? ヤンツー烈風隊
サッカー百鬼夜行

第28節 対サガン鳥栖
2004.8.14(SAT) 鳥栖スタジアム

サガン鳥栖 0-1 コンサドーレ札幌
  0-0
0-1
清野【81分】
スターティングメンバー
シュナイダー GK サンヒョク
朝比奈
佐藤
加藤
DF パパ
ソダン
健作
伊藤
本橋
小石
矢部
よしろー
MF 岡ちゃん
直太朗
タバタリアン
三沢
田代
竹村
FW 岳也
アイカー
堀江
小石→小井手【40分】
伊藤→グリ【75分】
矢部→下司【85分】
交代 タバタリアン→ゴンドー【63分】
岡ちゃん→イチ【72分】
岳也→クワ【89分】
  警告 三沢【54分】
パパ【70分】
ソダン【71分】

試合の感想
 前節首位川崎フロンターレに、(ジュニーニョとの)力の差をまざまざと見せつけられたコンサドーレ札幌は、今節はアウェイでのサガン鳥栖戦を迎えます。昨季はサガン鳥栖に対して全勝ち星3つのうちの1つを献上した札幌ですが、今季もここまで7勝のうち2勝を献上して順調にミツグくん(死語)となっております。
 しかし、シーズン始めこそ好調に見えたかの鳥栖は、Jリーグから要求されていたチーム存続のための条件をギリギリでクリアできず、存続がいよいよもって危なくなってきたことに歩調を合わせるようにチームも失速。ここまで引き分けを挟まずに6連敗中と全く元気がありません。チームの存続ひいては自分たちの仕事を確保するためには、ある程度の成績を残す必要があるわけですから、ここは最下位札幌を叩いて少しでも勝点を上積みしておきたいところでしょう。

 ほんで札幌は、まぁやっぱり一番最初に来るのが新居の酒気帯び運転による逮捕事件直後の試合、しかも中2日での試合はこれで3試合目です。さらには怪我人続出で満足にメンバーも組めず、オマケに札幌から一番遠い鳥栖スタジアム、トドメは時期は夏真っ盛りの8月。まぁ一番遠いと言っても空港からのアクセス等を考えれば、実は鳥栖や博多よりも一番堪えるのは甲府なんでしょうけど、下を向いたからって疲れがどうこうなるわけではないので、しんどいことには間違いないでしょう。まぁともかくいろいろと不利な条件が重なった試合がレッツビギンでございます。

 で…。前節川崎戦の直後に発覚した新居事件からまだ2日しか経っておらず、少なからず他の選手に与えたショックもまだ癒えてはいないと思いますが…札幌のメンバーはいつもの通りの試合運びを見せてくれています。単純なパスミス、単純なクリアミス、単純な連携ミス。ホントにいつもの札幌です。キャッチに行ってこぼす藤ヶ谷、ラインコントロールでいっぱいいっぱいの唯一神ソダン、その両脇で連携不足の西澤と健作、押し込まれる両サイドの岡ちゃんと和波、プレイがイマイチ軽い智樹、びっくりするほど存在感の希薄な田畑…。寸分たりとも変わっちゃいません。
 しかし、そんな中で唯一いつもと違う雰囲気を漂わせている男が1人だけいました。今季長らくオレを含むサポーターから非難批判を浴びせられていた堀井岳也です。相手かわそうとしていたのか、鳥栖DFの側でなぜかくるくる回っていた姿は、なんだかよくわからないけどいつもと違います。さらに普段の彼であれば、いくら気合が漲っていたとしても、相手とのフィジカル勝負になるとからっきしというのがパターンだったのですが、その辺りも今日の彼はひと味も違います。前半中頃には相手DF2人をなぎ倒し、それだけに留まらずさらにはオノレも玉砕。なぜだかわかりませんが、「ジャイアン殺して僕も死ぬ」というのび太のセリフを思い出しました。
 とはいえ、その岳也のはっちゃけっぷりを全て帳消しにしておつりが来るほどいつも通り動きの鈍いコンサドーレ。ろくに前線にボールを運べず、運んだとしてもボールをもらう体勢が悪いので、一発でシュートまで持っていけず苦し紛れなパスを出しては鳥栖のカットに合うなんともな展開が続きます。
 ただし、鳥栖も連敗中だけあってさすがに状態はよくありません。特別指定選手の田代(福岡大)はなかなかにいい選手ですし、小石、竹村といったいつも手を焼かされる選手もそれほど悪くはないのですけど、微妙にタイミングが合わず札幌のゴールを割ることができません。そのタイミングもホントにちょっとの差なんですけどね。チーム全体が好調時には多少のズレも結果オーライとなったりすることも多いのですが、逆に連敗中の時というのはこのちょっとの差が大きく感じることがあります。まぁ札幌の場合は大抵結果オーライを演出する立場なんですけど。いずれにしても試合の流れは全体的に鳥栖ペースだったものの、札幌が何とか守り通して前半は0-0で終了。

 後半も大まかな部分は変わらず、全体的な試合のペースは依然と鳥栖。それでも前半の40分にケガでもしたのかいとし小石が途中交代し、札幌としてはイヤな選手が1人減って楽にはなったためか、それなりに札幌が攻撃の時間を作れるようになります。しかしそうは言ってもどれもこれも有効な攻めとはなりえず。九州の蒸し暑さが災いしているのかとも思いましたが、冷静に考えてみれば日本全国どこだろうとシュートは枠に飛ばないのですから、あんま関係ないかもと思ったりも。
 そんな感じで札幌はやっぱりいつもの札幌なのですけど、それにしても鳥栖の状態も最悪に近い状態で、全くと言っていいほど選手に元気がありません。何かに疲れている、というよりは何かに憑かれているといった感じの様子です。まぁ、憑依されっぷりでは札幌もそれほど変わらないんですけど、これならいくら札幌から最も遠いスタジアムであろうとも、北海道とは比べものにならないくらいの難儀な気候だったとしても、札幌にもつけいるチャンスはありそうです。ちょっとは。というわけで後半も20分を過ぎたあたりから鳥栖の動きはますます悪くなり、札幌の作るチャンスもだいぶ増えてきました。しかしながら札幌も相変わらずクロスを上げては行き先不明、シュートを打っては行き先不明、よく見りゃ選手も行き先不明といい感じの不明状態です。
 と、それまではどこを切り取っても同じような内容の金太郎飴試合。どっちにも点が入りそうな予感がまったくといっていいほど感じられないノーモア・ウォーな状況だけに、誰もが「ま、今日は0-0だな」と薄々思っていたことでしょう。
 しかし、その予想は後半36分に裏切られました。それまで走れども走れども無駄に終わっていた岳也が、相手DFからボールをかっさらい素早くクロス。そのクロスを今までどこにいたのか相川がヘッドで流すと、そのボールの先に待ちかまえていたのは、今までどこにいたのか清野。胸トラップからそのままボレーを叩き込み、思わず札幌が先制しました。
 いつもなら先制しても追加点を取れないうちに集中を切らし追いつかれ、その後気がついてみたら逆転されているというのがパターンですが、この試合は後半残り10分を切ってからの先制点は結果的にはよかったようで、その後の10分は危ないシーンもなくはなかったもののしっかりディフェンス陣が踏ん張り逃げ切りに成功。何とか勝点3を挙げることが出来たのでした。

 ところで全然関係ないけど、鳥栖の先発メンバーに佐藤、伊藤、加藤と並んでいたのは何となくオモロかったです。アクマイザー3みたいで。

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