? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第2節 対大宮アルディージャ
2004.3.20(SAT) さいたまスタジアム2002

大宮アルディージャ 0-0 コンサドーレ札幌
  0-0
0-0
 
スターティングメンバー
アンドゥー GK もんじゃ
若松
戸新野
奥野
冨田
DF ソダン
パパ
キチ
斉藤
金澤
アンドゥー
喜名
MF 岡ちゃん
直太朗
タバタリアン
シャチョー
スナマコ
ダニエル
馬齢
FW 清野
King of Sapporo
ダニエル→高橋【45分】
若松→木谷【81分】
アンドゥー→久永【86分】
交代 清野→岳也【89分】
戸新野【55分】
金澤【73分】
木谷【84分】
警告 スナマコ【79分】
シャチョー【88分】

試合の感想
 開幕戦を2-2というまずまずの結果で終えた札幌は、今節は初アウェイ。さいたまスタジアム2002での大宮アルディージャ戦に臨みます。昨季の札幌もまぁ期待はずれの成績で終わりましたが、この大宮も2003年シーズンは期待はずれといえば期待はずれでした。失点がJ2ワースト4位の61と、あれだけ誇っていた堅守がいとも簡単に崩壊、18勝19敗7分の6位と、昇格候補の一角に挙げられていた割には不本意な成績に終わっています。かつて「堅守の大宮」を作り上げた三浦俊也監督を復帰させて再びJ1昇格を狙ってきた大宮は、大幅な選手の入れ替えを断行し根本的なチーム改造に着手。U-20日本代表の川島永嗣が名古屋に移籍したのを始め、伊藤彰、原崎政人、ジョルジーニョら大量の選手が退団し、喜名、若松、平岡、冨田、久永など即戦力クラスの選手を多数獲得。大宮といえば電柱好きなチームとして知られていますが、その電柱団から磯山和司、黒崎久志らが退団し、替わりにダニエルという助っ人ストライカーを獲得しました。さぁ、気になる身長は184cm! 184cmでのご奉仕でございます!

 また電柱でした

 まぁそれでも開幕戦では優勝候補の京都とアウェイで戦い、3-2で逆転勝ちを収める上々の滑り出しを見せています。ホーム開幕となる今節は負けることは許されないでしょう。

 そしてアウェイに乗り込んできた札幌は、前節負傷退場した佐藤リーダーと、レッドカードを喰らった藤ヶ谷が出場停止。いきなりの非常事態ですが、ヤンツーは藤ヶ谷の代わりにもんじゃ阿部を、西澤をスイーパーに据え、空いた西澤のポジションには久しぶりの試合出場となる吉瀬が入りました。その他は前節と同じ顔ぶれが並びました。

 雪の降り積もるピッチの上に、今年から純白に戻ったアウェイユニフォーム姿で登場した選手たち。「これじゃ保護色になるんじゃねぇか?」「だったら智樹なんてまるで見えなくなるぞ」などと適当なことを言っている間にキックオフ。雪となればもう札幌に有利に違いない、と思っていたのですが、開始早々にいきなり大宮に攻め込まれるなんともな立ち上がり。よく考えたらチーム始動からグアムや内地を転々として別に雪の中でやっていたわけではありません。宮の沢のグラウンドも融雪設備が整っていますから、雪の上でのプレイに慣れているわけではないんですよね。見慣れてるだけで。そうなればパス主体の札幌に比べ、もともとロングボール攻撃が得意な大宮のほうに分があるわけで、空中戦では圧倒的に不利な上、そうでなくても三原と岡田という守備のそれほど得意でないウィングバックでは、中盤で主導権を握れなければサイドの裏のスペースを大開放、笑っちゃうほど出玉の嵐となってしまうのは当然といえば当然。
 その空いたサイドのスペースをケアをするのが3バックとなりますが、去年出番のなかった吉瀬は緊張のためか判断を誤る場面が目につき、もっとも神の領域に近いと言われるソダンはいつもの通り我々一般人には到達不可能な領域のプレイを見せてくれます。負傷した尽の替わりに彼らを統率する西澤パパは、試合に向けて「声が低くて通りにくいから、ヘリウムでも吸って高い声を出そうかな」と今時の若い人にはわからないような昔の流行を持ち出し、無駄なところでベテランらしさを発揮する始末。大宮の攻撃が思った以上に迫力がなく、シュートやクロスの精度の低さに助けられてはいましたが、せっかくマイボールにしても押し込まれているためトップにいい形でボールが渡りませんし、またこのピッチコンディションでは重要な攻撃の起点である岡田のドリブルが生きるはずもなく、攻撃は単発に終わります。
 そんなわけで高さとパワーでゴリゴリ押してくる大宮に対し防戦一方。前半は札幌のゴールがホーム側だった(さいたまスタジアムの大宮戦ではアウェイチームがホーム側に陣取る)ため、目の前で繰り広げられる、我々一般人には到達不可能な領域のプレイとか無駄なところでベテランらしさを発揮するなどでサポーター席からは阿鼻叫喚の悲鳴がわき起こります。

 しかしそんな中でも初スタメンの19歳もんじゃ阿部は、まぁ当然のことながら細かいミスはあったものの、予想以上に落ち着いていました。本人も自信があるというハイボールの処理はなるほど確かに安定していましたし、積極的な飛び出しも見せていました。さすがに去年一年間マザ道場で徹底的に鍛えられただけはあります。その彼の奮闘に守備陣も落ち着いたようで、攻め込まれても集中を切らさず、危ないシーンでもボールに食らいついて大宮に自由を許しません。
 阿部は前半終了間際にも至近距離からのシュートを止めるファインセーブも見せただけでなく、道民らしくゴールキックの際に雪でボールの台を作ったりいきなりサポーターを煽り始めるなどのオモシロ人間の片鱗も披露。ちなみに阿部が作った雪のボール台がよっぽどうらやましかったのか、トニーニョもあとで同じことをやろうとして山西主審に注意されてました。
 攻撃陣もそれに応えようといくつかチャンスを作るのですが、あとわずかでシュートにまで持って行けなかったり、ミドルが枠を捉えられなかったりと得点を奪うまでには至らず。0-0のまま前半を終了します。余談になりますが、45分間某キーパーを見続けていたサポーターの中には、ハーフタイムになぜだかカレーが食べたくなってしかたがなかったという人が続出、ホントに食べていた人も多数。

 後半、若干ピッチの状況も良くなり、そのためか札幌も若干盛り返し始めます。長いボールが減ったため、前半は頭上をボールが行き来するだけだった智樹がボールに触る機会が増えて、少しずつチャンスが作れるようになります。砂川のパスから清野がシュートを放ち、ゴールキーパーがファンブルしたところを詰めていた新居が再び押し込もうとするなど次第に得点の予感もし始めるようになりました。
 大宮も去年のフィナージよりしょぼいんじゃないかと思われるダニエルを引っ込めて広島から移籍の高橋泰を投入。先制点を奪おうと札幌ゴールに襲いかかり、試合は一進一退の攻防に。しかしそんな大宮の攻撃も、ハーフタイムで満腹になったであろう阿部の前にはまるで無力でした。積極的な飛び出しでピンチを未然に防ぎ、バレーとの1対1もキッチリと抑えるなど前半以上の活躍を見せただけでなく、パントキックを蹴ったあとは必ず決めのポーズをし、なおかつ欽ちゃん歩きで戻っていくなどやっぱりオモシロ人間の片鱗も披露。少なくともネタ方面に限ってなら藤ヶ谷を超えたと言っても過言ではないでしょう。
 この立て続けの阿部がファインセーブで札幌がより前向きになったためか、それともピッチコンディションがだいぶ回復してきたためか、試合は札幌ペースで進み始めます。新居や清野や三原、智樹らが次から次へとシュートを見舞い、得点の予感がほのかにし始めますが、さすがにトニーニョ、奥野という大宮の中央のディフェンスは堅く、なかなかゴールを決めることが出来ません。
 そうこうしているうちにあっという間にロスタイム。メンバーを代えたくなかったのか、それとも代えられなかったのか、とにかくそれまで動こうとしなかったヤンツーは、この時点でついにメンバーを交代させます。清野に替わって出てきたのは…てっきり相川かと思っていましたが、岳也でした。鳥インフルエンザからどれくらい回復したかですが、いきなりボールと逆方向に走り出したのを見ると、まだまだ病状は重いと判断せざるを得ないようです。

 結局、終了間際のビッグチャンスも砂川がクロスバー上に外してしまい得点ならず。結局スコアレスドローで試合終了。札幌は勝点1と砂川のエビぞりでアウェイ初ゲームを終えたのでした。

印

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