? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第18節 対ヴァンフォーレ甲府
2004.6.19(SAT) 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場

ヴァンフォーレ甲府 2-1 コンサドーレ札幌
津田【76分】
長谷川【85分】
1-0
1-1
清野【32分】
スターティングメンバー
阿部 GK サンヒョク
アライール
池端
青葉
土橋
DF ソダン
リーダー
キチ
倉貫
富永
山本
石原
MF イチ
タバタリアン
ゴンドー
三沢
スナマコ
バロン
山崎
FW 清野
アイカー
土橋→太郎【66分】
山本→内林【69分】
アライール→津田【75分】
交代 清野→King of Sapporo【78分】
アイカー→ガクヤ【79分】
ゴンドー→上里【77分】
池端【58分】
アライール【63分】
警告 ソダン【44分】
ソダン【56分】
  退場 ソダン【56分】

試合の感想
 えーと。この時点で何連敗だっけ。

 まぁいいや。とにかくしばらく勝ってないことだけは間違いないコンサドーレ札幌は、今節はヴァンフォーレ甲府とのアウェイ戦。小瀬スポーツ公園競技場での試合となります。小瀬での試合、ということは札幌にとってヴァンフォーレそのものよりも怖いのが、毎度の話ですが甲府盆地の暑さ。この時期まだ夏日を超えることが滅多にない札幌から、既に真夏日を超えることも珍しくありません。しかも暑さというか気温差だけなら内地でのアウェイ試合はどこも変わらないのですが、こと甲府の場合は最寄りの空港が電車で3時間弱の羽田空港という地理的にも中途半端な場所にあり、我々の想像以上の肉体的・精神的負担を選手にかけるため、だいたい小瀬での試合は苦戦する場合が多くなっています。過去の試合を見ても、2001年~2002年はカテゴリが違ったということもありますが、小瀬で勝った試合は甲府が「地雷」と呼ばれていた2000年の9月11日までさかのぼらなければならず(エメルソンの2ゴールで勝利)、昨年は1分1敗という成績に終わっています。
 この日の小瀬の気温もキックオフ時点で30度。ピッチ上の体感温度はそれよりも3度4度は上のハズで、やはり辛いコンディションではある上、札幌は前節退場した中尾が出場停止中。西澤も出場停止が開けたと思ったらケガをしてしまいリタイアと相変わらず台所事情は厳しいのですが、甲府はそれ以上に厳しい状態です。主力である藤田、オグ、水越がケガでおらず、おまけに須藤も出場停止。天敵バロンは健在ではあるものの、これならば何とかつけいるスキはありそうです。

 そんなこんなでキックオフ。クソ暑い中最初は甲府に押し込まれる展開が続きますが、10分を過ぎたあたりから札幌がペースを握り始めます。第1クールでは開幕戦で結果こそ引き分けに終わったものの、試合内容自体はよかっただけに、札幌としてはそのイメージがあるのかもしれませんが、サイドからの攻撃を仕掛けます。
 藤田もオグもおらず、ボールの収まりどころがない甲府は当然バロンに頼らざるを得ないわけですが、そのバロンは当然のように札幌も要注意人物としてマークしており、あまり仕事をさせません。
 そして立て続けにチャンスを作り出したあとの前半32分のコーナーキック。砂川の蹴ったボールを、フリーで飛び込んできた尽が強烈なヘディングシュートをお見舞いします。このボールはものの見事に枠を捉え、過ぎて枠そのものに当たってゴールならず。しかしこのボールを巡って敵味方入り乱れての混戦で、こぼれた先に待ちかまえていたのは、「北の堀江淳」こと清野智秋。髪型といいツラの感じといい、22歳とは思えないほど80年代テイストを漂わせる背番号28が、落ち着いて右足で決め、なんと札幌が先制してしまいました。
 先制後も札幌は何度かチャンスを作り出しますが得点は奪えず、1点リードしたまま試合は後半へ。

 しかし後半になると、前半飛ばしたツケが札幌を蝕み始めます。巻き返しを狙う甲府の攻撃に晒され、だいぶ旗色が悪くなってきます。そして後半11分、その「事件」は起こりました。
 それまでいつものようにピッチを縦横無尽に駆けめぐり、ピンチを招いたりピンチを招いたりピンチを招いたりしていたソダンが、突破を図った石原を引きずり倒してしまいました。私の記憶が確かでなくても、前半終了間際に既に1枚もらってるソダンがもう1枚もらったら退場となってしまうわけですが…池田主審が下したジャッジは、やはりイエローカード。

 俺達のソダン、退場

  神様は死んだ

  悪魔は去った

  太古より巣食いし狂える地虫の嬌声も

  今は、はるか郷愁の彼方へ消え去り

  盛衰の於母影をただ君の切々たる胸中に残すのみ

  神も悪魔も降り立たぬ荒野に我々はいる

 はい。間違いなくこのサイトをご覧になっている方の95%以上を余裕で置き去りにするネタをかましたわけですが、何だかわかった人は掲示板にどしどしご応募ください。当たっても何も出ませんけど。
 30度を超す気温の中、前半からすっ飛ばしまくっていた札幌が10人で守りきれるくらいなら、今頃あと2つくらいは勝ってるはずです。ましてやバロンに唯一高さで対抗できるソダンを失ってしまうということは、人数の差以上の重みがあるはずです。普段は唯一絶対神であり現人神であらせられるソダン・ザ・グレート・スーパースターですが、今節ばかりは暗黒の破壊神だったということでしょう。
 その後、チャンスと見た甲府の松永監督は、立て続けに選手を投入して活性化を図ります。まずは土橋に替えて長谷川を投入。あ、長谷川太郎って柏にいたあの長谷川か。あら懐かしい。その3分後には山本に替えて内林。あ、内林広高って草津東の内林か。室蘭で天皇杯を戦った、高木御大に生涯最後のゴールを決められたあのクサヒガの。あら懐かしい。さらにその6分後には速くも最後のカードを切ってきました。アライールに替え津田琢磨。…って、誰?

 しかし、結局はその津田にやられてしまうのだから困ったもの。交代直後のスローインからボールを受けた津田が、ノーマークであれよあれよとDFの間をすり抜けて、そのままシュート。ボールは藤ヶ谷のニアを抜けてゴールに突き刺さりました。誰が彼をマークするのか全然決めなかったのでしょうか、なんとも情けないやられ方で同点に追いつかれてしまいます。
 追いつかれてからやっとこさ動いたヤンツーも、立て続けに新居とガクヤを投入、さらにはさらには権東に替えて上里まで投入しますが、10人で同点とされた段階でFWを2人と攻撃的MFという攻撃の選手ばかりを入れたことで、チームは引き分けを狙うべきなのかもう1点取りに行くのか迷ってしまったのでしょうか。中途半端なバランスとなってしまいます。まぁそもそも岳也が入った時点で10人が9人となったわけですが、そんなわけで終了5分前には何でもないクロスから同じく交代で入ってきた長谷川に無理矢理決められ、ついに逆転を許してしまいました。まぁ、引き分け狙いで守備を固めようにもそもそもベンチにDFがいなかったのですから、致し方ないのかもしれませんけどね。
 結局ヤンツーの交代策は実らず、試合は毎度おなじみの1-2で終了。先制したことが今までとはちょっと違うパターンでしたが、終わってみれば未だ夜は明けませんでした。

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