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サッカー百鬼夜行

第10節 対川崎フロンターレ(テレビ観戦)
2003.5.5(MON) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 0-0 川崎フロンターレ
  0-0
0-0
 
スターティングメンバー
フジ GK 吉原
西ポン
ソダン

健作
DF 箕輪
アウグスト
岡山
川ロ
中尾
名倉
板長
MF 長橋
茂原
山根
ベティ
今野
アイカー
King of Sapporo
FW ジュニーニョ
デリー
板長→三沢【59分】
King of Sapporo→岳也【74分】
中尾→三原【83分】
交代 今野→中村【69分】
ベティ→塩川【73分】
長橋→ガナピー【84分】
名倉【8分】
中尾【12分】
ソダン【30分】
警告 茂原【76分】
岡山【78分】

試合の感想
 ベットの突然の退団や俺王様のススキノ狼藉事件など降ってわいたようなバッドニュースに揺れたGW最終日、コンサドーレ札幌は昇格候補の一角・川崎フロンターレをホーム厚別に迎えての試合となります。1999年にJ2優勝を果たしてJ1昇格を達成したもののわずか1年でJ2に逆戻り。1年でのJ1復帰を目指した2001年は、札幌でJ2得点王を獲得したエメルソン(現浦和)を獲得するなどえらく派手な補強で話題を集めましたが、チーム作りがうまく行かず失敗。2001年のシーズン途中から石崎信弘氏を監督に迎えて再出発を計りました。
 石崎体制3年目となる今季は集大成の年となるはずで、今季は大宮のデリーバルデス、鹿島のアウグストなど比較的地味ながらも実績のある選手を獲得しましたが、守備の要である伊藤宏樹、中盤の支えとなる鬼木達らの主力選手がケガで戦線離脱中で、前節まで3勝1敗5引き分けという負けはしないけど勝てもしない微妙な試合を続けています。今節も渡辺匠が出場停止と守備の選手が抜け、札幌に負けず劣らず苦しい状況となっています。
 前身である東芝サッカー部がかつて川崎市に本拠地を置いていたためか、コンサドーレ札幌にとって川崎フロンターレはいろいろ因縁が深いようで、かつてはぶつかるたびに熱戦を繰り広げていた両チーム。厚別公園競技場での川崎フロンターレ戦と言えば、古くからのサポーターなら1997年5月25日を思い出すでしょう。1-2とリードされた後半43分にベッチーニョにゴールを決められトドメを刺されたかに見えたロスタイムに、デリーバルデスが2ゴールを叩き込んで同点に追いつき、延長戦で再びデリーがVゴールを決めて執念の逆転勝利を飾ったあの試合です。未だに伝説として語り継がれているこの試合を見てスタジアムに通うようになったファンも多いようです。
 そのデリーバルデスを始め、伊藤優津樹や黄川田賢司などかつて札幌で活躍した選手が現在川崎に所属しており、何となく身近な感じもします。残念ながら優津樹も賢司も札幌遠征のメンバーからは外れてしまいましたが、その優津樹のダンマクばかり5枚も6枚もあるのはどうしてでしょうか。別にいいけど。

 さて、怪我人もまだ復帰できていないところでベットが退団し、今節もメンバーの大幅変更を余儀なくされた札幌は、そのベットの穴埋めとして地元札幌白石高校出身の川口卓哉が今季初出場。前節に引き続きボランチに入った中尾とコンビを組みます。GKはプロ初試合がここ厚別での川崎戦(1999年10月31日)だった藤ヶ谷、4バックは西澤がベンチに下がって右から西田、曽田、尽、健作、2列目は変わらず2トップは岳也が外れて相川が入り、今季初めてAA2トップが実現しました。
 試合とはまったく関係ないですが、西澤に代わり尽が入ったことで、遠目から見ると曽田と区別が付かない川口、"King of Sapporo"新居と4人の道産子がピッチ上に立ったことになります。

 チーム状態が決していいとは言えない中、とにかく相性のいい厚別で浮上のきっかけを掴みたい札幌は、序盤から「ペース配分? 何それ?」とでも言いたげな怒濤の攻撃を見せます。ワンタッチ、ツータッチでリズムよくパスが繋がり、川崎にプレスをかけるポイントを絞らせません。アイカーもだいぶ調子が戻ってきたようで、前に比べればかなりプレイに絡めるようになっています。
 守備のほうも、これまではほとんど見られなかった効果的なプレスが見られ、中尾や板長が鋭いパスカットを見せるなどびっくりするほどユートピア。川崎は鬼木不在はやはり大きいのかジュニーニョが中盤まで下がってきてボールをさばくシーンが目につきますが、そうなると札幌時代と何一つ変わることなく全然動かないデリーは前線で孤立。そのジュニーニョもテスト生から正式契約を勝ち取った川口がよく抑えており、セットプレイから箕輪のヘディングシュートを藤ヶ谷がファインセーブで凌いだ他はさほど危ない場面もなし。
 点が入りそうな予感はするのですが、それでも最後の最後でなかなかゴールを破れません。フジのリスタートから流れるようなパスワークで中尾がフィニッシュまで持っていった場面も、相手GK吉原(碁打ちの奥さんが美人)のセーブに遭い、板長のクロスをホベがヘディングで押し込んだ場面もオフサイドの判定でノーゴール。いい形を作ってはいるけどシュートが入らない様は、さながら原作に追いつきそうな時のドラゴンボールのアニメのような引っ張りっぷりです。いいから早く技出して欲しいのですが。そんなわけで両チームともゴールを挙げることが出来ず0-0のまま前半終了。

 後半も一方的に川崎陣内に攻め込む展開が続きますが、何しろ前半から後先考えずに飛ばしまくっていた札幌、当然のように運動量が徐々に落ち始めてきます。さらにここのところ中の人が変わったとしか思えないほど好調で、この日も攻守に素晴らしいパフォーマンスを見せていた板長が和波と交代。ちょっと意味不明な選手交代と思いましたが、どうやらケガをしてしまった模様。それなら仕方がないですけど、板長と代えるなら本来はサイドバックの和波を入れるよりは三原を使うという手もあったような気もします。とにかくその少しは砂川に分けてあげたいと思えるほどのスタミナで中盤を支えていた板長が抜けてしまったため、札幌のバランスが徐々に崩れていきます。
 そんなわけで時間の経過と共に中盤にスペースが空き始め、逆に川崎に攻め込まれるシーンが目立つようになってきました。それでも「負けたくない」という気持ちを全面に出して戦う札幌イレブンは、疲れた身体を気合でカバーしています。
 一番その気持ちが強かったのはどうやらジョアン・カルロス・トシキ監督でした。テクニカルエリアで選手に指示を飛ばしてベンチに戻り、またテクニカルエリアに出て行って吉田主審に文句をつけてまたベンチに戻り、そうかと思えばまたテクニカルエリアに出て選手に指示を飛ばします。何よりも結果が欲しいジョアンの熱い気持ちはわかりますが、小森通訳が大変そうです

 最後のほうはほぼノーガードのどつきあいのような様相を呈していましたが、お互いゴールを割ることは出来ず結局試合は0-0のまま終了。ノブリンはまた厚別で勝てませんでした

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