? チャンリンシャン
サッカー百鬼夜行

第32節 対サガン鳥栖
2003.9.6(SAT) 鳥栖スタジアム

サガン鳥栖 0-1 コンサドーレ札幌
  0-0
0-1
砂川【51分】
スターティングメンバー
シュナイダー GK フジ
山道
朝比奈
川前
三好
DF 岡ちゃん
ソダン
ゴンザレス
三沢
鈴木
川崎
グリ
大友
MF 板長
瓜田
ナオキ
砂川
鳴尾
ジェフェルソン
FW 岳也
偽俺王
山道→コメ山【56分】
鳴尾→佐藤大実【71分】
交代 岡ちゃん→吉川【45分】
ナオキ→三原【77分】
砂川→川ロ【89分】
川前【38分】 警告 瓜田【23分】
ソダン【73分】
ナオキ【76分】

試合の感想
 現在3連敗中、8試合勝ちがないという青函トンネルの如き長くて暗いトンネルに突っ込んだままのコンサドーレ札幌は、今節は最下位のサガン鳥栖のホームスタジアム・鳥栖スタジアムに乗り込んでのアウェイ戦となります。第2クールでのホームゲームでは圧倒的に攻め込んだ札幌がビタウ、板長、新居のゴールで3-0の完勝を収めています。思い起こせば今シーズン、最初から最後まで安心してみていられる試合は後にも先にもあの1試合だけだったような気もします。
 鳥栖といえば、先日元札幌で去年まで大宮アルディージャにいた「グリ」こと村主博正が移籍。大宮時代は試合よりも志木市のパチンコ屋でよく目撃されたと言われるグリですが、さて新天地となった鳥栖ではどんな感じなのでしょうか。そしてなんと言っても札幌戦では初めての登場となるシュナイダー潤之介。彼個人としては群馬FCフォルトナ(現群馬FCホリコシ)時代の2000年に天皇杯1回戦以来の札幌戦になります。こちらもまたいろんな意味で注目です。

 そして低迷を脱する気配すら一向に見られない札幌は、張監督がついにコンディション不良という理由で尽とビタウを遠征メンバーから外すという大鉈を振るいました。ビタウの代わりにはナオキが約1年ぶりの先発出場で、砂川と共に元柏な2列目コンビとなります。その他のメンバーは前節と変わらず、前節に引き続き4バックは岡田、曽田、今野、和波というメンバーで、ダブルボランチに板長とウリダ、2トップはアンドラと岳也となっています。
 相手は札幌以上の低迷を見せている最下位の鳥栖とはいえ、その鳥栖の今季の勝利数4つのうち1つを献上している上、北海道から遠く離れた九州でのアウェイ戦、なおかつ気温29.3度、湿度が65%という厳しい残暑だけに、サポーターとしてはどうやっても強気になれないのが哀しいところです。

 そんなわけでキックオフですが、去年今年とサポーターが学習したのが、このチームは自分たちの予想をいい意味で裏切ることは滅多にないということ。今日も予想通り立ち上がりからやはり札幌の選手の動きがピリッとしません。いつものように何となくパスを回し、何となく走り、さりげなくうなじを見せる展開。それでも鳥栖も最下位に低迷しているだけあって札幌に負けず劣らずピリッとしないので、それなりに攻め込む場面も多いのですが、「シュートが枠に飛ばない」という致命的な弱点はやはり解消されておらず、鳥栖のゴールに反重力バリアーでもついてるのではないかと思ってしまうほど器用に弾道が外れていきます。
 その鳥栖もぴりっとしなさ加減では相当なもの。パスミスやトラップミスで自滅の繰り返しで、大友だけが孤軍奮闘といった感じで積極的にシュートを放ちますが、単発なのは否めずお世辞にも堅いとは言えない札幌の守備を脅かすこともありません。そしてシュナイダー。天皇杯を現地で見た時、その名前とパランパンなキック精度がインパクト充分だったのですが、久しぶりに見た彼は守備範囲だけなら藤ヶ谷よりも広いのですが、キックはやっぱりパランパン。もちろん当時よりは格段にうまくなっていますけどね。
 まぁそんな感じで厳しくプレッシャーを掛け合うわけでもなく、かといっておたがいノーガードで殴り合うわけでもない、どうにもこうにも掛ける言葉が見つからないような連敗中のチーム同士らしいJ2チックな試合展開で前半はスコアレスで終了します。

 前半ドリブルからシュートを1本放った以外はあまり目立たなかった岡田に変えて吉川を投入、3バックの形を取ります。このシステム変更が功を奏したか、後半6分にアンドラが中盤から入れたロングボールに反応した砂川が、相手DFと競り合いながらも頭に当てると、ボールはシュナイダーの手のわずかに先を通過してゴールイン。久方ぶりに先制点を挙げました。ここのところ、試合中にシステムを変更するとなぜだかバランスが良くなる札幌ですが、それを最初からやると全然うまく行かないことが多いのはなぜなんでしょうか。
 とにかく久しぶりの砂川のゴールでリードを得た札幌。ところがこのゴール以降、オレの記憶はぷっつりと途切れてしまいました。あまりの退屈な試合にあっさり睡魔の軍門に下ったためです。
 別に最終的に爆睡をかましていた間スコアはまったく動かなかったので大勢に影響はないのですが、それでは感想も書けやしないので、仕方がないので後日もう一度後半だけを見直すハメに。とりあえずまぁ予想通りといいますか何と言いますか、貧弱、あまりにも貧弱!
 先制されて「ああ、今日もまたダメか」といった空気が支配している鳥栖に対し、パスは繋げることが出来るもののやっぱりフィニッシュの精度が良くありません。岳也はオノレの持ち味を否定するかのように足元でボールを受けたがるのですが、トラップがデカいためキープすることが出来ず、このまま行けば「量産型平瀬」の称号を与えられかねません。ならばとサイド攻撃に頼ろうにも、前半から結構飛ばしていた和波とナオキの体力が既に風前の灯火のため、サイドを突破した段階で力尽きてしまい、クロスの精度までは保証外。2人仲良く足をつらせて必殺悶絶こむら返りという小ネタをかますのが精一杯でした。そんなわけでナオキは後半30分過ぎに三原と交代。和波は放置されましたけど
 そんなわけで右足首の手術で戦列を離れていた三原が地元・佐賀で久しぶりの試合出場となりました。さすがにコンディション的にはまだ不十分なのか、シュートを1本打った(相手にぶつけた)くらいで得意のスルーパスは見られませんでしたが、とりあえずは復活出来たのは好材料です。

 ロスタイムにはそれまで黒子役に徹していたアンドラがシビレを切らしたかのようにドリブルで一気に2人をごぼう抜きし、飛び出してきたシュナイダーをあざ笑うかのようにふわりと浮かせた絶妙なシュートを放ちますが、ボールはギリギリでポストの右を通過していきゴールならず。絶妙すぎるにもほどがあると思います。
 それでも何とか逃げ切りに成功し、張監督となってから初、チームとしても約1ヶ月半ぶりの勝利を挙げることが出来ました。とはいえ、内容その他を考えると先行きの明るさとしては15ルクスくらいといった感じの試合でした。

 ちなみに15ルクスとは豆電球程度です。

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