? 君は1000%
サッカー百鬼夜行

第1節 対横浜FC(テレビ観戦)
2003.3.15(SAT) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-3 横浜FC
砂川【5分】 1-2
0-1
マシュー【3分】
城【32分】
佐藤【81分】
スターティングメンバー
洋平 GK 水原
三沢
西澤
森くん
健作
DF 重田
眞中
マシュー
小野2号
ベット
ゴンザレス
板長
砂川
MF ファンデルフェン
ルディ
高木
U-小野信義
岳也
King of Sapporo
FW 大柴(偽)
ホー(仮)
King of Sapporo→ゴリ【45分】
三沢→コマネチ【66分】
砂川→中尾【81分】
交代 大柴(偽)→ヤマオー【71分】
ファンデルフェン→マチャミ【79分】
ホー(仮)→横山【84分】
ゴンザレス【28分】 警告 U-小野信義【58分】

試合の感想
 恥ずかしながら戻ってきた懐かしのJ2。その開幕戦はチーム史上初めてのホームゲームとなります。相手は公式戦では初対戦となる横浜FC。98年に消滅した横浜フリューゲルスのサポーターが中心となって1999年に誕生したクラブです。ワールドカップ優勝メンバーであるピエール・リトバルスキー氏を監督に迎え、特例で参加を認められたJFLで1999年、2000年と2年連続で圧倒的な強さで優勝を飾りJ2昇格を果たしましたが、リトバルスキー監督が退団してからは低迷が続き、2001年はJ2で9位、そして昨年はついに最下位となってしまいました。
 チーム発足時から続く内部抗争、資金不足などの問題を抱え、放っておけばチーム消滅も冗談ではすまされない状況だけに、クラブ側もなりふり構ってはいられないようです。昨年はかつてフリューゲルスで活躍した人気者・モネールを獲得したり、藤原紀香とスポンサー契約を結んだりと、他チームのことながらなりふり構わないにもほどがあると思いますが、とにかく今季は低迷脱出に向けリトバルスキー監督を復帰させ、また外国人助っ人を始め元日本代表FW・城ら積極的な補強を見せています。

 迎え撃つ札幌もJ1昇格を目指してJリーグ優勝経験を持つジョアン・カルロス・トシキ監督を招聘し、J1得点王・俺王様やセレソン経験者のホベルっち、ベットなど積極的な補強を行ってきましたが、その俺王様は開幕から3試合出場停止、ホベルっち、西田、相川、尽らが故障を抱え、こちらは万全とは言い難い布陣です。GK洋平、4バックは右から和波、西澤、森くん、健作、ダブルボランチに今野と板長、2列目にベットと砂川が並び、2トップは岳也と"King of Sapporo"新居がスタメン出場を飾りました。
 札幌での初采配となったジョアンは予想されたジャージではなくスーツ姿。マルセロフィジカルコーチ、マザロッピGKコーチというコーチ陣、サブメンバーには森山もいて、三原がいないのは残念ですがまんま名古屋だがねという顔ぶれがベンチに居並び、スタンドにはドームの約半分を埋めた2万3千人のサポーターと俺王様が見守る中、北村主審の笛でキックオフ。

 アグレッシブにプレッシャーを仕掛けてくる横浜FCに対し、出足の鈍い札幌はボール保持者への寄せが甘く、簡単にパスを繋がれてしまいます。ラブコメマンガの背景のようにふわふわした感じの空気が充満している札幌イレブン(とゴール裏)。あ~なんかイヤな予感がするな~と思っていたら、案の定前半3分にCKから笑っちゃうほどどフリーだったマシューに決められ先制点を許してしまいます。ま、摩周じゃしょうがねぇけどな。
 札幌はすぐさま反撃。先制点を取られてからわずか2分後に相手PA横でフリーキックを得ます。ベットの蹴ったボールが競り合いでこぼれたところを新居が振り向きざまシュート。相手キーパーにはじかれたところを砂川か豪快に蹴りこんでゴール。中途半端な茶髪、浅黒く日焼けした肌、無精ヒゲという日雇い三点セットの人の移籍後初ゴールで同点に追いつきました。

 これで勢いづいたか、ここからしばらく札幌の時間が続きます。ベットを起点に横浜FCを攻め立てますが、急造右サイドバックの和波がかなり窮屈そうで右サイドから効果的な崩しが出来ません。ならば中央突破ということになりますが、こっちでもそこそこいい形は作れるものの何しろ岳也が全然シュートを打とうせず、ボールをキープしている割にはフィニッシュまでに至らない状況。こういうときは得てして落とし穴が待っているもので、前半32分、ゴール前の混戦から何となく打った城のシュートが何となくゴールインしてしまいます。美しくなくても1点は1点という典型のような得点で突き放されてしまいました。
 まぁそれでも攻撃はおろかボールキープさえままならなかった昨季とは違ってボールキープは出来ていますから、新居がきっちり点を獲ってくれるだろうと割と楽観しながら後半へ。

 いねぇじゃん、新居

 ゴリ投入はわかるとしても、新居を替えるのはどう考えても納得がいかん。ケガでもしたのなら話は別ですが、そうじゃないのなら替えるべきは岳也だろうと思うんですが。ダメだ! みんなきれいに勝とうとしている!
 というわけで後半の札幌も引き続きボールを持ててはいますし、攻撃は決して悪くはありません。昨年はもう1年を通じてアルプス一万尺を「これから始まるコンサの攻撃1点入れば儲けもの~♪」と歌えてしまうほど得点の予感がしなかったのが、今年は何となく得点が取れそうな気はします。健作と和波の両サイドバックが高く張り出す様はジョアン時代の鹿島アントラーズを見ているようでオモシロかったですし、とりあえず方向性としては間違ってはいません。間違ってはいないのですが、惜しむらくはこのチームにジョルジーニョはいないということでしょうか。
 もっとも、昨年までは「狩られる側」だった札幌がいきなり「狩る側」になりきれるわけもなく、全体的に遠慮がちなパス交換に終始。これでは既にある程度引いて守っていた横浜FCを崩せるはずもなく、クロスを上げても精度が甘かったり肝心なところに人がいなかったりと、スタンドの俺王様が「やっぱこのチームは俺様がいないとダメだ。むしろこのチームが俺様だ」などよくわからないことをと思っていそうなジリジリする展開が続きます。

 そうこうしているうちに、それまで孤軍奮闘していたベットがどうやらシビレを切らしてしまったらしく、敵も味方もつけいる隙のないワンマンショーを繰り広げ始めます。まさに翼くんでも乗り移ったかのような一人称サッカーで、ちょうちょうサンバで味方からボールを奪い、ジグザグサンバでファウルをアッピール、そしていつか決めるぜ稲妻シュート、つうか「いつか」っていつですか。オモシロすぎですよこの人。
 残り時間も少なくなってくると、チーム全体が前がかりになってしまいます。ただでさえバランスの悪かったダブルボランチはよりいっそう微妙な距離となり、中盤はもう大騒ぎ大会。サイドバックが上がったのを見計らったようにボールを失うので、サイドに出来たスペースは使われ放題です。横浜FCのミスに助けられていたものの、全体的に戻りも遅く、いつ失点してもおかしくないような危険な状況を何度も作られてしまいます。
 結局その辺を突かれるような形でカウンターから佐藤に3点目を決められジ・エンド。J1昇格への長い道のりはのっけから躓く形になってしまったのでした。

印

戻る