? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第6節 対横浜FC
2004.4.17(SAT) 札幌ドーム

コンサドーレ札幌 1-1 横浜FC
市村【51分】 0-0
1-0
早川【2分】
スターティングメンバー
フジ GK 菅野
ソダン
パパ
キチ
DF 早川
山尾
トゥイード
中島
岡ちゃん
中尾
タバタリアン
イチ
スナマコ
MF 臼井
摩周
内田
大友
清野
King of Sapporo
FW U-小野信義
ジェフェルソン
イチ→アイカー【79分】 交代 U-小野信義→ホー【59分】
臼井→横山【73分】
西澤【1分】
スナマコ【58分】
中尾【70分】
清野【89分】
警告 トゥイード【43分】

試合の感想
 前節初黒星を喫した札幌は、今週もホームゲーム。札幌ドームに横浜FCを迎えての一戦です。2001年の2参入以来、9位、12位、11位と下位をうろうろし、お世辞にも強豪とは言えないチームですが、公式戦初対戦となった昨年の札幌との対戦成績は2分2敗。一度も勝てませんでした。特に昨季は開幕戦で対戦し、サポーターの期待を大きく裏切る試合内容で1-3となすすべなく敗戦。結局札幌はこの躓きをリカバーすることが出来ずにずるずる行ってしまいました。
 しかし幸先いいスタートを切ったはずなのにその後は思うように成績を上げることが出来なかった横浜FCは、今季はデュイスブルクからトゥイードというスコットランド人を、鳥栖から大友とジェフェルソンを獲得したくらいで特に大きな補強を行いませんでした。まぁこのあたりは行わなかったのか、それとも行えなかったのかはオレの知る由はありませんが、いずれにしてもチームを大きく変えることなく2004年シーズンを迎えています。

 で、札幌はとりあえず調子を落としていた智樹がスタメン落ちし、代わりに暴れん坊将軍・中尾がスタメンに復帰。その他は前節と同じ…だったはずですが、試合前のウォームアップで岳也が負傷したとのことで急遽新居がスタメン出場。1人足りなくなったベンチにはいきなりKAMA.ちゃんこと鎌田が初のメンバー入りを果たしました。
 初黒星を喫したのはともかくとしても、だんだんと内容が悪くなっているだけに、ここで連敗するようだとしばらくトンネルから脱せそうもなくなってしまいます。幸い今週もホームゲーム。地元札幌でのゲームですから、ここで内容のあるゲームをやって少しでも自信を取り戻したいところです。

 そんなわけでキックオフ。そういえば昨年は開始3分でコーナーキックから失点したよなぁと思っていると、開始早々にフリーキックから早川に決められてあっさり失点。

 時間にして約2分。

 またかよ! いい加減その忘れた頃にお約束をやってみるのはとりあえずやめてほしいんですけど、とにかくいきなり先制されて浮き足立ったか、その後も横浜に攻め込まれる展開が続きます。気持ちの切り替えがなかなか出来ないのも若いチーム、というか札幌の主な特徴でもあるわけですが、前節と同じようにビハインドを追う形となってしまいました。前半のうちに追加点を決められるようであれば、かなりヤバイ流れになってしまいます。
 ただし、押し込まれてはいながらも守備に関してはだいぶ戻ってきてはいます。ここ数戦は組織だったプレスはまったく見られず、闇雲にプレスをかけにいっては交わされ、逆にピンチを招いていたのですが、この試合ではキッチリパスコースを塞いだ上でプレスをかけているので、パスを回されているうちは何とか持ちこたえています。とはいえ、一対一で負けると途端にピンチを招いてしまうため、時折チャンスを与えてしまいますが、横浜FCのミスにも助けられ事なきを得ます。
 しかし攻撃のほうはといえば横浜FCの高いラインの裏を突こうという意図は見えるのですが、清野も新居もことごとくオフサイドに引っかかりシュートを打つまでには至りません。ただし、ラインの裏に抜け出すのは新居も清野ももっとも得意とするプレイ。札幌にとってはたとえ10回チャレンジのうち7回をオフサイドに引っかかっても、そのうち3回うまく行けばいいし、その3回のうち1回決めることが出来れば同点に追いつくことが出来るわけです。結果論ではありますが、この愚直な攻撃が後半に向けたひとつの布石となります。

 0-0で折り返したハーフタイムに何があったのか、札幌は後半から別チームのような変貌を見せます。つうかむしろ別チームです。選手の動きは見違えるほどよくなり、横浜FCを圧倒し始めます。後半6分、左サイドでボールを受けた市村がドリブルで中に切れ込み、体勢を崩しながらも打ったシュートは菅野の手も届かない弾道でゴールの中へ。市村のプロ初ゴールで同点に追いつきました。不慣れな左サイドで結果を出すことが出来ず、もがき続けながらようやく掴んだひとつの結果。家族が見守るホームで決めたプロ初ゴールに、おそらく彼の脳裏には様々なことが去来していたでしょうが、その余韻は画面外からマッハで飛びついてきた新居によってかき消されたのでした。
 後半の早い時間帯に追いつくことが出来た札幌はもはやイケイケムード。それまでにも増して怒濤の攻撃を見せます。中盤で主導権を握ってパスの出所をつぶせなくさせれば、横浜FCのオフサイドトラップをかいくぐって高いラインの裏のスペースを使い放題になりますから、そうなれば清野と新居、砂川の持ち味は生きてきます。そんなわけでその3人が何度となくGKと一対一となる場面を作り出すのですが、ポストに阻まれたり微妙に枠を外れていったり、菅野の好セーブに遭ったりで追加点を奪うことが出来ません。
 横浜FCも同点に追いつかれたすぐあとに城を投入。昨年も4得点を決められている相性の悪い選手が入ったわけですが、この試合のひとつのポイントと見られていた大友と岡田のマッチアップも、守備面での成長が見られる岡田がしっかり抑えています。ただし、この試合のもうひとつのポイントと見られていたジェフェルソンとソダンの対決も、ジェフェルソンにあっさり交わされるソダンと、せっかく抜いたのにあっさりシュートを外すジェフェルソンという、岡田対大友のそれに比べてきわめて珍妙な対決に終始。お互いに点を奪うことが出来ません。

 流れが札幌にあると見て勝点3を奪いに来たヤンツーは、同点ゴールを奪った市村に代えて相川を投入。3トップの布陣で畳みかけます。その相川が放ったシュートのこぼれ球を中尾が狙うも、ボールは完全に枠の外へ。それはまぁいいのですが、大いなるキックミスをした中尾は、直立不動の姿勢のまま後ろに倒れるという志村けんばりの倒れ方を披露。砂川のエビぞりといいこの中尾の倒れっぷりといい、そんなリアクションサッカーは求めてないのですけど。
 その後も足の止まってプレスの効かなくなった横浜FCに対して、南葛FCの如く何度となくゴールを脅かし続ける札幌ですが、横浜GK菅野が大当たりしていたこともあってシュートを打っても打ってもゴールを奪うことが出来ません。残念ながら札幌は南葛FCのようなちょうちょうサンバでもジグザグサンバでもなく、そのテーマソングはぽんぽこサンバだったみたいですね。いつも世界はぽんぽこ祭ですよ!

 結局、後半終了間際にソダンが混戦から放ったシュートも菅野のセーブに遭い得点ならず。前節と違って先制された試合に追いくことは出来ましたし、後半はまさしく「アクションサッカー(一部リアクションサッカー)」を繰り出して一応の光明を見せてもらいましたが、それと同時に、かつて城福強化部長をして「こいつら狙い澄ましたように外しよる…」と徳島弁で嘆かせた通りの決定力のなさも存分に披露して、13本のシュートを放ちながらも1-1の引き分けで終了。ホーム連戦で勝ち星を挙げることは出来ませんでした。

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