? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第17節 対大宮アルディージャ
2004.6.12(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 1-2 水戸大宮アルディージャ
砂川【79分】 0-1
1-1
バレー【15分】
横山【61分】
スターティングメンバー
サンヒョク GK 安藤と
ソダン
リーダー
キチ
DF 若松
戸新野
奥野
コージー
岡ちゃん
暴れん坊
ゴンドー
三沢
スナマコ
MF 氏家
斉藤
安藤ま
久永
アイカー
清野
FW 横山
馬齢
キチ→King of Sapporo【58分】
清野→岳也【73分】
ゴンドー→タバタリアン【81分】
交代 馬齢→トゥット【71分】
久永→島田【80分】
横山→金澤【85分】
暴れん坊【12分】
暴れん坊【26分】
アイカー【83分】
ゴンドー【89分】
警告 若松【85分】
暴れん坊【26分】 退場  

試合の感想
 カメの歩みか不動の像か、良くなってるのかなってないのか、とにかくてんで勝てない札幌は今節は厚別でのホームゲーム。大宮アルディージャとの対戦です。第1クールでは第2節での対戦だっただけに、ずいぶんと久しぶりの対戦となるわけですが、その試合では雪の大宮で0-0でした。めっちゃくちゃ寒い中での試合でしたが、まだあの頃は幸せだったような気がします。
 さて例年はこの時期になれば各チームある程度の力関係もはっきりし、順位に落ち着きが出てくるもんなんですが、今年は妙にダンゴレース。現在は川崎が首位を独走していますが、最後まで突っ走る保証はどこにもなく、3チームに昇格の可能性がある今季はどのチームにもチャンスがあります。ただ1チーム、コンサドーレ札幌を除いては。そんなわけで大宮も悲願の昇格を勝ち取るべく、パッとしなかったダニエルとの契約を解除し、昨季清水エスパルスに所属していたトゥットを獲得。電柱の夜の夢から覚めたというわけでしょうか。
 トゥットについては川崎、浦和で過去6試合対戦し、得点は1得点と結果から見ればさほど苦手な選手ではありませんが、その身上であるスピードには手を焼かされていました。浦和ではエメルソンという怪物の陰に隠れる格好でさほどの活躍は見せられませんでしたが、FC東京でアマラオと組んだ2000年は大活躍を見せたように、センターフォワードタイプのストライカーと組んだときには無類の強さを発揮するタイプなだけに、バレーとの相性は悪くないと思われます。ケガが多かったためか清水エスパルスは昨季限りで退団し、今季は所属チームがなくブランクがあったので、コンディションがよくないのかベンチからのスタートになりますが、どこかで使ってくることは間違いありません。

 迎え撃つ札幌は、前節累積4枚目の警告を受けた西澤が出場停止。さらにここまで効いてるんだか効いていないんだかなんだかよくわからない活躍を見せていた市村が体調不良でベンチメンバーからも外れ、替わりに岡田が出場となりました。メンバーがイマイチ固定できないというのもヤンツーとしては悩みどころかと思いますが、とりあえずは2試合連続引き分けとまずまず勝点は取れるようになってきていますから、ホームのここでそろそろ2勝目といきたいところ。

 ところが、札幌は立ち上がりからどうにもぴりっとしません。前半開始早々に清野がDF2人をうまく交わしてシュートを放った以降は防戦一方。前半15分には札幌戦ではなぜか活躍できなかったはずのバレーに、佐藤リーダーがあっさり抜かれ失点。その後も大宮の3ラインに突破の糸口を見いだせず、ろくにチャンスも作れません。というか、山形や福岡の守備に比べれば、大宮のプレス自体はさほど厳しくはないのですが、とにかく縦へのボールだけはしっかりケアしようというのはあるようで、後ろ向きでボールを受けた札幌の選手は前を向かせてもらえず、結果としてせっかくのボールを後ろに戻すだけの攻撃が続きます。
 と言うか、全体的にみんなパスが弱いです。この辺、キッチリしたパスを出せないという技術的な問題よりも、強いパスを蹴ってミスをするのを恐れているため、おっかなびっくりのパスしかだせないような感じです。ラジオ体操第二の2番目をやるときの小学生のようです。結果、パスを回していてもスピードが遅いので大宮選手にとっては充分対応できる範囲ですから、崩すことができないってわけです。
 さらに悪いことに、前半26分には前々節に出場停止から帰ってきたばかりの中尾が2枚目のイエローを受けて退場。10人での戦いを余儀なくされます。中尾が抜けてぽっかりと空いた広大な中盤のスペースを砂川と権東でカバーしなければならなくなります。結果、前線での人数が不足し、攻撃の糸口さえつかめない状態が続きます。結局前半はほとんどチャンスもないまま0-1で終了。

 後半もあまり状況は変わらず。前半に引き続き広大なエリアをカバーするスナマコは今にも過労死寸前です。ヤンツーは後半13分に吉瀬を外して新居を投入し打開を図りますが、中盤の数的不利は払拭できず。逆にその3分後には右サイドを完全に崩されて横浜に追加点を奪われ、2点のビハインドとなってしまいます。
 2点目を奪われた後、トドメを刺されたかのように肩を落とす札幌イレブン。対して勢いに乗る大宮の三浦監督は畳みかけるような采配を見せます。後半26分、バレーと交代でいよいよトゥット登場。

 …。

 誰ですか? このフランシスコ・ザビエルは。

 去年札幌にやってきたビタウを見たときと同じような感覚にとらわれます。そう、かいつまんで言えばデヴです。デヴなんです。スピードが武器のストライカーが太るということは、それはすなわち飛べない豚です。飛べない豚はただの豚です。更新しないサッカー百鬼夜行はただのダメサイトです。

 対抗したヤンツーはその2分後に選手を交代。清野と交代で出てきたのは…岳也。ただでさえ1人少ないのに、さらに1人減らしてどうする…。中盤で作れないんだから智樹入れたほうがいいと思うんですけど…。
 大方の予想通りやっぱり大勢に影響はない札幌ですが、チャンスは唐突に訪れました。トニーニョからのなんでもないバックパスを、大宮GK安藤が景気よくミスキック。予想外のコーナーキックを得ます。最初の1本目はクリアされますが、2本目のコーナーキックからのこぼれ球を、胸でトラップした砂川がそのまま左足を振り抜きミドルシュート。ドライブのかかった強烈なボールがゴール隅に突き刺さり、1点を返すことに成功しました。
 過労死寸前の砂川が放ったオラの最後の元気玉は、札幌の選手たちに少なからぬ力を与えたようで、ここから若干札幌が盛り返しを見せます。しかし、さすがに9人ではどうしようもないわけで、相川の起死回生の飛び込みもシミュレーションを取られる始末。アカデミー賞はまだまだ遠いようです。

 結局、毎度おなじみのあと1点が遠いという状態のまま最後のコーナーキックもクリアされて試合終了。1点こそ返したものの終わってみればシュート3本、野球で言えばいわゆる散発3安打、砂川のソロホームランのみという結果に終わったのでした。

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