? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第27節 対モンテディオ山形
2004.7.30(SAT) 札幌厚別公園競技場

コンサドーレ札幌 1-2 モンテディオ山形
相川【65分】 0-1
1-1
大塚【8分】
大塚【54分】
スターティングメンバー
サンヒョク GK 桜井
タバタリアン
ソダン
健作
DF 太田
小林
先生
内山
スナマコ
ゴンドー
暴れん坊
三沢
MF 秋葉
大塚
高橋
宮沢
岳也
アイカー
堀江
FW 大島
デーニ
暴れん坊→直太朗【61分】
堀江→King of Sapporo【81分】
スナマコ→イチ【83分】
交代 高橋→迫井【4分】
デーニ→林【56分】
秋葉→星【84分】
アイカー【33分】
ソダン【48分】
アイカー【68分】
警告  
アイカー【68分】 退場  

試合の感想
 後半戦に入ってからとりあえずはまだ負けていないコンサドーレ札幌は、今節はホーム厚別でモンテディオ山形との対戦です。あの昨年ですら4戦して3勝1敗と比較的相性のよい相手であるはずですが、今季は2戦して2敗とまだ勝てておらず、まぁ何というか今の札幌というのは相性とか得手不得手とはまるでかけ離れた世界にいるのだなぁと今更ながら思ったりもします。
 そんでその山形ですが、現在2位大宮とは勝点3差の4位と昇格レースのまっただ中。今季最大で3チームが昇格でき、そのことが2位以下はこれまで類を見ないほどの混戦に拍車をかけています。多少ばらけてきたとはいえまだまだ多くのチームに昇格の目が残されているわけですが、それはつまりどういうことかというとどのチームも札幌戦を落とすわけにはいかないのであり、最下位の弱っちいチームだからといって決して手を抜いてくれるわけではないのです。
 そんな中でもちろん山形もそのうちのひとつなのですが、その山形でももっとも警戒しなければいけないのが、今年に入って大きな成長を遂げ、日本人では我那覇(川崎)に次ぐ2位の得点(13ゴール)を挙げているエースストライカーの大島秀夫。上背があって足元も柔らかく、今季も既に1ゴールを喰らっているだけにもっとも注意しなければいけない選手です。これまでの歴史から見てもほぼ確実に来年はいないでしょうけど。

 で、札幌のスタメンですが、尽がケガで戦線離脱中という中で西澤が前節の退場で出場停止となり、DFの駒も不足してきました。西澤の代わりにはボランチの田畑が入り、スライドする形であいたボランチには特別指定選手の権東が久しぶりのスタメンとなりました。その他のメンバーには特に変更はありませんが、個人的にはレオナルドの出場停止で古川先生が久しぶりにスタメン復帰を果たしたこの試合、ホンコンを抜擢して真のスペクタクルを体験させるほうがオモロかったのに、と思います。
 状態としては徐々に上向きつつあり、前節水戸戦でも結果は引き分けながらもアウェイで内容のある試合が出来ていましたから、ホームのここは何とか勝利を狙いたいところですが、北海道にしては珍しく30度近くまで気温も上がり、また湿度も74%もこちらも北海道にしては高め。ちょっと心配です。

 さて、ということで大方の予想通り開始から猛烈なプレスをかけてくる山形に札幌はタジタジとなるわけですが、4分に山形の高橋健二がいきなり負傷退場するというアクシデントが発生。ちなみに破壊者は中尾でした。ケガは他人事ではないとはいえ、「ミスター・モンテディオ」と呼ばれ、精神的な支えでもあるベテランプレイヤーがいなくなったことで、札幌にとっては有利に働くのではないかと思われましたが…。人間万事塞翁が馬。これが札幌にとって、そしておそらくは山形にとっても思いも寄らなかった事態を引き起こします。前半8分、ドリブルで突破した大島が中央で折り返すと、そのパスに走り込んでいたのは大塚。本来なら高橋がやっていたであろう飛び出しがボランチの大塚だったことに意表を突かれたのか、人数が揃っていたにもかかわらずきれいに決められてしまいました。
 またしても早い時間に先制を許した札幌は、その後多少はペースを取り戻し、攻め込むシーンもそれなりに見られるようになってきました。右のウィングバックに砂川がいることで、サイドでのタメが聞くようになりサイドアタックも増えているのですが、何しろサイドを突破してもクロスがあさっての方向に飛んでいったり、たまにいいクロスを入れても微妙に合わず。うーん、なんでこう合いませんかねぇ。落下地点の予測ならば、FW陣は少しゲームウォッチの「ファイア」で修行するべきですね。今の若い人は知らないでしょうけど。
 まぁそんな感じでチャンスがあるんだかないんだかわかんないような試合展開のまま、スコアは動かず0-1で前半を終了。

 巻き返したい札幌はメンバー交代なしで臨みます。早いところ追いついておきたい札幌ですが、何度かチャンスを作るもののゴールは奪えません。逆に後半9分、山形に右サイドを突破され、ペナルティエリアやや外でボールを受けた大塚にミドルシュートを決められてしまい突き放されてしまいました。
 いや、確かに大塚のシュートは素晴らしいものでしたし、あそこに決められたら藤ヶ谷もどうしようもないとは思うんですけど、1点目と同じようにハーフの立ち上がりに、しかも守備の人数が揃っていたにもかかわらず、ボールホルダーへのプレッシャーが甘くいとも簡単にシュートを打たれるのはどうかと。もっと後ろの人間が声をかけて詰めさせていれば防げた失点だと思うんですがね。まだまだ守備の連携は不足しているなぁと思わざるを得ません。もう少し協力プレイが欲しいところなんですけど。これじゃ「バルーンファイト」の2人同時プレイでいきなりお互いの風船を割りに行くようなものですわな。
 ともかく、やっぱり2点をリードされてしまったわけですが、ここらあたりから山形の運動量が若干落ちてきたこともあり、札幌もだいぶチャンスが作れるようになります。ヤンツーは後半16分に中尾に代えて智樹を投入。すると、なぜかは知らないけど突然の大雨が厚別を襲いました。大粒の雨が降りしきる後半20分、カウンターから智樹のパスを受けた岳也が突破します。いつもであれば岳也が突破しても、彼はヘリウムより軽いだけに簡単に吹っ飛ばされて終わりなのですけど、対応に行った大塚が雨でぬかるんだピッチに足を取られ転倒。フリーとなった岳也からの折り返しを詰めていた相川が左足で決め、1点を返しました。
 しかし、1点を返してさぁこれからという矢先に、相川が2枚目のイエローを受けて退場してしまいました。カードの理由は笛が鳴ったあとにボールを蹴ったために「遅延行為」と見なされたようですが、相川は雨の音と歓声で笛が聞こえなかったと主張。ヤンツーまで出てきてピッチ上は騒然となりますが、もちろん判定が覆るわけもなく相川討ち死に。反撃の出鼻をくじかれてしまった格好だけに、札幌もまたがっくり来てしまうのかなぁと思いきや、この判定に火がついたかここから札幌は怒濤の攻撃を見せます。まさに窮鼠猫を噛むという諺通りの暴れっぷりですが、チャンスはあれどもシュートは入らず。いくら暴れようとも結局ネズミはネズミでしかありませんでした

 結局いつものように2点の壁を破ることが出来ず試合終了。多少はよくなっているとは思いますけど、終わってみればやっぱり1-2という見慣れたスコアは変わりませんでした。

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