? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第21節 対京都パープルサンガ
2004.7.4(SUN) 函館市千代台公園陸上競技場

コンサドーレ札幌 0-2 京都パープルサンガ
  0-0
0-2
崔【64分】
松井【82分】
スターティングメンバー
サンヒョク GK 平井
バタヤン
リーダー
健作
DF
手島
辻本
三上
イチ
暴れん坊
タバタリアン
三沢
MF 石丸
中払
熱田
松井
清野
アイカー
King of Sapporo
FW 黒部
King of Sapporo→ガクヤ【45分】
暴れん坊→ゴンドー【69分】
イチ→クワ【79分】
交代 熱田→美尾【54分】
黒部→小原【60分】
小原→六車【75分】
暴れん坊【39分】
健作【50分】
ゴンドー【86分】
警告  

試合の感想
 年に一度の函館開催、今年は京都パープルサンガとの試合です。昇格の有力候補として「1年でのJ1復帰」を狙う京都ですが、その前評判とは裏腹に勝ったり負けたりを繰り返して成績が伸びず、前節までで7勝7敗6分で7位。それでも2位の福岡とは勝点でわずか5しか離れてはいないのですが、シーズン当初の目論見からすればサポーターにとっても「期待はずれ」とも言える成績に終わっています。まぁ我々からすればオノレの順位の下にまだチームがあるというだけでゼイタクだとは思うのですが、去年の札幌もそういう感じでしたね。そんなわけで思うように成績を伸ばせなかった西村監督を解任。まぁその辺は守備を崩壊させることには定評のある西村氏を監督に据えた時点でわかっていた結末ではありますけど、後任には地元京都出身の柱谷幸一氏を迎え、再出発を図りました。
 って、そんなことは他チームのことなので別にどうでもいいのですけど、前札幌のビジュが退団してしまったのは残念でなりません。もともと半年契約だったらしいので柱谷監督の就任とはさほど関係ないとは思いますけどねぇ。せっかく文字通り「平安京エイリアン」だったのに…。

 まぁいいや。さて対する札幌はグレートソダンが体調不良で遠征メンバーから外れ、またしてもメンバー変更を余儀なくされます。ソダンの替わりに入ったのは、今季リーグ初出場となるルーキー河端。といっても特別指定選手だった昨年にわずかながらも試合には出ておりますので、あんまりルーキーという感じはしないのですが、話を聞く限りではどうやら伸び悩んでいる様子らしく、プロとしてのデビューはここまでずれ込んでしまいました。その他ではダブルボランチも前節鳥栖戦の権東と智樹から中尾と田畑へ丸ごと変更。この段階でもまだベストの組み合わせを模索しているといった感じの陣容です。
 とりあえずは中尾がスタメン復帰を飾ったと言うことは、かつてラフプレイを繰り返した挙げ句仙台を解雇されたという森勇介との仁義なき戦い第2ラウンドにも注目が集まります(ちなみに第1クールの勝負では1枚黄紙をゲットした中尾の勝利)。

 とはいえ、どのような組み合わせに変更したとしても、確実に2失点はイケる守備陣である札幌だけに、リーグ屈指の攻撃力を持つ京都を相手にした場合は、さすがに苦戦は免れないだろう…と思っていたら、なんとなんと開始からペースを握ったのは札幌。京都のサイドバックが上がったスペースをうまく突き、左サイドで清野や新居が、右サイドで市村や中尾が積極的にアタックを仕掛けます。先手を奪おうという札幌の攻撃に晒されますが、それでも強気にラインを上げる京都。センターバックの手島と辻本が、1999年ワールドユースの準優勝メンバーでありながら、その後ついぞトルシエ監督(当時)から代表に呼ばれることはなかったため、「500ページある」という「トルシエ・メソッド」を最初の10ページしか消化してないせいかもしれません。
 しかしそうは言っても、前線のに3人もの代表クラスの選手を抱え、その3人だけでチャンスを作り出すことが出来るのが京都というチーム。松井のクロスから崔龍洙がヘディングシュートを放つと、次第に落ち着きを取り戻しペースを奪い返します。その後も京都は容赦ないパス回しを見せます。特にピッチを縦横無尽に駆け回る松井を捕まえきることが出来ません。さすがは松井、Jリーグ公家顔四天王の一人だけあります。ちなみに残りの3人は三浦淳宏(ヴェルディ)、石川直宏(東京)、下平(柏)。さらに言うとJリーグ僧兵四天王は土屋(神戸)、北本(神戸)、岩丸(神戸)、シジクレイ(元神戸)ですが全然関係ありません。札幌は次第に自陣に釘付けにされるようになります。
 そんな中でも何とか食らいつきたい札幌ですが、たまにボールを前に運んでも新居が我慢してキープすることが出来ず、なかなかチャンスを演出することが出来ません。ここ函館は彼がデビュー戦で初ゴールを決めた現のいいスタジアムですが、それはソダンがいてこそなのかも知れません。前半39分に中尾が崔龍洙を倒してイエローカードをもらい、まずは森に対して一歩リードした以外はさしたる見せ場もなく、それでもなんとか京都の攻撃をはじき返すのが精一杯で前半は0-0のまま終了します。

 さて後半。ヤンツーは珍しく早めに手を打ってきました。新居に代えて岳也を投入。前半大ブレーキとなっていたことから考えても新居を下げるのは仕方がないとは思いますが、そうなると自動的に投入の駒は岳也しかないわけで、今更ながらにFWのメンバー層の薄さを嘆かざるを得ません。その岳也も開始1分に相川からのスルーパスに走り込んだ姿が確認されたのを最後に消息を絶ち、予想通り後半の札幌は10人での戦いとなりました。
 京都の猛攻に晒されじわじわとゴールに迫られつつあった後半19分、中央ペナルティエリアやや外でボールを受けた崔龍洙がループ気味のシュートを放つと、ややポジションを前に取っていた藤ヶ谷をあざ笑うかのようにゴールに吸い込まれ、ついに先制を許してしまいました。
 この先制点でまたがっくり来てしまったが、この先もやはりいつものように攻められっぱなし状態。松井、崔に次々とシュートを打たれます。藤ヶ谷や健作が何とか防ぎますが、追加点も時間の問題です。札幌も中尾に代えて攻撃への意識が高い権東を入れますが、シュートの意識は高くても枠に飛ばないのはいっしょなのでさほど大勢に影響はなし。さらには市村に代えて桑原を入れますが、前節のようなフリーキックのチャンスすら作らせてもらえず。なかなかうまく行きません。
 で、逆に後半37分の京都。左サイドからのクロスをファーサイドで待ちかまえていた交代出場の六車が頭で折り返すと、中央で待っていた松井が見事なボレーを突き刺し追加点。1点目は崔龍洙を称えるしかないようなゴールでしたが、この2点目は完璧に崩されての失点です。こいつぁ大笑いだ。

 開幕戦を除いて1試合に2点以上取ったことのない札幌にとって、この2点目は事実上の敗戦決定。あと残るは1点取って1-2となることだけがノルマなわけですが、結局、そこそこいい形は何度か作れてはいたものの、振り返ってみれば決定的なチャンスと呼べるものはほとんどないままで、その1点を取ることすら叶わず。札幌の警告3枚に対し、京都の警告はゼロということから見ても、札幌が京都を脅かすようなシーンがほとんどなかったことが伺えます。ちなみに後半に京都の森にイエローカードが出されるシーンはありましたが、直前にオフサイドがあり、その時点でプレイは中断されていたために取り消されています。
 というわけで、仁義なき戦い第2ラウンドも中尾の勝利となったのでした。

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