? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第22節 対アビスパ福岡
2004.7.10(WED) 東平尾公園博多の森球技場

アビスパ福岡 0-1 コンサドーレ札幌
  0-0
0-1
相川【53分】
スターティングメンバー
水谷 GK サンヒョク
平島
千代反田
藏田
アレックス
DF パパ
リーダー
健作
山形
ホベルト
米田
古賀
MF イチ
暴れん坊
タバタリアン
三沢
福嶋
増川
FW 岳也
アイカー
堀江
ホベルト→有光【56分】
福嶋→田中【70分】
アレックス→川島【83分】
交代 堀江→King of Sapporo【76分】
平島【67分】
有光【74分】
アレックス【74分】
藏田【84分】
警告 サンヒョク【37分】
パパ【44分】

試合の感想
 第2クール最後の試合、すなわち前半戦最後の試合はアビスパ福岡とのアウェイ戦。コンサドーレ札幌にとって苦手なスタジアムは数あれど、その中でもピカイチに苦手な、鬼門中の鬼門である博多の森球技場での試合となります。折しも今は7月。札幌ではまだ涼しさの残る時期ですが、内地、こと九州ではもはや立派な夏。引き分け挟んで14連敗、相撲だったらとっくに幕下落ち確定という状況の中、場所も悪けりゃ時期も悪いという試合です。
 相手の福岡は、2年越しのJ1復帰に向けて現在のところ2位と好調をキープ。しかしながら首位の川崎とは勝点で20もの差をつけられている上、3位のヴァンフォーレ甲府との勝点差はわずかに1しかありません。折しも攻撃の核であるベンチーニョが今月末の契約満了に伴い退団することが決定しており、決して安泰とは言えない状況。それだけに、ホームゲームでもありますし、川崎追撃のためにもここはキッチリ勝っていい気分で前半戦最後の試合を終わらせたいところでしょう。

 んで札幌。そうそう簡単にやられてたまるか! と言いたいところですが、相変わらずトンネルに入りっぱなし。このままだと出口が見えるどころかそのまんまトンネル内で朽ち果て地縛霊として棲みついてしまいかねないだけに、あまり強気なことは言えないのが実情。ケガで戦列を離れていた西澤が戻ってきましたが、ソダンは前節に引き続き体調不良で欠場。病名は「恋患い」だそうです。まぁどっちにしてもサポーターも「誰が入ってもどうせ2点取られんだろ?」とあきらめムードも流れているわけですが、その他は新居に替わり岳也がスタメン復帰を飾っただけで、あとは前節と同じメンバー。
 何度も書いてきましたが、ここ博多の森は過去わずか1度しか勝ったことがないばかりか、ここでゴールを挙げたのは俺王様ただ1人しかおりません。さらにこの時期は福岡ではちょうど山笠祭の時期。にも関わらず1万3千人もの観客が詰めかけ、ますます札幌にとって不利な条件ばかりです。

 というわけで、試合はいきなりペナルティエリアの外で藤ヶ谷がヘディングをミスし、福嶋にどフリーでシュートを打たれる凄惨なシーンで始まります。幸いシュートは枠を外れ事なきを得ましたが、なんともホラー映画のような入りです。ここのところ自らの課題である「守備範囲の狭さ」を克服しようという姿勢を前面に打ち出している藤ヶ谷ですが、その後前半37分にもペナルティエリアサイドギリギリまで飛び出してきてボールをキャッチしたはいいけど、勢い余って外に出てしまい、ハンドで警告をもらうシーンも見せてくれました。チャレンジする姿勢は充分に買いますが、瀕死になるまで追い込んでも能力が上がるのはスーパーサイヤ人だけなので気をつけましょう。
 さて。そんな感じで試合はほぼ福岡ペース…なんですが、ベンチーニョがいないせいなのか福岡もまぁあまりぴりっとしません。というよりは、福岡の攻撃のキモであるはずのアレックスがほとんど上がってきません。それでも福岡はどこからでも点の取れるチーム。特に米田、古賀の2人の攻撃的MFは遠目の距離からでもガンガンシュートを打ってきます。その変わりといっては何ですが2トップの決定力があまりないので、藤ヶ谷のファインセーブも相まって福岡に得点を許しません。
 札幌も何とか反撃を狙いたいところですが、どうにもこうにも攻撃の糸口をつかめません。清野はそれなりにボールを触る機会も多いのですが、なんでか彼は毎度シュートを打つタイミングがワンテンポ遅いのです。岳也もまぁこれまでに比べればずいぶんとボールを追うようになりましたが、それでもトラップのでかさは気合でカバーすることが出来ないようで、もったいないプレイも多く目につきます。相川は…って、相川はどこに行きましたか? 岳也が多少マシになったからといっても、キミが消えてしまったら意味がないんですけど。
 そんなわけで前半は0-0で終了したわけなんですが、もしかしたら福岡はこの暑さによる体力消耗を避けるため、前半は抑えていたのかもしれません。防戦一方だった札幌は体力的にはさほどの余裕はないと思われますので、ちょっとイヤな予感がしてきます。

 さて後半。予想通りやはり福岡は勝負をかけてきました。前半に比べて平島、アレックスの両サイドバックも高いポジションを取ってきており、分厚い攻めを見せるようになってきました。しかしそんな中でも先制したのが劣勢の札幌だったのですから、サッカーはわからないものです。後半8分、田畑のパスを受けた市村からのクロスボールに飛び込んできた相川がヘディングでゴールを決めて先制点を挙げることに成功したのです。
 それにしても、先制点を挙げたことも驚きですが、その先制点を挙げたのはこの時点まで完全に行方不明だった相川だったこと。というか、このゴールのあともこの試合最後までぷっつり姿をくらませることになるのですが、それでも俺王様に続き2人目の博多の森スコアラーとなりました。
 しかも札幌にとってラッキーだったのは、この得点が勝負をかけてきた福岡の出鼻をくじくものであったこと。これにより福岡にも焦りが出てきたのか、落ち着いて攻めればリーグナンバーワンの失点力を誇る札幌のディフェンスを破るのは大して苦労はしないはずなのですが、ペナルティエリアの外から無理なシュートを打ったり、サイドからのクロスも精度を欠き、なかなか札幌ゴールを破ることが出来ません。
 そして福岡にとってのもう一つの誤算は、後半の藤ヶ谷に神が降臨したことでしょう。普段札幌の神はソダンにしか降臨しないのですが、今節はそのソダンがいません。存在そのものがスペクタクルのソダン以外が神を降臨させるには、神を呼び出す儀式が必要なのですが、実は藤ヶ谷はその儀式を前半に実行しています。そう、あの開始早々のヘディングミスと、前半27分のハンドがそれです。これにより神の召喚に成功した藤ヶ谷は、以後福岡の攻撃をことごとくセーブ。
 ただその後の札幌もほとんどチャンスは作れずじまい。何度か作ったチャンスも決定力を欠き、相変わらず2点目が取れないという課題は残したまま。それでも藤ヶ谷を中心に全員で虎の子の1点を守り抜いた札幌が逃げ切りました。

 鬼門の博多の森で挙げた、連敗を止める貴重な勝ち星。博多の森では2001年の夏以来ほぼ3年ぶり2度目の勝利。そういえばその時も山笠祭の時でした。ということは、来年もぜひ山笠の時期に試合をしてもらえばいいいのかな?

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