? チャンリンシャン
サッカー百鬼夜行

第43節 対モンテディオ山形
2003.11.16(SUN) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 4-1 モンテディオ山形
アンドラジーニャ【10分】
砂川【34分】
曽田【49分】
新居【89分】
2-1
2-0
星【28分】
スターティングメンバー
フジ GK 桜井
ソダン

田畑
DF 太田
先生
小林
ウッチー
板長
ゴンザレス
三原
三沢
MF
永井
ニヴァウド
高橋
偽俺王
砂川
岳也
FW 大島
中村
板長→岡ちゃん【50分】
岳也→King of Sapporo【71分】
偽俺王→アイカー【85分】
交代 高橋→川崎健太郎【60分】
中村→羽地【72分】
太田→依田【77分】
偽俺王【54分】 警告 ニヴァウド【41分】
小林【78分】
依田【79分】

試合の感想
 J2も残すところあと2節。今季ラストのホームゲームは、札幌ドームに古川先生率いるモンテディオ山形を迎えての一戦です。山形のここまでの成績は14勝10分18敗で8位。就任1年目からうまくチームやりくりし、躍進させた柱谷幸一監督も、就任3年目を迎えた今季は移籍した主力の穴をカバーしきれなかった上、自身もスキャンダルに巻き込まれたりと苦難のシーズンでした。今季限りの退任が決定しています。
 このあたりは他チームのサポーターが口を出すようなことではないかもしれませんが、「10年かけて山形にサッカー文化を築く」と言っていた柱谷監督にとっては志半ばでの退任となります。やはり岡田武史元監督が昔言っていた「同じチームで監督を続けるのは3年が限度」というのは、あながち間違いではないのかもしれませんけど、やはり無念さもあると思います。とくにチーム作りや環境づくりなどは、一朝一夕で完成するようなものではないですから。壊すのは一瞬だどな

 でまぁ、ぶっ壊れたままもう2年近くも放置されっぱなしの札幌は、泣いても笑っても今季最後のホームゲーム。これを以て道内のサポーターのほとんどはこのチームが見納めとなります。つってもそれに対して今更泣くも笑うもないっつうか、むしろなんの感慨もありゃしねぇっつー方のほうが多いと思いますけど。とりあえず最後のホームゲームくらいは格好をつけてもらいたいところ。
 その札幌のメンバーですが、ケガで今年一年を棒に振ったに近いアイカーが久しぶりにベンチ入り。スタメンでは前節出場停止だったアンドラが復帰。前節電柱を務めたソダンがDFに戻り、尽、田畑という3バックとなりました。中盤はここしばらくとは変わりません。ボランチは今野泰幸、はぐれMF純情派のU-20日本代表主将だ! 相方は三原廣樹、FKの魔術師の実家は豆腐屋だ! そして右サイドは森下仁志、はぐれMF肉体派な無駄に燃える主将だ! 左サイドは和波智広、韋駄天の愛車の前のオーナーはキムタクだ(本当)!

 というわけでキックオフ。「仕方がないから最後くらい見に行ってやるか」と集まった1万7千人のサポーターが見守る中、開始から積極的に山形陣内に攻め入る札幌。あららこれは先制点も時間の問題かねと思っていたら、その予想を裏切ることなく前半10分に早くもアンドラジーニャがゴールを決めて先制しました。
 前半早々のアンドラの先制弾。だとすると今までの例から言えばこれは前半のうちに誰かしら退場する流れ(主にアンドラが)なのですが、札幌以上にやる気がないのかあまり動きの良くない山形を相手にその後も一方的に攻め続ける展開。とりあえずやたら元気な砂川を中心に、一方的に試合を支配します。久しぶりに安心してみていられる試合。
 ところが、そういう時にさくっと失点するのが今季の札幌。前半28分、ペナルティエリアに侵入を許した星にゴールを決められ同点に追いつかれてしまいました。
 まぁここまで来ればサポーターも悔しがるなんてこともなく、ああまたかといった程度で、ドームのお客さんもいつも通りの反応だったと推測しますが、その6分後の前半34分、右サイドをドリブルで突破した砂川が無理矢理グラウンダーのクロスを上げると、逆回転がかかったボールは意味不明な挙動でそのままゴールの中へ。なんだかよくわからないまま突き放しに成功しました。どうにも盛り上がりに欠けた今シーズン。だからといって無闇に盛り上げる必要はないと思うが。とにかく前半をリードしたまま終了しました。

 さて後半。とりあえず試合の流れからいえば負ける気はしませんが、それでも今季の札幌の得意技として、ワンチャンスで追いつかれるというものもありますから、追いつかれるのは充分にあり得る話。それだけに、次の1点をどっちが取るかということが重要になってきます。
 その「次の1点」は唐突にやってきました。後半開始早々の4分、セットプレイからのこぼれ球を曽田が押し込んで3点目をゲット。FWでは点が獲れないのにDFになった途端に点を獲る俺達のソダンが、試合をほぼ決定づけました。
 こうなれば張監督はゆっくりと来季を見据えたお試しモードに入ることが出来ます。ソダンのゴールから1分後には板長に替えて早くも一枚目のカード・岡田を投入します。ちょっとあからさますぎやしねぇかという懸念はこの際無視することとして、板長とはいまのところ正反対なプレイヤーを使ってきました。
 後半26分には岳也に替えて新居投入。リードしている段階でFWからFWへの交代というのは、たぶん戦術的な交代というわけではないと思うのですが、せっかくフォアチェックに生きる道を見いだしかけていた岳也を引っ込めるというのも、やっぱりあからさますぎやしねぇかと思わないでもないですが、これまた無視することにします。
 ただその新居もあまりボールに絡むことが出来ず、時間を追うごとにゴールの予感自体は薄まっていきますが、かといって山形もリードされて以降はさしたる抵抗を見せなかったため、2点のリードは安全圏といってもいいかもしれません。
 となると、残る期待は久しぶりのアイカーがいつ試合に出るかどうかです。その時は後半も残り5分となった後半40分。アンドラとの交代でピッチに入ってきました。やっぱりあからさますぎやしねぇかとは思うのですけど、ケガの間、一日店長などを務めて悪い意味で板に付いてたといわれるアイカー、まぁやはりと言いますか何と言いますか久しぶりのゲームだけに試合感も戻っていない上、コンディション的にもそんなに良くはなさそうで、当たり前の話ですが去年のドーム最終戦のようなキレは望むべくもありません。
 もはや得失点差も順位も関係ないのですから、ホーム最終戦に集まった観客からすれば、1点を失うリスクは覚悟の上で1点でも多く取ってもらったほうがいいに決まってます。そんなサポーターの思いを察知したのか、今まで見たことないような見事なボール回しで時間つぶしに入ります。2点をリードし、既にレギュラーの2トップを引っ込めた札幌はもはやムリして攻める必要がありませんから、セオリーから言えばこれは当然のことなのですが、なんとなくしっくり来ません

 しかし、点を獲りたい、活躍したいと思っていた選手がいないわけではありませんでした。後半も終了間際の44分、思い出したように攻め始めた砂川のパスを受けたアイカーのポストプレイから、思い出したように走り込んできた新居がフリーでボールを受け、GKとの1対1を珍しく落ち着いて決め4点目をゲット。ようやくの今季3点目でトドメを刺しました。
 その後のロスタイムも無難に過ごし、ホーム最終戦は大勝。山形にまったく元気はなかったとはいえ、久しぶりにいい試合であったことは間違いありません。間違いないんですけど、手放しで喜べないほどやさぐれてしまった自分が悲しい…

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