? チャンリンシャン
サッカー百鬼夜行

第29節 対アビスパ福岡(テレビ観戦)
2003.8.23(SAT) 函館市千代台公園陸上競技場

コンサドーレ札幌 1-2 アビスパ福岡
堀井【11分】 1-1
0-1
福嶋【1分】
福嶋【79分】
スターティングメンバー
フジ GK 神を見た男
西澤
川ロ
ソダン
DF 川島
千代反田
藏田
アレックス
板長
中尾
ゴンザレス
瓜田
砂川
MF 大塚
篠田
米田
宮崎
岳也
偽俺王
FW ベンチーニョ
福嶋
砂川→西ポン【63分】
偽俺王→King of sapporo【67分】
西澤→尽【86分】
交代 大塚→アントニオ【60分】
川島→宮原【77分】
福嶋→太田【84分】
中尾【4分】
板長【18分】
中尾【60分】
岳也【72分】
警告 宮崎【12分】
アントニオ【82分】
中尾【60分】 退場  

試合の感想
 張監督になってから3試合目でまだ勝ち星のない札幌は、今節は函館でアビスパ福岡を迎え撃ちます。第1クールの室蘭以来の道内地方開催、つうか札幌以外ではただの3試合しかない地方開催のうち2試合が福岡戦。第2クールのアウェイ戦ではスコアレスドロー。相も変わらず俺王様以外は点を取れない鬼門である博多の森にハマった格好ですが、HFCはその仕返しとばかりに札幌の土は踏ませない腹づもりのようです。
 現在4連勝中と波に乗る福岡ですが、DFの要であるセルジオと、成長株のFW林が欠場。セルジオはおそらく怪我でしょうが、林は急性胃腸炎とのこと。初選出され気合いも入っていただろうU-20日本代表のトレーニングキャンプも辞退。先日オレも急性腸炎で入院したばかりですから、是非とも林選手を腸炎仲間に加入させていただく所存でございますが、その他はだいたいいつもと同じメンバー。

 そして札幌は累積警告のビタウが出場停止。システム的には相変わらず3-5-2ですが、3バックはコンディション不良ということで尽が外れて西澤が入り、ビタウの位置には中尾が入り、今野と共にあらゆる意味で好対照なダブルボランチを組みました。両ウィングバックは右に板長、左にウリダ、トップ下砂川にアンドラと岳也の2トップという布陣です。

 冷夏、冷夏と言われ続けた日本列島で、8月も下旬になって思い出したように猛暑となった日本列島。関東でも36度くらいまで上がり、道産子のオレには生命維持装置(別名:クーラー)が不可欠だったわけですが、この日の函館の気温も公式発表で28度。前日まで降り続いた雨の影響か湿度62%と北海道にしては蒸し暑いであろうと思われるコンディションに加え、チームの低調ぶりが影響したのか5,000人強に留まった観客数に、札幌の選手が「アレ? ここってアウェイ? イルクーツク?」などと勘違いしたのか、開始早々にリスタートからがら空きの左サイドを破られ、福嶋に頭で決められて先制を許してしまいました。
 いきなり先制されたのではゲームプランも何もあったものではない張監督は、中尾を右サイドバックに下げて川口を左に置く4バックにシフトチェンジします。これによって幾分バランスが修正されたか、ここから試合は札幌のペースに。高い位置からプレスを掛け、ボールを奪ったらアンドラに当て、そのアンドラを砂川が追い越して飛び出すというパターンがはっきりしてきます。特に動きの良かったのが今野と砂川。今野に関しては復帰以降彼にしては低調なパフォーマンスが目立っていましたが、久しぶりに参加したU-22日本代表でよっぽど刺激を受けてきたようで、この日は持ち前の犬っぷりが戻ってきています。そして同点ゴールはその今野のパスカットから。11分、左サイドでウリダからのパスを板長が意味不明なスルーをかましたルーズボールを無理矢理ふんだくると、すかさず裏に抜けた砂川にパス。砂川が打ったシュートはいったんは塚本にセーブされますが、そのこぼれ球を岳也が押し込んでゴール。早い時間に追いつくことに成功しました。
 同点としたあとも札幌のペースは続きます。ホーム初ゴールを挙げた岳也も、相変わらずトラップはデカいながらも随所にいいプレイを見せています。そういえば初の函館開催で山形の選手としてゴールを決めたように、彼にとって函館は相性のいいスタジアムかもしれません。そしてゴールに繋がるシュートを放った砂川の動きも良く、何度も福岡DFの裏を取ったり、サイドに流れてアンドラに強烈シュートをぶち当てられたりといろんな意味で大活躍。今野と同様ケガから復帰して以降は以前ほどの輝きを見せられなかった砂川のうれしい復活ですが、ただでさえ電池の寿命に不安を持つ彼。北海道とはいえ夏の日差しの中で見ているこっちが心配になってくるほどの運動量です。
 とにかく札幌は福岡にほとんど反撃のチャンスを与えない試合運びを見せますが、今野と板長のダブルボランチで今野が掃除屋として働くということは、イコールもれなく板長のゲームメイクが見られるということでもあります。もちろん板長も板長なりに頑張っていたのですが、ミッドフィールドでのゲームメイクならウリダに任せたほうが板長の飛び出しが生きるような気がしないでもありません。
 それ以外でも、サイドを突破してもクロスが虚しく空に散ったり、肝心なところで呼吸が合わなかったり、まぁ早い話がいつもの風景が見られる程度で、チャンスはありながらも得点までは至りません。そうこうしているうちに次第に札幌の運動量が落ち、福岡のチャンスが目につくようになるあまり好ましくない展開のまま前半を終了しました。

 後半、何とか試合のペースを取り戻そうとする札幌ですが、やはり運動量は戻らないまま。札幌のプレスが緩くなったことで、福岡はある程度自由な動きを許されているベンチーニョが起点となり、アレックスと川島の両サイドバックが鋭い攻め上がりを見せています。
 展開としてはちょっとマズいな、と思われた後半15分、相手選手を後ろから引っかけた中尾が本日2枚目のイエローを受けてた以上。今までの試合で最高で1枚、最低でも1枚というカードゲットを続けてきた中尾ですが、第29節、出場21試合目にしてついに退場を記録。晴れて日本語を話せるビジュの称号を手に入れました。
 まぁある意味中尾の退場は驚くことではありませんが、たまったもんじゃないのはまたしてもゲームプランの狂った張監督。シーズン当初は「10人のほうが強い」といわれたコンサドーレですが、既に運動量の落ちた状況ではなかなかそううまく行くものでもありません。張監督は予想通り電池の切れた砂川を下げて西田を投入。続いて足を痛めていたらしいアンドラを下げて新居を投入しました。
 10人になったものの、生まれ変わったかのように突如その存在感を発揮した今野の奮闘で少なくとも数的な不利は感じないものの、前線で起点となるべきアンドラを失った格好の札幌はなかなかボールを前に運ぶことが出来ません。交代で入ってきた新居も入って早々に俺ドリブルや俺シュートなど持ち味を見せようとしますが、既にシーズンの2/3が過ぎようとしている段階となっても岳也との仲は悪いままです。
 なんにしてもあまりいいとは言えない流れではありましたが、後半30分くらいに、福岡陣内深くで相手選手を無理矢理振りきった今野が、ペナルティエリア内で倒されます。誰もがPKと色めき立ちましたが、この日の主審は、第14節の水戸戦で「札幌のPKを見逃し、うさんくさいPKを取ってくれた」牧野主審。まぁそのPKは結局外したわけですが、今度はダマされないぞとばかりに、主審の判定は無情にもペナルティエリアの外でした。珍しく激昂する今野ですが、スローで見てみると確かにファウルを受けた地点はペナルティエリアの外です。
 PKとはならなかったものの、いい位置でフリーキックを得たのは間違いありません。点を獲ってしまえばPKでもPKじゃなくても関係ないのですが、誰にもジャマされないPKと、そうじゃないFKとでは大違いです。ウリダが蹴ったFKを曽田が怒りのヘッドをお見舞いしますが、叩きつけたボールは叩きつけすぎてワンバウンドしてクロスバー越え。ソダンは加減を知りません。
 千載一遇のチャンスを逃した札幌は、気落ちしてしまったかその後カウンターからさっくりと川口が抜かれ、折り返しを再び福嶋に決められ突き放されます。ソダン大作戦の封印を解いてまで何とか追いつこうとした札幌ですが、1点が遠くそのままタイムアップ。張監督初勝利はまたしてもお預けとなってしまいました。

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