? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第7節 対水戸ホーリーホック
2004.4.25(SUN) 笠松運動公園陸上競技場

水戸ホーリーホック 2-1 コンサドーレ札幌
磯山【7分】
小林【66分】
1-1
0-0
田畑【38分】
スターティングメンバー
本間 GK フジ
木澤
柴小屋

伊藤
DF ソダン
パパ
キチ

マルキーニョ
栗田
磯崎
MF 岡ちゃん
暴れん坊
タバタリアン
イチ
スナマコ
小林
イソヤマン
FW 清野
岳也
伊藤→川前【45分】
関→樹森【57分】
交代 イチ→King of Sapporo【65分】
岳也→アイカー【77分】
伊藤【37分】
小林【70分】
警告 岳也【9分】
イチ【53分】

試合の感想
 世間より一足先にゴールデンウィークの幕開けとなる日曜日、つってもJ2の場合は2週間で5試合と、休みではなくより働かされる運命にあるのですが、そんなゴールデンウィークシリーズの幕開けは水戸ホーリーホックとのアウェイ戦です。2000年のJ2昇格以来、2002年まで9位→11位→10位と下位をうろついていた水戸ですが、昨季広島からレンタルで獲得した22歳のトゥーリオが大ブレイク。守っては相手の攻撃を次々と跳ね返し、攻めては果敢なオーバーラップから次々と得点を重ね、結局この年はDFながら10得点をマーク。また、10月には帰化申請が受理されると共に当然のように五輪代表にも選出されています。この年水戸はチーム史上最高となる7位でシーズンを終えます。しかし、代表に選ばれ注目度も増せば、当然J1のクラブから引き抜きに遭うのはこれもまた当然の流れ。ましてや彼はレンタルだったわけですから水戸に選択権があるはずもなく、昨オフトゥーリオは広島に戻ると同時に浦和レッズへ移籍してしまいました。
 とはいえ、水戸の7位は何もトゥーリオ1人だけの力だったわけではなく、トゥーリオ抜けた今季、ここまで勝ち星こそないものの5分1敗。前節川崎フロンターレに大逆転負けを喫したものの、先制されても最後には追いつくというねばり強い試合運びを見せています。古舘伊知郎なら確実に「納豆戦法」と呼ぶに違いないと思います。

 んで対する札幌も、ここまで1勝4分1敗と大して差のない成績。総得点も札幌5点に対して水戸6点とこちらも大差のない成績です。なんとも煮え切らない試合が続いてはいますが、とりあえず出場停止もなくスタメン自体は前節と同じ。ただしそれもスタメン交換時点での話であって、キックオフの時には鳥インフルエンザ発症でいなかった岳也も(捏造)今節は出場。13番がベンチっつーのが何となく不満ではありますが、ホームでしか点を取ったことがない新居と、アウェイで取った点のほうが多い岳也。まぁだからなんだというわけでもないんですけど。
 まぁそんなわけでオレも笠松まで乗り込んだわけですが、水戸の主催試合はバックスタンドもゴール裏も同じ料金。ですからサポーターは皆バックスタンドに陣取るのですが、試合開始までまったりと過ごしていると、バックスタンドの最前列に陣取っていた旗振り部隊がなぜかゴール裏まで移動を開始。得点時に喜ぶサポーターと共に大旗がいっせいに上がる様は見ていて気持ちのいいものですし、旗を振る人たちもどうせ見るならバックスタンドのほうが見やすいですから、異動する理由はないだろうと思って訳を聞いてみると、笠松のスタンドが微妙に高く、旗が落ちてしまってそのたびにスタッフに拾ってもらわないといけないので申し訳ないとのこと。そんなわけで無人のゴール裏に10人程度の旗振り部隊だけがいるという風景になりました。
 しかしやっぱり旗がないというのもどうにもインパクトに欠けます。どうにかならないものかと思案していると、旗振り部隊のいるゴール裏の最前列部分は、椅子はなくて芝生席。そこで一計とゴール裏に移動した旗振り部隊のもとへ行って、ひとつの提案をしました。「ゴールが入ったら全員旗持って端から端まで走りましょう!」

 旗振り部隊、満場一致でOK

 んなわけでネタ仕込みも完了、あとは得点を待つばかりという試合がキックオフとなりましたが、開始からイマイチぴりっとしないどころか、たとえるならばゆでたスパゲティをそのまんま食べるというか、餃子の皮だけを何もつけずに食べてみるというか、つまりはなんの味もしないといった感じの内容。なんだかこりゃヤバイしあいになりそうだと思っていた矢先の前半7分、いつもの通り左サイドを崩されゴール前での混戦から一時期コンサドーレにもいた磯山に蹴り込まれて失点。185cmの長身を生かしたヘディングを得意とする磯山ですが、札幌が彼に点を決められるのはなぜかいつも足ですね。
 先制されて余計にがっくり来たか、札幌選手の動きは一向によくなりません。水戸がそんなにいい守備をしているようには見えないのですが、札幌の運動量が少なくてパスの出しどころがないため、ボールを持ってまごまごしている間に、プレッシャーをかけられ、慌ててトンチキな方向にパスを出してはカットされます。方や守備のほうも、もうここ数戦対戦してきたチームと同様、完全にサイド狙い、しかも左サイドを集中して狙うの水戸の攻撃を、わかっているのかいないのか止めることが出来ません。
 そんな感じでボールポゼッション自体はさほど割がないように見えましたが、実際は押し込まれっぱなしに近い展開が続きます。札幌は清野がボールほしさに下がってくる上に岳也は行方不明なのでボールを前に運ぶことも出来ず、コーナーキックすらほとんど取れない状態だっただけに、得点の予感もさっぱりだったのですが、前半も残り10分程度というところで、ロングボールに走り込んだ岡田がペナルティエリア内で倒され望外のPKを獲得。最前線で倒されたのがなぜか清野でも岳也でもなかったのは気にしないことにして、このPKを田畑が落ち着いて決めて同点としました。

 さぁ得点が入りました。となると、気になるのはもちろんゴール裏の旗振り部隊です。喜ぶ選手たちを後目にゴール裏を見てみると、ものすごいスピードでゴール裏を走り抜ける旗振り部隊の姿が! と、ここまではよかったのですが、芝生席部分を端まで走りきった旗振り部隊、何を思ったか旗持ったまま今度はスタンドを最上段まで駆け上がり始めました。そこまでやるかという予想以上のパフォーマンスです
 んで現金なもので、その後しばらく札幌はイケイケムードとなります。得点の前と比べてだいぶ攻め込む時間も長くなったのですが、しかしやはり肝心なところでミスが出て畳みかけることが出来ずに中途半端な状態で前半を終了します。

 さてなぜかは知らんが選手交代なく試合再開。ハーフタイムの間にリセットされてしまったのか、札幌の動きは元に戻ってしまいました。水戸の運動量も多少落ちてきたこともあって攻撃にかける時間自体は増えてはいるのですけど、それも波状攻撃にまでは結びつきません。というよりはそもそもシュートもほとんど打てず、相変わらずさっぱり味のしない試合が繰り広げられます。オレの作ったスパゲティみたいです。つーか塩入れ忘れましたごめんなさい。
 後半20分ぐらいにピッチ脇にはようやく新居が準備をしています。中盤でパスを出したまんまそこからゴール前に行こうともしないストライカーにゲンナリしていたゴール裏のサポーターがこれで少しはマシになるかなと思っていたら、交代ボードに表示された背番号は「16」。市村かよ! っつーかやっぱ新居左サイドですか? ヤンツー考え直して! 今なら「すいません! 去年までの番号と間違えました!」と言い張れば何とかなるよ! と叫んだところでオレのスパゲティがうまくなるはずもなく、新居はそのまま市村と交代で左サイドへ。で、交代で入ってきた新居は何を思ったかいきなり相手に突っ込んでいったと思ったらあっさり交わされ、そこからのクロスを小林に頭で決められ再びリードを許してしまいました。
 リードされたあとはもう札幌にはまともに反撃する気力は残ってなかったようです。前のほうがアテにならないのでたまに吉瀬や西澤がぶち切れたかのようにドリブルで果敢にオーバーラップを仕掛けていき、ハーフウェーラインを超えた途端に我に返ってまごまごするほほえましいシーンは見られたものの、取り立てて触れるべきことも他にはないまま試合終了。2トップがキッチリ決めた水戸と、2トップが全然仕事をしなかった札幌の差が如実に表れた試合でした。笠松までやってきた果てにコノヤロウ状態ではありましたが、とりあえず隣でたすき持ってたおねえちゃんがかわいかったのでよしとするか。

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