? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第10節 対川崎フロンターレ
2004.5.5(THU) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 0-2 川崎フロンターレ
  0-1
0-1
中村【3分】
ジュニーニョ【54分】
スターティングメンバー
フジ GK 吉原
ソダン
パパ
キチ
DF 伊藤
寺田
箕輪
岡ちゃん
直太朗
暴れん坊
イチ
スナマコ
MF 相馬
中村
長橋
アウグスト
今野
アイカー
岳也
FW ジュニーニョ
ガナピー
イチ→King of Sapporo【60分】
アイカー→清野【69分】
暴れん坊→タバタリアン【76分】
交代 今野→鬼木達【59分】
ガナピー→黒津【82分】
ジュニーニョ→木村【89分】
直太朗【51分】
スナマコ【57分】
警告  

試合の感想
 ゴールデンウィークの最終日となる第10節、厚別連戦の2戦目となる川崎フロンターレ戦です。ちなみに昨年のこどもの日も厚別での川崎戦でした。2000年のJ2降格以来、2001年は7位と振るいませんでしたが、2002年は4位、そして昨季は3位とじわじわと順位を上げてきた川崎。3位までに昇格のチャンスがある今季は「今年こそ」の思いは強いでしょう。昨年まで3年間指揮を執ってきた石崎監督は退任しましたが、後任にはコンサドーレも狙っていた、前鹿島アントラーズコーチの関塚氏を招聘、昨季新潟でJ2得点王となり優勝の原動力となったマルクスや、元日本代表相馬直樹ら経験豊富なベテラン選手を獲得、昨季大活躍したジュニーニョの完全移籍にも成功するなど盤石な体勢を築きました。
 その甲斐あってか、今季は開幕から絶好調。ジュニーニョを中心とした圧倒的な攻撃力を背景に次々と相手を叩きのめし、そうかと思えば札幌にも負けた仙台に初得点と初勝利をプレゼントするなど相変わらずなところも見せていますが、前節は優勝争いのライバルと目される京都パープルサンガを直接対決で打ち破るなど首位を独走中です。

 さて快調に白星を重ね続ける川崎とは正反対に、ものすごい勢いで黒星を重ね続ける札幌は、現在3連敗中の最下位を驀進中。すてきな逆噴射を見せているわけですが、一時期のどん底は過ぎ去ったようで、試合内容自体は徐々に上向き始めています。今は多少メンバーを固定してやり方を徹底させようという魂胆なのか、ヤンツーはやはりメンバーを変えてきませんでした。今節もJ2で未だに勝ったことがない川崎が相手ということで苦戦は必至ですが、マルクスが全治2ヶ月のケガを負い離脱中なのがせめてもの幸いでしょうか。
 つっても、川崎市在住のゴール裏メイトによれば「マルクスいないほうがいいサッカーやってるんだよなぁ」という話ですが。

 そんなわけでキックオフ。確かに川崎は強いですが、札幌もホームゲームでなすすべなくやられるわけにはいきません。どん底の状態で最下位だった仙台だって川崎に勝っているのですから、札幌も川崎に一泡吹かせるためには、前半は我慢して守って後半相手の運動量が落ちてきたあたりで勝負を賭ける、イヤ待てよやっぱ仙台と同じように相手が調子づく前に先に点を取って足下をすくってみるのがいいか…どっちにしても先に点をやらないことが条件…

 とか言ってる間に失点してますけど

 なんか中村という選手にミドルシュートを決められあっさりと先制されてしまいました。2人に挟まれながらも左足を振り抜き、藤ヶ谷の手も届かない弾道の見事なゴールを挙げたこの中村選手ですが、それにしても澤登を見栄晴テイストにしたようなツラですね。キミ、見栄晴くん。決定。
 さて今日も今日とて早い時間に先制を許した札幌、毎度毎度大きくゲームプランを狂わされるヤンツーにとってはいい迷惑です。しかし、いつもならここでしょんぼりしてしまう札幌選手が、今日はちょっと違います。中尾と智樹のバランスも前節に比べればだいぶよくなっていますし、スナマコもさすがに存在感を見せています。中でも岡田が絶好調で、経験豊富なアウグストに対して一歩も引かないどころか、何度かすっぱり抜いてチャンスを演出するなど、ずいぶんと成長の跡が見られます。しかし、ラストパスが合わなかったり、上げたクロスも伊藤(183cm)、寺田(189cm)、箕輪(187cm)の「山脈3バック」に跳ね返され、点に結びつけることが出来ません。それならばと速いパス回しから中尾がミドルシュート放ちますが、GK吉原(碁打ちの奥さんが以下略)のセーブに遭い得点ならず。
 守備も先制されはしたものの、川崎の攻撃は確かにパス回し自体は速いのですが足元へのパスが多くて思ったよりは怖くないため、さほど崩されてはいないようです。ただしそれでもジュニーニョはやはりうまい。この最上級危険人物をマークしていたソダンは翻弄されっぱなし。つっても翻弄されるのはいつものことなんですが。ジュニーニョの単独突破からチャンスを作り出すことが出来るのが川崎ですが、何とか守備陣が身体を張って守り追加点を許さず。そんな感じで全体的なペースとしてはほぼ互角といった感じの展開で前半終了。

 後半も流れはまだ札幌のようで、中盤でのパスが繋がるようになってきました。というか、石崎時代の昨年は、アホみたいなプレスの速さで札幌はほとんど何もさせてもらえなかったのに、今年の川崎はずいぶんとユルユルです。むしろ中盤のプレスでは札幌が上回っている格好で、いい位置でボールを奪えれば2トップにもこれまでよりはボールが入りやすくなります。何となくではありますが得点の予感が漂ってきましたが、そんな時にこそ落とし穴が待ちかまえているのが人生の常。特に「のび太チーム」として一定以上の評価を獲得しつつある札幌、その日常はいつも「テストで0点を取る」か「犬にかまれる」か「ドブに落っこちる」か「ジャイアンに殴られる」のどれかです。悪いときはその全部が襲いかかってくることもあるわけですが、後半9分にジュニーニョに個人技で突破されて2点目を決められてしまいました。どうやら今日は前半は犬にかまれ、後半はジャイアンに殴られたようです。
 今日もまた2点目を入れられてしまった札幌にとって一番痛いのは、このチームにドラえもんはいないということなんですが、かなうことならば誰よりもドラえもんを必要としているであろう人がヤンツーでしょう。しかし、現実としてドラえもんはいないばかりか、デリーもエメもウィルもいなければ、アンドラもいない我がチーム。残された手は…千四百歩くらい譲って新居なんですが、その新居を投入したはいいものの、今日もやはり左サイドとして起用。

 (´・ω・`)ショボーン…

 うーむ、オレ個人はヤンツーに対して「逃げられると思うなよ派」なんですが、やはりこの選手交代だけはまだわかりません。福岡戦を思い起こせば、同じように2トップ丸ごと取っ替えというのが妥当かと思うんですが。
 おかげで、前半はほとんど目立つことのなかった川崎の右ウィングバックの長橋がガンガン上がってくるようになってしまいます。新居の守備力を考えれば致し方ないし、ヤンツーもその辺はある程度目をつぶっているのでしょうが、この交代が奏功したとは言い難い状況。ただし、ということは同時に、前半は地味に市村が頑張っていたとも言えますが。
 新居投入から10分弱でヤンツーは清野を投入。交代したのは相川で、ここはさすがに「よんとっぷ」はしてきませんでしたが、FW陣では唯一180cmオーバーの清野も、川崎山脈相手ではいかんせん分が悪い。それでも、田畑を投入して中盤の守備にテコ入れを図ってからは、岡田がドリブル突破でチャンスを作ったり、吉瀬が積極果敢なオーバーラップでやっぱりまごまごするなど割と楽しめる内容です。
 しかしそうは言っても現実としてスコアは0-2。2点も負けてるのか、それとも首位川崎に2点しか負けてないのかは各人の考えによるかと思いますが、結局はっきりしているのはどこが相手でも点は獲れないということでしょうか。結局、ここ最近の試合では全体的な試合内容としては一番いい感じだったとは思いますが、点を取ることはかなわず試合終了。ホントにちょっとずつよくなっては来てるみたいですので、現実として連敗継続となっても全然気にしないのですが、唯一気になるのは「スナマコの過労死が近いのではないか」ということです。最近は、試合中時折彼の口からエクトプラズムが見えるような気がするんですけど。

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