? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第12節 対横浜FC
2004.5.15(SAT) 三ツ沢球技場

横浜FC 2-1 コンサドーレ札幌
臼井【32分】
早川【77分】
1-0
1-1
相川【57分】
スターティングメンバー
菅野 GK フジ
早川
トゥイード
山尾
中島
DF ソダン
リーダー
パパ
臼井
摩周
内田
U-小野信義
MF 岡ちゃん
直太朗
暴れん坊
三沢
スナマコ
北村
ホー
FW アイカー
清野
北村→杉本【67分】
U-小野信義→増田【84分】
ホー→大久保【86分】
交代 直太朗→タバタリアン【54分】
岡ちゃん→イチ【64分】
清野→King of Sapporo【78分】
臼井【5分】
摩周【48分】
警告 直太朗【7分】
暴れん坊【24分】
暴れん坊【73分】
  退場 暴れん坊【73分】

試合の感想
 今節からJ2は第2クール。全44試合のうち2廻り目に突入します。その緒戦は横浜FCとのアウェイゲーム。第1クールのホームゲームでは開始早々に失点しましたが、後半市村のプロ初ゴールで追いつき、なんとか同点に持ち込んだ試合でした。その横浜FCは第1クールを7位というまずまずの成績で終わったものの、第1クール最後の試合でジェフェルソンが全治4ヶ月という大怪我を負い戦線離脱。札幌と同様あまり選手層の厚いチームではないだけに、その影響がどうなるかはオレの知ったことじゃありませんが、とりあえず第1クールでのソダンとの熱い争い、正確に言えば無闇に暑苦しい争いは割とオモロかっただけに、長期離脱は残念でなりません。

 さて、連敗中で第1クールを最下位で終えてしまった札幌は、ヴィッセル神戸から帰ってきた男・韋駄天和波智広が満を持してスタメン出場。さらには開幕戦でケガをして第1クールを棒に振ったリーダー佐藤尽も復活。ソダン、西澤パパと共に 体調不良の堀井が遠征メンバーから外れ、2トップは相川と清野。トップ下の砂川、右サイドの岡田、智樹と中尾のダブルボランチは前節と変わらず、ベンチに入ったのが吉瀬、市村、田畑、新居。これまでを考えればだいぶバランスの取れた控え要員と言えるでしょうか。少なくとも「よんとっぷ」はなくなったという意味で。
 全12チームがすべてのチームと一通り対戦が終わったということは、どのチームも他のチームと実際に当たってみて、そのポテンシャルや戦い方、得手不得手などがある程度把握できた状態であると言えることから、上位チームが苦戦し始め、下位チームが調子を上げてき始めるこの第2クールからがJ2の本格的な戦いと言えると思います。現時点ではほぼベストメンバーと言っていい布陣を組んできただけに、最下位という事実には極力目を背けて、ここが開幕戦であるとポジティブに考えたいところです。そう、世の中ポジティブシンキングですよ。ちょくちょく目が合うということだけでこの子はオレに気があると思うくらいの。

 とりあえずキックオフ…なのですが、何だか横浜FCの様子がヘンです。横浜FCのシステムはオーソドックスな4-4-2ですが、DF登録のはずのトゥイードと早川が前線に張り付いたまま。さらにはボランチとして出場しているはずの臼井までもがガンガン前線に上がってきます。相手の意表を突きつつ前線で数的優位を作り出し、序盤から一気に主導権を握ってしまおうという、言ってみれば奇襲とも言える戦法ですが、前線で数的優位が作りやすい反面、人数の足りなくなった中盤を制圧されればおそらく目も当てられない有様になるだろう諸刃の剣。もし相手が福岡や川崎だったらあっという間に失点を喰らってるはずで、そういう意味では相手が札幌だからこそ出来る奇襲と言えなくもありません。
 というわけで、そんな奇襲にも注文通りに反応してしまうのが札幌のいじましさ。予想外のことに誰が誰をマークするのか混乱しているだけでなく、「城のキャプテンマーク」という見てはならないものを見たコンサドーレイレブンはまさしくパニック状態に。立て続けにゴール前まで攻め込まれます。手数をかけずに前線にボールを運ぶ横浜FCにボランチの戻りが間に合わず、サイドで数的優位を作られ、その不利をカバーするためにDFが外に出たところを見計らって中央で城や北村が、挙げ句の果てには臼井までもが飛び込んできます。横浜FCに決定力がなかったのと、復帰したリーダーが何とか水際で食い止めていたために失点こそ免れていますが、明らかに旗色はよくない感じ。
 苦しい試合展開となっている札幌の攻撃は、やはり中心となるのがサイド攻撃。つまり三原離脱以来久しぶりに本職が入った左サイド、和波をどう生かすかが肝となってくるわけです。で、その久しぶりに復帰した和波、ワンタッチコントロールであっという間に相手を置き去りにし、そしてクロスはあさっての方向へ放ったり、相手だけでなく智樹のサイドチェンジのパスまであっと言う間に置き去りにしたりと、良くも悪くもオレの知ってる和波のままでした
 まぁ和波ももともと札幌にいたとはいえ、グアムキャンプの時点では既に移籍していたので、コンビネーションという意味ではまだ改善の余地は残されているでしょう。そうなると右サイドの岡田がたよりとなってくるわけですが、どうにも今日は消極的で、もともとあんまり得意ではないクロスを安易に選択するシーンが目につきます。そんな感じでチーム全体としても、正確に相手を狙うトマホークパスや異次元まで飛んでいく超時空クロス、相手ゴールマウスをがっちり守る反重力シュートなどの超サッカーを思う存分発揮し、前半30分に潔く失点。内田からのスルーパスを角度のないところから臼井に決められてしまいました。
 いつまで続くのか前半の失点、といった感じの萎え萎えな失点で、前半は1点ビハインドのまま終了するのですが、そんな中でも2トップの片割れであるアイカーがだいぶコンディションも戻ってきたのか、少しではありますけど前線でキープできるようになって来たのが好材料といえば好材料です。それくらいをよすがにするしかないというのが正直なところですけど。

 さて、あんまり期待も持てずに始まった後半ですが、何となく札幌の選手の動きがよくなっています。いつもの通りヤンツーにカミナリを喰らったのかもしれませんが、どっちかというと思いがけずお小遣いをもらったときの子供といいますか、岡田からのスルーパスをアイカーが抜け出してシュートを放つ幸先のいい立ち上がり。まぁ立ち上がりといっても既に1点負けてるわけですが、とりあえず早いうちに点を取って追いつくことが求められることには変わりありません。というわけで普段は慎重なヤンツーも珍しく早めに手を打ってきます。智樹を下げて守備の得意な田畑を投入。これによって少し前目の位置に上がった中尾がその攻撃力を生かすことが出来るようになってきます。
 この交代が奏功し、わずか2分後の後半12分、細かいパス交換から砂川のスルーパスに抜け出した相川がシュートを放つと、ボールは逆サイドのポストに当たってゴールイン。狙い通り早い時間帯で同点に追いつきました。
 ここから札幌は完全にイケイケムード。横浜のバラバラのディフェンスラインの裏を狙って、相川、清野、和波が次々と飛び出し、次々と相手ゴールを脅かします。微妙に枠を外れていったり相手GK菅野の好セーブに遭いなかなかゴールは割れませんが、逆転への予感は充分に感じられます。

 しかし、そこでサポーターの予想通りになるほどコンサドーレ札幌は甘いチームではありませんでした。後半28分、既に前半にも異議で1枚カードをもらっていた中尾が、リスタートのボールを下げさせられただけでまたしても異議を唱え、2枚目のイエローで退場してしまいました。
 登ったはしごを味方に外されてしまった格好となった札幌イレブン…じゃねぇな、1人いなくなったから札幌テンだ。素晴らしく語呂の悪い中でそれでも攻め続けますが、中尾退場から4分後に早川にミドルシュートを決められ突き放されてしまいました。
 せめて勝点1だけでも持って帰りたいヤンツーは最後の切り札・新居を投入します。その新居も積極的にゴールを狙い、また砂川や相川も何とか1点を取ろうと攻め込みますが、やはりゴールは遠く、結局終わってみれば6試合連続の2失点負け。アイカーの2年ぶりの公式戦ゴールよりも、勝てたかもしれない流れを中尾のおバカな退場でぶちこわされたゴール裏メイトが言っていた、「去勢すればいいんじゃない?」という言葉が印象的な第2クール緒戦でした。

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