? チャンリンシャン
サッカー百鬼夜行

第38節 対サガン鳥栖
2003.10.11(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 4-1 サガン鳥栖
アンドラジーニャ【4分】
ウリダ【44分】
堀井【80分】
佐藤尽【83分】
2-0
2-1
佐藤大実【66分】
スターティングメンバー
フジ GK シュナイダー
西澤

吉川
DF 鈴木
朝比奈
井手口
山道
西ポン
板長
瓜田
三沢
砂川
MF コメ山
川崎
グリ
小石
岳也
偽俺王
FW 鳴王
ジェフェルソン
瓜田→三原【45分】
三沢→田畑【73分】
岳也→ナオキ【87分】
交代 井手口→佐藤陽【45分】
コメ山→佐藤大【45分】
鈴木→ハットリ【68分】
  警告 山道【6分】
井手口【9分】
鈴木【50分】
偽俺王【16分】 退場  

試合の感想
 第4クールになってから勝ちがなく現在4連敗中の札幌は、厚別で最下位のサガン鳥栖を迎えてのホームゲーム。鳥栖は第4クールどころか6月8日以来実に20試合勝ちがありません。チーム内のゴタゴタも相変わらずで、来季以降の存続もシャレにならないほどです。
 今年はまだわずかに3勝。みなまで言いますがそのうちの1勝は札幌です。その後は札幌に2連敗していますが、少なくとも札幌に対しての苦手意識は、他のチームに比べればあまりないのではないかと思います。

 ほんでもってとりあえずサポーターにとっては「負けるのか今日も…」という心構えがデフォルトになってきた感のある札幌は、またしても守備のメンバーを変更。3バックには久しぶりに西澤が名を連ね、これまでスイーパーだった吉川をストッパーに、尽をスイーパーにしてきました。FWは新居が出場停止ですが、福岡戦で頭を打って前節大事を取って欠場した岳也が復帰しました。その他では今野がアメリカ遠征にドナドナされ欠場で、ダブルボランチはウリダと板長のコンビです。
 それはそれでいいのですが、張監督になってから2試合続けて同じスタメンってありましたっけ? 監督もいろいろと大変だと思いますしケガや出場停止などの理由もあるでしょうが、意地の悪い見方をすれば既にチームとしての目標が消えた現在、「選手の品評会」という印象も受けなくもありません。まぁどっちにしろもうそのほかの目標があるわけではないですから、どうだっていいことではありますが。

 そんなわけで試合開始。いつもは前半は全然ダメな札幌ですが、今日は開始から鳥栖ゴールに襲いかかります。最前線へ走り込んだ岳也めがけて蹴られたロングボールが、追いかけた鳥栖DFがクリアしたボールをシュナイダーが手で押さえたプレイを、野田主審はバックパスと判定。微妙と言えば微妙ですし、ちょっと厳しい判定にも見えましたが、いずれにせよ札幌はペナルティエリア内での間接フリーキックを得ました。先制されるとからっきしだけど、先制すればそれなりに強い札幌にとってはこの試合を占う大きな意味を持つセットプレイです。

 その矢先にスカパー!事故発生

 画面には動きのない厚別競技場の画像が表示されたまま。ああ、そういえばいつだかもこんなことがあった時も戻ってきたらソダンが点を入れてたなぁと思っていると、やっぱり点が入ってました。どうやらさっきの間接フリーキックからアンドラが決めたらしいのですが、もちろんそのシーンは映っていません。衛星放送にはつきものですけど、毎度おなじみの「ちょっと目を離したスキに得点」パターンです。もし毎試合最初から最後まで放送事故が起こってたら、札幌は圧倒的な成績で昇格してたかもしれません。
 とりあえずよくわからないけど先制した札幌は、気分を良くしたのか、それとも鳥栖が本当にヤバいのか、あるいはその両方か、とにかく札幌がイケイケムード。畳みかけるように鳥栖ゴールに襲いかかります。久しぶりに得点をゲットして気分が悪かろうハズもないアンドラも、うれしさのあまり接触したグリを平手打ち。アンドラ飛ばしすぎ
 アンドラはレッドカードで一発退場。まぁスポォツ界広しと言えども、相手に対して平手打ちをして許されるのはアントニオ猪木と旭道山だけですから妥当な判定でしょう。

 とにもかくにも出鼻をくじかれた格好で先制点をゲットしたストライカーを失った札幌。と言ってもいなくなったのが最前列の選手で守備のバランス自体が崩れたわけではない上、鳥栖のほうもこっちが心配になるほど元気がなく、それほど大きな問題ではなさそうです。そういえばシーズン始めは「10人になったら強い」という妙な話がありましたが、今となってはそんな時代もあったねといつか笑って話せるわ。そう、時代は回るのですよ。回らないのはHFCの首だけです。
 まぁそんな感じで札幌は数的振りを感じさせない戦いぶりを見せます。「厚別限定サイドバック」和波が積極的な飛び出しを見せ、板長は久しぶりに無駄に走り回り、岳也も久しぶりにその辺をうろちょろし、西ポンはあっさりボールを取られるいつもの風景。何だか懐かしい。
 そんな感じで前半は1-0かなぁと思っていたロスタイム、和波が突破して上げたクロスを岳也が合わせ、シュナイダーが弾いたところを詰めていたウリダが押し込んで待望の追加点をゲット。最高の形で前半を終了しました。

 前半で2-0というスコアは普通ならばそれほど心配するようなものではないのですが、札幌は既に30分以上を10人で戦っており、一人一人にかかる負担を考えればあと1点ゲットして鳥栖の息を消沈させ、楽に試合を進めたいところですまぁ負担増と言っても今までのアンドラの負担に比べれば全然マシのような気もするのですが、とにかく何でもいいから1点といった感じでしょう。しかし本日札幌に来てから1、2を争うほど動きの良かったウリダが三原と交代。またおかしな采配だなと思っていましたが、どうやらウリダはケガをしてしまった模様。このあたりがどう影響してくるでしょうか。
 その悪い予感が当たったか、前半に比べればさすがに動きの落ちてきた札幌。若干鳥栖に攻められるシーンが多くなってきます。フジの奮闘もあってなんとか凌いできましたが、後半21分にカウンターからとうとう佐藤に決められ1点差に詰め寄られました。
 こうなってくると俄然弱気になるのが札幌の伝統です。しかし、10人では守ろうとしても守りきれるものでもないと判断したか、札幌は鳥栖の攻撃を正面から受けることにしたようです。一進一退の攻防が続きますが、11人のハズの鳥栖もアウェイのためか次第に運動量が落ちていき、あまりチャンスも作れなくなってきました。
 残り時間は約10分。何とか逃げ切れるんじゃねぇか、と思い始めた時、左サイドを破った砂川のクロスに岳也が飛び込んで頭で合わせ3点目をゲットしました。飛び出してくるキーパーを恐れずに突っ込んでいっての久しぶりに岳也らしい得点で、そういえばいつもはどことなく集中力に欠ける表情だった岳也が、この日は目に力がありました。頭打ってむしろ良かったんじゃねぇかと思ったのはオレだけではないでしょう。
 さらにその3分後、名手三原のフリーキックからどフリーだった尽が頭で決めて4点目。トドメを刺したはずなのにさらに生き埋めにするといった感じのだめ押し点で勝負を決定させました。

 試合は4-1で勝利し、札幌はようやく第4クール初勝利。歌にたとえれば「弱いものたちが夕暮れさらに弱いものを叩く」といった感じの試合でした。

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