして後半6分には何となく永井に右サイドを突破され、DFの注意が俺王子に集中したスキにどフリーで走り込んできた鈴木啓太に豪快に決められ2失点目を喫してしまいます。
 後がなくなった札幌は、疲労が蓄積していたのかこの日動きの悪かった健作と和波を下げ、曽田とバッキーを投入。今野を最終ラインに下げ、オグを中盤に下げて徹底して曽田の頭を狙う「必殺ノルウェー作戦」に出ます。今年になってからその時々でDFになったりFWになったりカップルの待ち合わせの目印にされたりといいようにこき使われている曽田ですが、この日はマーカーの室井にことごとく競り勝ち制空権を取ります。そして後半27分、その曽田の頑張りのためか敵にも味方にも微妙に忘れられかけていた岳也が、尽からのロングボールをヘディングで決めて1点を返しました。
 同点に追いついてからももうしつこいまでに曽田アタックを繰り返す札幌。それに応えるかのように曽田も体を張ってボールを頭に当てるのですが、薄くなった中盤はセカンドボールを拾えず、その先が繋がりません。この頃にはもう既に浦和の守備陣はアップアップとなっていたのですが、岳也がどフリーのヘディングを外したり、ビジュがどフリーのヘディングを美しいフォームで空振りするなどチャンスを生かすことが出来ません。函館での鹿島戦を思い出して「ああ、ここに新居がいれば…」とついつい思ってしまう中、札幌が札幌である所以の「ゴールが見えそうで見えないチラリズムサッカー」を展開したまま時間だけが過ぎていきます。
 残り5分というところでジャジを下げてゴリを投入しますが、そのゴリもほとんどボールに絡むことが出来ません。終了間際に得たコーナーキックも、布瀬主審がなぜかゴールキックに変更してしまいました。神は死んだ。結局神戸戦と同じく「あと1点」が届かずタイムアップ。「スペランカー」の主人公のような弱さで今日もまた勝てませんでした。

 ところで、テレビ画面に映る浦和のオフト監督とヤンセンコーチの2ショットを見ていると、他人事ながらドームのベンチが潰れていないかどうかが心配です。

印

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