? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第9節 対アビスパ福岡
2004.5.2(SUN) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 1-2 アビスパ福岡
清野【67分】 0-2
1-0
山形【10分】
古賀【30分】
スターティングメンバー
フジ GK 水谷
ソダン
パパ
キチ
DF 平島
千代反田
藏田
アレックス
岡ちゃん
暴れん坊
直太朗
イチ
スナマコ
MF 山形
篠田
米田
古賀
アイカー
岳也
FW 福嶋
ベンチーニョ
岳也→King of Sapporo【59分】
アイカー→清野【59分】
交代 福嶋→増川【62分】
篠田→宮崎【73分】
ベンチーニョ→有光【82分】
暴れん坊【18分】
岳也【41分】
キチ【69分】
清野【79分】
警告 アレックス【59分】

試合の感想
 5月に入り、ようやく札幌も屋外でサッカーが出来るまで雪が融けました。今節は厚別開幕戦です。一昔前は厚別開幕戦といえば、イコール本拠地札幌での開幕戦を指していたため、それはもう特別な行事のひとつだったのですが、ドームが出来て雪があってもサッカーが出来るばかりか、リーグ開幕戦を札幌で迎えることすら出来るようになったため、もはや厚別も「数あるホームスタジアムのひとつ」くらいのものなのかもしれません。それでもその数あるホームスタジアムの中では群を抜く勝率を誇るホーム厚別。ここを足がかりとして浮上のきっかけを掴みたいところです。
 その相手となるのが、札幌より一足お先の2001年にJ2へ降格したアビスパ福岡。1年でのJ1復帰を目論むも、2002年は10勝12分22敗という惨憺たる成績で8位に終わってしまいました。もとより資金力のあるほうではないだけに、「福岡は終わった」と思った人も少なくないでしょう。しかし、このままではじり貧となると判断したか、「まだだ、まだ終わらんよ!」とばかりに、翌2003年はヴィッセル神戸で監督を務めた松田浩氏を監督に迎えて大幅な若返り策を敢行。シーズン当初こそ新潟に4点取られたり俺王様にハットトリック喰らったりと残念な成績が続きましたが、その後チームの歯車が噛み合うに従い徐々に調子を上げ、後半戦の22試合では16勝3敗3分という素晴らしい成績を残しました。松田体勢2年目となる今季は昨季の勢いそのままに開幕から好調を維持。ここまで3勝3分2敗の5位、2位の山形とは勝点差3の好位置に付け、J1昇格へ順調な滑り出しを見せています。

 その福岡から遅れること1年、今季から大幅な、というよりはむしろすげえ極端な若返り策を敢行した札幌は、ここまで1勝4分3敗で11位。引き分けを挟んで3連敗中となかなか勝てない試合が続いています。前々節の水戸戦はまるでオカチメンコな試合内容で敗戦、前節の京都戦もシュート4本に抑え込まれる内容で敗戦と、結果はもちろん内容的にも不満の残る試合だっただけに、さすがにヤンツーもスタメンをいじってきました。週中に田畑が体調を崩してしまったので、智樹がスタメンに名を連ねたのは戦術的なものではないでしょうが、ついに2トップにもメスを入れました。清野に代わってスタメンを張るのは相川進也です。

 イヤ、そっちじゃない

 なんつーか、盲腸の患者に痔の手術をするような感じ。医療ミスではないですか財前教授! もとい柳下監督! イヤ、実は見てないんですけどね白い巨塔。「黒い霧事件」なら知ってるけど。

 まぁそんなこんなでキックオフ。サポーターにはその勝率の高さから「聖地」と呼ばれる厚別、週中はマスコミも「聖地厚別で連敗ストップを」という記事の作り方がほとんどでした。しかし逆に言えば「聖地」などという見えざるものだけが頼りという気もしないでもないですが、開始から若干札幌ペースで試合が進みます。中2日で九州から北海道にやってきた福岡に多少の疲れがあるだろうとはいえ、亀の歩みではありますが確かに徐々によくなっては来ています。
 しかし、それも開始10分まで。吉瀬が何でか知らないけどバックパスをいきなり妙な方向に出してしまって与えたコーナーキックから、いったんはクリアしたものの再びそのボールを繋がれ、ペナルティエリア深く侵入してきたアレックスからの折り返しを山形に決められまたしても早い時間に失点。CK直後で人数がいなかったわけないのに、あっさり破られたのもお粗末でしたが、そもそもの原因は与えなくてもいいCKを与えてしまったこと。ああいうのは流れを変えてしまうのに充分なプレイなんですが、吉瀬には背後霊でも見えてしまったのでしょうか。そういえば彼の髪の毛は実は妖怪アンテナだったと言われれば納得が出来ます。
 というわけでまたしても追う展開になったわけですが、それまでの勢いはどこへやら、またしても後手後手の展開となります。何とか早めに追いつきたい札幌ですが、岳也にはもとよりポストプレイという概念はないし、相川は消えっぱなし。そうでなくても完成度に差のあるチームで、しかもフィールドプレイヤーが8人しかいない上、智樹と中尾のダブルボランチはこの日が初めて組むためか連携不足がありありと見え、どうしていいかわからない状態。そうこうしているうちに前半30分には、京都戦と同じようにまたしてもがら空きの右サイドを破られ、古賀に右足で決められ2点目を決められてしまいました。
 さぁ今日も今日とて2点を追う展開となった札幌。前半のうちに1点でも返しておきたいところですが、前節の観戦記でも書いたとおり、今の札幌は1点ならなんか曲がり角でぶつかって恋が生まれるくらいの偶然があれば何とかなりますけど、2点ともなるとヤンキーに絡まれていた女子を助けたらたまたま同じクラスに転向してきた女の子で、そこから恋が以下略くらいの偶然、早い話がご都合主義がなければちょっと難しい点差です。そんなわけで前半は0-2のまま終了。

 後半、やはりメンバーは変更なし。当然、2点をリードして引き気味の福岡相手に闇雲に突っ込むだけの試合が続きます。風車小屋に向かっていくドン・キホーテなんかを思い出しちゃったりはしなかったのですが、とにかくまぁ前半と同じような展開が続きます。さしたる見所もないまま10分ちょっとが過ぎた辺りで、新居と清野が交代準備をしているという情報が。清野はともかく、新居はまた左サイドなんだろ? とすっかりやさぐれてしまっているオレの目の前で起こった交代劇は、いつもの「よんとっぷ」ではなく、2トップ丸ごと取っ替え。

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 2トップが変わっただけなのに、ここから試合は俄然札幌ペース。ワンタッチ、ツータッチでパスが回るようになり、2トップのコンビプレイという前半はついぞ見られなかったプレイまで飛び出します。特にここまで左サイドというゴールから遠いところでしか使われなかったためか、新居は積極的にボールを呼び込み、前を向いて勝負しようという姿勢を前面に押し出します。
 そして2トップ交代からわずか10分も経たないうちに、ペナルティエリアのわずかに外でボールを受けた新居がいきなりシュート。このボールは福岡のDFに当たって跳ね返されますが、こぼれたボールを再び新居が数打ちゃ当たるといわんばかりのまたシュート。実際はボールはちゃんと当たらなかったのですが、当たり損ねが幸いしてコロコロとDFの間を抜けていったボールが走り込んでいた清野の元へ。これを清野がキッチリと押し込んで1点を返しました。
 1点を取って俄然勢いづく札幌。毎度のことですが、まだ若いチームそのままに失点するとしょんぼりし、得点を挙げると「俺達バリバリだゼ? むしろバリバリ夕張だゼ?」とばかりにイケイケとなるのが札幌。ここからの時間帯はほぼ福岡陣内へ攻め込む展開。一番バリバリだったのは攻撃陣では最年長のスナマコだったりしたわけですが、さすがにここまで攻撃陣では唯一全試合フル出場を果たしている砂川、やはり疲れがたまっているのか肝心なところでミスパスをしてしまい、相手の最終ラインの裏に抜け出した新居が惜しくもオフサイドとなったりと、展開はよくても最後まで持って行けないイケズなパターンが続きます。
 リードしているときはやたらと長く感じる試合時間も、攻めている時はものすごく短く感じてしまうもの。ミスは多かれど久しぶりにボールが動くサッカーを見ていたら、気がつけばもうロスタイム。何とか追いつこうと試みる札幌ですが、ソダンの神ドリブルも不発に終わり試合終了。厚別開幕を勝利で飾ることは出来ませんでした。

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