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サッカー百鬼夜行

第20節 対アビスパ福岡
2003.6.28(SAT) 東平尾公園博多の森球技場

アビスパ福岡 0-0 コンサドーレ札幌
  0-0
0-0
 
スターティングメンバー
塚本 GK フジ
宮本
川島
藏田
アレックス
DF 岡ちゃん
ソダン

三沢
宮崎
篠田
米田
宮原
MF 板長
尾藤
砂川
名倉
ベンチーニョ
福嶋
FW 岳也
偽俺王
篠田→増川【77分】 交代 砂川→川ロ【68分】
名倉→市村【77分】
米田【36分】
宮原【77分】
増川【80分】
警告 ソダン【23分】

試合の感想
 俺王様と偽俺王の電撃交換トレードというウケ狙いも含んだ事件で開けた今週、コンサドーレ札幌はアビスパ福岡とのアウェイ戦に臨みます。第1クールのこのカードではその俺王様がただ1度ホームサポーターの前に姿を現し、ハットトリックという大活躍を収めた試合だったわけですが、その俺王様の退団の直後にまたアビスパ福岡戦というのは皮肉な気もします。
 その福岡は前節終了時点で10位と低迷を脱せずにおり、オマケに今節は前節一発退場を喰らったセルジオが出場停止と苦しいメンバー構成。そのセルジオの代役は川島が務めますが、リーグワーストの失点39という守備陣にとって、セルジオの不在がどう影響するかというところでしょうか。

 札幌にとって博多の森はまだ1度しか勝ったことがない鬼門のスタジアムで、その唯一の勝利(2001年7月14日)の時も2ゴールを挙げたのが俺王様。過去3試合で7ゴールという俺王様は福岡にとってはまさに天敵となるわけですが、その俺王様の穴埋めとして札幌にやってきたアンドラジーニャがどこまでやれるかといったところですが、つい先日まで大分にいたアンドラは別としても、九州、アウェイ、ナイトゲームと不利な材料が多いことには間違いありません。
 その他では、中尾が出場停止中でいませんが、靱帯を痛めて戦列を離れていた板長がようやく復帰。それを受けてかどうかはわかりませんが、ここ2試合採用していた3バックを4バックに戻し、スターティングメンバーはGK藤ヶ谷、4バックに右から岡田、曽田、尽、和波、ダブルボランチが板長とビタウ、2列目に砂川とホベルっち、2トップはアンドラと岳也となっています。

 というわけでキックオフ。蒸し暑い中早いとこ先制点が欲しいのか、札幌が福岡陣内に攻め込む立ち上がり。立て続けにコーナーキックのチャンスを得ますが、どれもモノにできずにいるうちに開始15分を過ぎた辺りからペースを福岡に握られてしまいます。この日の札幌のメンバー中、前回の博多の森での試合に出場した唯一の生き残りで、その時は先制点に繋がるアシストを決めるなどの活躍を見せた和波は、今回も元気いっぱい。あまりにも元気すぎてあさっての方向に飛んでいき、オノレのサイドはすっからかん。キレイに空いた左サイドを福岡に蹂躙され続けます。
 練習ではキレのあるプレイを見せ期待されていたアンドラですが、いざ試合になってみると周りと呼吸が合わないシーンがしばしば。まぁまだ合流してわずか1週間も経ってないのですから、当たり前といえば当たり前なんですけどね。俺王様のような強烈な存在感は望むべくもありませんけど、それでもペナルティエリアの外からでも積極的にシュートを打っていく姿勢は買えるし、パワーもあるのでフィットしてくれば確実に戦力になるでしょうが、この日の試合に限っては「お客さん」状態。
 それに加えて、ここのところ不調が続いていたホベや砂川もそれなりに復調したところを見せていたものの、福岡守備陣がこの2人を徹底的にケアをしてくるため思うようにプレイさせてもらえず、結果としてますますアンドラが孤立。ならば頼れるのは岳也ということになりますが、「アンドラジーニャがためを作れるので(自分の持ち味である)裏に抜ける動きがやりやすい」と言っていた岳也は、そのアンドラが孤立しているせいか何度もオフサイドに引っかかるシーンが多く見られます。抜ければいいってもんじゃないと思います
 とりあえずそんな感じであまり状況的にはあまり良くなかったのですが、福岡もサイドをえぐりまくっていた割にはクロスの精度が悪かったり、シュートを打っても藤ヶ谷が好セーブを連発して得点に至りません。そんな感じで、お互いあまり良くないチーム状況を反映するかのように0-0で前半終了。

 両チームともメンバー交代なしで迎えた後半、やはり蒸し暑さが影響してかどちらも動きが鈍くなり、お互いパスミスが目につき始めます。まだ元気なのは久しぶりの試合となる板長くらいで、ケガの影響を感じさせない運動量で中盤を走り回ります。「マケレレ(レアル・マドリー)を目指す」とコメントした通り「マケレレマケレレ」と連呼しながらプレイしていた、かどうかは定かではないですが、どちらにしても攻撃面ではあんまり変わらないので札幌が押し返すまでには至りません。
 そうなってくれば試合の興味はジョアン・カルロス・トシキ監督の選手交代に移ってきます。具体的には砂川に変わって誰が入るかということなんですけど、今日は「砂川時間」の60分を8分も上回る頑張りを見せ、後半23分で交代。変わりに入ってきたのは川口。一見得点が取れないにもかかわらずの守備要員投入にも見えなくもないですが、目論見としては川口をボランチに入れてボールを拾い、ビタウを2列目に上げて攻撃力アップということなのでしょう。闇雲に攻撃の選手を入れずにバランスを優先するあたりは理論家のジョアンらしい策だとは思いますが、惜しむらくは川口が消える可能性を低く見積もったというところでしょうか。
 そんな感じで確かにビタウを上げたことによって攻め込む回数は増え、前半同様コーナーキックをゲットする回数がグンと増えたのですが、結局90分で12本のCKを得ながらもモノにすることが出来ず。その外しっぷりたるや、毎年多くの年賀状をもらいながらも毎年切手シートくらいしか当たった試しがないうちの父ちゃんのほうがまだマシと錯覚してしまうほど。相手ゴール近くでの直接フリーキックのチャンスでもあれば面白かったのですが、さすがに福岡もその辺りは警戒しているらしくいい位置でファウルを与えてはくれません。
 福岡のほうは中盤でこぼれ球を拾って素早くベンチーニョへ、というシンプルな攻撃パターン。札幌がアンドラを使ってやりたかったことを逆にやられてしまっているわけですが、そればかりでなく、川島がバックパスであわやオウンゴールとなるなど、最後の砦だったスペクタクルまでお株を奪われる体たらく。そんな状況にジョアンはホベを引っ込めて市村を投入してカウンターの徹底を狙いますが、その頃には既に岳也もヘロヘロだったためさしたる効果も見られません。かくなる上は3枚目のカードとして"King of Sapporo"を投入する以外に打開策はないと思ったのですが、新居の状態もあまり良くないのかジョアンはついに動きませんでした。

 結局、両チームとも最後のほうは勝つ気はあるけど足が動かんという感じになってしまい、あまりチャンスを演出できないままスコアレスドロー。とりあえず6月最後の試合になってようやく連続失点が途切れた試合でした。

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