? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第9節 対水戸ホーリーホック
2004.5.19(WED) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 1-2 水戸ホーリーホック
曽田【64分】 0-2
1-0
樹森【22分】
森【72分】
スターティングメンバー
もんじゃ GK 本間
ソダン
パパ
キチ
DF スダン
柴小屋
岡ちゃん
直太朗
ゴンドー
三沢
スナマコ
MF 磯崎

谷川
栗田
眞行寺
アイカー
清野
FW 小林
樹森
岡ちゃん→イチ【56分】
清野→King of Sapporo【77分】
スナマコ→上里【81分】
交代 眞行寺→木澤【59分】
小林→松浦【64分】
スダン→北島【81分】
アイカー【58分】
King of Sapporo【88分】
警告 関【63分】
北島【89分】

試合の感想
 連敗記録絶賛更新中のコンサドーレ札幌は、今節はホーム厚別でのナイトゲーム。相手は水戸ホーリーホックです。第1クールのアウェイ戦では開始早々に磯山のゴールで先制を許し、田畑のPKで追いついたものの後半突き放されて2-1で破れています。思えば現在まで続く連敗地獄と2失点地獄は、ここから始まったのでした。その水戸は前節終了時点で10位。ここまで2勝と札幌と大して変わりはない成績です。いわゆる目くそ鼻くそと言えるかも知れません。
 で、どちらかと言えば鼻くその札幌は、前節2枚イエローで退場した中尾が出場停止。その代わりとしては週中の練習では高卒ルーキーの上里一将か、特別指定選手の権東勇介かどちらかになるといわれていましたが、ヤンツーは権東を指名してきました。上里はベンチで出番を待つことになります。で、ここまでは別になんの驚きもなかったのですが…。試合開始90分前に送られてくるスターティングイレブンには、「GK阿部哲也」という文字が。

 もんじゃ?

 最初は見間違えかと思いましたが、何度見ても阿部と書いてあります。阿部慎之助とか阿部譲二とかの間違いでもないようです。藤ヶ谷がケガでもしたのかとも思いましたが、藤ヶ谷はサブのメンバーにしっかり名を連ねています。ということは、弱冠19歳のオモシロ人間が、第2節大宮戦以来のスタメン出場となります。これは驚きました。DFラインと清野、砂川、そして和波を除く半分の選手がプロ3年目以下の選手たちで占められています。連敗脱出のためにはあんまり強気にはなれませんが、ホームの利を生かして何とか連敗ストップと行きたいところ。

 というわけでキックオフ。開始から比較的静かな立ち上がりですが、ペースとしては札幌が握っているように見えます。ただし、水戸がかなり引いて守っているので、アタッキングエリアまではボールを運ぶことが出来ても、そこから先は水戸の人垣に阻まれなかなか深くまで侵入できない状態です。札幌はあの手この手で水戸を崩しにかかりますが、左サイドの和波があまりパッとせずサイド攻撃があまり機能していないようです。
 そんな中でも初スタメンとなる権東はなかなかに落ち着いたプレイッぷり。サテライトでは左のストッパーをやっていましたが、聞くところによるとどうやら本職は守備的MFのようで、なるほどボランチとしての基本的な動きは出来ていますし、積極的にミドルシュートを放つなど存在感をアピールしています。町田市出身の道都大学生、順調に育てば日本代表はともかくとしても、少なくとも町田スターズ入りは確実だろうと思われます。
 しかし開始からいくつか作り出したチャンスもバーに弾かれたりあとわずかのところでクリアされたりとなかなか点に結びつけることが出来ません。先に点を取られるとツラいのはここまでの試合で証明済みですから、取れるときに取っておかないとまたイヤなことになりかねません。
 そんなわけで最初からカウンター狙いの水戸はさほどチャンスを作らせていなかったのですが、最初の流れがいったん落ち着いた辺りの前半22分、スローインから和波が須田にあっさり交わされ、サイド深くにまで切り込まれてしまいます。そこに立ちはだかったのはもんじゃ阿部。ハマの守護神がDAIMAJINならば、北の守護神は"DAI・SHOKU・KAN"。とぼけた顔してババンバンであり、アイツにゃとってもかなわない、とばかりに阿部ちゃん、ムッシュかまやつもビックリの飛び出しはあっさり交わされ、折り返しを樹森にがら空きのゴールに叩き込まれてしまいました。それまでほとんどチャンスのなかった水戸に先制点を献上。この時なぜだか、「命を~かけて飛び出せば~電信柱にぶつかって~」っていうガッチャマンの替え歌「パンダちゃん」を思い出してしまいました。

 で、先制されてからは見た目にもわかるほどがっくりな札幌は、この後も水戸にペースを握られる毎度おなじみの展開です。ということは前半のうちに追いつけるような予感もさほどなく、1点ビハインドのまま終了。

 後半も同じような感じ。引いて守る水戸に対してある程度まではボールを前に運べるものの、相手陣内に入ったが最後、水戸のプレッシャーに苦しみなかなかゴールチャンスを作ることが出来ません。蜘蛛の糸に引っかかったウスバカゲロウと言いますか、飛んで火に入る夏の虫と言いますか、屯田兵の目にも涙と言いますか、とにかくそんな感じ。なかなかためを作れないのでボールを早めに前に送るしかないのですが、プレッシャーを受けた状態では適当なパスにしかならず、裏を狙ったパスも無情にゴールラインを割るシーンが多く目につきます。サイドを狙おうにも疲れがたまっているのか右の岡ちゃんの調子があまりよくないし、ベタ引きされた状態では和波のスピードもあまり生かせません。ていうかそれ以前に和波消えっぱなしなんですけど。これが…若さか…。
 ところが後半19分に迎えたセットプレイのチャンス。いつもの通り砂川の蹴ったボールは「ぼよ~ん」という擬音を残しつつ水戸ゴール前へ。その慎ましやかに落ちてくるボールを巡って、水戸ゴール前では敵味方入り乱れての大騒ぎです。その渦中で一瞬飛び出す赤い影。仮面の忍者。

 鳥だ!

 飛行機だ!

 俺達のソダンだ!

 去年も使ったよこのネタ!

 落ちてきたボールにうまく右足を合わせたソダンが同点ゴールをゲットし、ようやく同点に追いつきました。
 そしてここからもまたいつもの通り、追いついてからの札幌の動きはグンとよくなり、プレスもかかるようになってきました。取れるうちに1点取っておきたい札幌は次々と相手ゴール前に攻め込んでいきます。しかし逆に後半27分、コーナーキックから森にヘディングシュートを決められ再び突き放されてしまいました。
 そしてここからもまたいつもの通り、突き放されてからの札幌の動きはグンと悪くなり、ただでさえ大味な攻撃がますます雑になってしまいます。ヤンツーは清野に代えて新居を投入したり、さらには砂川を下げて上里まで投入して打開を図りますが、AAツートップも上里も精一杯はやっているものの、さすがに専守防衛の水戸を崩すまでにはいたらず試合はロスタイムへ。田辺主審の取ったロスタイムは4分間という比較的長いものでしたが、ロスタイムに追いつかれたことは数多あれど、ロスタイムに追いついたことは、少なくともこのサイトを始めてからの3年半で2回くらいしかない札幌に都合よくドラマが起こるはずもなく試合終了。今日もあっさり相手の軍門に下ったのでした。

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