? チャンリンシャン
サッカー百鬼夜行

第9節 対ガンバ大阪
2002.10.19(SAT) 万博記念競技場

ガンバ大阪 1-0 コンサドーレ札幌
マグロン【63分】 0-0
1-0
 
スターティングメンバー
松代 GK 洋平
ちクン
實好
木場店長
DF
先生
健作
新井場
橋本
ガチャピン
ファビーニョ
二川
MF ナメック星人
板長
吉川
西田
三沢
コータ
FW King of Sapporo
オグ
橋本→マルセリーニョ【45分】
コータ→大黒【72分】
ファビーニョ→森岡【89分】
交代 King of Sapporo→岳也【63分】
吉川→ンダ【70分】
オグ→コマネチ【84分】

試合の感想
 降格街道まっしぐらのコンサドーレ札幌は、今節はガンバ大阪とのアウェイ戦。この試合を含めて残りが7試合という段階になっても未だに勝点が7のままで、この試合を落とすと神戸と柏の結果次第ではJ2降格が決まってしまう札幌ですが、ガンバ大阪にはここまで2勝しかないうちの1勝がこのガンバ大阪相手の試合。こちらは何しろ最下位のチームですから「相性がいい相手」とは言えないかもしれませんけど、少なくとも「微妙に相性がいいような気がしなくもない相手」とも言えます。
 つっても、逆にガンバにしてみれば「アクセル全開でJ2への道を驀進中の札幌に一度も勝てなかったチーム」となってしまい、これはガンバにとっては「抱かれたくない男ランキング」で出川哲朗に圧勝するよりも屈辱かもしれません。ホームで万全を期して札幌を叩きつぶすといきたいところでしょう。マルセリーニョ・カリオカや宮本などけが人が多いとはいえ、前節は仙台をアウェイで6点を奪う虐殺を見せるなどチームは上り調子です。ところが、ここに来て多くの主力選手が集団で風邪を患い、そのうち二川ら何人かは前日に点滴を受けるという大ピンチ。何とか試合出場にはこぎ着けたものの、コンディション的に不安の残る状態です。

 そのガンバはマルセリーニョがケガから復活しベンチ入り、スタメンはGK松代、宮本の代わりにはベテラン實好が務め、山口、木場と3バックを組み、ダブルボランチに遠藤とファビーニョ、両ウィングが新井場、橋本、トップ下には二川、そして2トップがマグロンとコータという仙台を葬った凸凹コンビとなっています。
 そしてもう後がないという段階もとっくに通り越した札幌はメンバーを大きく変更。張監督になってからスイーパーを務めていたビジュが中盤に戻り、空いたスイーパーには古川先生が復帰、右に尽、左に健作というストッパーと西田と和波の両ウィングは変わらないものの、今野はまだカタールにドナドナ中ということで本来はセンターバックの吉川を中盤で起用、ビジュ、板長でトリプルボランチとし、そして2トップはオグとKing of Sapporo新居がついにスタメンでの出場を飾り、最終ラインに先生、トップに新居という2人のネタ職人を揃えました。とはいえ、4試合で1得点11失点という攻撃も守備もアレな状態ではどこまでの効果があるかはわからないのですが、とにかく今まで出番のなかった控え選手たちの発奮に期待したいところ。

 さて試合。ここ2試合まったくもって残念な試合を繰り広げている札幌ですが、今日は立ち上がりから積極的な守備を見せます。吉川も「まず前を向かせない守備」を忠実に遂行しつつ、最終ラインでボールを持った場合は下がってボールを引き出すなどボランチの動きはそれなりに出来ており、急造の割には及第点以上の働きを見せています。久々スタメン復帰の「吉原に強い男」こと古川先生、と書くと何となく「いけない街でブイブイいわせているよう」にも聞こえますが、もちろんそんなわけはなくコータを抑えつつも、自慢の石頭で二川にTKO勝ちを飾るなどの活躍を見せます。
 ガンバはいつものようにマグロンをターゲットにして攻撃を組み立てたいところですが、やはり風邪の影響があるのか選手の動きはイマイチ重く、さほど鋭かったとは言えない札幌のプレッシャーをモロに受けてなかなかマグロンにいいボールを入れることが出来ません。そんなガンバに対し、札幌は徐々にボールキープの時間も長くなっていきますが、板長、ビジュ、吉川という中盤では守備はともかく攻撃に多くを望めませんし、ホームの試合では出場停止でいなかったファビーニョにことごとく攻撃の芽を摘まれてしまい相手ゴール前まで行けません。スタメンを飾った新居もほとんどボールが回ってこず、たまにボールが回ってきてもそのボールをつなげることが出来ません。それでもオグのシュートにキッチリ詰めてこぼれ球を狙うなどストライカーなプレイはあったものの、健作からのロングボールをDFと競り合う…ことなくなんか嘘くさい奪い方で抜け出しましたが、角度のない場所からだったとはいえ自分で打たなかったのはらしくないプレイでした。そんな感じで前半はお互いチャンスらしいチャンスもほとんどないまま終了します。

 とりあえずディフェンスはうまく行っているものの、点を獲らなければ試合には勝てません。ガンバの出来を見ても失点の匂いはしないだけに、とにかくとっとと先取点を奪って守りきりたいところ。ですが、前半と同じようにボールは持てるもののフィニッシュまで行けません。そうこうしているうちに古川先生がペナルティエリア内で痛恨のハンド。勝ったホームの試合では神が乗り移ったかのような奇跡的なプレイを連発していた古川先生ですが、どうやらこの時ばかりは先生に乗り移っていたのは神ではなく中垣内祐一だった模様。全日本のエースによる見事なスパイクでPKを献上してしまいました。このPKをマグロンにキッチリ決められやりたくなかった先制点を与えてしまいます。
 この直後、張監督はなぜか新居に代えて岳也を投入。まぁ確かに新居はミスも多かったですし代えられても仕方がないとはいえ、そもそもトップに全然ボールが行かない状況でFWを代えてどうなるものでもないと思うのですが、その岳也もやはりボールが回ってこないので自慢の快足を生かせるはずもありません。その7分後にはようやく中盤に手を入れますが、下げられたのは(後半は消えていたとはいえ)決して悪いプレイは見せていなかった吉川で、投入されたのは曽田。個人的にはまず曽田の投入を先にして曽田と新居をセットで使い、函館の二匹目のドジョウを狙うという、名付けて「必殺・函館の二匹目のドジョウを狙う作戦」にしたほうがいいと思ったのですが、そんな個人的な妄想が実現するはずもなく、風邪でヘロヘロのはずのガンバを相手にすらチャンスを作れないまま時間は過ぎていきます。
 残り5分くらいになってからオグに代えて平間を投入しますが、発奮するはずの控え選手は誰もいなくなり、気が付けば連敗中のメンバーに戻っていた有様では追いつくことすらかなわず試合はそのまま終了し、終わってみれば無得点時間と連敗を伸ばしただけに終わったのでした。

 ところでガンバ大阪といえば、以前から遠藤保仁と二川孝広の顔が似ているなぁと思ってたんですけど、どうして通訳の人まで同じ顔なんでしょうか? コレクター?

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