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サッカー百鬼夜行

第8節 対サンフレッチェ広島(テレビ観戦)
2003.4.26(SAT) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 0-2 サンフレッチェ広島
  0-1
0-1
森崎浩司【5分】
サンパイオ 【89分】
スターティングメンバー
フジ GK ダーシモ
中尾
西澤
ソダン
健作
DF 駒野
リカルド
ウエミー
ハム太
ベット
ゴンザレス
板長
名倉
MF 森崎兄
サンパイオ
森崎弟
岳也
King of Sapporo
FW まゆげ
茂木
高橋
ゴンザレス→アイカー【30分】
King of Sapporo→ゴリ【60分】
岳也→尽【74分】
交代 茂木→李【45分】
まゆげ→八田【77分】
健作【15分】 警告 李【67分】

試合の感想
 前節甲府に痛い敗戦を喫した札幌は、同じ「降格組」で優勝候補の一角・サンフレッチェ広島をホームに迎えての一戦となります。集客力不足やそれに伴う資金力不足はあったものの、中長期を見通した強化方針やチームとしてのビジョンの明るさを考えれば降格するようなチームじゃなかった、というよりは落ちるべきチームは他にいくらでもあったと思うのですが、昨季最終節で対戦し、両チーム合計9点という壮絶な点の取り合いの末、その試合結果とは関係なく降格してしまいました。
 降格に伴い久保竜彦、藤本主税というエース級の主力は移籍したものの、日本代表のブレーンと呼ばれた小野剛氏を監督に迎え、森崎兄弟、駒野、茂木といった世代別代表選手を始め若手の主力選手はほぼ残留しただけでなく、元ブラジル代表サンパイオ、仙台を解雇された無免許暴走DF・リカルドを獲得するなど、チーム力は決して落ちたとは言えず、初めてのJ2も緒戦こそ引き分けに終わったもののその後は6連勝。伝統の3トップを軸とした破壊的な攻撃力も健在で、7節終了時点での得点数20はリーグダントツトップ。早くも独走態勢に入っています。

 で、そんな相手がどうとか戦術がどうとかいうより前に、何しろ怪我人が多くてお話にならない札幌。前節負傷退場した俺王様と砂川は全治3週間という診断となり、ジョアン・カルロス・トシキ監督は今週の練習で平間を1.5列目に置く4-4-1-1を試していましたが、その平間も紅白戦で靱帯を痛め全治1ヶ月と、次々と消えていく登場人物。犯人はこの中にいます! などとなんかの探偵推理マンガみたいに叫んでもどうしようもありません。確かにいてもいなくても変わらないような気もする平間ですが、それでもサテライトの試合で一番うまいのもやっぱり平間だったりするので、いないならいないでメンバーのやりくりに苦労したのでしょう。ジョアンが選んだメンバーは広島のサイドアタックを抑えるために和波に代えて健作を入れ、中盤はベットと今野のダブルボランチ、2列目は板長とホベルっち、岳也と新居の2トップ。ベンチは頭数の足りないMFを抜いてケガの癒えた尽とアイカーが復活し、ゴリ、和波というメンバーとなっています。

 まぁそんなこんなでキックオフ、はいいんですけど、開始10分以内にセットプレイで失点するのは今季の札幌ドームのお約束なんでしょうか。前半5分、左サイドペナルティエリア外で与えたFKを森崎浩司に直接決められ先制を許してしまいます。位置が遠かったためなのか、それともどこかから「誰かに合わせてくるぞー」という天の声が聞こえてきたのか、最初っから直接狙ってくることはないと決めつけていたかのようなフジのポジションが怪しかったのは事実ですが、一番の原因は多分フジのパーマです
 今日も今日とて追う展開となった札幌ですが、まぁそろそろチームもこなれてきたのかテンポよくパスもつながり、非常にオモシロいサッカーを見せてくれます。予想外に早く先制した広島が引き気味になったこともあるにせよ、終始札幌がペースを握る展開となっています。新居がうまく裏に抜けてフリーとなる場面では元日本代表GK・下田のファインセーブに阻まれましたが、追いつくのも時間の問題かと思われました。
 ところが前半20分を過ぎた辺りで、U-22日本代表に選出されて元気いっぱいなプレイを見せていた、わかりやすさバツグンの今野が足首を痛めるアクシデントに見舞われます。外から見てる限りではそれほど重いケガには見えませんでしたが、足を引きずる今野を見てこれ以上被害者が増えてはたまらんと思ったか、ジョアンは無理をさせないことにしたようです。つっても今野の代わりを入れようにもベンチにMFがいないので、アイカーと交代。
 昨季手術した右膝の影響でキャンプから出遅れてしまい、今季初出場となったアイカー。昨季最終節の同カードでは、全ての得点に絡む活躍に加えて下田の破壊したり林にレッグラリアート喰らったりなどのプロレスプレイを見せ、ある意味ハットトリックをかました曽田以上のインパクトを与えたものですが、そんなアイカーもやはり緊張なのかゲーム感が鈍っているのか、それとも主力組での練習が不足しているためなのか。いきなりいなくなっちゃいました
 俺王様ほどではないにしても、スピードタイプの岳也や新居が不得手としているポストプレイもこなせるのがアイカーのはずですが、下がってポストプレイをしているのはなぜか金髪のちびっこいあんちゃん。おかしいな、と思って赤黒のユニフォームを着ている選手の数を数えてみますと、1、2、3…10、11。11人いる!

 イヤ、いいのか。

 0-1のまま折り返した後半も開始早々こそ攻め込まれる場面も見られましたが、徐々に札幌が再びペースを取り戻します。右サイドの中尾が気っぷのいい攻め上がりを見せ、そこにぴたりと板長のロングパスが合うというレアもののシーンも見られるなど、負けているとはいえオモシロい内容。その中尾、うちのカミさんの「もういるのが普通になったね」という的確な表現の通り、もはや「西ポンの代役」ではなくなってきています。まだ守備の軽さは見られるものの、攻撃面ではタイミングのいいオーバーラップだけでなくボールを持ったら常に勝負をする姿勢は好感が持てます。ツラはサンダーバードの人形みたいになっちゃいましたけど。
 アイカーも前半よりはプレイに絡むようにはなってきたのですが、今度は新居に代えて投入されたゴリが直後からいきなりいなくなってしまい、岳也もサイドに流れるだけの「以前の岳也」になってしまっており、前線での決定力不足は相変わらず。ならばとホベやベットがガリガリ攻めに入ってくるのですが、そうなってくれば中盤では常にサンパイオが睨みをきかせていますから、広島としては逆に守りやすいわけです。同じ元セレソンとはいえたかだか数キャップ程度の札幌の両名と、レギュラークラスとして49ものキャップ数を誇り、ワールドカップで得点も挙げたサンパイオとはそもそも格自体が違います。35歳とピッチにいる全選手の中で一番年上でありながら、一番顔がかわいいサンパイオにはベットもホベも手こずり、確率の低いミドルシュートを打たされるばかり。頼みのセットプレイも微妙にタイミングが合わなかったりでなかなかゴールを割ることが出来ないまま刻一刻と時間だけが過ぎていきます。
 シビレを切らしたジョアンは、後半29分、岳也に代えて尽を投入。「対広島戦用最終兵器」曽田雄志を前線に上げる「ソダン大作戦」を発動。もっとも広島が相手じゃなくても、残り15分を切って最終ラインからおごそかに前線に上がっていく曽田の姿はもはや恒例行事になりつつありますけど、その曽田は今日もやっぱりおごそかに飛んではおごそかにヘディング。いくつかチャンスを演出しますが、抜け出したアイカーがシュートを蹴り損なうなどやっぱり点が取れません。

 何とかあの手この手で追いつこうとする札幌ですが、試合終了間際の「今週のや~まば~」なベットのフリーキックも枠を捉えきれず、逆にカウンターからサンパイオに頭で決められてしまいそのままゲームオーバー。ある程度のリスクは覚悟で攻めていたわけですから仕方がないとはいえ、ものすごい勢いで突っ込んでくるセザール・サンパイオ35歳を捕まえきれなかったのは藤ヶ谷のパーマのせいではないでしょうか。とりあえず早急に元のさらさらヘアーに戻してください。おじさんは悲しいですので。

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